2023/10/01 - 2023/10/14
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mirilinさん
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この旅行記のスケジュール
2023/10/07
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ツァッヒェルハウス
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織物職人の噴水
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シャネル
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ルイ・ヴィトン
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レオポルドの泉
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ケーニヒス通り
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マルタ騎士団教会
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ホヨース宮殿
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フランス大使館
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この旅行記スケジュールを元に
退職したら、貯めたANAマイルを使ってビジネスクラスでウィーンへ飛び、ウィーンとプラハのアール・ヌーボー建築を巡って歩き倒そうと楽しみにしていたのに、コロナ禍襲来で4年もお預け。
どうにか海外旅行は解禁されたものの、ANAのウィーン直行便はいまだ飛ばず、乗継便に変更してもビジネスクラスの特典航空券は全く取れず…。
でも、どんどん年は重なって行く(←老化が進む)し、マイルの有効期限も迫ってきてるし…ってことで、直行便もビジネスクラスも諦め、プレミアムエコノミーでロンドン経由で行くことにしました。
でも、いろいろ諦めはしましたが、4年ぶりの本場のアール・ヌーヴォー、美しい街並みを目の当たりにすれば、老化が進んでいることも忘れ、テンションMAXで町中を歩き倒したことは言うまでもありません。
この旅行記はその7日目、いよいよユーゲントシュティール(オーストリアのアール・ヌーヴォー)の世界を求め、地下鉄、トラムと2本の足での東奔西走の様子の【前編】です。な、なんとこの旅最高歩数、27000歩近く歩いちゃってたんです(汗)
旅行記も、前・後編に分けないと、途中で飽きちゃいますからね。
にしても、旅行アドレナリン恐るべし!
【26,819歩】
今回の旅のスケジュール
10/1(日) 羽田発 9:55 → ロンドン着 16:20
10/2(月) ロンドン発 10:10 → プラハ着 13:15
旧市街広場 ユダヤ人地区
10/3(火) AM プラハ城
PM フラチャニ地区・マラーストラナ地区
10/4(水) AM キュビズム建築 マサリク堤防、ダンシングハウス、
新市街アール・ヌーボー
PM プラハ中央駅 ミュシャ美術館 市民会館 旧市街広場
10/5(木) プラハ駅 12:45→ ウィーン中央駅 16:49
見落とし救済
10/6(金) シュテファン大寺院 ホーフブルク宮(シシイ博物館・国立図書館・アルベルティーな教会など) 建築巡り(リンク界隈)、ブルク劇場
10/7(土) AM ベルヴェデーレ宮殿
PM 建築巡り(アール・ヌーボー建築など)夜景見物
10/8 (日) フンデルト・ヴァッサー建築 美術史博物館
10/9(月)シェーンブルン宮殿 見落とし救済
10/10(火)ウィーン発 11:25 → ロンドン着 12:55
ビックベン
10/11(水)ウエストミンスター寺院 グリニッジ タワーブリッジ レドンホールマーケット ミュージカルWICKED(アポロシアター)
10/12(木)ホースガード 大英博物館 メイフェア地区
10/13(金)リージェントストリート ヴァッキンガム宮殿 セントジェームスパーク ウエストミンスター教会
ロンドン発 19:00 →
10/14(土)羽田着 14:50
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
今朝も青空!
今日は、「シュテファン大聖堂」のヨーロッパで3番目に高い教会の塔「南塔」の先端の写真を、部屋から撮ってみました。下からじゃ絶対撮れないかな~と思って。
十字架の下に金に輝く王冠を被って笏と珠を持った双頭の鷲がいるんですよ。下からじゃ絶対見えないのにね…。
さて、今日は朝一番に「ベルヴェデーレ宮殿」に行き、「クリムト」の絵画を見てからユーゲントシュティールの建物を見て回ります。 -
「ベルヴェデーレ宮殿」のチケットは時間指定制なのですが、朝9:30を日本から予約してあります。ここを9:00に出れば十分なので、それまで近所の建物を見に行くことにしました。
なお、「ベルヴェデーレ宮殿」のチケットには見学範囲別にいろいろな設定がありますが、私は「上宮」のみ見学のチケット(16.7ユーロ≒2171円)にしました。(相方のシ〇アチケットは13.4ユーロでした)
早速こちらの建物、私たちの宿のすぐお隣のブロックに建っているのですが、殺虫剤の製造で成功した「ツァッヒェル」のビル「ツァッヒェルハウス」です。
ウィーン建築の第一人者「オットー・ワーグナー」の愛弟子の一人「ヨージェ・プレチニック」が1906年に建設した家です。
鉄板のように見える外壁は花崗岩のパネルで、それを垂直の桟で押さえ分節しているというところが、当時としてはモダンだったようです。
【Brandstätte 6】 -
「プレチニック」は卓越した想像力と造形で、ウィーン分離派の役員に推薦されるほど、才能ある建築家だったそうです。
近代建築の先駆けとしての評価が高いそうですが、最上階には伝統的なアトランティスがずらっと並び、無機質さはありません。
アール・ヌーヴォーからアール・デコへと変わっていく狭間の建物って感じですね。 -
建物正面には火を噴くドラゴン?を踏みつける大きな天使の彫像があります。アール・ヌーヴォー建築によく出てくる、竜退治伝説でしょうか?
そして、建物の隅には、「プレチニック」本人の顔のレリーフがありました。
建築家の顔のレリーフがあるなんて珍しいな~と思ったら、碑文を見ると2005年につけられたようで、ご本人はあずかり知らないところで造られたようです。
ご本人は「恥ずかしいから、やめてくれよ~」と草葉の陰から言っているかも? -
これは、「コルンマルクト」に向かう道(トゥッハウベン)の角にある噴水と、美しい建物です。いつもこれを目印に道を曲がっていました。
この噴水は、「織物職人の噴水」だそうで、足元に反物を置き、大きな鋏を持って布を切っているおじさんの銅像が立っています。
ここにあった「ウィーン相互保険会社」の30周年記念として1928年に建てられた「オスカー・ティーデ」作の銅像だそうで、噴水には「1436年から18世紀末まで、ここに『美しい泉』がありました」と書かれたプレートが付いています。
その「美しい噴水=シェーネブルンネン」にちなんで、この後ろの美しい家は「シェーンブルンナーハウス」と呼ばれているそうです。 -
「トゥッハウベン」を進むと「コルンマルクト」に「グラーベン通り」が突き当たる辺りにある華やかな建物が2つ見えてきます。
-
まずはこちら。美しい二人の女性の彫像が出窓を支える「シャネル」の入る建物。
いかにも「シャネル」といった雰囲気の瀟洒な白亜の館です。 -
そして細い小路を挟んだお隣は6人の女性が建物を支えている「ルイ・ヴィトン」の建物。
こちらはプラハでもよく見かけたタイプの上半身だけの女性が、色々なポーズをとりながら並んでいます。
「グラーベン通り」の突き当りでもあり、とても目立つアール・ヌーヴォー風の美しい建物です。 -
そしてこちらは、ちょっと細い小路にある有名なアール・ヌーヴォー作品「エンゲル薬局」です。
モザイクタイルで繊細に描かれた二人の天使と上部の花模様は「オスカー・ラスケ」の1907年の作品ですが、今なおその美しさは褪せていません。
ベルギーのアール・ヌーヴォー建築家「ポール・アンカール」が提唱していた「街路の芸術」を意識しているそうで、アール・ヌーヴォーの商店建築の中では、高く評価されています。
【Bognergasse 11】エンゲル薬局 現代・近代建築
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そうそう、ウィーンにはチョコチョコと、こんな感じの公衆トイレがあります。
これは、「エンゲル薬局」の隣にあったトイレですが、地下に降りていく感じです。
私は市庁舎広場の前にあるトイレを一度使いましたが、お掃除係のおばさんがいますので、きれいで安心でした。50セント払いましたが、安心、安全そして清潔を買ったと思えば安いものです。 -
昨日に引き続き「グラーベン通り」も歩いてみました。
こちらの壮麗な建物は、1913年に「アドルフ・ロース」が手掛けたもので、1858年創業のウィーンの老舗高級紳士服ブランド「KNIZE服飾店」です。 19世紀にはハプスブルグ家の面々も顧客だったという歴史あるテイラーで、あの「マレーネ・ディートリッヒ」が着ていた燕尾服も、ここが仕立てたものだそうです。
(*□*)ビックリ!!
【Graben 13】クニーシェ 専門店
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内装は「アドルフ・ロース」が手掛けた当時のままだということなのですが、皇室御用達の老舗テイラーに入る勇気はなく、美しい外観を見て満足してきました。
壁面装飾やアイアンワークの手すり、窓周りの装飾など、美しいですよね~
ちょっと気になるのは、外観はシンプル派の「アドルフ・ロース」の割には装飾が多い気がします。もしかしたら、内装だけ担当したのかもですね。調べたのですが、よくわかりませんでした。 -
これは「ペスト記念柱」の隣にある「レオポルドの泉」です。
「グラーベン通り」の真ん中にあるので、何度も前を通りました(笑)
手に旗を持つ男性は、オーストリアの守護聖人「聖レオポルト」で子どもが掲げた紙に描かれた修道院のデザインを見ているそうです。これは建築家で彫刻家の「ヨハン・フリューヴィルト」の作品で、もともと 1680 年に設置され除幕されましたが、現在の噴水と彫像は1804 年に置き換えられたものだそうです。 -
そして、この建物は、「グラーベン通り」でひときわ存在感があります。逆光だったので、ちょっと薄暗い写真になってしまったのが残念です。
これは、ドイツ出身の建築家「カール・シューマン」、ウィーン出身の建築家「テオドール・バッハ」が設計し、1887年に完成した建物です。完成時、米国企業がテナントとして入居していたため、建物のコーナーにある時計塔のように見える部分に、アメリカの国鳥「ハクトウワシ」が飾られています。でも残念ながら、肝心の時計の時間は全くあっていません(笑)
【Graben 8】 -
さて、9:00になったので、近所のお散歩は切り上げて、「ベルベデーレ宮殿」に向かうことにします。
さすがに「ベルヴェデーレ宮殿」までは歩けないので、トラム「D」で向かいます。
トラム「D」の最寄りの乗り場は、宿から「シュテファン広場」を抜けて「ケルントナー通り」をまっすぐ10分ちょっと歩いたところにある「オペラ」停留所。そう、あの「ウィーン国立歌劇場」の前です。
たくさんのショップやカフェが立ち並ぶ「ケルントナー通り」ですが、朝9:00はまだガラガラです。 -
お土産屋さんやカフェなどに交じって、マルタ十字が掲げられた「マルタ騎士団教会」もありました。
現在の教会は、15世紀半ばに建てたものを、18世紀にバロック様式で再建したものだそうです。
6月にマルタに行ったばかりだったので、この十字に懐かしさを覚えました。
(マルタの旅行記、まだ書いてないんです…。このシリーズの後に書く予定ですが、どうなることやら…汗) -
「ケルントナー通り」の建物を楽しみながら歩くこと5分ほどで、視界が開け、右手に壮麗な建物が現れます。
そうです、「ウィーン国立歌劇場」です。リンク側からの姿が印象的なので、裏側から見た図は新鮮でした。ウィーン国立歌劇場 劇場・ホール・ショー
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ふと足元に目を落とすと、まるでハリウッドの歩道のように星型のプレートがならんでいました。
どうやらウィーンで活躍した音楽家の名前とサインがはめ込まれているようで、私が気が付いて写真を撮ったこれは、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団名誉指揮者「カール・ベーム」さんのものです。「カール・ベーム」さんから総監督を引き継いだのが、あの日本でも有名な「カラヤン」さんです。
他の場所には「モーツアルト」、「ドボルザーク」、「ベートーベン」等々もあるそうで、探して歩くのも面白そうです。 -
リンク側に回ってきました。これを見れば、すぐに「ウィーン国立歌劇場」(オペラ座)と分かりますね。
「フランツ・ヨーゼフ」が推進した、城壁の撤去とリンクシュトラッセ(リンク通り)の建設を中心とした「ウィーン都市大改造計画」の一環として、「ウィーン市庁舎」、「ブルク劇場」とともに1863年から1869年にかけて建設されました。
設計のコンペによって、建築家「エドゥアルト・ファン・デア・ニル」と「アウグスト・シカート・フォン・ジッカルツブルク」に因るルネッサンス様式のデザインが選ばれましたが、「様々な建築様式を取り入れたありふれたリバイバル建築」、「建築芸術のケーニッヒグレーツ(低い位置にある、惨敗した戦いの名にふさわしい建築芸術)」などと酷評を受け、挙句、早くに建築を開始したことから、予定より道路面の方が高くなり、建物への入口階段が低くなったため、「皇帝は新劇場を『沈んだ箱』と評した」などとの噂までたち、「ニル」は自害、「ジッカルツブルク」は憤死という悲しい結末となってしまったとか。
今ではウィーンを代表する建築の一つなのに…気の毒ですね。 -
オペラ座正面の頭頂部には「1868 フランツ ヨーゼフ」との碑文があります。
「皇帝フランツ・ヨーゼフ」と「エリザベート妃」の隣席の下行われたオープニング・プレミアは1869年5月25日とのことでしたが、「1868」とは竣工年でしょうか?
ちなみに建築家「ニル」と「ジッカルツブルク」が亡くなったのは1868年で、華やかなオープニングセレモニーには参加できなかったそうです。 -
さて、オペラ座を見ながらトラムを待っていると、ほどなく目当てのトラム「D」Absberggasse行きがやってきました。
昨日買っておいた72時間チケットがあるので、今日もそのまま乗車です。 -
トラムの中には、行き先や、この先の停留所などの情報が、とても見やすく表示されます。「Schloss Belvedere(ベルヴェデーレ宮殿)」が赤くハイライトされました。次の停車駅のようです。オペラ座前の停留所「Oper、Karlsplatz U」から4駅7分程です。
-
停留所は宮殿入口の目の前ですから、迷いようがありません。
入口までは迷いようがないのですが、その先、私は人の流れについて右側のチケット売り場のある建物に入ってしまいました。
私はすでに予約チケットを持っているので、そのまま左側の庭園の方に進み宮殿に入ればよかったのに。
(>д<;)
ま、係の人にチケット見せたら教えてもらえましたが、少々時間をロスしてしまいました。ベルヴェデーレ宮殿 城・宮殿
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まだ朝早い時間でしたから、庭園にはほとんど人がいません。
人がいないうちに庭園の写真を撮ろうかとも思いましたが、クリムトの絵の前が人だかりにならないうちに、宮殿に入った方がいいだろうということで、そのまま宮殿に入ることにしました。 -
宮殿入口で、予約していたチケットを見せて入場です。入り口横にあるインフォメーションには無料の館内マップが置いてあります。
ただ、展示物のについては、クリムトの「接吻」がある部屋しか表示されていませんし、そこまで広くないので、無理して入手しなくてもいいかと。
階段左手では、日本語のオーディアガイドを有料(5ユーロ≒800円)ですが借りることができますよ。
私は借りなかったので、品質はわかりません。 -
「ベルヴェデーレ宮殿」は、165㎡の広大な敷地の両端に建つ「上宮」と「下宮」両方の建物を指し、両方とも美術館になっているのですが、「クリムト」や「シーレ」などの絵が展示されているのは「上宮」です。
超目玉の「グスタフ・クリムト」作「接吻」の展示されている部屋は、オープンから30分しかたっていなくてもこの賑わいです。
とはいえ、目の前に張り付いてじっくり見ることができました。やっぱり実物はいいですね~色の美しさが違います -
「グスタフ・クリムト」の作品の中で、私が初めて見た作品がこれ。そしてとても印象的でした。これは「乙女」というタイトルで、1913年の未完の遺作です。
多分、真ん中の青いドレスの女性が乙女で、左のたくさんの女性がまとわりついている男性が何かささやいているようです。右側がまだ完成していないので最終的にどんな絵になったのかわかりませんが、ちょっと意味深な絵のように思えます。 -
「グスタフ・クリムト」の超有名作品2つ
左は言わずと知れた「接吻」。クリムトの代表作ですよね。作品のサイズは180×180cm、1908~09年に制作されたもので、クリムトと生涯のパートナー「エミーリエ・フレーゲ」が恋人同士として描かれているそうです。
そして右は「フリッツァ リードラーの肖像」1906年の作です。クリムトのパトロンのご婦人の肖像画です。顔や手が写実的に描かれているのに、その他の背景や座っている椅子は紙を張り付けたように平面で、なんとも不思議な雰囲気の絵です。
ちなみに、もう一つの超有名な作品「ユデットⅠ」は、ベルリンに出稼ぎ中で見ることができませんでした。 -
その他の有名な作品の中から1つ。誰もが知る方の絵です。
これは、「ジャック・ルイ・ダヴィッド」の1801年の作「サン・ベルナール峠を越えるナポレオン」です。ちなみに、同じ構図の絵が5枚あるそうで、馬の色やサインのあるなしなど微妙な違いがあるそうです。私も他の美術館で見たことあるような気がします。 -
展示室をつなぐ中央にある「大理石の間」は、美しい天井画や壁の装飾、シャンデリアなど絢爛豪華なホールで、ここが宮殿であることを思い出させてくれます。
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天井の見事なフレスコ画は、「カルロ・イノセンツォ・カルローネ」、「マルカントニオ・キアリーニ」、「ガエターノ・ファンティ」によるものだそうです。
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そして、このホールの窓からは、美しい庭園と「下宮」そしてその先に広がるウィーの市街地が見渡せます。
「Belvedere(ベルヴェデーレ)」は「美しい眺め」の意味とのことで、この景色は「美しい眺めの宮殿」と呼ばれた所以ですね。 -
宮殿の中には、「フランツ・シュテファン」と「マリア・テレジア」のブロンズ像も飾られています。ハプスブルクの栄華を極めたご夫婦ですね。
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さて、絵画鑑賞を終え、庭園に出てきました。
庭園入口には、なぜか目が合う美しいスフィンクスがあります。
相方は彼女がいたくお気に入りでした。 -
「ベルヴェデーレ宮殿」は、不世出の軍事的天才として知られる帝国軍の総司令官「オイゲン公」の夏の離宮として、有名なバロック建築家「ヨハン・ルーカス・フォン・ヒルデブラント」によって建てられた宮殿で、1723年に完成しました。「オイゲン公」の死後、その姪が「マリア・テレジア」に売却したことでハプスブルク家の所有となったそうです。「マリア・テレジア」の娘「マリー・アントワネット」と後のフランス王「ルイ16世」の結婚披露宴も1770年にここで開かれたそうです。
そして21世紀の今、「ベルヴェデーレ宮殿」は世界で最も美しいバロック建築の一つとして世界遺産に登録され、世界中の建築好き、美術好きの人々を楽しませてくれているわけです。 -
「上宮」から「下宮」に続く庭園は800mもあり、あちこちにバロック彫刻が置かれています。この池と彫刻そして噴水という感じは、ミニ「ヴェルサイユ宮殿」といった感じです。
実は私、ここで大きなミスを犯しました。
35年ほど前に来た時に、池に映る宮殿の写真を撮った記憶があり、今回も撮ろうと思っていたのですが、何かその時とは違っていていて…彫刻なんてなかったのになぁ…でも18世紀からある彫刻だしなぁ…と不思議に思っていたんです。
そして、帰国後分かったのですが、私が昔池に映る「逆さヴェルベデーレ宮殿」を撮ったのは、「上宮」の反対側の南側の庭園にある池だったのです。今回は、宮殿内に入るのを急ぐあまり、南側の庭園に行き忘れてしまったのです。というか、南側の庭園の存在を忘れていました。記憶とは頼りないものです。(*_*) -
世界で最も美しい庭園の1つに数えらる「ベルヴェデーレ宮殿」の庭園は、「ヴェルサイユ宮殿」の庭園工事にも携わった庭師「ドミニク・ジラール」によって、1717年に造られたそうです。
若き「マリー・アントワネット」が散策したであろう庭園を歩くってのも、なかなかおつなもんです。ま、私のことですから、優雅には歩けず、カメラぶら下げて速足で駆け回ってましたが…ね。
ε=ε=┏( ・_・)┛ -
そしてこちらが庭園を800m下った先にある「下宮」です。「上宮」より先に建築され、「オイゲン公」が実際に住んでいた場所です。
「下宮」には、「ゴールドキャビネット」や「グロリエッテの間」と呼ばれる建設当時の面影を残す美しい広間がありますが、今回はユーゲントシュティール巡りがメインということで、時間とお金と相談し、止む無くスルーとしました。 -
「下宮」側「レン通り」に面した門です。ここから「レン通り」を歩いて、地下鉄「カールスプラッツ駅」に向かいます。
今年(2023年)で300周年を迎えた「ベルヴェデーレ宮殿」ですが、他の宮殿より人も少なく、のんびりバロックの世界を堪能できます。 -
「ベルヴェデーレ宮殿」から「レン通り」を進むこと3分で現れるのが「ホヨース宮殿」。元々「オットー・ワーグナー」の住宅として1891年に建てられた館です。
「オットー・ワーグナー」の初期の作なので、ユーゲントシュティールというより、基本的に歴史主義のスタイルで、正面はロココ調です。
【Rennweg 3】 -
ウィーンの建築界のドンである「オットー・ワーグナー」の自宅にする予定だった館ですから、美しいに決まってます。
「オットー・ワーグナー」の自宅だったのに、なぜ「ホヨース宮」というかというと、1903年に伯爵夫人「マリー・ホヨース」の所有になったからだと思われます。 -
窓周りの装飾、美しいですね~
手すりのアイアンワークが美しいのはもちろんですが、手すりの両サイドにある小さな柱にまで、金のゴージャスな飾り付きです。
入口の門の装飾も美しいですね~
あ、今はクロアチアの大使館になっているので、クロアチアの紋章がついています。 -
壁のレリーフも、華やかですね~
色は付いていないのですが、真っ白なのが、逆にとても綺麗です。
忘れてならないのは、足元にある(多分)地下室の明り取りの窓につけられた、美し過ぎる格子。
自宅の飾りですもの、抜かりはないですね。 -
ちなみに右隣の館も「オットー・ワーグナー」作ですが、あの作曲家「グスタフ・マーラー」が1898年から1909年まで作曲活動していた家だそうで、入口にそれを示す立派なプレートが掲げられています。
「マーラー」は主に別荘やニューヨークなどで作曲活動をしていたそうですが、ウィーンに帰ってきたときはここに住んでいたとか。最上階を借りていたそうです。
【Auenbruggergasse 2】 -
「レン通り」が様々な通りと交わる交差点、目指す「カールスプラッツ」方向に、ノーマークだったアール・ヌーヴォーの舘を発見。とても優美な佇まいです。
近づくと、フランス国旗がはためいていました。調べてみたらフランス大使館とか。さすが、アール・ヌーヴォーの本場の大使館です。
【Technikerstraße 2】 -
この窓周りのデザインや、手すりのアイアンワークなど、立体的で私好みのアール・ヌーヴォーデザインです。
後から調べたらフランスやベルギーで活躍した「ジョルジュ・シュダンヌ」という方が1904年に建築した建物だそうです。やっぱりね!
オーストリアのユーゲントシュティールは、巨匠「オットー・ワーグナー」のデザインをはじめとして、どちらかというと平板で2次元の世界で表現されていますが、フランスやベルギーのアール・ヌーヴォーは3Dで表現されていると感じます。
もちろん、どちらも美しいですけどね。
手すりには金でブドウが装飾されていました。いいですね~ -
「ベルヴェデーレ宮殿」から歩くこと10分ほどで「カールス教会」です。
大きなドームと、ローマのトラヤヌス帝記念柱にヒントを得たという両端に2つ巨大な円柱を持つ教会で、1737年にローマ皇帝「カール4世」の指令によって「ヨハン・ベルンハルト・フィッシャー・フォン・エルラッハ」が設計した、バロック建築の傑作のひとつと言われる教会です。
内部の壮大な景観、特にドーム天井に描かれた「ヨハン・ミヒャエル・ロットマイヤー」によるフレスコ画は必見とのことで、楽しみにしていたんですが、結婚式が行われていて、中に入ることができませんでした。
【Kreuzherrengasse 1】カールス教会 寺院・教会
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残念ながら内部見学はできませんでしたが、この柱に施された彫刻を見るだけでも、緻密な装飾が施されているであろう内部が想像できました。
-
これ、なんだと思いますか?
なんと水飲み場なんです。これは「カールス教会」のある「カールスプラッツ」にあったのですが、街中で時々見かけました。
ウィーンっ子たちは、ここで水筒に水を詰めて持ち歩いてましたよ。
さすがアルプスの国、水道水が飲める国ならではですよね。 -
「カールス教会」から公園を抜け5分足らずで、目的の「カールスプラッツ駅」に到着です。
現在の「カールスプラッツ駅」はウィーン地下鉄1号線、2号線、4号線(U4)、ウィーン地方鉄道等が停車するターミナル駅ですが、かつて地下鉄ができる前に使っていたシュタットバーン(ウィーン市営鉄道)の駅舎が、ユーゲントシュティールを代表する建物の一つとして有名です。
対をなす2つの駅舎は壊されることなく、今はカフェと博物館として使われています。
この駅舎を建設したのは、ご存じ巨匠「オットー・ワーグナー」とその一番弟子「ヨゼフ・マリア・オルブリッヒ」で、駅舎の開業は1899年です。
【Karlsplatz】カールスプラッツ駅舎 建造物
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シュタットバーンの設計責任者だった「オットー・ワーグナー」は、この鉄道がウィーンの街の景観に対する大きなポイントとなると考え、鉄道本体だけでなく、橋梁、駅舎のような大規模構造物や、手摺、照明灯、案内板、文字等の小物にも細かい注意を払って、鉄道全体として総合デザインという考え方を実現させたそうです。
駅の入口とは思えない、優美な装飾ですよね~。扉もしっかりアール・ヌーヴォーしてます。 -
西側の駅舎は3月から10月の週末だけ「オットー・ワーグナー博物館」としてオープンしています。
私たちが訪れたのは丁度土曜日だったので、中に入ることができました。(5ユーロ≒650円)
内部の美しい装飾も見ることができましたし、ワーグナー設計の代表建築物の模型などもありました。
お土産コーナーでは、他では売っているのを見かけなかった、ワーグナーの作品の絵葉書(写真)集も売っていました。もちろん、購入しました(笑)オットー ヴァーグナー パビリオン カールスプラッツ 現代・近代建築
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現代の地下鉄の入口階段側です。
大きな「オットー・ワーグナー」の写真が飾られています。
さぁ時間は11:30、ここから地下鉄に乗って、ユーゲントシュティール巡りまだまだ続きます。素敵な建物いっぱい出てきますよ~
続きは後編で!
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