2026/05/12 - 2026/05/28
3位(同エリア3件中)
クリスさん
2026年のスペイン旅行はバレンシア往復で、アラゴン、カステリア・ラマンチャ、カステリア・イ・レオンのセゴビア県、エストレマドーラ、アンダルシア、ムルシア州の3000km近くを車で巡る周遊旅行となりました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- JAL
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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オルテガ氏とパラドールで待ち合わせをし最初に訪問したのは、中世の町アティエンサ(Atienza)の郊外に位置するロマネスク様式のサンタ・マリア・デル・ヴァル教会(Iglesia de Santa María del Val)。12世紀(1147年頃献堂)の建設ですが、15世紀の争乱で、この教会を取り巻いていた古い郊外集落が破壊されその衰退が始まりました。
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16世紀に教会として使い続けるために修復されました。後陣はその時の改装です。
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その後、教会はエルミタ(礼拝堂)として存続し、現在では南側の入口だけが往時のロマネスク様式を伝えています。内部は閉鎖されており、見学はできません。
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唯一残された教会の最大の見どころは、扉口のアーチを飾る中世の曲芸師を象った精巧な彫刻です。アーチの上にはこの教会の守護聖人となった聖母が彫られています。
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10体のねじれた人物がアーチをつかみ、体を大きく反らせたり、逆立ちしたり、足を頭の後ろまで持ち上げたりしています。
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左右の柱頭には判別できませんが、動物が彫られています。
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このアーチはスペイン・ロマネスクの中でもかなり印象的な作例として知られています。
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教会の周辺には、かつてユダヤ人共同体が暮らした地区の痕跡も残されています。街はずれにある城壁に沿いにその一部の城壁や門が今も残っています。
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こちらは城壁の一部。先にアーチが見えますが、城塞への出入り口になります。
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中には泉があります。洗濯場や家畜等の水飲み場として使われていました。
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次の教会は聖バルトロメ教会(Iglesia de San Bartolomé)。13世紀の創建、当時は城壁の外側に建てられた教会ですが、町の拡大に伴い城壁の内側へと取り込まれていきました。
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15世紀のルネサンス期や16世紀以降には、新たな礼拝堂等が追加、改装されていきました。
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柱廊玄関の部分、構造はロマネスクの物です。
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しかしながら柱頭、双柱等はルネサンス期の物に更新されています。
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バロック様式の主祭壇。ディエゴ・デ・マドリーガル(Diego de Madrigal)という作家によって1703年から1708年にかけて制作されました。
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十字架降下が描かれています。
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とても素晴らしいのはこのドーム天井です。これはムデハル様式の木組み天井がある空間に、ルネサンス様式のドーム(クーポラ)構造を組み合わせて設計されています。
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北側にある側祭室の祭壇。両側にロマネスクの痕跡がありますよと教えていただきました。
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ロマネスクが残っているのはビクトリアアーチの柱頭です。
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こちらは左側の柱頭です。
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この教会にある洗礼盤。これも12世紀後半~13世紀のロマネスク様式で作られています。
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1996年から教会はサン・バルトロメ宗教美術・古生物学博物館 (Museo de Arte Religioso y Paleontológico de San Bartolomé)として運用されるようになっています。
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古生物学博物館として教会内の元聖歌隊席集められた化石コレクションは3,500点を超えるということです。
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画像は、すべてウニの化石です。アティエンサ周辺をはじめとするスペインのこの地域は中世には陸地ですが、ジュラ紀~白亜紀には「テチス海」と呼ばれる温暖な浅い海の底でした。そのため、当時の海底に生息していたウニが非常に美しい状態で化石となり、たくさん発掘されています。
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こちらは三葉虫の化石です。ジュラ紀~白亜紀よりもさらに古い、今から約5億年~2億5,000万年前のカンブリア紀~ペルム紀の海に生息していた甲殻類に近い節足動物という事です。
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これらの収集品は、アティエンサを拠点に活動されていたラファエル・クリアド・プイグドレルス(Rafael Criado Puigdollers)氏という個人が、人生を捧げて築き上げたコレクションなのだそうです。同氏は2013年に亡くなられており(生年は公表されておらず、1930年頃と言われています)、アマチュアの民間収集家としては本当に驚くべき功績を残された人物とされています。現地では「アティエンサの顔」とも言える、非常に重要な存在として語り継がれているそうです。
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アティエンサの最上部、岩山に聳えるのがアティエンサ城(Castillo de Atienza)。12世紀の歴史的な中世の要塞です。現在は廃城となっていますが、1931年にスペインの重要文化財に指定されています。
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サンタ・マリア・デル・レイ教会(Iglesia de Santa María del Rey)は、アティエンサ城のすぐ麓に佇むアティエンサで最も古いロマネスク様式の教会です。1112年にアラゴン国王アルフォンソ1世がこの地をイスラム勢力から奪還した記念として建てられました。
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この教会はモスクの跡地に建てられたといわれています。
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この北門のアーチには、なんとアラビア語で「アッラーの偉大さ」という文字が刻まれており、当時のモスクの名残やイスラム文化の影響(ムデハル様式への移行期)を色濃く残しています。
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街の中心地が時代とともに移動し、この周囲の人口が減ったため、現在は教会の敷地がアティエンサの町営墓地(Cementerio)として利用されています。柵があって普段は施錠されています。南口は墓地の中にありますので、車で墓地の入口まで移動して鍵を開けてはいりました。雨の風が強くなってきました。
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サンタ・マリア・デル・レイ教会の南門。13世紀頃に造られたロマネスク彫刻の傑作で、幾重にも重なるアーキヴォールトには聖人、天使、罪人など多数の人物像が刻まれています。
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摩耗していますが2000年代に入ってから大規模な修復が行われ、崩壊の危機からは脱したという事です。
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七重の半円アーチには80体を超える人物像が彫られという事でした。
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ポータルの左側に並ぶ使徒像と人物彫刻。800年の歳月を経た今も豊かな表情を残しています。
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次の教会は、サンティシマ・トリニダー教会です。前のサンタ・マリア・デル・レイ教会からは坂道を300mほど下った場所にあります。この教会は12世紀末に起源を持つロマネスク教会ですが、現在は宗教美術館として利用されており、アティエンサの歴史と信仰を今に伝える役割をになっています。
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外観では、セゴビア地方の影響を受けた優美な半円形の後陣が見どころです。
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後陣にあるロマネスクの明り取り窓。
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内部はゴシックのリブ・ヴォールト天井、バロック祭壇画、ロココ様式の礼拝堂が共存し、中世から近世にかけての建築の変遷を感じることができます。
やルイス・サルバドール・カルモーナ作の《赦しのキリスト》などの加え、アティエンサを代表する伝統祭礼《ラ・カバジャーダ》に関する資料も展示されています。 -
館内にある宗教美術作品の中でロマネスクとしての見どころは、この四本釘のキリスト像(Cristo de los Cuatro Clavos)と洗礼盤になります。
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「四本釘のキリスト像」とは、両手と両足をそれぞれ1本ずつ、計4本の釘で十字架に固定した姿を表したものです。比較的珍しい形式で、アティエンサの作品はその優れた作例として知られています。キリストの受難をより強く感じさせる表現として、中世の人々の信仰を支えてきました。
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胴部に連続する半円アーチが刻まれた杯形(caliciforme)の大きな石造洗礼盤は、アティエンサでも特に優れたロマネスク彫刻の一つとされています。均整の取れた造形と素朴な装飾に、ロマネスク芸術の魅力を見ることができます。
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最後の教会はサン・ジル教会(Iglesia de San Gil)。12世紀後半に建てられ16世紀以降、鐘楼等の増改築が行われています。
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ロマネスクの半円形後陣が残されています。
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内部は美術館に改装されています。アティエンサは人口400人程の村ですが、幾多の戦火を経験している歴史ある街です。そしてスペインの最も美しい村にも加盟しています。文化財の保存に熱心なのでこれまで見たとおり教会を改装した博物館、美術館が3つ残されています。
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ここにもロマネスクの洗礼盤が残されています。12世紀に作られた物で真珠のアーチ(Arcos perlados)と呼ばれる装飾が丁寧に彫られています。これまで見てきたこの街の教会と類似した作品ですが、地元の工房で作られて物です。これでアティアンサにあるロマネスク起源の教会はすべて見学する事が出来ました。
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