2024/03/07 - 2024/03/07
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3月7日香嵐渓にカタクリを見に出かけた際、国道153号線沿いの西中金駅舎と岩倉神社神社に立ち寄って来ました
今回は名鉄三河線旧西中金駅駅舎とすぐ西側に鎮座する岩倉神社・岩倉神社農村舞台を掲載します
- 旅行の満足度
- 2.5
- 観光
- 2.5
- 交通
- 2.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
-
3月7日香嵐渓にカタクリを見に出かけた際、国道153号線沿いの西中金駅舎と岩倉神社神社に立ち寄って来ました
今回は名鉄三河線旧西中金駅駅舎とすぐ西側に鎮座する岩倉神社・岩倉神社農村舞台を掲載します
まず上の地図をご覧いただきます
左は昭和34年頃の当地と現在の比較で西中金駅と岩倉神社をマーカーで示してあります
国道153号は古来、伊那街道(塩の道)と呼ばれ、中山道の脇街道として尾張や三河から信州や美濃地方に塩や海産物を運び、帰りには山の産物を運ぶ重要な街道でした
当時の運搬は主に馬に依存していた事から中馬街道と呼ばれ、街道沿いの宿場町には馬の水飲み場が設けられ、紅葉で知られる香嵐渓のある足助も足助宿として古くから賑わっていました
物流の要衝なので、国道沿いには多くの城址もあります
西中金の北側には織田方の中金城、一山超えた矢作川左岸には広瀬城などがあり戦略的にも重要な地域でしたが1560年には松平元康(家康)により攻め落されています
それらの城の遺構は残っておらず、わざわざ訪れる価値があるかは微妙かも知れません
左の地図には今回取り上げた名鉄三河線と旧西中金駅が描かれています
この路線が廃線になったのは平成16年(2004)と最近の事で、国道沿いや矢作川にかかる橋梁を走る電車の姿を覚えている方は多いかもしれない -
その終着駅がここ西中金駅
香嵐渓の玄関口として以前はここからバスで出ていました
現在は駅舎とプラットホーム、線路が残され登録有形文化財として保存されています
紅葉の名所香嵐渓に向かう国道153号線はシーズンともなれば混雑したもので、足助まで路線延長する目論見もあったようですが投資回収が見込めず頓挫したようです -
国道から見た駅舎全景
現在の駅舎は手前の歩道整備に伴い曳家で2㍍程プラットホーム側に移動されたようです -
改札と待合室を備えた昭和の香り漂う外観です
内部も公開されているようですが、夕方のためか扉は閉じられていました -
登録有形文化財
名鉄三河線旧西中金駅駅舎・旧西中金駅プラットホーム
西中金駅は平成16年(2004)の廃線まで名鉄三河線吉良吉田駅から西中川駅間の終着駅
足助まで路線延長計画もあったが用地買収・不況の影響から頓挫
駅舎・プラットホーム・線路は歴史的景観を留めるものとして平成18年に登録有形文化財に指定
昭和5年建設の駅舎は待合室・改札室・改札口があり西側にはバスの発着所があった
平成26年(2014)歩道拡幅工事に伴い駅舎はホーム側に2㍍曳家され、小規模の改変が行われたが開業当時の姿を留めている -
駅舎脇の石野めぐりウォーキングマップ
かつての三河線を訪れる7.1㌔のコースもあるようです
駐車スペースは分かりづらいけれど駅舎横に数台分ありました -
プラットホーム
線路はこうして今も残されていますが電車が来ることはない
ここから少し先で現在工事中で一部通れませんが、そこから先は線路沿いに力石トンネル(内部進入禁止)までは歩いていけます -
プラットホームから目的地「岩倉神社」の眺め
線路の上を西に進み参道に向かいます -
国道沿いに建つ「村社 岩倉神社」社標(大正13年寄進)と参道の眺め
社殿は線路を越えた先のこんもり盛り上がった山裾に鎮座します
古い土地柄のこんもりした森と岩倉の社名から磐座をイメージするがそれは妄想だろうか -
今は通る事のない名鉄三河線の踏切が横切っています
線路を越えると石段がありその先に石の明神鳥居が立っています -
右に「指定村社 岩倉神社」の社標、昭和20年に村社昇格を記念し寄進されたもの
寄進年は未確認ですが、額束に社名は入っておらず、太い柱の鳥居の笠木は先端が意図的に強めに反りを入れたような気もする
鳥居左の建物が岩倉神社農村舞台になり、境内右に一際目立つ存在の楠木が大きく枝を広げています
後方の樹が銘木指定のアカメヤナギで、樹齢は分からないが根の辺りには樹洞が出来ており、なにか潜んでいそうな雰囲気が漂う
境内には他にイチョウの樹も見られ晩秋には境内を黄色に染めるのだろう -
境内全景
右から手水舎、社殿、忠魂碑 -
木造四つ脚切妻屋根の手水舎
-
手水鉢の龍
三本爪で緑青を身に纏った凛々しい佇まいをしている -
拝殿正面全景
一対の狛犬が守護する拝殿は切妻造の妻入で四方吹き抜けのもので、梁間桁行は三間のもの -
拝殿左から社殿全景
拝殿の先は石垣が積まれ築地塀と中門で囲い、祭文殿と境内社、一段上がって本殿を収める鞘堂が主な建物で拝殿右から社務所に続く参道がある -
拝殿前の狛犬(近年未確認)
-
拝殿妻壁の額は「岩倉神社」
人目を引く彫飾りは必要最小限に抑えているように見えます
岩倉神社について境内に由緒は見られず、愛知県神社庁に目を通すが祭神・祭礼日の記述だけだった
大正15年に出版された西加茂郡誌を見るが創建に繋がる記述は見られなかった
因みに郡史には「二反二畝6歩除地、例祭10月5日、祭神伊弉諾尊、伊弉册尊」と記されてはいたが詳細は不明
ただ、さきの昭和時代の地図を遡ると大正9年には既に鳥居の印は記されていたりで、明治或いは江戸時代まで遡るのかも、そこに結びつく可能性があるのは境内の農村舞台かもしれません -
拝殿から中門の眺め
中門は平成12年(2000)に改修を受けたようです -
本殿域の瓦葺の築地塀と中門、その先に祭文殿と鞘堂の眺め
-
祭文殿から本殿の眺め
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本殿の手前に右に二社、左に三社の板宮造の社が祀られています
右手の二社は手前から洲原神社と秋葉神社、左の三社は手前から津島神社、豊川稲荷
一番奥の社名は蚕と社は見えるのだが注連縄の陰になり全文読み取れなかった、三文字と思われるので蚕霊社と思われます -
最上段の岩倉神社本殿
一間社流造で蟇股の龍や木鼻には獏や獅子など装飾が施されています
鞘堂は昭和57年(1982)に再建されたようです -
本殿左の忠魂碑
-
社殿南の入母屋瓦葺の大きな建物が岩倉神社農村舞台
間口8間、奥行5間の大きな舞台で、1間と云われてもピンとこないけれど1.8㍍と考えれば大きさがイメージできるかと思います
現在も石野歌舞伎保存会により農村歌舞伎が行われています
この舞台には回転舞台を備えており、見えないところで地味に人手で舞台が回されます
材木が豊富な土地柄からか、桁や梁に使われる木材は立派なものばかり
この長い桁を1本の無垢材が支えている -
その中央に「農村舞台」の額
この地方ではこうした農村舞台が点在しますが、その中でも岩倉神社農村舞台は最大のものといわれています -
豊田市指定有形民俗文化財「岩倉神社舞台」
「この舞台は江戸時代後期、文化5年(1808)の建立
間口8間、奥行5間の市内では一番大きな舞台です
舞台の中央部に直径18尺の回転床、いわゆる「廻リ舞台」を備えるのが大きな特徴です
昭和30年代まで歌舞伎や芝居の興行が盛んに行われていた
以降、娯楽の多様化が進み、使用頻度の減少とともに、損傷が激しくなった為、平成13年、周り舞台を含めた大改修をおこなった
平成3年に実施した農村舞台の調査から、農村舞台の遺構を伝える貴重な民俗資料であるとして、平成12年、豊田市の有形民俗文化財に指定された」
文化5年(1808)の棟札が残ることから、岩倉神社の創建も恐らくその時代まで遡りそうです -
舞台内部
長い棟木や屋根を支える垂木など建売では見られない贅沢な部材が使われている -
昨年の石野地区歌舞伎保存会による講演ポスター
このあたりは室町時代には三河国加茂郡高橋荘中鹿野郷で、明治に入り西加茂郡中金村、中野村大字中金、石野村大字中金、猿投町大字中金、豊田市大字中金と地名が移り変わり、現在の豊田市中金町となりました
南は勘八挟から北は広瀬、東は足助の手前、中切あたりまでが石野地区とされ地区唯一の舞台
毎年10月に開催のされるようなので、国道沿いに幟を見かけたら寄ってみたものです -
境内から国道の社頭の眺め
結構交通量もあるので鳥居から左に向い、斜面を降りて線路沿い駅舎に戻れます -
まもなく終点西中金駅香嵐渓お越しの方はバスにお乗り換え下さい
名鉄三河線旧西中金駅駅舎
所在地 / 豊田市中金町前田
岩倉神社
創建 / 不明
祭神 / 伊弉諾尊、伊弉册尊
境内社 / 津島社、洲原社、豊川稲荷、秋葉社、蚕霊社
例祭 / 10月第2日曜日
氏子地域 / 豊田市中金町
所在地 / 豊田市中金町平古782
岩倉神社農村舞台
建立 / 文化5年(1808)
所在地 / 岩倉神社境内
参拝日 / 2024/03/07
名古屋市役所から車アクセス / 猿投グリーロード力石ICから国道153号線左折約50分
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