2023/12/10 - 2023/12/10
49位(同エリア68件中)
ちゃんさん
根室本線は、函館本線の滝川から釧路、根室を結ぶ大幹線。しかしバイパスルートとなる石北本線の開業以降、滝川から新得間はローカル線と化しています。しかも災害で長期不通になっている区間を含む富良野~新得間は、4ヶ月後に廃止予定です。
僕自身は富良野~根室間が乗車済みで、未乗区間は滝川~富良野の54.6kmのみ。もはや「名ばかり幹線」を走る1両きりのワンマン列車はしかし、大賑わいを見せていたのでした。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- JRローカル
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滝川行きの快速列車は、遅れた富良野線からの乗り継ぎ客を待っていてくれました。最新鋭の気動車だった富良野線に対し、根室本線は古豪・キハ40系の単行運転です。
九州でも同型車が走っているけど、北海道仕様車はデッキ付きで、急行型に近い風格があります。青いボックスシートも国鉄時代のままで、汽車旅気分が味わえる車両です。富良野駅 駅
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しかし車内はすでにほぼ満員! 9割以上は海外からの観光客で、荷物も大きいものだから立つ人も多かったです。どうにかボックスのすき間を見つけ、席にありつきました。
富良野駅を発車。駅舎のピンクと青のラインは、観光特急「フラノエクスプレス」のカラー! 国鉄時代にデビューした国鉄「らしからぬ」あか抜けた観光列車も、すでに過去帳入りしています。JR根室本線 乗り物
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廃駅になった島の下を通過して、列車は長いトンネルに入ります。ダム建設に伴い付け替えられた区間にあたり、その間にあった滝里駅も1991年に廃止され、今はダムの底です。
廃駅が進んでいる中で残っている駅にはそれなりの需要があるようで、野花南駅では下車していく人の姿が見られました。野花南駅 駅
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富良野~滝川は1日わずか9往復しかありませんが、朝の9時台から10時台にかけては1時間間隔で列車があるので、どこか1駅で降りる余裕があります。せわしない旅ながらも、見知らぬ地を歩く時間もほしいです。
地図を見つつヤマ勘を働かせて、上芦別駅で降りてみることにしました。 -
低い島式ホームには、磨き込まれた上屋がかかり、汽車の時代の面影を感じます。地に足を付けた瞬間、ああ、降りて良かったと思いました。
エンジン音を轟かせて気動車が走り去れば、あたりを静寂が包みます。上芦別駅 駅
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跨線橋には、手書きされた「本日はご利用いただきありがとうございます。」の文字。温かみがあるじゃありませんか。
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ペンキがところどころ剥がれた跨線橋の壁。青春18きっぷのポスターの舞台になれそうです。
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ホームの上屋こそ1両分しかないけど、長いすれちがい用の線路に、大幹線として賑わった名残りを感じます。
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駅舎に駅員がいた名残りはありますが、もちろん無人駅。火の気はありません。
何気なく見ていた掲示に「クマ出没注意」。そうやん、今年は異常に熊の出没率が高くて、本州ですらめちゃ被害が出てるんやったやん! -
北国に来たのに、すっかり忘れていました。芦別市のホームページを見れば11月中旬を最後に目撃情報はなく、さすがに冬眠状態かな。駅前の集落を歩くレベルでは問題なさそうです。
しかし助けを求められない環境は怖いので、ダム湖畔の公園まで遠足するのは、止めておくことにしました。 -
列車は昼間6時間空く時間帯もあるのに、駅前からは1時間間隔で路線バスが出ているのは意外です。
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列車とバスを組み合わせた共通時刻表が新鮮で、相互に補完関係を目指しているようです。芦別までバスに乗ってみても面白かったかも…
いや、そんなことしたらまた、上芦別~芦別間を「乗り残す」ことになるやん! -
立派な駅前ロータリー。芦別市の郊外ながら、独立した町の玄関口になっていることが分かります。
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しかし駅周辺にコンビニの類は見当たらず、商店もなく、廃業した酒屋さんが1つあるのみ。体が暖かい飲み物を欲していますが、自販機も見当たりません。
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広い碁盤の目の道路に、街路樹が並ぶ、整然とした住宅街。田舎町といえど、北海道らしいです。
北海道だったら、建築基準法の2項道路のセットバックって滅多に発生しないんだろうなという雑念が湧きました。 -
閑話休題。歩いていると、これまたきれいに整備された公園が現れました。汽車に刻まれた「3JOU EXPRESS」の表記が渋いです。
我が子が見たら、「えすえるぅ~」と言いながら喜びそう。 -
空知川に架かる、泰山橋まで来てみました。高さに足がすくみます。
しかしそれより、にわかに吹き始めた強風と顔を叩く雪、そして熊と鉢合わせしたらという恐怖で、渡る勇気はありませんでした。空知川 自然・景勝地
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雪をスムーズに敷地外へ排出するためか、塀がなくオープンな印象のある北海道の住宅地。公営住宅でも同じで、平屋の長屋住宅の庭と道路を仕切る、塀や垣根はありません。
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幹線道路に面している住宅も同じで、歩道から居間が丸見えです。
落ち着かないのではと感じてしまいますが、大らかということなのか、除雪へ支障しないことが優先なのか。 -
表通りの道道365号線。時折歩く人とすれ違います。
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お寺の境内もオープン。
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そんなに広くない集落にもう一つ公園があり、高低差を利用した長いローラースライダーが伸びていました。これも我が子は喜ぶだろうな…
出発して24時間が経過、ぼちぼち家族が恋しくなってくるタイミングです。 -
「とうもろこしの芯は平成26年度から一般ごみへ」。それまでは何だったんだろう?いずれにせよ「とうもろこしの芯」の分別が特記されるあたりも、北海道を感じてしまいます。
北海道らしいといえば、熊には遭遇しませんでしたが、キタキツネやエゾリスの愛らしい姿を見ることはできて和みました。 -
本屋さんは近年まで健在だった模様。
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仕出し屋さんの前で、ようやく自販機を発見。コカ・コーラのアプリも使えます。
冷えた体の中を、あったかいココアが流れていく感覚が分かりました。 -
40分ほどの見知らぬ街の散歩を終え、火の気のない待合室へ戻りました。冬季の除雪スタッフの募集広告に目が留まります。
泊まり勤務16,400円~はなかなかいい日当とは思うけど、すなわちJR北海道の経営が厳しい要因の一つでもあるわけで。駅の除雪の手間がバカにならないのも、駅廃止が進む理由です。 -
富良野方面の普通列車が到着。ほとんどの席が埋まっており、駅舎を眺めたり、カメラを向けたりする乗客が目立ちました。
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跨線橋を降りると、今度は「本日はご利用いただきありがとうございます」の手書き文字が。
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ホームの番線表記も手書き。
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滝川方面のワンマン列車が入って来ました。同じくキハ40系の単行。10時台になりチェックアウト後の利用もしやすい時間帯で、インバウンドの客でさらに混雑していました。
次の列車は6時間後。いまや富良野線がメインルートとはいえ、インバウンド復調の今、もう少し本数があってもいいのでは? と思います。 -
本数は少ないとはいえ、さすがは「本線」。産炭地として栄えたであろう、規模が大きな都市が続きます。
少なからず地元のお客さんも乗ってきますが、大きなスーツケースの山を見て、あきらめ顔でデッキに立っていました。芦別駅 駅
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味わいのある、大きな駅舎のある駅が多いです。キハ40系の青いボックスシートに足を投げ出し、ゆっくり眺められたらどんなによかったろう。
経営危機のJR北海道にとって、それが許されぬ状況ということも理解します。新たな観光列車構想も聞こえてきたJR北海道、どうか豊富な観光資源を武器に、攻めの姿勢に戻ってほしいです。茂尻駅 駅
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赤平駅の手前では、高層の共同住宅群が見えて来ました。炭鉱の名残りでしょうか。
赤平駅 駅
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上芦別駅から40分、富良野からの乗車時間1時間10分で、函館本線との接続駅・滝川駅に到着。ホームは観光客で溢れました。
混雑は嫌ですが、単行列車の輸送力も侮れません。滝川駅 駅
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旭川からの特急ライラックが同時入線。接続を取らずに発車していき、なんて意地悪なダイヤだ! と憤慨していたら、単にライラックが遅れていたようでした。
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