2026/05/12 - 2026/05/28
85位(同エリア367件中)
クリスさん
2026年のスペイン旅行はバレンシア往復で、アラゴン、カステリア・ラマンチャ、カステリア・イ・レオンのセゴビア県、エストレマドーラ、アンダルシア、ムルシア州の3000km近くを車で巡る周遊旅行となりました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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アルベンディエゴは、カスティーリャ=ラ・マンチャ州グアダラハラ県北部、シエラ・ノルテ山地の麓に位置する人口はわずか数十人の小さな村です。村はずれの墓地に隣接して小さなサンタ・コロマ教会(Iglesia de Santa Coloma)が建っています。アティエンサからは北東へ約25km、車で30分ほどの距離にあります。鍵はオルテガ氏が持っています。車で追走しながら、人影もまばらな風景の中に現れるこの教会にやってきました。あいにく雨も強くなり寒さも厳しくなってきました。
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サンタ・コロマ教会は、12世紀末から13世紀初頭にかけて建設された後期ロマネスク様式の教会です。かつては修道院に属していましたが、修道院は失われ、現在は教会建築のみが残されています。また、15世紀頃の改築によって一部に後世の要素が加えられており、その長い歴史の歩みを今に伝えています。
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内部は単身廊式で、身廊の先には半円形の後陣とその両側に小礼拝堂が配置されています。太いアーチと堅牢な石積みによって構成された空間は簡潔ながら力強く、華美な装飾に頼らないロマネスク建築の美しさをよく伝えています。
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主後陣には、この教会を象徴する石格子窓(セロシア)が設けられています。円や星形を組み合わせた幾何学模様の透かし彫りが特徴で、窓から差し込む光が聖域に独特の陰影を生み出しています。ロマネスク建築の中でも特に個性的な意匠として知られ、サンタ・コロマ教会を代表する見どころとなっています。
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側壁の窓には独特の吊り下げ装飾が見られます。後陣の石格子と同様に東方的な意匠を感じさせるもので、一部の研究者は聖ヨハネ騎士団との関連を指摘しています。
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後陣はサンタ・コロマ教会最大の見どころであり、この建築の美しさが最も凝縮された場所です。三つの後陣に設けられた石格子窓には円や星形を組み合わせた幾何学模様が刻まれ、キリスト教世界とイベリア半島の多様な文化的伝統が交差する中世スペインらしい意匠を見ることができます。静かな村に佇む小さな教会でありながら、その後陣はスペイン・ロマネスクを代表する傑作のひとつとされています。
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次に教会はアルベンディエゴから北東に17km時間にして約20分どのにある小さな村カンピサバロス(Campisábalos)のサン・バルトロメ教会(Iglesia de San Bartolomé)。12~13世紀に建てられた非常に貴重なロマネスク様式の教会です。
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単一半円、後陣はロマネスクの状態をよく残しています。
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一番北側の窓が最もオリジナルを残すといわれ、窓上部の枠にはハート型を編み込んだような美しい植物文様の装飾が施されています。この緻密な幾何学模様は、キリスト教ロマネスク建築でありながらムデハル様式の職人の手が加わった、あるいはその強い影響を受けた貴重な作例として評価されています。
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コーニスには動物等の彫刻を見ることが出来ます。この村は、シエラ・ノルテ山地の山の中に入ってきますので標高も高くなり、寒くなってきて霙交じりの天候になりました。
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南側の柱廊は後世の改変を受けているものの、この地方のロマネスク建築に見られる特徴的な空間構成を知ることができます。
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柱廊の内側にある南側の扉口は13世紀の初頭に増設されたとされ、5重のアーチで構成され、内側のアーチには鋸状の模様が刻まれています。側柱はシンプルな植物模様が刻まれた柱頭があります。
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柱廊内部には台座の上に摩耗した数基の墓碑が置かれ、その横に石棺も置かれています。これらの墓碑は、教会の前に存在した墓地から運ばれて来たようです。
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単廊式の身廊と半円形後陣からなる簡潔な内部空間。木造屋根と大きな勝利アーチが印象的で、カスティーリャの農村ロマネスクらしい素朴な美しさを今に伝えています。
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大きな勝利アーチの奥、半円形後陣の主祭壇には磔刑のキリスト像が置かれています。華やかな装飾を排した空間は、この地方の農村ロマネスクらしい静かな祈りの雰囲気を今に伝えています。
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螺旋階段を登り、鐘楼の上まで上がることができました。鐘楼は16世紀に増築された部分で、柱廊の一部を改変して設けられています。その結果、本来はシンプルな単身廊教会であった建物に、独特のシルエットが与えられることになりました。
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身廊の西端には、後陣と対をなすように聖歌隊席が設けられています。その下には洗礼盤が置かれていました。
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洗礼盤は12世紀末から13世紀初頭にかけて制作されたロマネスク様式の作品です。装飾は縦方向の線刻のみという簡素なもので、その素朴な造形が印象的でした。
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教会に寄り添うように建つサン・ガリンド礼拝堂(Capilla de San Galindo)。サン・バルトロメ教会とともにロマネスク建築複合体を形成しており、地元では村の開拓者であり恩人とされる騎士サン・ガリンドの名を今に伝えています。
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礼拝堂の外壁には、「カンピサバロスの農事暦(Mensario de Campisábalos)」として知られる貴重なレリーフが残されています。1月から12月までの各月を擬人化し、豚の屠殺や種まき、収穫など、一年を通じた農作業や人々の暮らしが描かれています。
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サン・ガリンド礼拝堂の扉口は、本堂の扉口と同じ工房の仕事と考えられています。細部まで共通点が多く、両者の関係をうかがわせます。ロマネスクにムデハルの要素が融合したアーチが印象的です。
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農事暦のレリーフは礼拝堂の外壁を帯状に巡り、12か月を象徴する場面が連続して刻まれています。一つひとつの彫刻は小ぶりながら表現は豊かで、中世の人々の労働や暮らしを身近に感じさせてくれます。
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農事暦の始まりには、向かい合う騎馬の騎士たちによる戦闘場面が刻まれています。この場面の後に、1月から12月までの月暦図像が順に続いていきます。
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礼拝堂の側壁と柱廊への入口です。ここからは、サン・ガリンド礼拝堂が教会の身廊と並んで建てられている様子がよく分かります。
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教会南口のある柱廊の壁に設けられた窓です。この窓はサン・ガリンド礼拝堂の明り取り窓として機能しています。窓の横に刻まれた名前は中世のものではなく、スペイン内戦の犠牲者を記念するものです。
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サン・ガリンド礼拝堂後陣の窓を飾る石造格子。精巧な幾何学文様はこの礼拝堂を象徴する意匠のひとつで、ムデハルの影響や聖ヨハネ騎士団との関わりを伝えるものとされています。
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サン・ガリンド礼拝堂の内部。オルテガ氏との会話で夢中になってしまい、気づいてみたら礼拝堂の内陣全景を撮り忘れておりました。あとは残った写真だけでご容赦ください。
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礼拝堂の後陣におかれた石棺はサン・ガリンドの物といわれています、伝承によれば、この礼拝堂は村の開拓者であり恩人とされる騎士サン・ガリンドを記念するもので、現在も地元では深い敬意をもって語り継がれている。
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礼拝堂内部の身廊と内陣を隔てるビクトリアアーチの柱頭。損壊した箇所があるのが残念ですがなかなかの傑作です。人の頭を持つ怪鳥、鳥の体を持つ人魚等だそうです。
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横から見ると弓を射るケンタウロスを見る事が出来ます。
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対面の柱頭もかなり摩耗していますが、グリフォンとドラゴンの戦いといわれました。
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サン・ガリンド礼拝堂の身廊西端です。半円筒ヴォールトに覆われた簡素な石造空間は、ロマネスク建築らしい静謐な雰囲気を今に伝えています。
以上で、オルテガ氏のガイドによる教会見学は終了です。不思議なご縁から知り合い、さらに同行ガイドまで務めてくださいました。貴重なお話を伺いながら見学できたことに、心より感謝しています。 -
オルテガ氏と別れて、次に訪問したのはアルキテ(Alquité)にあるサン・ペドロ教会(Iglesia de San Pedro)。カンピサバロスからは西に30kmほどの距離にあります。ここはカスティリャ・イ・レオン州のセゴビア県の標高1,200mの高地にある村で人口は昨年調べで5人とあります。
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このサン・ペドロ教会は週末の午前中に11:00~13:30まで公開されているとのことで見学を期待していたのですが、前の訪問先で予定以上に時間がかかってしまい、到着したのは14時近く。残念ながら内部を見学することはできませんでした。
この教会は12世紀に起源を持つ小さなロマネスク教会です。内部には三重の半円アーチで構成された内門があり、そのアーチには人物や動物などの奇妙で幻想的なモチーフが彫り込まれています。今回見ることができなかったのは、今回の旅で数少ない心残りのひとつとなりました。 -
次にやって来たのはドゥラトン(Duratón)。アルキテからは車で西に27kmほどの距離にあります。ドゥラトンは、雄大な自然と歴史遺産が共存する30人弱の小さな村です。郊外の田園地帯にある写真の教会は聖母被昇天教会(Iglesia de Nuestra Señora de la Asunción)。建設は12世紀末から13世紀初頭とされ、セゴビア地方を代表するロマネスク建築のひとつとして知られています。
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教会の傍らには中世のネクロポリスが広がり、岩盤を彫り込んだ人型墓が数多く残されています。これらは教会の成立以前にさかのぼる可能性も指摘されており、この地の長い歴史を物語っています。
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田園風景の中に佇む単身半円アプス。飾りすぎることのない均整の取れた姿は、セゴビア地方のロマネスク建築らしい落ち着いた美しさを感じさせます。近づくと、窓や持ち送りに刻まれた精巧な彫刻が目を引きます。
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後陣中央に開かれたロマネスク窓。細長い開口部を囲む半円アーチと二本の円柱が端正な印象を与えています。柱頭には精巧な彫刻が施されており、この教会を手掛けた職人たちの高い技術をうかがうことができます。こうした彫刻装飾は柱廊にも数多く残されており、ドゥラトンの大きな見どころとなっています。
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東側の扉口はこの回廊の東端に位置し、20世紀の修復を経て、現在は極めて良好な保存状態が維持されています。建築的な調和が素晴らしく、セゴビア地方の農村ロマネスクにおける美しい事例として高く評価されています。
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後陣から南側へ回ると、教会の全景を見渡すことができます。連なるアーチを備えた柱廊と中央の扉口が美しく調和し、この教会を代表する景観をつくり出しています。次は正面の扉口を見てみましょう。
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柱廊中央の南扉口。複数のアーキヴォルトで構成された典型的なロマネスクの扉口で、縁には植物文様を中心とする精緻な彫刻が巡らされています。後陣の窓装飾とともに、この教会を手掛けた工房の優れた石彫技術を物語る見どころのひとつです。
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柱廊の東側。植物文様や彫像が刻まれた美しい柱頭と双子柱が4連続のアーチを支え、軒下に並ぶ様々な顔や怪物の彫刻とともに、ロマネスク建築ならではの力強い立体感を見せています。
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柱廊の西側。手前の精緻な植物文様の柱頭から西側へと整然と続くアーチの列並びが美しく、軒下にずらりと連なる個性豊かな彫刻群と相まって、回廊全体に豊かな表情を与えています。
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西側、写真の中央は受胎告知の場面が彫られています。ドゥラトン工房(Taller de Duratón)の石工たちの技術の高さが伺える作品です。
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こちらは石工たちが作り上げたローマ風の柱頭。古代ローマへのリスペクトと、中世の職人の圧倒的な技術の高さが凝縮されています。
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扉口近くにある精緻なバスケット文様の柱頭。複雑に絡み合う植物のつる草に、当時の職人集団の圧倒的な計算美と技術の高さがうかがえる傑作です。
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東側にはドゥラトン教会の最高傑作の一つである東方三博士の礼拝の柱頭。中央に聖母子、左側に跪く博士、そして右側には頬杖をついて眠る聖ヨセフが非常に表情豊かに彫り込まれています。
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同じ柱頭の反対側は、星に導かれ騎馬でベツレヘムへと急ぐ東方三博士。馬の躍動感や衣服のひだ、緊迫した旅の空気感まで見事に表現されており、この工房の卓越した物語性と技術の高さがうかがえる傑作です。
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外回廊に守られた聖堂内へと続く正面扉口。何重にも美しく重なる半円アーチには、緻密な植物文様や星型・花型の装飾が隙間なく刻まれています。それを支える左右の円柱と、彫刻が施された柱頭が、堅牢な木製の扉を格式高く引き立てています。教会は現在閉鎖中ということですが、外観、この柱廊玄関を見るだけでも価値のある場所です。
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次の教会は、ソトサルボス(Sotosalbos)にあるサン・ミゲル教会(Iglesia de San Miguel)。ソトサルボスはセゴビア(Segovia)近郊に20kmほどの距離にある人口132(2025年調べ)の街です。ドゥラトンからは南西に43kmになります。
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ソトサルボスのサン・ミゲル教会は、セゴビア県を代表するロマネスク建築のひとつとして知られています。建設は12世紀を中心に進められ、13世紀初頭までに現在の姿がおおむね整えられたと考えられています。もともとは単身廊と方形の後陣からなる比較的簡素な教会でしたが、その後、鐘塔や南側の柱廊(ガレリア・ポルティカーダ)が増築されました。さらにロマネスク時代以降には北側の増築や屋根の改修も行われ、長い歴史の中で姿を変えながら受け継がれてきました。
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柱廊の側面に開かれた扉口。複数のアーチを重ねた奥行きのある構成はセゴビア地方のロマネスクに共通する特徴で、控えめながらも洗練された美しさを見せています。石に刻まれた装飾からは、この教会の建立に携わった職人たちの確かな技量をうかがうことができます。
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柱廊正面の扉口。波紋のように幾重にも広がる半円アーチが深い奥行きを生み出し、この教会を象徴する印象的な景観をつくり出しています。しかし、さらに目を引くのはその上に並ぶ持ち送り彫刻です。人物や動物など多彩なモチーフが生き生きと刻まれ、柱廊全体に豊かな表情を与えています。建築の美しさと彫刻装飾の見事さが調和した、サン・ミゲル教会屈指の見どころです。
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扉口の横には、美しい柱廊玄関が続いています。5連の半円アーチが並ぶ姿は開放感にあふれ、サン・ミゲル教会を象徴する景観のひとつです。植物文様を刻んだ柱頭にも見どころが多く、セゴビア地方ロマネスクの魅力を今に伝えています。
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柱廊を支える円柱の柱頭には、それぞれ異なる彫刻が施されています。渦巻きや植物を思わせる意匠が巧みに組み合わされ、素朴な建築に豊かな表情を与えています。
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柱頭に目を向けると、葉飾りや絡み合う動物たちが彫り込まれているのがわかります。限られた空間の中に巧みに構成された彫刻は、それぞれに異なる表情を持ち、柱廊玄関を歩く楽しみをいっそう深めてくれます。
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柱廊玄関の軒下には数多くのカニージョ(持ち送り)が並び、人物や動物、さまざまな文様が刻まれています。ロマネスク彫刻ならではの自由な表現を楽しめる見どころです。
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庇(コーニス)を支える帯状部には、当時の生活様式を物語る多彩な持ち送りや、精緻なメトープ(化粧パネル)が並んでいます。
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軒下を支える『持ち送り』の一つひとつには、ユーモラスな人間の表情や動物、怪物が生き生きと刻まれており、その間に挟まれた四角い『メトープ』の装飾パネルとともに、中世の人々の豊かな想像力と当時の生活の息吹を今に伝えています。
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サン・ミゲル教会の柱廊玄関西側面には、石壁に穿たれたロマネスク様式の2連窓があります。アーチに刻まれた幾何学模様が美しです。
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扉口の写真を撮っていると、二人の女性が花束を抱えてやって来ました。翌日に何かのセレモニーが予定されているようです。幸運なことにお二人は教会の鍵を持っており、お願いすると内部を見学させていただくことができました。
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サン・ミゲル教会の柱廊内部にある、南扉口の左側の柱頭です。石柱の上部には植物モチーフの渦巻き模様が彫られており、その上のインポスト(受台)部分には細かな幾何学模様の透かし彫りが連続しています
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こちらは南扉口の右側の柱頭です。左側とは異なり、2頭の動物が背中合わせに配置されたロマネスク独特の彫刻が施されています。
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内部は明るく整えられた空間で、ロマネスクの面影はそれほど多くありません。奥には方形後陣が設けられ、この教会の長い歴史の中で重ねられてきた改築の跡を感じさせます。
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サン・ミゲル教会の聖堂内部にある、12世紀末から13世紀初頭に作られたロマネスク様式の洗礼盤です。外側には縦に長い丸みを帯びた溝がぐるりと彫り込まれております。
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思いがけず内部の見学も出来満足でした。セゴビアには午後4時までには当到着したいので先を急ぎます。
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セゴビアでは、まずアパルカミエント・グラトゥイト・ミラドール・サン・マルコスに到着しました。旧市街観光に便利な無料駐車場で、ここからは断崖の上に建つアルカサルの美しい姿を眺めることができます。
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駐車場からアルカサルとは反対方向の北側にある坂を登ります。
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坂道を登った先にはベラ・クルス教会(Iglesia de la Vera Cruz)があります。ベラ・クルス教会は、スペインでは珍しいエルサレムの聖墳墓教会を模したとされる十二角形の教会です。この日は開館前だったため、外観だけ撮影して引き返しました。
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今日の宿泊はホテル ELE アクエダクト(Hotel ELE Acueducto)。アクエダクトは水道橋って意味です。目の前に地下公共駐車場があります。ホテルとはエレベータで繋がっているのでとても便利です。料金も近くのホテルより安いツーリストクラスのホテルです。設備が古く室内は撮影していません。正直撮り忘れてしまいました。実はこの日は強行スケジュールで朝から4時過ぎまで何も食べていなかったので。
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ホテルからは水道橋が見えます。手前のガラス貼りの建物は駐車場のエレベーターホールです。エレベーターはパスワードが必要なので誰でも利用出来るわけではありません。
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ホテルの近くにある聖ユストゥスと聖パストル教会(Iglesia de los Santos Justo y Pastor)へ向かいます。12世紀に建てられたロマネスク教会で、セゴビアでは最も訪ねてみたかった教会のひとつです。
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しかし、この教会は開館時間が不定期で見学が難しいことで知られています。平日は夕方に開いていることが多いのですが、この日は無情にも閉まっていました。ソトサルボスでは幸運に恵まれましたが、今回は柵越しに扉口を撮影するだけで引き返すことになりました。
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教会の遠景。近くにあるレストランに向かいました。
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レストラン・ムニョス2(Restaurante Muñoz 2)は、聖ユストゥスと聖パストル教会近くのサン・アルフォンソ・ロドリゲス通りにあるレストランです。昼食後も通しで営業しているため、遅めの昼食と早めの夕食を兼ねる時間帯には都合がよく、この日の食事はこちらでとることにしました。
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前菜はガスパチョとチーズの盛り合わせを選びました。
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メインはイベリコ豚のソテーです。セゴビア名物の子豚の丸焼きも気になりましたが、こちらは4人前からの注文とのことで今回は見送りました。
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食事の後は、水道橋を渡って旧市街へ。次の目的地はサン・ミジャン教会です。
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サン・ミジャン教会は11~12世紀に建てられたセゴビアを代表するロマネスク教会で、三後陣を備えた大規模な平面構成と美しい柱廊が特徴です。
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半円形の後陣には、細長い窓を囲む半円アーチと円柱が配され、ロマネスク特有の端正な構成が際立っています。軒下に並ぶ持ち送りの陰影も美しく、石積みの量感と相まって重厚な雰囲気を生み出していました。
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教会の南側に回ると、サン・ミジャン教会を象徴する柱廊が姿を現します。連続するアーチが生み出す軽やかなリズムは、重厚な石造建築に独特の開放感を与えており、セゴビア・ロマネスクを代表する景観のひとつとなっています。
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柱廊の中央に開く南扉口。幾重にも重なるアーチには精緻な装飾が施され、タンパンには人物群が彫り込まれています。
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教会内部は高い身廊と大きな中央後陣によって構成され、重厚なロマネスク空間が広がっています。後陣の壁面には半円アーチが整然と重ねられ、夕方のミサを前に静かな祈りの時間が流れていました。
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主祭壇に掲げられた磔刑像は14世紀のゴシック作品とされます。両足を重ねて一本の釘で留める3本釘の形式や、苦悩を帯びた表現には、当時の信仰美術の特徴がよく表れています。
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堂内のこの柱頭は、聖家族のエジプトへの逃避(La huida a Egipto)を表しています。
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翼壁付近に残るこのフレスコ画は、13世紀末から14世紀初頭頃に描かれた初期ゴシック様式の作品です。左側には聖母マリアと福音記者ヨハネを伴うキリストの磔刑、右側には旅人の守護聖人である聖クリストフォロスが描かれています。
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ミサが始まりそうなので教会を後にし、ホテルのある旧市街へ戻ることにします。ミサの開始は19時30分。スペインの夏は日が長く、この時間になっても外はまだ明るさを保っていました。
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ホテルへ戻る途中に立ち寄ったサン・クレメント教会(Iglesia de San Clemente)。残念ながら、到着した時にはすでに閉まっていました。
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12世紀に創建され、13世紀にかけて拡張された歴史を持つ中世ロマネスク様式の教会です。最後に柵越しから柱廊を撮影し、この日の見学を終えました。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ミータさん 2026/06/18 08:18:47
- セゴビア
- ようやく知っている(行ったこともある)セゴビアです。
それにしても数人から100人程度の村で古い教会をこの状態で維持するのは大変なことだと思います。国中に同じような貴重な古い教会が残っているので、国からの援助だけでは無理でしょうし。
今晩の飛行機で出発します。まずはポルトガルなので、スペインに着くのは、19日の深夜23時(現地時間)頃です。日本時間では20日の早朝6時頃です。家を出てから丸2日がかりです。
- クリスさん からの返信 2026/06/18 18:17:59
- Re: セゴビア
- 人口減少による廃村、崩壊集落の問題はスペインでは大変な問題になっています。財政的にも難しいです。またスペインでは移民の受け入れを認める報道もありましたが、それはスペイン特有の問題でもあると思います。気をつけて行ってください。無事のお帰りを祈念しております。
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