2015/07/14 - 2015/07/14
88位(同エリア2032件中)
琉球熱さん
西表でのダイビングの狭間、窒素抜きを兼ねて山に行く。
これはここ数年のお決まりのパターン。
そして同行をお願いするガイドも、これまで5回ほど“マニアック”なポイントを案内してくれた御仁。
こちらの体力レベルもわかっているし、好みも理解してくれている。何より、西表の隅々までを知り尽くしていて、まさに生き字引のような人だ。
そして今回も「どこか面白いところ」という極めていい加減なリクエストにガイド氏が選んだのは『ユツンの滝』。
そこそこハードだと言うが・・・
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 徒歩
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-
さて、トレッキングの朝、天気がハッキリしないが、ちょっと早起きして“あるもの”を探しに散歩。
日程の前半お世話になった「母家」は、知人宅に泊まっているようなくつろげる空間、それでいて適度な距離感。確かに快適だ。
人気があるのもうなづける。民宿 母家 mamaya <西表島> 宿・ホテル
-
母家の裏庭(これは到着日に撮影したもの)。
海は見えないが、開放感のある芝生。実際、どこまでが母屋の敷地なのかわからない(笑) -
食堂はこじんまり。定宿のうえはら館とはまるで違う。
それもそのはず、母家の客室はわずか4つ。
共同で利用できる冷蔵庫、ビールとさんぴん茶は冷蔵庫に常備。自己申告制でチェックアウト時に精算。
インスタントコーヒー、泡盛、緑茶(粉末)は自由。 -
話を元に戻そう。
朝の散歩、宿の周りは店や自販機は全くない。
夜になれば、沿道の木にはヤエヤマオオコウモリがいたりする。
そんな道をぶらりぶらりと歩く。
雲が多いが、太陽が顔を出してきた。 -
宿の前は緩やかな下り坂。
その先に太陽が昇り、かすかに海も見えてくる。
左の大きな屋根は、高級宿「ティンヌカーラ」。 -
さて、“あるもの”を探して視線を上げてみると、ほどなく発見!
多分、間違いないだろう。
そっと近づいて見る。 -
カンムリワシ
西表島と石垣島にのみ生息する猛禽類にして特別天然記念物。
(与那国でもまれに確認されるらしい)
名前の由来になっている「冠羽」も見えた。
両生類、爬虫類、甲殻類、昆虫類等を捕食する。特にヘビがお好みらしいが、ここ西表島では、夜間にクルマに轢かれたカニや小動物の死骸を目当てに、朝、道路沿いに出没することが多い。
このカンムリワシ、猛禽類のくせに狩りが下手。
普通、鷹や鷲は空中で小鳥を襲ったり、滑空して小動物を狙ったりするんだが、どうもその手のかっこいい狩りはできないらしい。
地上に降りて攻撃するというのだから、当然、ねずみなどは相手にできず、カニやカエルと言った動きの遅いものを狙うしかない。
それでも、朝になれば道には“食糧”が落ちているのだから、食うには困らないのだろう。 -
移動した電柱の真下まで行ってみた。
さすがに近づきすぎたか、飛び立つと遠くまで行ってしまった。
精悍な顔をしているのに狩りが下手。
運動神経の悪いイケメン、というところか(笑)
それにしても、なんとも西表らしい生物ではないか。 -
歩道に散乱していた鳥の羽。
明け方にここで起こったであろう、文字通り命を賭けた戦いの跡。
捕食者は誰だったのだろうか? -
さて、突然、川。
ユツンの滝は、その名の通りユツン川の上流にある。
西表島の滝の多くがそうであるように、このユツンの滝も、登山道と沢歩きを行ったり来たりしながら登って行く。 -
ユツンの滝の場所は大体この辺。
実は注意深く見れば、一周道路からも確認できる。
島最高峰の古見岳に縦走も可能だ。
ただ、道路脇に駐車場はあるものの、そこからの眺望が良いわけではないので、普通は通り過ぎてしまう。
知っている人しか足を止めることはないだろう。 -
ルート上にあった極彩色のキノコ。
いかにも南国らしい。きっと毒あり… -
小休止ポイント。
西表では藪漕ぎも多いので、どんなに暑くても長袖長ズボンである。
そして首には汗拭き用の手ぬぐい。まるで農作業だ(笑)
しかしこの日はたとえようもなく蒸し暑く、この時点で既に手ぬぐいはびしょびしょ。
川にザブザブ入ることで自然にクールダウン。うまくできたものだ。これがなければ暑さで参ってしまうだろう。
そしてとうとう雨もぱらつき始め、カメラは防水バッグの中にしまい込む。
以降、写真の多くはガイド氏が撮影してくれたもの。 -
岩盤の上を流れる川、そしてお決まりのポッドホール。
これも西表の風景。
流れの中にもポッドホールはあるので、呑気に歩いていると、「落ちる」(笑)
そして「落ちた」・・・
太ももあたりまで落ちたから相当な深さ。
用心に越したことはない。 -
ガイド氏が案内してくれる場所は大概、人が来ない所。
無論、それをリクエストしていることもあるんだが、ガイド氏自身も所謂観光スポットは好きではないようで、こんな点も気が合うところだ。
「登山道」とは書いたが、正確には林野庁やNTTなどの作業道。
従って道は整備されておらず、藪漕ぎは当たり前、時に道が途切れることもある。そんな時は川に入って行くわけで、流行りの「シャワークライミング」や「沢登り」とはちょっと雰囲気が異なる。つまりオシャレじゃないのだ(笑) -
突然ユツンの滝
雨で写真も撮らず、黙々と歩いたためか、スタートしてから1時間半程度で到着。 -
イチオシ
三段の滝は勇壮で、これまで西表で見た滝の中で一番見事。
-
あまりの見事さにしばし言葉を失う。
晴れていれば… -
岩場もあるというのでヘルメット着用。
しかし贔屓目に見ても、これじゃどこぞの『現場』だな。 -
滝の姿を堪能し、さてそろそろ上まで行きますか!の図。
-
滝の脇に作られた道を登り、滝上に。
西表の深い緑が眼下に広がる。
あいにくの天気で視界は良くないが、ガスがかかった景観もまた幻想的。 -
際に立ってみる。当たり前の話、柵もロープもない。落ちたら一巻の終わり。
どうでもよいが、登ってくる最中に、人生初のヒル被害。
あの丹沢でさえ用心を重ねて一度もやられたことがなかったのに、である。
まぁ、忌避剤をぶっかければ終わりで、痛くも痒くもないからどうと言うことはないのだが・・・ -
滝最上部から一段目の“棚”に降りてみる。
足場が悪いので、ロープは離さない。 -
で、またその際。
何が起こるかわからないので、これ以上先には行かない。 -
崖の縁から下を覗く。
ガイド氏がそれ以上乗り出すな、動くな、と珍しく神経質になっている(笑)
それにしても、相当な高度感。
こりゃ恐い。生身剥き出しゆえのスリル。
鋸山の「地獄のぞき」などはこの比ではない。 -
雨は一向に止む気配なく、滝上で雨宿りできるわけもなく、下山。
当初はここから古見岳に縦走するプランだったが、雨で足場が相当悪くなっていることもあり、さらに眺望は全く望めないこともあって、そのまま引き返すことにした。
滝の下まで戻って驚いたのは、わずか数十分の間に水量が目に見えて増えていたこと。
こりゃ、もたもたしているとアブナイ、、、というわけで先を急ぐ。 -
さあ、ここまで来れば大丈夫、という地点でようやく昼メシ。
しかし雨は止まず、雨を避ける場所もなく、ずぶ濡れのまま、雨水と一緒に握り飯を食らう(笑) -
途中、4人のグループとすれ違ったが、増水最中の川を無事に往復できただろうか?
ピナイサーラ、カンピレー、マリュドゥ、西田川、水落と数々の滝を見てきたが、今回のユツンの滝は独特の雰囲気があって、私の中では一番となった。
雨による増水の早さも目の当たりにしたし、ヒルにもやられたし(笑)、空気が変わる境目を体感、天候には恵まれなかったものの、収穫大のトレッキングだった。
宿に帰ると、驚かれた。
ユツンの滝に行った割には帰りが早い、ということらしい。
それはそうだろう、水遊びをするわけでもなく、黙々と登り下って来ただけだから。
シャワーを浴びて、明日からのダイビングに備える、、、と言って昼寝(笑)
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この旅行記へのコメント (7)
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- yasumさん 2017/04/11 04:23:29
- ジャングル探検
- 琉球熱さん、こんばんは。
質先日は質問に答えて頂きありがとうございました。
教えて頂いたガイドですが、たまたま父がオーナーガイドと知人でしたので、その人に生き物探索、ジャングル探検ツアーをして頂くことになりました。
日記を見ているとワクワクして、7月まで待ち遠しいです。今回は、八重山に10泊してきます。
- 琉球熱さん からの返信 2017/04/11 22:52:29
- RE: ジャングル探検
- yasumさん、こんばんは。
投票、書き込みありがとうございます。
> 教えて頂いたガイドですが、たまたま父がオーナーガイドと知人でしたので、
何と言う偶然!
ロビンソンさんかな?高市さんでしょうか?
知り合いであれば安心ですね。秘密のスポットも教えてもらえるかも?
西表は楽しいですよ〜
遊び尽くしてください!
- yasumさん からの返信 2017/04/12 00:53:41
- RE: RE: ジャングル探検
- 琉球熱さん、ご返信ありがとうございます。
父の知り合いは、ロビンソンさんです。
私自身、20年ぶりの西表島なので、どう変わっているか楽しみにしております。
また、後日、日記にして報告しますね。
-
- kuniさん 2015/08/08 12:17:22
- ジャングル探検ですね
- 琉球熱さん、こんにちは。
西表島は熱帯のジャングル状態なんですね。
そこをまるで探検隊のようにトレッキング、楽しそうですけど、やっぱり暑いんでしょうね。
そこに山があれ登る琉球熱さんの志には敬意を表します。
今年、私はまだ一度も山に登れてなくて(南山はロープウェーだったので)、なんとなーく白馬が私を呼んでいるような気がするものの、計画立たずです。
琉球熱さんの登山旅行記を拝見しながら登山気分を味合わせていただければ幸いです。
kuni
- 琉球熱さん からの返信 2015/08/10 22:15:19
- RE: ジャングル探検ですね
- kuniさん、いつもありがとうございます。
西表のトレッキングツアーは多かれ少なかれ、ジャングル気分を味わえます。
私がいつもお願いするガイド氏は、「気分」じゃないジャングルに連れて行ってくれます(笑)
夏場の樹林帯は蒸し暑く、正直げんなりするんですが、適度に沢に入って行くのでバランスが取れるってところが西表のスゴイところでしょうね。
西表の旅行記がまだまとまっていなくて、その後に仙丈ヶ岳や苗場山、平標山で遊び、まったく整理ができていません(笑)
もう少しお待ちを・・・
-
- batfishさん 2015/08/07 21:03:36
- ヒル!
- 琉球熱さん こんばんは!
マニアックなトレッキング?ですね〜
なんかヒルとか出ないのかなぁ…と思いながら読み進んでいたら
やはり出ましたか!?
吸血の被害はなかったですか???
雨なのも西表っぽくていい雰囲気だと思いました(^^)
batfish
- 琉球熱さん からの返信 2015/08/07 22:38:05
- RE: ヒル!
- batfishさん、こんばんは
毎日暑いですね〜
さて、投票ありがとうございます。
ヒルが出ると思いましたか? さすがです(笑)
あらかじめ聞いてはいたのですが、まさか自分がやられるとはね。
某ちゅうスプレーをかけると、面白いように“ポロリ”と落ちます。
その後は血がダラダラ、量は大したことありませんが、しばらく止まりません。聞いていた通りで、妙なところに感心してしまいましたよ(笑)
ユツンの川をさかのぼって行くと、ある地点からなんとなくひんやりとした空気に変わります。ちょっと面白いです。
それまでがやたらと蒸し暑く、沢に入らなければバテてしまうでしょう。うまくできているものです。
batfishさんが黒島に行く前に、黒島旅行記をアップできるよう頑張ります!
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