
2023/03/25 - 2023/03/25
39位(同エリア68件中)
あおしさん
この旅行記スケジュールを元に
かつて北海道の中心、空知川周辺には多くの炭鉱がありました。
明治時代以降、これらの炭鉱には多くの人が集まり、町を作っていました。
歌志内、上砂川、美唄、芦別、赤平などです。
現在は炭鉱はすべて閉山となり、町も多くは人口が激減してさびれてしまっています。
今回はJR根室線に乗って、芦別と赤平の町を歩いてみました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 2.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
前日から滝川市のホテルに泊まり、朝滝川駅から出発です。
滝川市は炭鉱が栄えていたころは、その中心として、また函館本線と根室本線の分岐駅・交通の要衝で栄えました。
ちょうど朝ドラ「チョッちゃん」(主人公は黒柳徹子さんの母・黒柳朝、古村比呂さん主演)の舞台になった昭和2年から昭和40年ごろです。
しかし今ではすっかりさびれてしまい、駅前のデパートも今は閉鎖され、巨大な廃墟となっていました。ホテルスエヒロ 宿・ホテル
-
さて、滝川駅を9時半過ぎの根室本線の普通列車でスタートします。
道東の釧路、根室へのメインルートだった根室本線も今は1両のデーセルカ―が数本往復するだけのローカル線。
富良野から先は廃止の予定になっています。
お客は私も含めて4人だけ。JR根室本線 乗り物
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列車は空知川沿いを走っていきます。
「空知」はアイヌ語で滝の多い川を意味する「ソー・ラチ・ペッ」が由来。
滝川市もこのアイヌ語を意訳した市名です。 -
滝川駅から約30分。
まず芦別駅で降ります。
平日は芦別市の委託された駅員さんがいるようですが、今日は無人駅。
かつて石炭を満載した貨物列車が1日何十本も発着した歴史から駅構内は広いです。
今は1両のデイーゼルカーが長いホームに停車するだけです。芦別駅 駅
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芦別駅の駅舎です。
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昭和20年代の芦別周辺の炭鉱が最盛期の芦別駅。
リフォームはされたものの、当時と同じ駅舎のようです。
当時は駅前は多くの人でにぎわっていたようですが、今はほとんど人が歩いていませんでした。 -
駅から見た芦別市街地。
明治時代以降に作られた町らしく、きれいに区画整理された町です。
ただ、ほとんどの商店が空き家。
駅前のビルはパチンコ屋さんのようですが、この店も廃業しているようでした。 -
昭和30年代の芦別市街。
当時と今も町の区画はほとんど変わっていません。
ただ、当時は商店が多く並び、活気のある駅前だったようです。
昭和25年には7万人の人口も今では1万2千人と6分の1になってしまいました。 -
まず、芦別駅から歩いて15分ほどの「星の降る里百年記念館」へ。
道の駅に併設されている郷土資料館です。道の駅 スタープラザ芦別 道の駅
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入館料200円、ささやかな資料館ではありますが、中は結構充実。
星がきれいに見えるということで、芦別市は「星の降る里」をアピールしていますが、小さなプラネタリウムがあります。星の降る里百年記念館 美術館・博物館
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こちらは炭鉱住宅の模型に映像を組み合わせたシアター。
4世帯が住む炭鉱住宅でこどもたちが紙芝居を見ていたり、奥様方が井戸端会議をしていました。
私は当時の炭鉱の人々の暮らしに興味があるので、とても楽しい展示でした。
芦別駅では80歳くらいのおばあさんが列車に乗るために待合室で待っていましたが、あのおばあさんが小学生くらいのころ(70年くらい前)はこんな光景だったのでしょう。 -
芦別にはいくつも炭鉱がありましたが、特に栄えたのが三井芦別炭鉱。
この炭鉱だけで多くの人が働き、家族が住んでいました。
当時の人々の生活用品や写真が展示されています。 -
JR芦別駅と三井芦別炭鉱の間には鉄道もあり、毎日多くの石炭を満載した列車が運行されていました。
石炭輸送のための鉄道でしたが、旅客列車もありました。
昭和47年に旅客は廃止、貨物鉄道も炭鉱の閉山と同時期、平成元年に廃止になりました。 -
旧三井芦別炭鉱周辺には当時に学校や、鉄道の鉄橋と機関車が保存されています。
ただ、ここからは10キロ以上離れており、クルマじゃないといけませんでした。
なので今回は断念。 -
この資料館と道の駅と川を隔てて大きな観音様と五重塔が。
博物館の人に聞いたら、もとはレジャーランドだったとか。
バブル時代、東京ディズニーランドの成功に刺激されて、全国にテーマパークブームが起こり、全国各地にテーマパークが作られました。
炭鉱が閉山した芦別市も観光に活路を見出そうとしたのでしょうが、レジャーランドに観音様って・・・結局そのレジャーランドは破綻して、今はどこかの宗教団体が買い取ったそうです。
ちなみに芦別市では赤毛のアンをモチーフにした「カナディアンワールド」というテーマパークを作りましたが、こちらも芦別市の予算の半分にもなる50億円の借金で破綻しています。 -
芦別市でほかの観光地は徒歩やバスではいけないので、芦別市からバスで隣の赤平市に移動します。
JRは朝夕しか列車がありませんが、バスは1時間に1本ほどありました。 -
赤平市も旧炭鉱で栄えた町。
まずは旧住友石炭鉱業赤平炭鉱跡へ。
当時赤平市のシンボルあった立坑が現在も残っています。
全国でも立坑に入ることができるのはここだけだそうです。赤平市炭鉱遺産ガイダンス施設 美術館・博物館
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炭鉱が栄えていたころの赤平の町。
当時6万人の人口だった赤平市も今は9千人を割ってしまいました。 -
この炭鉱周辺の当時の赤平の街並みの模型。
赤い部分は炭鉱夫の住む炭鉱住宅です。
エアコンなんてない昭和30年代、電気、ガス、石炭などはすべてタダで完備され、いわば最先端の住宅だったそうです。 -
資料館は無料ですが、立坑に入るにはガイドさんと一緒でしか入れないそうで、800円です。
立坑見学は約50分。
お客さんは私の他は御夫婦の3人。
ガイドさんは昭和44年からこの炭鉱で働いていた人で72才の方でした。旧住友赤平炭鉱立坑櫓 名所・史跡
-
まず立坑の前の建物へ。
石炭を運ぶためのトロッコのレールが多くあります。 -
立坑です。
立坑とは単純に言えばリフト、エレベーターです。
ここから地下300m、500m、1000mの地下に石炭を満載にしたトロッコや炭鉱夫さんが運ばれていくのです。 -
このリフトをケーブルで上下させます。
この円形のドラムの大きさは6mほどでとても大きい。 -
ガイドさんが黒板で説明してくれました。
この立坑は昭和38年に建てられた最新式のものだったそうです。
ただ、10年後には国策で石炭から石油へのエネルギー政策が転換され、その活躍は短期間で終わってしまいました。 -
石炭運搬用のトロッコ。
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このトロッコがリフト・エレベーターである立坑に送り込まれ、地下と結んでいました。
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炭鉱夫さん用のリフト・エレベーター。
なんとなく炭鉱へは炭鉱夫さんはトロッコに乗って地下へ行く、というイメージでしたが、それは斜坑(しゃこう)の炭鉱のことで、ここは立坑なのでリフトで地下へ移動していました。
「4階」建てのリフト・エレベーターです。 -
上の階から見た立坑構内。
足元は結構高く、高所恐怖症の人は怖いかも。
50分間でしたが、ガイドさんの説明もなかなか充実していて、よかったです。
なお、この後、当時の掘削機械などが保存されている工場へツアーは続くのですが(約40分)、私は機械はあまり興味がないのでパス。 -
立坑の前にあった浴場。
この浴場は内部公開はされていません。
実はガイドさんの話では工場へ積雪で行けないときはこの浴場の内部に連れていってくれるそうで、それなら行きたかったな。旧住友赤平炭鉱坑口浴場 名所・史跡
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いったんJR赤平駅に戻ります。
かつて赤平駅は炭鉱全盛時代には1日の貨物発着量が東京の隅田川貨物駅、大阪の梅田貨物駅を抜いて全国1になったこともあるとか。
今は貨物も廃止になり、1日の利用者は約100人程度の小駅。
ただ、駅舎は地元の負担で建て替えられた実に立派なものでした。赤平駅 駅
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赤平駅前の市街地。
かつてはとてもにぎわったことでしょう。
炭鉱時代の郷土料理「がんがん鍋」が食べたくて、いくつかの店をまわったのですが、廃業もしくは夕方5時以降で準備中ばかり。
「水曜どうでしょう」にも登場した「珍来」というお店もなぜか休業していました。
残念。 -
赤平駅の裏手にあるズリ山。
ズリ山とは石炭の採掘に伴う坑道掘削や選炭によって生じた岩石廃棄物の集積してできた山のことです。
ガイドさんに言われて初めて知ったのですが、北海道ではズリ山、九州の炭鉱ではボタ山と呼び方が違うそうです。ズリ山階段 (ズリ山展望広場) 名所・史跡
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このズリ山の頂上までは777段の階段で行くことができ、山頂の展望台はとても願望がいいとか。
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しかし、雪で埋まっていました。
行けるところまで行ってみようと思ったのですが、階段なので旧な雪の坂道となっており、とても無理無理。
諦めました。 -
赤平駅へ戻って、JRで滝川、札幌へ戻りました。
今回見られなかったところは、次回夏にクルマで来ようと思います。赤平駅 駅
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