６月の北東北　残雪、新緑、秘湯を巡る旅　１０．松川温泉郷湯巡りと松川温泉松楓荘

2022/06/08 - 2022/06/09

２０２２年６月８日（水）～9日（木）　晴れ
　松川温泉郷は松川の最上流にあり、「松楓荘」「松川荘」「峡雲荘」３軒の宿が営業している。宿泊者は温泉手形を貰えたので、松川荘と峡雲荘を無料で湯巡りした。
　宿泊した松楓荘の開湯は江戸時代中期と温泉郷の中で最も古く、山小屋風の建物には鄙びた風情があった。温泉は男女別内湯４、女性露天１、混浴露天１の計６つ。熱めの白く濁った温泉、ぬるめの透明の温泉と２つの源泉があった。残念だったのは松川の対岸にある名物の洞窟岩風呂が、豪雨による土砂崩れで使えなかったこと。豪雨や雪崩で度々閉鎖になるという。

【旅程】
　6/05　伊丹空港→秋田空港→田沢湖→想いでの潟分校→乳頭温泉湯巡り（妙の湯、蟹場、大釜、国民休暇村）→乳頭温泉郷・黒湯温泉（泊）
　6/06　乳頭温泉郷湯巡り（孫六、鶴の湯）→玉川温泉（立寄り湯と自然探求路の散策）→八幡平アスピーテライン→藤七温泉・彩雲荘（泊）
　6/07　八幡平ハイキング（ドラゴンアイ、源太森）→後生掛温泉（立寄り湯と自然探求路の散策）→大沼→蒸けの湯温泉→藤七温泉・彩雲荘（泊）
★6/08　黒谷地湿原→八幡平アスピーテライン→松尾鉱山跡→松川温泉地熱発電所→松川温泉郷湯巡り（松川荘、峡雲荘）→松川温泉・松楓荘（泊）
★6/09　岩手山焼走り→小岩井農場→重伝建角館の街歩き→秋田空港→伊丹空港

エリア 八幡平（岩手側）(岩手)

• 旅行の満足度: 5.0
• ホテル: 5.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

　１４：００　松川温泉郷の湯巡りは松川荘から。

松川荘 宿・ホテル

　松川温泉郷には３つの宿があり、宿泊すると全部の宿の温泉に入れる温泉手形を貰えます。

　先ずはお品書きをチェック。

　松川荘には低温、高温２つの源泉があり、いずれも弱酸性。
　・鶺鴒源泉：単純硫黄泉（硫化水素型）、泉温３８．５℃、ｐH３．７
　・新湯：単純硫黄泉（硫化水素型）、泉温８３．７℃、ｐH４．３

　最初に内湯「鄙の湯」へ。広い浴室に扇形の湯船が２つ。

松川荘 宿・ホテル

　お湯はやや乳白色。

　２つの湯船には異なる源泉が使われています。しかし泉質はほぼ同じで両方とも適温に調整されているので、両者の違いは感じません。

　次は露天風呂へ。途中に湯気を上げる高温源泉のお湯。

　庭園風の開放的な露天風呂は貸切状態。三ツ石山ミニ登山の疲れを癒しました。

松川荘 宿・ホテル

　１５：００　次は松川温泉 峡雲荘へ。松川温泉郷の中で最も人気の宿です。

松川温泉 峡雲荘 宿・ホテル

　「日本秘湯を守る会」の宿。

　かっての素朴な湯治宿はシックに改装して高級化。「日本秘湯を守る会」の宿の多くが最近高級化しており、レトロと鄙びと安さを愛する万歩計としてはやや残念な傾向。

　源泉は１つで、泉質は松川荘とほぼ同じ。
　新駒鳥の湯１源泉：単純硫黄泉（硫化水素型）、泉温６２．２℃、ｐH５．４
　

　先ずは混浴露天風呂へ。

松川温泉 峡雲荘 宿・ホテル

　大岩を巧みに組んだ豪快な造り。

　お湯は乳白色の濁り湯で源泉かけ流し、加水調整。

　お湯の注ぎ口に厚く結晶した温泉成分。

　横の通路を行くと内湯に行けます。

　見事なブナの新緑。その下で松川が瀬音を立てています。

　長椅子に寝そべってブナの森を見ながら火照った体を冷やして、

　くぐり戸から内湯へ。

　お湯は露天風呂のものと同じ。

松川温泉 峡雲荘 宿・ホテル

　木造の湯殿は湯治場の雰囲気が残っています。

　天井まで湯気がモクモク。微かに硫黄臭。

　１時間の湯巡りを終えて峡雲荘を出ました。

　１６：１３　松楓荘に戻ってチェックイン。今日の走行距離は４２ｋｍ。

松川温泉 松楓荘 宿・ホテル

　ここの建物も趣ある山小屋風。好きだなぁ、こんなの。

　開湯は寛保３年（１７４３）と松川温泉の中では一番古い宿です。

　部屋は２階の８畳和室。

　宿の案内。お茶請けは温泉で茹でた玉子。

　一泊二食一人利用で１２，１００円でした。

松川温泉 松楓荘 宿・ホテル

　窓を開けると松川の対岸に名物の洞窟露天風呂。

　がけ崩れや雪崩で度々閉鎖になり、今回も大雨による土砂崩れで閉鎖されていました。

　お茶を一杯飲んで何時もの通り館内探検。

　こういう古い建物では階段や床が磨き抜かれています。

　１階は玄関や食堂。

　奥に湯殿が並んでいます。

　混浴露天風呂は１７：００から女性専用になるので、それまでに手早く写真だけ。

　源泉は１つ。泉質は他の２つの宿とほぼ同じ。
　桜の湯源泉：単純硫黄泉（硫化水素型）、泉温６４．４℃、ｐH５．４

　石造りの広々とした内湯は窓が広くとたれ開放的。

松川温泉 松楓荘 宿・ホテル

　「ぬるめ」と「あつめ」の２つの浴槽に分かれています。

　洗い場

　湯殿の窓を開けると、

　源泉から木の樋を通ってお湯が供給されている様子が見えます。

　対してこちらは巨岩の内風呂は、暗く狭くて神秘的

松川温泉 松楓荘 宿・ホテル

　男女の浴槽はこの巨岩で仕切られています。

　高い天井に設けられた明かり取り。

　お湯は青緑がかった乳白色で熱め。なかなか雰囲気があります。

　最後に混浴露天風呂

　松川に張り出すように造られ展望抜群。

松川温泉 松楓荘 宿・ホテル

　以上、何とか女性タイム前に間に合いました。

　最後に洞窟露天風呂への吊り橋。
　夜になると道案内に灯されたろうそくがほのかに揺らぎ幻想的な気分にさせてくれるそうです。

　温泉を一通り撮り終えたので今度は外へ。

　帳場にはオリジナル商品も並ぶお土産品コーナーも。

　この宿の看板は「クロ」と「モモ」という２匹の猫。２代目で２０１７年１月に松楓荘に来たそうです。

　玄関横の大きな靴箱も山小屋風。

松川温泉 松楓荘 宿・ホテル

　以前は「日本秘湯を守る会」の会員だったそうですが、今は退会しているとのこと。

　玄関の横に喫茶「黒猫茶屋」。御主人が挽き立てのコーヒーを淹れてくれます。

　建物の横を流れる松川。

　音を立てて流れています。

　夕食は大広間で。今日の宿泊客は３組。お造り、すき焼き、天婦羅、他に品数も多く大満足。
　食後にゆっくり館内の湯巡りをして一日を終えました。

松川温泉 松楓荘 宿・ホテル

　翌朝、朝風呂へ。内湯から、

　混浴露天風呂へ。

　足元を照らすランプ

　お湯に浸かってゆっくり観察すると、古いだけに随所に味があります。

　混浴露天風呂

　混浴露天風呂

　混浴露天風呂

　露天風呂から身を乗り出すと、内湯へ供給するお湯の樋から湯気が濛々。

　眼下に松川渓流と対岸にブナの新緑。

　外に出てみました。今日もいい天気！

　新緑と川の瀬音と微かな硫黄臭。

　源泉で朝食の温泉卵作り。

　朝食です。

　壁を見ると多くの額縁や色紙。ここで岩手高校の将棋部が夏の強化合宿をやっていたそうです。

　その時に指導したプロ棋士たちの色紙。

　多くのプロ棋士が参加し、彼らの研究会でもあったようです。

　８：３５　宿をチェックアウトして最終日スタート。