2022/10/05 - 2022/10/05
133位(同エリア201件中)
ちゃんさん
部分開業、そして佐賀県側の着工見込みが立たない中、ついに西九州新幹線・武雄温泉~長崎間が開業しました。万々歳の雰囲気ではないにしても、地元ではかなり盛り上がりを見せています。
武雄温泉~諫早間の各駅を巡った後は、そのまま長崎に行きたい気持ちをぐっとこらえて武雄温泉へバック。変貌した並行在来線の様子を眺めながら、改めて長崎を目指しました。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- JR特急 JRローカル 私鉄
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武雄温泉駅に戻ってくると、向かい側には「白いかもめ」として活躍してきた885系が、「リレーかもめ」として待っていました。
885系は6両編成で、新幹線の6両とは輸送力に差があるため、脇役的な存在です。新在の白い列車が並ぶ光景が、新鮮。 -
武雄温泉駅の様子を見るため「白いリレーかもめ」は見送り、次のみどり・ハウステンボス号に乗りました。
武雄温泉~博多という視点だと、在来線特急が倍増。1時間に2本運転です。「1時間に2本」であり、30分に1本ではないのが残念。特急みどり 乗り物
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ウッディな雰囲気のハウステンボス編成に乗り、束の間のリゾート気分を満喫。江北駅まで戻りました。
特急ハウステンボス 乗り物
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江北駅(旧肥前山口駅)からは、新幹線開業までメインルートだった、長崎本線が分岐。特急「かもめ」が消えた、だけではない変化のあった並行在来線で、長崎へ向かいます。
ダイヤ改定前と変わらない、817系の普通電車。肥前鹿島まで残った特急「かささぎ」とすれ違い、一見何の変化もないように感じます。江北駅 駅
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駅間のスピードはかなり高く、線路の等級もそのままのようです。肥前鹿島ではほとんどの乗客が降り、残ったのは僕とあと1人だけでした。
新幹線が開業すると、都市圏以外の並行在来線は地元の第3セクターに移管されるのが通例。JR線として残ったのは、ここ鹿島市と、お隣白石町の「抵抗」ゆえでした。https://www.youtube.com/watch?v=HU2Gi37P8ws肥前鹿島駅 駅
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経営分離には、地元合意が必須。県や国が合意を迫り、交付金の削減にも遭いながらも(当時の報道による)頑なに反対し、ついにJRによる線路存続を勝ち取りました。当時高校生だった僕なりに、国と地方の関係を思い知らされた「事件」でした。
肥前鹿島までの特急存続も、粘り強い交渉によるもの。しかし今後の特急存続も利用状況次第であり、線路そのものの存続も23年の期限が定められています。JR長崎本線 乗り物
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そして何より大きな変化が、肥前浜から先が「非電化」とされたこと。諫早までのローカル区間だけでなく、その先の長崎都市圏までがディーゼルカーに転換されました。
架線の撤去はまだこれからですが、電化区間の終端を示す稲妻マークが取り付けられていました。肥前浜駅 駅
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肥前浜駅に降りたのは、はじめて。昔はどこにでもあったような木造駅舎が、今や貴重品です。有人の切符売り場も残っています。
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待合室には、在来線特急かもめへの謝意が残されていました。
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素晴らしいたたずまい。観光案内所が併設され、街歩きの拠点にもなっている駅です。
駅舎右側にはガラスの屋根が続き… -
一体となった増築部分にあるのが、地酒が飲める「ハマバー」です。
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バーではありますが、週末以外は昼のみの営業。
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高い天井の店内には、地酒がずらり。
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そしてカウンター越しに折り返しの電車が映る、呑み鉄には たまらない、たまらなさすぎるバーなのです。
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いいなあ、たまらんなぁと思いつつ、だれもいないので狼狽える旅人。数分経ってお姉さんが現れ、ほっとしました。
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すすめられるままに、秋の地酒飲み比べセットを頼んでしまいました。これ、鹿島の地酒ではなく、佐賀県全域の蔵の酒を集めたもの。天吹に至っては、僕の地元です。
もちろんどれもおいしいけど、できれば鹿島の酒を浴びたかった。 -
次の列車までの1時間50分、腰を据えて飲むつもりだったけど、お姉さんの話を聞いていると街へ出たくなってきました。昼飯も食ってません。
必ず戻って来て、浜の酒を飲みます! と宣言して、千鳥足の街歩きへと出かけました。 -
駅前は、ぱっと見では普通の地方の駅前といった風情。よく見れば古民家を活用したゲストハウスがあり、観光地であることが伝わってきます。
ゲストハウス まる 宿・ホテル
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重要伝統的建造物群保存地区までやって来ると、うわぁ、時が止まったような街並みが現れました!
ゆるやかにカーブを描き、先の見えないワクワク感があるのも たまりません。肥前浜宿 酒蔵通り 名所・史跡
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商号は鏝絵で。
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浜駅から祐徳稲荷神社へは、ちょっとしたウォーキング感覚であれば徒歩で行ける距離です。そのオフィシャルのルートは、幅1mの水路沿いの道。
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よく知らないまま来た方が、街並みの魅力にハマってしまいそうです。
路地から出てきたおじさんは、浜の魅力にとりつかれ、長崎から もう何十回も訪れているとか。 -
彼岸花咲く季節。
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細い水路が、生活の一部だった証。
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蔵だけでなく、下見板の近代の建築物も。
鹿島市浜中町八本木宿伝統的建造物群保存地区 名所・史跡
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そして、いくつも現れる酒蔵。肥前浜の蔵開き、ずっと行ってみたいと思ってたんですよね。
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街並みのど真ん中には、古民家をいかした宿も。今年(2022年)にオープンしたばかりで、素泊まりでも2万以上という高級宿ですが、いい時間を過ごせそうです。
この宿、JR九州が運営しているというのはポイント。成り行き上引き受けることになった並行在来線も、しっかり盛り上げていこうという姿勢は評価できると思います。茜さす 肥前浜宿 宿・ホテル
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さて、空腹のままおちょこ5杯を飲み干した僕のお腹は、おいしいご飯を求めています。ハマバーでもおすすめされた、お食事処のノレンをくぐりましょう。
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浜宿キッチン。ランチはどれも1,100円とのこと。
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居心地いいお店です。1時を過ぎ空いているのに、落ち着かないレジ前の1人席に通されたことだけは、唯一の「?」でしたが。
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なる早のメニューをお願いしたら、うなぎのまぶし丼が出てきました。飲み物まで付いて1,100円とはお安い。
家族の顔をチラチラ(特に うなぎ大好きなヨメさん)思い浮かべながらも、おいしく頂きました。 -
列車の時間を気にしつつ、伝建通りの端にある観光酒蔵・肥前屋にもお邪魔します。
峰松酒造場 (肥前屋) 名所・史跡
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試飲コーナーあり。4杯も頂けちゃいます。
お姉さんに見守られつつ、酔った頭で真剣に味比べ。これ1本包んでください!と値段も聞かず発注してしまったのだから、やはり酔っていたかな。 -
奥まで進むと、昭和なお部屋。僕より一回り上の世代だと、懐かしさを感じられそう。
…ごめんなさい、僕もちょっと懐かしいです。 -
佐賀県で名鉄美濃町線に出会うとは。
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夕陽に照らされた街並みや、明かり灯る家々も、時の移ろいとともに眺めてみたい街です。次は1泊しなきゃね。
1時間弱の駆け足散策を終え、ハマバーに戻ってきました。約束通り、鹿島の酒を1杯。 -
日本酒用に、こんなグラスがあるんですね。
おいしかった、また来ます。 -
電車と気動車の乗換え駅となった肥前浜。同一ホームで「対面乗り換え」できるように配慮されています。
肥前浜以南の新たな顔となった、キハ47系。2000年代製造の817系電車から、20年以上古い車両になってしまいました。 -
JRとして残ったのは幸いだけど、幹線からローカル線に「格下げ」になったことを実感します。
車体の塗装はつややかに直され、外観から古さは感じられません。デザインはJR九州おなじみの水戸岡氏ではなく、車内デザイナーによるもの。悪くないじゃん。 -
行き先は方向幕ではなく、PC出力の手作りプレートで表示。
しかも入れ替えは、客席側から行います。心無い乗客にいたずらされないか、心配です。 -
客室には、リニューアルの手が及んでいません。昔ながらのボックスシートが並びます。
最新型のYC1型気動車はほとんどロングシートで、座席数も少なく、古くともこちらの方が座れる可能性が高いです。https://www.youtube.com/watch?v=wO13ULwZwjo -
トイレだけは、洋式トイレへきれいに改修されていました。これだけでも、イメージアップになります。
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肥前浜までの普通電車が到着。乗っていた乗客の、ほとんどが乗り換えてきました。各ボックスに1人ずつ座る程度の、ほどほどの乗り具合です。
最近のJR九州なら、これじゃ1両でも過剰じゃないかと判断しそうですけど。 -
旧長崎本線は、有明海の沿岸を忠実にトレースする風光明媚な路線です。車窓に映るのは、のどかな漁村や、湾越しに見える普賢岳。都市間特急が走るには、厳しすぎる線形でした。この区間だけ新幹線ができたのは、合理的な結果でもあるのです。
これからは、ローカル線。JR九州も飼い殺しにはせず、観光特急「ふたつ星4047」で活性化を後押しします。 -
だからこそ、汚れ切った窓ガラスが残念でなりません。最近では都市圏の通勤電車にも共通する、まさに汚点。
諫早から先は、長崎トンネルを挟む高規格の路線になります。ディーゼルにはなっても、特急の退避や離合がなくなった分、早くなりました。 -
長崎トンネルを抜ければ、そこは山までびっしり住宅の張り付いた、長崎市街地。このトンネルを抜ければそこは…の いきなり感が、長崎市の好きなところです。
新幹線ではその いきなり感が、さらに増しているはず。 -
それにしても人口40万人を擁す、これだけの大都市・長崎なのに、在来線にはディーゼルカーしか走らなくなったというのが、まだ信じられません。
いやいや、電車も健在だから! と、高架下から声がしました。 -
肥前浜からはるばる1時間40分、終着駅・長崎に到着しました。
長崎駅 (長崎県) 駅
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特急「かもめ」が1時間に1~2本出入りしていた在来線ホームは、ずいぶんガランとしてしまいました。新幹線開業前に在来線を高架化すると、どうしてもオーバースペックな在来線駅が残ってしまいます。
改札口からはるか遠い4番線も使用停止だろうと思っていたら、のちほど使っているのを見てビックリ。やさしくないなぁ。 -
同じ列車で折り返します。さっきとは違う車両に乗ったら、窓ガラスがキレイなこと。こっちに乗ればよかった。
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長崎駅から1駅上った、浦上で下車。長崎大学があり、中心部とは別の繁華街もあることから、在来線では全特急が止まるもう一つのターミナルでした。
新幹線開業で不便になった姿は、上熊本駅に通じます。どちらも、駅前に路面電車が走っているのも共通点です。浦上駅 駅
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特急全廃を前提に、ホームの前後が簡易な構造になっているのも特徴。当初の想定通り、いずれ撤去されてしまうのでしょう。
長崎駅にも、同様の考え方が必要だったんじゃないかな。 -
普通列車のみの駅になる前提でありながら、高架下の駅舎はJR九州らしいデザインが取り入れられ、おしゃれな雰囲気。これも上熊本に似ています。
上熊本では余剰地を生かして商業施設もオープンしていて、浦上でも計画があるのかも。 -
旧駅舎にあったファミマは、独立した店舗になりました。
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駅のすぐ前には、路面電車の浦上駅前停留所があります。
高架化で路面電車乗り場が遠くなった長崎駅とは、雲泥の差。地元の方は、こっちで乗り換えているんじゃないでしょうか。浦上駅前電停 駅
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電車にごとごと揺られ、長崎駅前へ。いよいよ新幹線を迎えた長崎駅と対面です。
長崎電気軌道/長崎の路面電車 乗り物
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