2025/06/01 - 2025/06/02
18位(同エリア256件中)
玄白さん
2日間のイスタンブール滞在を終えて、地方の世界遺産を巡る旅のスタート。この日は、マルマラ海北岸を西に進み、ダーダネルス海峡を渡ってアジア側に足を踏み入れる。
最初の世界遺産はアマチュア考古学者シュリーマンが私財を投げうって場所を突き止め、発掘したトロイ遺跡である。
トロイ遺跡見学の後は、エーゲ海沿いを南下して、一大リゾートエリアの一つ、アイワルクでのんびりリゾート気分を味わった。この日の移動距離はおよそ500kmだった。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 観光バス
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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イスタンブール3日目の朝、宿泊先のHilton Istanbul Bomonti Hotel9階の部屋からの日の出の眺め。時差ボケはなく、気持ちのよい目覚めだ。
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新市街の高層ビルが朝日で照らされている。左側の塔は、チャムルジュ・タワーという電波塔で、2020年に出来たという。トルコの国花チューリップをイメージしたデザインだというのだが、そうは見えない。
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早々にホテルでの朝食を済ませる。なんと、おかゆと海苔まであった。
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今日から地方の世界遺産を巡る旅がスタートだ。ツアーバスでの長距離移動が3日間続く。
8:00にホテルを出発し、マルマラ海北岸を西に進む。 -
なだらかに丘陵地帯がつづく。黄色に色づいているのは小麦畑だろうか。
美瑛の丘の風景が思い出される。 -
5時間半のバスでの移動なので、車窓からの風景を撮影する以外にやることはない。
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日本の2倍の国土を有するトルコでは、地域によって気候風土も変わる。トルコの主要産業は、農業と観光業である。
トルコの主要な農産物は小麦、大麦、ヘーゼルナッツ、ぶどう、さくらんぼ、イチジクなどで、食料自給率は100%を超え、ヘーゼルナッツは世界の6割の生産量である。
食料自給率が低く、いまや米不足で大騒ぎの日本からすると、うらやましい限りである。 -
日本のインバウンドも昨今の円安、治安の良さなどから昨年は過去最高の3681万人となり、政府は2030年までの6000万人を見込んでいる。ところが、トルコでは、昨年すでに6226万人の海外観光客が訪れており、フランス、スペイン、アメリカ、中国、イタリアについで第6位の観光大国なのである。ちなみに日本は11位で、トルコには大きく水をあけられている。
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延々と穀倉地帯の風景が続く。
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イチオシ
やがて、高い塔に吊り下げられた大きな吊り橋が見えてきた。ダーダネルス海峡にかかる全長3563mのチャナッカレ1915橋である。2022年に竣工し、日本の明石海峡大橋を抜いて世界一の長さを誇る吊り橋である。
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1915というのは、第1次世界大戦で、トルコ海軍が連合国軍との海戦で勝利した年を記念しているのだそうだ。塔の間隔は2023mで、2023年がトルコ共和国成立100周年を象徴している。
工事は韓国とトルコの合弁企業体が受け持ったという。 -
橋を渡るとエーゲ海を右手に見ながらバスは南下する。
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イチオシ
トロイ遺跡に到着。
遺跡の入り口には、有名なトロイの木馬が出迎えてくれる。
もちろん、これは観光用の現代の作り物ではあるが・・・ -
遺跡は、今でも発掘が続いていて、自由にあちこち歩き回ることはできない。一方通行の遊歩道に沿って歩くだけである。
シュリーマンが初めて発見・発掘したこの遺跡は紀元前3000年前から紀元1世紀まで同じところで破壊と建設が繰り返され、時代別に9層からなっている。
ネットの資料によると、以下のような時代区分がされている
第I層 紀元前3000~2600年
第II層 紀元前2600~2250年
第III層 紀元前2250~2100年
第IV層 紀元前2100~1950年
第V層 紀元前1950年~1700年
第VI層 紀元前17~15世紀
第VIh層 紀元前14世紀 後期青銅器時代
第VIIa層 紀元前1300~1190年 ホメロスのトロイア戦争の時代
第VIIb1層 紀元前12世紀
第VIIb2層 紀元前11世紀
第VIIb3層 紀元前950年頃
第VIII層 紀元前700年 ヘレニズム時代のトロイ
第IX層 西暦1世紀 「イリウス/イリオン」と呼ばれたローマ時代のトロイ
エーゲ海沿いの海上交通の便が良い立地だったため、同じところで興亡がくりかえされたのだろう。 -
第Ⅵ層の時代の城壁。紀元前17~15世紀の築造ということになる。
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現代では、川からの土砂の流入や海面の低下で、海岸は、はるか彼方に後退してしまっているが、当時のトロイは海岸沿いにあった。
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シュリーマンが実在を信じたホメロスの叙事詩「イリアス」で描かれた古代都市トロイと、ギリシャとの10年に渡る戦争物語は、映画化もされて、現代でもその面白さは少しも色あせていない。
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紀元前2500年頃の第Ⅱ層に属する日干し煉瓦(画面中央部分)。その後の火災なので本物の煉瓦になった? ただ、雨風に弱いので、この遺跡だけは天蓋で覆われている。回りの煉瓦は、演出のために後で付け加えられたのだという。
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日干し煉瓦には無数の穴が開いている。ツアーガイドの説明によると、蜂の巣だという。夏場になると蜂が活発に飛び回るので、ここには長居はできないのだそうだ。
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最も古い第Ⅰ層の城壁
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シュリーマンのトレンチと言われる発掘跡。
シュリーマンは、最も古い「トロイ=ホメロスの時代」だと信じた層を探すため、上層の遺構を無視して掘り進めた。その結果、現在は実際のトロイ戦争時代の遺跡とされる第Ⅶ層を破壊してしまい、現在の考古学学会からは批判されている。シュリーマンが第Ⅱ層から発掘した「プリアモスの宝物」は、トロイ戦争時代より古いもので、シュリーマンは、これらを勝手にドイツに持ち帰ってしまい、第2次大戦のどさくさで、旧ソ連が略奪して自国に持ち帰り、現在はプーシキン博物館に展示されている。
シュリーマンは、40歳代に私財を投げうって、それまで単なる伝説と思われていたトロイの実在を明らかにするという業績と、所詮はアマチュア考古学者で、その動機は財宝の発掘だったのではないかという功罪相半ばする人物ということになる。彼の自伝「古代への情熱」を中学生の頃読んで、短期間で18カ国語をマスターし、強い信念でトロイの実在を証明した偉大な人物という印象を当時は持ったが、今回の旅行に合わせてトロイを調べた結果、シュリーマンに対する評価は大きく変わってしまった。 -
紀元前3世紀、ヘレニズム時代の井戸の跡。
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第Ⅱ層時代の都市の城門に繋がる大理石で舗装された道路。当時は、この道がエーゲ海の港に通じていたらしい。
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当時の様子の想像図が描かれた看板。
トルコ語、ドイツ語、英語の説明書きが添えられている。ツアーで時間が限られているので、じっくり説明文を読んでいる暇がない。
初めてこの遺跡の発掘を手掛けたシュリーマン以降も、ドイツの考古学者たちが遺跡の発掘に携わり、最近までドイツ企業が、発掘の支援金を出していたというので、ドイツ語での説明があるのかもしれない。 -
この部分は最も新しい第Ⅸ層、ローマ時代の遺跡で、女神アテネの神殿跡で、手前の四角な台座をいけにえを捧げた場所だったらしい。
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イチオシ
オデオン
ローマ時代のもので、音楽演奏や集会が行われた場所。トロイ遺跡の中では保存状態が良い遺構である。翌日訪れたエフェソスのオデオンに比べると、規模ははるかに小さい。 -
遺跡の所々に真っ赤なポピーが咲いていた。さしずめ、トロイ・ギリシャ版「兵どもが夢の跡」といったところか。(芭蕉の句「夏草や、兵どもが夢の跡」をもじって(^ ^); )
あちこちに、無数の柱などの構造物が放置され、まだ発掘が続いている状況のようだ。歴史的・考古学的予備知識がないと、ただの石が散在しているだけの地味な遺跡としか見えない。
ネット上では、トルコのがっかり観光スポットだという記事も結構ある。翌日のエフェソスの遺跡に比べると観光客は圧倒的に少ない。 -
トロイ遺跡の見学を終えて、アイワルクを目指して進む。途中、トイレ休憩で立ち寄ったガソリンスタンド
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ガソリンの価格は日本とあまり変わらない。トルコも石油は産出せず、ロシア、イラン、アゼルバイジャン、イラクからの輸入に頼っている。
エネルギー安全保障の観点から再生可能エネルギーに力を入れているようだ。そういえば、イスタンブールからマルマラ海北岸を移動中に、車窓から風力発電用の風車が林立しているのが見えた。 -
売店ではなんと日本のおにぎりが売られていた。
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昼食。レストランの写真を撮るのを忘れた。
このツアーでは、いつも昼食でもスープ、サラダがついたコースメニューになっている。メインはトルコ料理の代表的なもののひとつ、キョフテ、いわばトルコ版ハンバーグである。ビールはいつものEFESビール。 -
今宵の宿、「Adrina thermal Hotel health & spa」に到着。
今回のツアーでは、いずこも5星ホテルが用意されている。 -
いつもは、あまりホテルの設備の写真は撮らないのだが、旅行記のために今回は部屋の写真を撮ってみた。
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洗面所には、バスタブの浴槽がついている。
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このホテル、名前のとおり、温泉とサウナがついている。目下の我が家のマイブームはサウナなので、ちゃ~んとサウナハット、サウナマットまで用意してきている。
温泉プールには、ほとんど利用客はいない。 -
イチオシ
サウナでととのったあと、ホテルの前の海辺へ。
旅情あふれる響きの”エーゲ海”だ! -
夏休みシーズンになると観光客でごった返すであろうビーチ
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今の時期、日の入りの時間は遅い
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ホテルのプール
こちらも、だれもいない。 -
典型的なリゾートホテルである
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夕方チェックインして、翌朝はやくチェックアウトするのは、いかにももったいない。丸一日くらい、のんびりしたいものだが、びっしり日程が詰まっているパックツアーではそうもいかない。
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今回は夕食は、ツアーメンバーまとまってではなく、思い思いに摂る。毎回Efesビールだったが、今宵はカールスバーグで一杯。
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夜になるとプールはライトアップされる
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再び、エーゲ海海岸へ。昼間はホテル前から簡単に海岸に出られたのだが、夜になると鍵がかけられていて出られない。フロントに問い合わせると、いったん正面玄関から外に出て、200mほど遠回りすれば出られるという。
かなりホテルから離れた海岸からホテル方向を撮影。 -
夜、わざわざ海岸に出たのは、エーゲ海から立ち上がる夏の天の川を撮影するためである。
さすが、リゾート地だけあって、かなたの海岸もホテルなどの灯りが多く、きれいな天の川は撮影できず。かろうじてサソリ座が写る程度で、早々に撮影をあきらめて部屋に戻る。 -
翌朝、日の出前に再び海岸へ。
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東の空が茜色に染まってきた。
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西に目を向けると、地球影とピンクに色づいたビーナスベルトが見えた。
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間もなく日の出だ。
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右の山の影が左の山の方に延びている
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イチオシ
エーゲ海の日の出 現地時間6:04
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エーゲ海にサンロードが延びる
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徐々に明るさを増す朝の太陽を見ながら部屋に戻る
この日は、朝食後、トロイより大規模な古代遺跡エフェソスと、石灰棚の絶景パムッカレを目指してのバス移動が続く
~続く~
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