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2022年1月6日(木)2時過ぎ、荻町城跡展望台から降りて来て、坂の下の三差路を右折し、メインストリートの手前にある和田家住宅へ。世界遺産の中でも最大級クラスの合掌造りで、唯一国の重文に指定されている。展望台から見下ろした時に、集落の真ん中の一番手前に独立して建つ民家。<br /><br />和田家は戦国時代の1573年よりつづく家柄で、江戸時代には名主(庄屋)や番所役人を務め、苗字帯刀を許されていた。また火薬の原料である塩硝の取引で繁栄した。この住宅は江戸時代中期に建てられたとされているが、江戸時代初期あるいは末期としている説明もある。<br /><br />高山大工が建てたとされる明善寺庫裏と酷似した間取りを持つことから、この住宅も高山大工の作とも推測される。また、有力者の家屋であるため、他の合掌造りの家よりも大きく、特別な客を迎えるための式台が存在している点も異なっている。往時には20人以上の家族が住んでいたと云う。<br /><br />1995年に主屋、土蔵、便所の3棟ならびに土地が重要文化財に指定されたが、現在も和田さん一家が住居として使いつつ、1階と2階部分を公開されている(生活スペースは非公開)。<br /><br />主屋は西を正面として建ち、主屋の手前右側に便所、後方に土蔵が建つ。主屋は切妻造茅葺の合掌造りで、平面規模は桁行22.3m、梁間12.8m。3階建てで、2階より上階で養蚕が営まれていた。土蔵は切妻造桟瓦葺の2階建て。桁行6.1m、梁間5.3m。便所は切妻造茅葺で、桁行7.3m、梁間4.3m。<br /><br />これらの建物と共に宅地の約3500平方m(1000坪強)も重文となっている。宅地内に融雪のための池と石組み水路を構え、周囲に防風林を配置しており、建物含めた屋敷構え全体が良好に保存されている点が評価されたもの。<br /><br />玄関から内部に入るとまずは左手奥にある仏間と客間へ。立派な仏壇に神棚もあり、床の間には掛軸がかかる。広い板の間の居間には畳に囲まれた囲炉裏がある。囲炉裏の上の天井の、2階の床板には隙間があり、風通しを良くして、また囲炉裏の熱が伝わるようになっている。囲炉裏の熱や煙には家屋の防虫・防湿効果もある。この居間には、昔、婚礼時や祝い事に使用された赤漆の食器などが展示されている。<br /><br />急な階段を登ると、途中に天井の低いスペースが広がる中2階がある。現在は物置になっているが、昔は使用人の居住区だったのだろうか。2階部分は養蚕に利用されていた場所で、1回のように区切りがなく、広々としている。壁はそのまま茅葺き屋根の裏側で、木組みを縄で締めているのが分かる。<br /><br />実際に使われていた民具、農具(下の写真1)のほか、食材を保存するのに使われた桶や、10人以上の食事は用意できそうなお鍋など(下の写真2)が展示されている。また、窓から眺める景色もきれい。<br />https://www.facebook.com/media/set/?set=a.9344771605592780&amp;type=1&amp;l=223fe1adec<br /><br /><br />明善寺へ向かうが、続く

岐阜 白川郷 荻町 和田家住宅(Wada House,Ogimachi,Shirakawago,Gifu,Japan)

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2022/01/06 - 2022/01/06

1075位(同エリア1460件中)

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ちふゆ

ちふゆさん

2022年1月6日(木)2時過ぎ、荻町城跡展望台から降りて来て、坂の下の三差路を右折し、メインストリートの手前にある和田家住宅へ。世界遺産の中でも最大級クラスの合掌造りで、唯一国の重文に指定されている。展望台から見下ろした時に、集落の真ん中の一番手前に独立して建つ民家。

和田家は戦国時代の1573年よりつづく家柄で、江戸時代には名主(庄屋)や番所役人を務め、苗字帯刀を許されていた。また火薬の原料である塩硝の取引で繁栄した。この住宅は江戸時代中期に建てられたとされているが、江戸時代初期あるいは末期としている説明もある。

高山大工が建てたとされる明善寺庫裏と酷似した間取りを持つことから、この住宅も高山大工の作とも推測される。また、有力者の家屋であるため、他の合掌造りの家よりも大きく、特別な客を迎えるための式台が存在している点も異なっている。往時には20人以上の家族が住んでいたと云う。

1995年に主屋、土蔵、便所の3棟ならびに土地が重要文化財に指定されたが、現在も和田さん一家が住居として使いつつ、1階と2階部分を公開されている(生活スペースは非公開)。

主屋は西を正面として建ち、主屋の手前右側に便所、後方に土蔵が建つ。主屋は切妻造茅葺の合掌造りで、平面規模は桁行22.3m、梁間12.8m。3階建てで、2階より上階で養蚕が営まれていた。土蔵は切妻造桟瓦葺の2階建て。桁行6.1m、梁間5.3m。便所は切妻造茅葺で、桁行7.3m、梁間4.3m。

これらの建物と共に宅地の約3500平方m(1000坪強)も重文となっている。宅地内に融雪のための池と石組み水路を構え、周囲に防風林を配置しており、建物含めた屋敷構え全体が良好に保存されている点が評価されたもの。

玄関から内部に入るとまずは左手奥にある仏間と客間へ。立派な仏壇に神棚もあり、床の間には掛軸がかかる。広い板の間の居間には畳に囲まれた囲炉裏がある。囲炉裏の上の天井の、2階の床板には隙間があり、風通しを良くして、また囲炉裏の熱が伝わるようになっている。囲炉裏の熱や煙には家屋の防虫・防湿効果もある。この居間には、昔、婚礼時や祝い事に使用された赤漆の食器などが展示されている。

急な階段を登ると、途中に天井の低いスペースが広がる中2階がある。現在は物置になっているが、昔は使用人の居住区だったのだろうか。2階部分は養蚕に利用されていた場所で、1回のように区切りがなく、広々としている。壁はそのまま茅葺き屋根の裏側で、木組みを縄で締めているのが分かる。

実際に使われていた民具、農具(下の写真1)のほか、食材を保存するのに使われた桶や、10人以上の食事は用意できそうなお鍋など(下の写真2)が展示されている。また、窓から眺める景色もきれい。
https://www.facebook.com/media/set/?set=a.9344771605592780&type=1&l=223fe1adec


明善寺へ向かうが、続く

  • 写真1 民具、農具

    写真1 民具、農具

  • 写真2 生活用具

    写真2 生活用具

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