2015年インドネシア旅行記　第18回　インドネシアの伝統舞踊ラーマーヤナを鑑賞

2015/09/17 - 2015/09/26

2015年の9月にインドネシアに行ってきました。
アンコールワットを訪れて以来、東南アジア最大級の仏教遺跡ボロブドゥールをどうしても見たくなったのです。
また、ここ数年首都ジャカルタの通勤電車には元JRや東京メトロ、東急などの日本の中古電車が大量に導入され、東南アジアの町中を日本の電車が走るという不思議な光景が見られるようになっています。
広大なジャワ島を走る長距離列車にも載ってみたいですし、インドネシアのローカル線にも興味があります。
せっかく外国を旅するのですから、その国の鉄道に乗って土地の雰囲気、空気、景色を肌で感じたいのです。

そこで、ジャカルタを起点にしてジャワ島を鉄道で一周するルートを考えました。
まずジャワ島の西側のジャカルタから東側のスラバヤまで北側の路線を走る特急列車に乗ってスラバヤで宿泊。スラバヤからは避暑地マランに足を延ばします。
スラバヤからは南側の路線に乗り、ジョグジャカルタとバンドンに宿泊してジャカルタに戻るという8泊10日の日程です。

首都ジャカルタはあまり観光するところが無いので日本の中古電車への乗車がメイン。ジャワ島の東側のスラバヤも観光地はありませんが、近くの高原都市マランは散策に向いていそうです。
中央部のジョグジャカルタは仏教遺跡ボロブドゥールやヒンドゥー教の大寺院ブランバナン、王宮など様々な文化遺産があり、見どころ多数です。ソロの山奥にあるスクー寺院とチュト寺院というミステリアスな寺院も気になります。


■　日程
2015年9月17日～2015年9月26日

9/17　成田→ジャカルタ
9/18　ジャカルタ観光
9/19　ジャカルタ→スラバヤ
9/20　スラバヤ→マラン→スラバヤ
9/21　スラバヤ→ジョグジャカルタ
9/22　ボロブドゥール・ジョグジャカルタ観光
9/23　ウォノギリ支線、スクー寺院、チュト寺院見学
9/24　ジョグジャカルタ→バンドン
9/25　バンドン→ジャカルタ
9/26　ジャカルタ→成田

※ブログ『マリンブルーの風』に掲載した旅行記を再編集して掲載しています。
ブログには最新の旅行記も掲載していますので、ぜひご覧下さい。

『マリンブルーの風』
http://blog.livedoor.jp/buschiba/

2015年インドネシア旅行記
https://buschiba.livedoor.blog/archives/52519852.html

インドネシア旅行記の第18回です。
6日目の午後はジョグジャカルタの市内観光。
夜はプランバナン寺院の野外ステージでインドネシアの伝統舞踊ラーマーヤナを鑑賞しました。

エリア ジョグジャカルタ(インドネシア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• 交通: 5.0

■　6日目　2015年9月22日　火曜日
ジョグジャカルタ市内の観光を終えてホテルで昼寝し、夕方になってから再びプランバナン寺院へと出かけました。
今日の夜はプランバナン寺院の屋外劇場でインドネシアの伝統舞踊であるラーマーヤナを鑑賞する予定です。
チケットはボロブドゥール遺跡への送迎を依頼したビンタン・バグース・トラベルにお願いして入手しました。
プランバナン寺院の屋外劇場までは送迎をつけなかったので、トランス・ジョグジャという路線バスで移動。一本で行けますし運賃35円と激安なのです。
車窓から賑やかなジョグジャカルタ市内を見られ、バスの中では楽しいひと時を過ごしました。
ただ、夕方でプランバナン寺院の見学時間が終わってしまったせいか乗客はほぼ地元の若者。私のような観光客はいませんでした。

終点からは徒歩。最初遺跡の入口に行きましたが、ここではないと言われて引き返しました。遺跡の入口よりもジョグジャカルタ寄りに劇場の入口があり、余計に歩いてしまいました。
遺跡のチケット売り場でバウチャーを見せて切符を引き換え、帰りのホテルまでの送迎を依頼しました。
劇の終了後は路線バスの運行が終わっているため、自力で帰るしかないのです。
チケットの販売窓口で帰りの送迎サービスの申し込み場所を聞くと隣の窓口とのこと。
たしかにトランスファーサービスと書いてあります。教えられた窓口でホテル名を告げて40000ルピア払いました。
400円ですから安いです。演劇が終わった窓口前に集合するようにと言われて送迎のチケットを受け取りました。

入口から会場へ。闇夜に浮かぶブランバナン寺院をバックに伝統舞踊を見る。なんともオツなものです。

ラーマーヤナの開演までは時間があり、ビュッフェ形式のレストランで夕ご飯を食べました。
甘口の焼き鳥や焼きそばがおいしかったです。

食べ終わってから劇場へ移動。ステージの背後にはプランバナン寺院が浮かび、ステージにはガムランの楽器が設置されています。

私の席はVIP席なので前の方です。

熱帯のインドネシアですが夜の気温は25度前後。過ごしやすいです。
いよいよラーマーヤナが始まりました。ガムランの音楽に合わせ、役者たちがゆっくりと入場します。

ラーマーヤナとは古代インドの大叙事詩。紀元前6世紀の詩人ヴァールミーキの作と言われています。
ヒンドゥー教の晴天と言ってよい物語ですが、インドはもちろんタイヤインドネシアをはじめ東南アジア全域でも親しまれています。

ラーマーヤナの舞台は紀元前6世紀のコーサラ国。
主人公のラーマはコーサラ国の王ダシャラタ王の子として生まれました。
実はラーマをはじめとした4人兄弟は魔王ラーヴァナを退治するためにこの世にあらわれたヴィシュヌ神の生まれ変わりだったのです。

民族衣装に身を包んだ侍女たち。

ガンジス川流域のミティラーの王女シータは大変美しく、多くの男が求婚に訪れました。そこで王は紙の大きな弓を引くことができる者に結婚を許すことにしましたが、誰もその弓を引くことができません。

そこへラーマが現れ、誰も引くことができなかった弓を軽々と持ち上げ、いざ弓を引こうとしたら弓が折れてしまいました。
驚いた王はラーマとシータとの結婚を許し、二人は結婚することになりました。

ステージの横には英語の字幕が出て、解説してくれます。セリフはインドネシア語です。

コーサラ国のダシャラタ王が引退してラーマに王位を継がせようとしたところ、異母弟バラタの侍女の陰謀によりバラタが王位に就くことになり、ラーマは森に追放されます。
ラーマは一人で森に行こうとしますが、妻のシータもラーマに懇願し、森へと同行しました。
さらにラーマの弟ラクシュマナも同行することになりました。

ここで現在のスリランカにあたるランカー島を支配する魔王ラーヴァナが登場しました。

魔王ラーヴァナにはシュールパナカーという妹がいました。シュールパナカーは森でラーマを見かけてひとめぼれしますが、ラーマを誘惑しようとして失敗、ラーマ兄弟に耳と鼻を切り落とされてしまいました。

妹から話の顛末を聞き激怒した魔王ラーヴァナはラーマの妻シータを誘拐しようとします。

そんな悪だくみが始まったと知らず、森の中で幸せに暮らす2人。

ラーマと妻シータ。そしてラーマの弟ラクシュマナに魔の手が迫ります。

魔王ラーヴァナは手下の呪術師を黄金の鹿に変身させ、シータの元に送りました。シータは黄金の鹿を気に入り、ラーマに金の鹿を捕まえてほしいと頼みます。
ラーマ王子は弟のラクシュマナにシータを任せ、自身は鹿を追って森の奥へと入っていきました。

ラーマは金の鹿を射止めますが、その時鹿は元の呪術師の姿に戻り、ラーマの声をまねて「ああシータ！」と叫んで絶命します。
その叫びを聞いたシータはラーマの弟ラクシュマナにラーマを助けに行くよう頼みましたが、実はこれが魔王ラーヴァナの罠だったのです。

ラクシュマナはシータの周りに魔法の結界を張り、決してその中から出ないように言って森へと向かいました。しかし魔王ラーヴァナが哀れな老人の姿に化け、水をめぐんでほしいとシータに懇願。シータは結界の外に出てしまい、その隙に魔王ラーヴァナはシータを誘拐してしまいました。

魔王ラーヴァナはシータに求婚しますが、シータが拒否したため幽閉してしまいました。

ラーマと親交を結んでいた鳥王ジャターユがシータを奪還しようとしますが失敗、魔王に倒されてしまいます。

ラーマとラクシュマナはシータを探して南インドの森へ。そこで出会った猿の王スグリーヴァと親交を結び、スクリーヴァとスクリーヴァの兄と間の王位継承争いに助力。
スクリーヴァの兄を倒し、スクリーヴァが王位につきました。
そのお礼としてスクリーヴァはシータの捜索に協力することを約束し、重臣のハヌマーンを捜索に遣わしました。

物語は徐々に佳境へ。
シータ姫の演技が優美で素晴らしいです。あの指の形にはそれぞれ意味があるのだそうです。

ガムランによる伝統音楽が鳴り響く中、ゆっくりと踊っています。

猿の王の重臣ハヌマーンは現在のスリランカであるランカー島に飛び、ラーマの妻シータを発見。シータに対し、ラーマが猿の軍団を率いて助けに来ると伝えました。

ハヌマーンは魔王の軍勢に捉えられますが、脱出。

ランカー島の町に火を放ち、脱出に成功しました。

町に火を放つハヌマーン。本当に火を放っており迫力があります。

そしていよいよラーマがシータ救出に向かいます。

魔王ラーヴァナと戦うラーマ。

猿の軍団と魔王軍で戦闘がおきました。魔王軍役の子供たちの演技がとてもかわいらしいので、戦争の場面でも緊迫感は無いです。

魔王軍を倒し、シータが登場。

ゆっくりと階段を下りてきます。

優美な踊りです。

ラーマと魔王ラーヴァナとの一騎打ち。

ラーマは魔王ラーヴァナを倒し、シータを連れて帰ります。
しかしラーマは妻のシータの貞操を疑いました。

シータは炎の中に身を投じ、潔白を証明しようとします。炎の神に対し「自分が純潔であるのなら私をこの炎から守ってほしい」と呼び掛けたのです。

シータは炎の中に身を投じましたが、やけど一つ負いませんでした。
かくしてシータの純潔は証明され、末永くラーマと二人で暮らしたのでした。

2時間ほどのラーマーヤナはこれにて終了。時刻は21：30です。

最後は撮影タイム。役者さんたちと記念撮影です。

主役の2人が大人気でした。

撮影もそこそこに入場券売り場へ。送迎サービスの車を待っているのは私を入れて6人でした。
後から白人のカップルがやってきて「予約はしていない乗せてほしい」と言っていましたが、定員なので断られていました。

車に乗り込み、ホテルの前で下車。明日も早いので早く寝ましょう。
明日はソロ近郊のウォノギリ線というローカル線に乗り、チュト寺院とスクー寺院を見学します。