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八郎太郎の伝説には、こんなのがある。<br /><br />秋田では下北手柳館に八郎の宿といわれる家がある。<br />昔、赤平潟の辺に一軒の農家があった。夫婦の間には年頃の娘がいて、長じて隣村に嫁がせた。しかし間もなく嫁入り先では家人が辛くあたるために、その娘は堪えかねて生家にもどってきてしまった。気質(かたぎ)の父母は一途に娘の不心得を叱責し、嫁ぎ先に帰るように迫ったため、娘はどうしようもなく死を決意した。一夜、潟の岸にたたずみ葛の葉を千切りながらついに入水した。そして、とうとう潟底に沈んだ娘は大蛇となりこの潟の主となったのである。<br />ところで、八郎潟の主である八郎太郎は、毎年旅僧姿でこの地にいたり、潟の辺の山本孫四郎家に一泊して、赤平潟の主と交わり遊ぶものであった。田沢湖から帰る八郎太郎は、この時もまた泊まるのが例となった。ある年の八郎太郎の帰るときにこの家に例のごとく泊まったのだが、その夜は特に「今夜はいかなる事があっても我が寝姿を見るな」といって置き、一間の臥所に入った。見るな、といわれると見たいのが人情で、ついに絶えきれずに深夜密かにうかがってみると、旅僧の姿は大蛇に化していて、蛇身は座敷の奥より土間にまで及ぶほど長く大きいのであった。見られた八郎太郎はその後、二度と来なかったというが、この八郎太郎の宿となった家はやがてカマドが傾いてしまったという。赤平潟の主となった娘が取った葛は、今でもむしったように切れ込みとなっている葉が生えてくるという。『秋田市史 第十六巻 民俗編』<br />

八郎太郎の伝説の地 赤平潟へ

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2022/09/18 - 2022/09/18

886位(同エリア1216件中)

旅行記グループ 秋田歴史探訪

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15

はた

はたさん

八郎太郎の伝説には、こんなのがある。

秋田では下北手柳館に八郎の宿といわれる家がある。
昔、赤平潟の辺に一軒の農家があった。夫婦の間には年頃の娘がいて、長じて隣村に嫁がせた。しかし間もなく嫁入り先では家人が辛くあたるために、その娘は堪えかねて生家にもどってきてしまった。気質(かたぎ)の父母は一途に娘の不心得を叱責し、嫁ぎ先に帰るように迫ったため、娘はどうしようもなく死を決意した。一夜、潟の岸にたたずみ葛の葉を千切りながらついに入水した。そして、とうとう潟底に沈んだ娘は大蛇となりこの潟の主となったのである。
ところで、八郎潟の主である八郎太郎は、毎年旅僧姿でこの地にいたり、潟の辺の山本孫四郎家に一泊して、赤平潟の主と交わり遊ぶものであった。田沢湖から帰る八郎太郎は、この時もまた泊まるのが例となった。ある年の八郎太郎の帰るときにこの家に例のごとく泊まったのだが、その夜は特に「今夜はいかなる事があっても我が寝姿を見るな」といって置き、一間の臥所に入った。見るな、といわれると見たいのが人情で、ついに絶えきれずに深夜密かにうかがってみると、旅僧の姿は大蛇に化していて、蛇身は座敷の奥より土間にまで及ぶほど長く大きいのであった。見られた八郎太郎はその後、二度と来なかったというが、この八郎太郎の宿となった家はやがてカマドが傾いてしまったという。赤平潟の主となった娘が取った葛は、今でもむしったように切れ込みとなっている葉が生えてくるという。『秋田市史 第十六巻 民俗編』

旅行の満足度
3.5

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  • 下北手から黒川を経由して ここまできた。

    下北手から黒川を経由して ここまできた。

  • 潟頭という地名は 過ぎたが、集落はない。<br /><br />また、赤平潟も 道路沿いからは見えなかった。

    潟頭という地名は 過ぎたが、集落はない。

    また、赤平潟も 道路沿いからは見えなかった。

  • 北から赤平潟の堤防らしい付近まで行ってみる。

    北から赤平潟の堤防らしい付近まで行ってみる。

  • 地図にある道はどれも 畦道で軽トラは行けるだろうが、普通車は、無理と思われ、バス停前の空き地に車を置いて出かける。

    地図にある道はどれも 畦道で軽トラは行けるだろうが、普通車は、無理と思われ、バス停前の空き地に車を置いて出かける。

  • 畦道を歩く。

    畦道を歩く。

  • 収穫はいつ始まるか?

    収穫はいつ始まるか?

  • 途中 農家のお爺さんに道を聞き、堰堤へ行く。

    途中 農家のお爺さんに道を聞き、堰堤へ行く。

  • この先にあるらしい。

    この先にあるらしい。

  • ここが赤平潟だ。

    ここが赤平潟だ。

  • 主が龍とは思えない

    主が龍とは思えない

  • 帰りに 道を聞いたお爺さんに 主のことを聞いてみる。

    帰りに 道を聞いたお爺さんに 主のことを聞いてみる。

  • 主が龍で、八郎太郎と関係があるというのを知らなかった。

    主が龍で、八郎太郎と関係があるというのを知らなかった。

  • 静かな潟だった。

    静かな潟だった。

  • 時折、潟に飛び込む蛙の音が 聴こえるぐらい。

    時折、潟に飛び込む蛙の音が 聴こえるぐらい。

  • 八郎太郎と言えば、田沢湖のタツコ姫と恋仲で、冬になると八郎潟から田沢湖に行っていた話が有名だが、赤平潟の主と二股掛けていたとは。<br />タツコがどう思うか。<br />※写真は、タツコ姫<br /><br />八郎太郎伝説は、これも。<br />↓<br />https://4travel.jp/travelogue/11755032

    八郎太郎と言えば、田沢湖のタツコ姫と恋仲で、冬になると八郎潟から田沢湖に行っていた話が有名だが、赤平潟の主と二股掛けていたとは。
    タツコがどう思うか。
    ※写真は、タツコ姫

    八郎太郎伝説は、これも。

    https://4travel.jp/travelogue/11755032

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