
2024/07/04 - 2024/07/04
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たびたびさん
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前回(2022年7月)、13年ぶりに沖縄を訪ねて、やっぱり沖縄はいいなあとしみじみ思いましたが、次に行くなら沖縄本島南部の戦跡の再訪かなと思っていました。旅には順番というものがあって、私的にはここを再訪しないで他を回っても、それではなにか釈然としたものを抱えながらの旅になってしまいますからね。ただ、戦跡を回るのはやっつけではだめ。それなりに気持ちの整理ができてからでないといけないし、また、戦跡だけに偏るのもバランスが悪いので組み合わせも工夫しないといけません。そうしたところがちゃんと落ち着くのを待っていたら、また一年越しになってしまったというのが今回の旅の六日間です。
それと今回の旅も前回と同じく妹と二人連れ。一人で回るのはもったいないランナップですからね。
で、大よその流れをいうと以下の通り。戦跡に今回やっと機会が巡ってきた久高島と慶良間諸島を加えたのが新味かな。アップダウンが厳しい首里の周辺も三回に分けて丁寧に回ってみました。
一日目 首里から那覇の散策と民謡酒場
二・三日目 南部の戦跡と久高島にガンガラーの谷ほか
四日目 浦添から首里とコザのエイサーナイト
五日目 慶良間諸島
六日目 首里の散策
ということで、一日目の首里から那覇の散策は、ゆいレール首里駅で下車。首里駅の一つ手前、儀保駅方面に向けて歩き始めます。首里城の周辺ですから、高官や政治家の関係だと蔡温、宜湾朝保、羽地朝秀、亀川盛武とか。薩摩藩の支配の下で結束を高め、内政に注力した人物やその後の明治維新政府と対決したのは亀川盛武ですね。そして、御嶽に樋川。小さな御嶽は稲荷神社みたいな存在でしょうか。あちこちで祀られていて、ちょっとした心のよりどころ。樋川は湧き水。首里は高い場所にあって、それがゆえに首里城が築かれたのでしょうが、湧き水に事欠かなかったのも大きなポイントだったように思います。密林のような末吉公園から市立病院前駅に出て、そこからはおもろまち駅へ。おもろまち駅の周辺も不案内なエリアでしたが、沖縄県立博物館・美術館ほか日銀の那覇支店やNHKもここにあって、那覇の副都心みたいなエリアですね。
そして、最後は国際通り。妹と合流して、おきなわ屋 本店の二階にあるライブハウス島唄へ。ネーネーズのステージは、沖縄民謡のオンパレードでしたが、サザンオールスターズの「平和の琉歌」も。始めはなんとなく耳を傾けていただけでしたが、いやいやこの歌詞はとても刺さりますねえ。心の奥に訴えかけるものがあって、やっぱり桑田佳祐は天才なんでしょうか。みんながぼんやりと思っている沖縄や平和への思いを見事に表現していて、ちょっと涙が出てしまいました。六日間の旅をしっかり回らなければ。ここに至るまでのあれこれも思い出して、決意を新たにしたたびたびです。
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那覇空港に到着して。
お土産物屋さんのエアポートトレーディング。ちんすこうや紅芋タルトとか。こんなのを見るとまた沖縄にやって来たなという気持ちが湧いてきます。 -
那覇空港から、一気に首里駅まで。効率的に回らないと時間はすぐに経ってしまいますからね~
首里観光案内所は、ゆいレールの首里駅から首里城に向かって歩くとすぐの交差点角。ちょっと目立たない感じですが、ちゃんとスタッフがいて親切に対応してくれます。ただ、案内は首里の周辺のみ。首里からコザまでの効率的なアクセスを知りたかったのですが、少し範囲を広げると対応は難しくなります。首里観光案内所 名所・史跡
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ゆいレールに沿って、儀保駅方面に戻りつつ、
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まずは、てぃしらじそばへ。知る人ぞ知るの沖縄そばの名店です。
てぃしらじそば グルメ・レストラン
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でも、お店はがらんとしていて、大丈夫かなあ。
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イチオシ
さてさて。。
少し太めでゴワゴワっとした麺。始めはあれ?っという感じなんですが、すぐに馴染んできて、かつお出汁のすっきりした塩味との相性が素晴らしいですね。チャーシューのしっかりした味わいもなかなかだし、生姜の千切りがばっちりのアクセント。いいですねえ。
シンプルだけどそれぞれ非の打ち所がない仕上がり。めちゃめちゃ完成度が高い沖縄そばだと思います。いきなりすごいものに出会ってしまいました~ -
ここからは、こまごま散策。
蔡温(さい おん(1682-1762年))旧宅跡は、琉球王国第二尚氏王統の第13代国王、尚敬王の国師で、儒学者、政治家でもあった蔡温の邸宅跡。600坪のこの土地は、尚敬王の王妃が蔡温の長男に嫁ぐことになって、改めて邸宅を与えられたものだとか。ただ、現在は工事中。名残りらしきものは確認できませんでした。蔡温旧宅跡 名所・史跡
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路地を進んで、
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宜湾朝保(ぎわん ちょうほ)生家跡は、説明書の石柱があるだけです。
説明によると宜湾朝保は琉球王国の宰相職、三司官で和歌人としても著名だった人物。明治政府が成立すると維新慶賀使の副使として上京。尚泰を琉球藩王にするとの命を受けたものの、そうはならず、失意の内に亡くなったそうです。
薩摩藩がなくなって、沖縄はまた自由になれるという期待が膨らんだ。それが当時の沖縄の空気だったのだろうと思います。宜湾朝保生家跡 名所・史跡
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イチオシ
ここで、いい感じのお店を発見。
本家 新垣菓子店。本家 新垣菓子店 グルメ・レストラン
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イチオシはちんすこうですか。
ただ、完売しましたの張り紙があって諦めかけていましたが、訳アリのちんすこうが少し残っていてそれをいただきました。 -
うーん。これは正統。これぞちんすこうといった香りも甘さもすべてが極上。名店の味わいです。
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続いての安谷川(あだにがー)は、地域住民の共同井戸。市街地の一角にあるのですが、石段で下っていく窪地のような場所。
安谷川 名所・史跡
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降りると
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水が湧き出る四角い貯水池がありました。
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説明はちょっと詳しすぎるかな。
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いずれにしても、周囲はしっかりした石垣で守られているし、ここに至る石段もかなり丁寧な作り。ここがいかに大事にされているかがよく分かります。
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少し坂を上がると、玉那覇味噌醤油。170年以上続く天然醸造、無添加味噌のお店です。
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王朝みそとか首里みそとかがブランドですね。店構えは年季が入ってとても渋いし、店内も簡単な感じですがこの道一筋的な雰囲気が漂っていて、強く印象に残ります。
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さらに坂を上がって、安谷川御嶽(あだにがーうたき)は、当蔵村の御嶽。
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イチオシ
御嶽というのは、神が存在する、あるいは来訪する場所であり、祖先神を祀る場、地域を守護する聖域のこと。神社か祠。または稲荷神社みたいな存在かな。丈夫な石垣が正面に建っているし、内側には神聖な岩と木を中心とした石囲いがありました。
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羽地朝秀(はねじ ちょうしゅう)生家跡。説明書の石柱です。
説明によると羽地家は、第二尚氏王統の第三代尚真王の第一子、尚維衡浦添王子朝満を始祖とする名家。羽地朝秀は、1617年に生まれ、首里王府の最高ポスト、摂政を勤め、薩摩側との信頼関係を築いた人物でもあるようです。
ちなみに、薩摩藩の琉球侵攻は1609年。羽地朝秀が生まれる少し前のことです。 -
佐司笠樋川(さしかさひーじゃー)は、琉球最後の国王、尚泰の四男、尚順の屋敷だった松山御殿跡にあります。
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敷地の奥に進んで行くと
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予想外の大きな構え。
立派な石垣で囲われた一角を下りたところに滔々と流れ出る水源がありました。 -
石垣等は苔むしていますが、水は清らかです。
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元に戻って。
この松山御殿跡は、琉球王国最後の国王尚泰の四男、松山王子尚順の屋敷だったもの。尚順は王族出身者であり、事業家や政治家としても活躍した人物。今の屋敷も末裔のものだと思いますが、「尚」と書いた表札が架かっていて、広大なお屋敷です。 -
加良川(からがー)は、1700年頃につくられた古井戸。
細い路地を -
どんどん入っていって
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川沿いの入口に
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「聖劇 玉城朝薫(たまぐすく ちょうくん)生誕之地」の碑があって、
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そこをさらに下っていきます。
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ただ、水はもう枯れているのかはっきりしません。木々が生い茂っていて、じめッとしている場所。石囲いもかなり傷んでいました。
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儀保駅の方に向かって。
紙漉所跡は、儀保駅のすぐ西。説明書の石柱があるだけですが、説明によると大見武馮武なる人物が首里王府の命を受け、薩摩で杉原紙と百田紙の紙漉き技法を学び、城下の首里金城村で紙を漉いたとのこと。その後、沖縄の芭蕉紙も作り出されることになりました。 -
ここから宝口樋川(たからぐちひーじゃー)へ。
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入り口が分かりにくくて、かなり迷いましたが、川沿いの細い道を進んでなんとかたどり着きました。
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立派な石碑も建っています。
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イチオシ
ここは崖の下のような場所ですが、水は豊富。水の出る口は一つですが、そこから小さな水路を通って、いくつかの水汲み場に水が流れています。
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秘密の場所感もすごいと思います。
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来たのと反対側の石段を上がって帰ります。
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ここからは、儀保駅の北側エリアに移ります。
亀川盛武(かめがわ せいぶ)生家跡は、説明書の石柱。
説明によると亀川盛武は琉球王国の宰相である三司官。明治政府の琉球処分、つまり、沖縄県設置に反対し、反日派のリーダーとして抵抗をつづけた人物で、宜湾朝保を激しく糾弾するという関係。それもこの時代を象徴する人物だったという評価です。 -
さらに北の方に進んで。美術村跡は、末吉公園のほど近く。住宅地の端っこです。
沖縄戦の後、画家達が多く居住した地区。米軍の政策でいったんは今のうるま市に集められた画家達は、首里での活動を希望し、ここに美術村の建設を許可される。沖縄の戦後の美術活動復興の原点となった場所のよう。 -
当時の作品を紹介する
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陶板のモニュメントもいくつかありました。
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そのまま末吉公園の方へ。
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鬱蒼とした森の中に、
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かなりしっかりした石畳の道が続いていますが、
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途中には濁流跡のような枯れ川もあったりしてちょっとワイルド。ジメッとしているし、長閑な公園という感じではないですね。
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石畳の道の先へと進むと、玉城朝薫生誕300年記念碑。正面にゆいレールの市立病院前駅とかを望む場所に建っています。けっこう大きな碑。さきほどの加良川の入り口には生誕地の碑がありましたし、ずいぶん、大事にされている印象です。
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イチオシ
ちなみに、玉城朝薫は組踊の創始者。組踊というのは、せりふ、音楽、所作、舞踊によって構成される歌舞劇で、首里王府が中国からの使者を歓待するために創作させたもの。ユネスコの無形文化遺産にもなっているようです。
ここからの帰りは市立病院前駅に向かいます。しかし、かなりの坂道を下りてからまた上がるという難コース。こんなので本当に帰れるのかなあとふと不安になるような道でした。 -
末吉公園から市立病院前駅に到着。
市立病院前駅のプラットホームから改めて眺めると、公園は住宅地の奥の山一帯。濃い緑に覆われているのが分かります。 -
市立病院前駅からは、おもろまち駅へ。ここからまた散策のスタートです。
カトリック安里教会は、おもろまち駅からすぐ。ちょっとした高台に建つ立派な建物です。 -
始まりは昭和28年。
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3名のアメリカ人修道女が来沖し、木造の小聖堂と司祭館を建てたところから。現在の大聖堂は、平成6年にできたもの。
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内部には悠々とした空間が確保されていて、派手さはありませんが荘厳です。
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カトリック安里教会と向かいのTギャラリア 沖縄 by DFSの間の坂をしばらく上って行くと那覇メインプレイスです。
Tギャラリア 沖縄 by DFSも大きな建物ですが、こちらはさらに大きな建物。 -
沖縄ってすごいですね。一階はサンエーという地元のスーパー。むしろ、観光客じゃない人が多いかな。ギャラリアは観光客。メインプレイスは地元の人という感じです。
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那覇メインプレイスの向かいは、日本銀行 那覇支店。日本銀行の支店って、普通、町の中心部にあると思うのですが、ここはちょっと外れのような気もしなくはないですけどね。つまり、ここは那覇の副都心ということなんでしょう。
なお、建物の前には立派なシーサー。さすが沖縄です。 -
同じエリアにある沖縄県立博物館・美術館の裏手にあるのが新都心公園。
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有料のテニスコートや多目的グラウンドもあるようですが、ちょっと芝生も生えたけっこうな広さの広場の方がメインかな。周囲には巨大な箱モノが多いエリアだけにこれくらい広い場所もないと街としてのバランスもとれないのかもしれませんね。
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さらに歩いて、これはNHK沖縄放送局。
地元沖縄向けの独自番組がそれなりにあるようで、おはよう沖縄、ちゅらテレビ、きんくるとか。沖縄らしいネーミングの番組は、楽しそうです。
ここから今度は国際通りの方に向かって坂道を降りて行きます。 -
安里川の方まで降りてきて。
昭和高等女学校跡という立派な碑は、従軍看護婦要員として石部隊野戦病院に配属された少女たちを悼むもの。少女たちはでいご学徒隊。砲弾の中を彷徨いながら、80人のうち31人が犠牲となりました。
ちなみに、沖縄戦では、県内にあった21の全ての中等学校や師範学校から生徒が戦場に動員されました。ひめゆり学徒隊やこのでいご学徒隊もそうですが、男女2000人以上もの生徒が亡くなっているのだとか。その悲しみは今でも深いと思います。 -
旧崇元寺石門は、大通りに面して突然現れるがっちりとした石の門。崇元寺は沖縄戦で焼失してしまったようですが、現在は石門だけが残っていて内部は公園となっています。
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イチオシ
がらんとはしていますが、巨大なガジュマルの木があって、公園全体を覆うほどの勢いでした。
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イチオシ
国際通りまで戻ってきて、予約していたライブハウス島唄へ。妹ともここで合流です。
なお、ライブハウス島唄は、おきなわ屋 本店の二階。
店頭には並んで立つ二頭の巨大な赤いシーサー。国際通りでもかなり目立つ存在です。 -
ただ、このお店はそれだけではない。中に入ると吹き抜けの店内にはこれまた見上げるほど巨大な王様と兵隊の人形。どこまでも楽しませてくれるお店ですね。
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さて、ライブハウス島唄は、いわゆる民謡居酒屋。
専属歌手?は、女性のグループ、ネーネーズです。 -
しかし、中央のステージにそれを拝見するテーブル席の配置とかかなり広い空間がありまして。食事をいただきながら、ライブを楽しむのですが、とてもゆったりとした気分です。食事はアラカルトで注文。食事の方もけっこういけてます。
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さて、ネーネーズの登場です。
メンバーは4人のようですが、今日は3人。学校の都合だったかな。 -
しかし、3人でも元気いっぱいのステージの始まりです。
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ゆったりしたリズムに乗った伸びやかな歌声は沖縄ならではだし、その歌唱力はやっぱりお見事。
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イチオシ
沖縄の心が沁みてきます。
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冒頭で触れましたが、特に、作詞作曲、桑田佳祐の「平和の琉歌」にはちょっと感動。
ここしばらく政治的なところでいろんなぎくしゃくがありますが、戦争の悲惨さや残酷さに何も感じない人なんかいないですからね。まずは沖縄の心に寄り添いながら平和への思いを新たにすることが一番大事なこと。そういう素直な気持ちになれました。 -
ネーネーズのみなさん、ありがとうございました。
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ライブハウス島唄からは、国際通りを歩いて宿へ向かいます。
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宿は西鉄リゾートイン那覇。ゆいレールの県庁前駅から歩いて10分くらい。国際通りにも近いので、夜の観光も安心してできるし、大通り沿いなので場所も分かりやすいですね。
なお、リゾートと名前にはありますが、まあ、ビジネスホテルにちょっと毛が生えたくらい。ベッドの横に応接セットが置いてあるのがビジネスホテルと違うくらいです。
明日から二日間はレンタカーの旅。本島南部を回ります。
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