2011/09/24 - 2011/09/24
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ドクターキムルさん
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鎌倉市扇ガ谷2にある扇ノ井は扇ガ谷の地名の起こりになったと言われている。亀ヶ谷坂と相馬次郎師常墓参道との間の小路にある。扇ノ井は確かに扇形をしているが、それで名前が付いたとも、あるいは、源義経の愛妾静御前が扇を納めたからとか静御前と結び付けた説も言われている。平成の始め頃までは水が飲めたが、今は扉窓を開けて見るとほこりが浮かび、もう飲むことはできない。800年も飲んできた井戸の水が飲めなくなったのであるから、全く残念なことである。
それでも、この扇ノ井がある地は鎌倉では稀有の場所であったので感激した。鎌倉十井と呼ばれた井戸が800年を経ても残っている以上に、ここ本田家が800年もこの地に住み続けていることも驚きだ。また、扇ノ井の向かって左側には入口の小さなやぐらがあるが、奥にも堀られた凸形をしており、その広さは鎌倉では最大級である。やぐらは2段になっており、上段には本田(本多)家の御先祖様と思しき墓石が並んでいる。丁度、浄光明寺阿弥陀堂(仏殿)横にあるやぐらの中の大伴神主家墓所の墓石と同じ材質のように見える。扇ノ井の右側には2階建(造り)になったやぐらがある。これほど大型の2階建(造り)のやぐらは珍しい。すなわち、扇ノ井(鎌倉十井)、800年間同じ地に住み続けてきた本田家、本田(本多)家の御先祖様の墓(やぐら)、最大級の広さのやぐら、大型の2階建(造り)のやぐらが揃っているのだ。
車庫の横、高橋宅の通用口から入って見させて頂いた。残念ながら、大型の2階建(造り)のやぐらは鉄筋コンクリートで補強されているが、最大級の広さのやぐらには各隅に梁を通した溝が残り、朱垂木やぐらを思い起こさせる。こうした補強で変わってしまっていくことが残念であるが、史跡指定もされずにいることは不思議な感じがする。
(表紙写真は扇ノ井)
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本田家駐車場奥にポンプが見える。
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石碑の「井」は見える。
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扇ノ井(鎌倉十井)。窓が付けられ、本田家の娘さんが開けてくれた。中を覗くと直ぐに水面であり、小さなごみが浮かんでいる。子供の頃まではこの扇ノ井の水を飲んでいたそうだが今はもう飲めなくなっている。
昭和の終り頃までは井戸さらいを行っていたと植木職人が言っていた。井戸はとても深く、綺麗な水が湧き出ていたという。
また、20数年振りに井戸さらいをすれば元のように飲めるようになるのであろうか? -
「扇ノ井」。側面には「贈 鎌倉ライオンズクラブ」と彫られている。傍の小さな石碑は鎌倉石のために磨耗して文字が見えない。江戸時代に建てられた「扇ノ井」石碑であろう。
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傍の小さな石碑は鎌倉石のために磨耗して文字が見えない。江戸時代に建てられた「扇ノ井」石碑であろう。
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「扇ノ井」と井戸水を汲むためのポンプ。
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ポンプ。井戸水は飲めないが庭の打ち水に使っているようだ。鎌倉にはこうしたポンプが多く残っている。
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ポンプ。
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石仏と「扇ノ井」のポンプ。
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石仏。
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石仏。建立年は見えない。
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横須賀線沿いを流れる「扇川」も名を貰っている。
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