2014/06/21 - 2014/06/29
59位(同エリア2037件中)
琉球熱さん
毎年恒例の西表。
今年は他の八重山の島に浮気することなく、どっぷりとイリオモテに浸ることにした。
思えば昨年は台風襲来で緊急撤収。今年は台風の心配はない。
反面、例年より梅雨明けが遅れていて、旅行期間中に明けるか否か、現地からは事実上の梅雨明けの連絡はあったのだが、さて…
第一の目的であるダイビング、2日潜ったら1日休むという自分なりのルールに則って、海を休んだ日は『山』である。
実はこれがイリオモテ第2の目的。
またまたいつものネイチャーガイド氏に直談判で、マニアックなところ!とだけリクエスト。
ガイド氏がチョイスしたのは、サガリバナツアーで有名な後良川(しいらがわ)の源流。
はてさて、何が待ち受けているのやら…
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス レンタカー スカイマーク
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
サガリバナのツアーは夜明け前からスタートするが、今回はそれが目的ではないので、スタートは夜が完全に明けてから。
それでも朝8時頃。
サガリバナの時期には少々早く、それ以外にこの川をさかのぼってくる人はまずいない。 -
カヌーでの限界地点に到着すると、なんと先客がいた。
同じ店のオーナーガイドとゲスト2名。偶然にもそのゲストは、前日のダイビングで一緒だった若い夫婦。
彼らの目的は釣り。
写真には自信があるというオーナーに撮ってもらったのだが、果たして?(笑) -
彼らと別れ、我々はいよいよトレッキング開始。
スタートしてすぐ、サガリバナが落ちていた。
この花は同じ西表島の中でも、エリアによって開花時期がだいぶ違う。 -
木の幹に緑色のトカゲ。
サキシマカナヘビである。 -
小笠原で見た外来種、グリーンアノールに似ているが、こちらはれっきとした純国産。
石垣島と西表島にのみ生息する固有種で、日本に分布するカナヘビ族の中で最大である。
環境省レッドリスト(絶滅危惧種)に掲載されている。 -
エサは昆虫類。
樹上を好むらしいが、なるほど、枝から枝へ実に器用にジャンプする。
また、トカゲではあるが、尻尾は切らない。 -
頭上を見上げればオオゴマダラ。
大きい。 -
この辺はまだ道らしきものがある。
当たり前だが道標などはない。
この後、道はさらに険しくなっていく。 -
源流を目指すので、ルートは川沿い。
傍らを流れる渓流に目をやると、黒くて長い物体が・・・ -
なんとオオウナギ!
名前の通り、相当な大きさである。
このウナギ、遠目には黒く見えるが、実は迷彩色。
また、食べても大味であまり美味しくないらしい(笑) -
途中、道がなくなり、渓流を歩く。
文字通りジャングル。 -
オキナワキョウチクトウの花が沢山落ちていた。
樹液は強い毒性を持つ。
西表では「ミフクラギ」=目が潰れる木と呼ばれている。 -
ここにもまたサガリバナ
-
再び茂みに入る。
正に藪漕ぎである。
渓流の両側を何度も渡渉しながらの、道とも言えない道を辿って行く。
当たり前だが、素人だけで来るのは大変危険だ。
実際、この島では山間部で何人もの遭難者が出ているのだ。
その多くは遺体すら発見されていない。 -
こんな道にも三角点。
すごい・・・ -
再び渓流へ
実はこの辺りで盛んにリュウキュウサンコウチョウが鳴いており、メスの姿を確認することができた。
巣と思しき塊も発見。妙に興奮(笑) -
サービス精神旺盛のガイド氏は、いつもこうやって写真を撮ってくれる。
ほんとはどちらでも良いのだが(笑) -
やれやれ、リバートレッキングになってきた・・・
道中こんな感じなので、下には水着。
シャツもズボンもドライ素材である。
日焼け対策だけではなく、どこで何があるかわからないので、長袖長ズボン。
幸い水に浸かることも多いため、見た目ほど暑くはない。
シューズは沢歩き用の専用ブーツ。これはレンタル。 -
この白い花はメヒルギ・・・だと思うが。
マングローブの中では地味な部類だ。 -
西表にまつわるイメージの一つに「ジャングル」があるが、それは西表に対して「未知」であるだけで、ジャングルの島というわけじゃない、とこれまでは思っていた。
しかし、今回ばかりは、やはり「ジャングル」という表現もそれほど的外れではないな、と感じた次第。 -
ひょっこり姿を現したセマルハコガメ。
絶滅危惧種にして天然記念物。 -
ジャングルはまだまだ続く・・・
-
ぼけちゃったけど、ギランイヌビワ
幹に直接、幹生花(かんせいか)を付けるのが特徴。 -
小休止、傍らの渓流を覗くと、水はとてもキレイで魚がいっぱい。
-
川面に張り出した枝には、シマオオタニワタリが寄生。
-
またしても川の中を進む。
ちなみに、ザックは防水ではないが、ザックの中に防水バッグを仕込んで、荷物はその中。
ガイド氏は完全防水仕様のザック。 -
コナカハグロトンボのオス
所変われど、ハグロトンボは水辺にいるという点は全国共通。
このコナカハグロは、石垣と西表にのみ生息する。 -
ちょっとぼけてしまったが・・・
アカナガイトトンボ
真紅の体がとても美しいトンボだった。 -
カメラを渓流の中に突っ込んで、あたりを付けてシャッターを切った。
ナンヨウボウズハゼが運良く撮影できた(笑)
上から見ていてはわからないが、実はこんなに美しい姿。淡水魚とは思えない。
手前の岩に張り付いた白いゴマのような物体は、貝の卵らしい。 -
途中、こんな深い淵も。
ここは中央部がことのほか深く、比較的浅い岸の淵を伝い歩き。 -
ようやく浅瀬
深い場所から脱出。 -
休憩中の一コマ。
既に胸まで浸かってしまったので、ヤケクソ気味に首まで浸かる(笑)
まるで温泉に入っているような図。 -
これはカラコンテリギか?
アジサイの仲間のようだが、萼の色がとても上品な緑。
ガイド氏も初めて見たようで、盛んに写真を撮っていた。 -
しばらくこんな浅い川を進む。
そろそろ源流に近いか!? -
両岸にはヒカゲヘゴをはじめとした亜熱帯を思わせる樹木が生い茂っている。
川の水量は劇的に少なくなってきており、いよいよか!と期待も膨らむ。 -
こんな上流にもサガリバナ。
誰にも見られないまま散っていく運命か -
見上げれば、サガリバナの木。
パンパンに膨らんだ蕾。
きっと明朝開花するのだろう。 -
オヒルギの見事な根。
傍らには特徴である膝根。 -
オヒルギの花
しかしオヒルギは通常河口付近に多く見られるんだが、こんな山奥にも生えるものなんだな -
さて、遂に到達!である。
あと一歩きすると後良川の源流だ。 -
そこは小さな滝になっていた。
正真正銘の行き止まり。
これで西表の川の源流踏破は3本目。
しかし、川の源と言うのはどの川でも、到達しても特にやることもない(笑)
山深い場所なので、景観が望めるわけでもなく、言ってしまえば
「うむ、来たな」
で終わる。
西田川の時もそうだったが、今回も同じ。
変化に富んだコースや生物たちを観察することが楽しいわけで、万人請けするとは思えない。
我々もここでは写真を撮ってそそくさと撤収(笑) -
それじゃ、この源流ツアーが楽しくないのかと言うと、とんでもない。
目にすることが少ない生物たちをじっくり観察しつつ、水遊び的要素もあり、さらに多少危ない個所も五感をフル稼働させながらクリアしていくのだ。
ダイビングやカヤックツアーとは一味違った面白さが、間違いなくそこにはある。
この後、干潟のカニを観察し、古見岳の登山口まで歩き、水源地を眺め、、、
その間、リュウキュウアカショウビンが目の前を横切るわ、リュウキュウイノシシが飛び出してくるわ、まっさらの自然を体感した一日となった。
※このガイド氏の奥方が、「その2」で記した手織りのストールの作者だったとは…
〜〜〜その4に続く・・・
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この旅行記へのコメント (2)
-
- 56さん 2014/08/25 01:06:03
- 川の中をあるくトレッキング
- 琉球熱さん
ついさっき滝を見に川の中をトレッキングしてきて帰ってきて、琉球熱さんの旅行記を拝見したら、川の中で首までつかるトレッキングをされていて思わず「おおっ」とあっというまに読破してしまいました。
西表島は海有り、ジャングル有り、めずらしい動物有りで楽しそうですね。
そのうちこの島まで足を伸ばしてみたいものです。
素敵な旅行記をありがとうございました。
ではまた
-56-
- 琉球熱さん からの返信 2014/08/25 22:40:03
- RE: 川の中をあるくトレッキング
- -56-さん、こんにちは
投票&書き込み、ありがとうございます。
西表は私の大のお気に入りの場所です。毎年、何があっても西表行だけは外しません(笑)
生物好きには堪らない島だと思います。
-56-さんご一家もアウトドア派のようですから、きっと存分に楽しめると思います。
もし行くかれるのであれば、是非島に宿を取ってください。日帰りする人も多いのですが、あまりにもったいないです。
今後ともよろしくお願いします。
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