ロックダウン解除でシドニーは賑やかに コロナの次はイカが拡散中 (Lockdown easing in Sydney)

2021/10/31 - 2021/11/01

シドニーのNSW州では、ワクチン接種率が成人(16歳以上)に対し70%に達した10/11「自由の日」に106日間のロックダウンを解除(感染者は日に400人程)、11/1から豪州市民の出国解禁及び帰国者の隔離義務を解除、と急激なペースで規制解除されています。オーストラリアはコロナ共存の3州とゼロコロナの5州で分断されています。コロナ共存のNSW州は国内ゼロコロナの州より先に、国外への移動が解禁されます。シドニーから国内のパースより先に国外のパリへ行ける奇妙な状況です。ゼロコロナの州はワクチン接種が遅れており、まだ鎖国を強いられています。

日本と豪州の最近の動きを比較すると対照的です。2020年には日本は規制解除が素早く豪州は慎重だったのに対し、2021年後半(ワクチン普及後)は逆に豪州の規制解除は素早く日本は冬の第6波を警戒して慎重な雰囲気があります。シドニーのパブやジムでは、沢山の人がマスクなしで集まっています。「自由の日」を境にコロナウイルスが消滅した様な雰囲気です。ロックダウン解除後シドニーの急激な変化には個人的には大きな驚きと戸惑いです。そんな中、夏も近づき大勢の人々で賑やかになったシドニーを歩きました。コロナに代わって新たに拡散したイカゲームの熱狂も見られました。

エリア シドニー(オーストラリア)

• 旅行の満足度: 4.5

2021年11月1日現在のシドニーのNSW州のコロナ感染者数の推移、過去3回のロックダウンでは第3波が最も大きく、10月末時点でまだ100人以上の感染者を出しています。しかし豪州(全8州の内3州)はコロナと共存に転換したため感染者数ではなくワクチン完了率を重視しています。NSW州では16歳以上(全人口ではありません)のワクチン完了率が70%を超えた10/11にロックダウンを解除、80%(実際は88％)を超えた11/1にシドニーから海外渡航を解禁します。緊急事態宣言を10/1に解除した日本の後を、NSW州は1ヶ月後に追っている感じですが、日本みたいに急激に減ってはいません。
Source: https://www.google.com.au

2021年11月1日、ついにNSW州に海外から入国者がやってくる日が来ます。ワクチン2回接種済みで、入国時PCR検査陰性であれば、隔離なしで豪州(シドニー)入国が許可されます。長い間、離れていた家族の再会をニュース番組では報じています。同時に豪州市民も海外へ出国することが許されます。現在のところ、出入国が許可されるのは豪州市民・在住者のみですが、順次ビジネスマン・留学生・観光客に拡大していく予定です。また豪州で現在開国している州はNSW州(シドニー)のみで、近いうちにVIC州・ACT州が続く予定ですが、ゼロコロナを維持する他の5州の開国は未定です。
Source: https://7news.com.au/lifestyle/health-wellbeing/nsw-covid-cases-remain-low-as-interstate-international-borders-reopen-c-4383771

豪政府の渡航情報Smartravellerでは、2020年3月から19ヶ月間も全世界が渡航禁止で真っ赤でした。11月からパンデミック下ではない通常の渡航情報の表示に戻ります。
Source: https://thenewdaily.com.au/wp-content/uploads/2021/10/1635401083-World-Travel-Map-smartraveller.jpg

10/9、私がワクチン2回接種を済ませたのはロックダウン解除2日前、かなり遅めでした。当初は様子見していたのですが、NSW州で感染爆発して未接種の方が危ないと思い7月末に予約しました。政府によりワクチン接種をほぼ強制な雰囲気ができていました。しかし7月末当時はワクチンが不足しており、全く予約が取れません。予約ウェブサイトを毎日頻繁に見て空きを見つけてようやく10/9の予約ができました。ワクチンを世界各国から緊急で集めたので、10月末には予約なしでモデルナを受けられるほど余裕があります。

接種完了すると豪政府のウェブサイトMyGovから、ご覧の様な接種証明書がダウンロードできます。これはワクチンパスポートとなり、多くの店に入る時に提示を求められます。スマホ用アプリもあります。

パスポート番号を追加した国際ワクチン接種証明書。これもMyGovから簡単にダウンロードできます。QRコードがあり偽装はしにくいです。

これで私も11/1から豪州国外に渡航できる様になります。コロナ禍後に初めての海外旅行も近そうです。日本入国は10日間の隔離が必要なのでまだ行けませんが。今隔離なしで行ける国は、アメリカ・イギリス・EU・UAE・タイ・シンガポールなど。これらの殆どがワクチン接種証明書と出発72時間前のPCR検査陰性で入国できます。旅行用PCR検査は1回1－2万円するので、往復4回受けるとそれだけでもかなりの費用になります。それでも以前と比べれば早く安くなったので、海外旅行は身近になりそうです。

10/11、「自由の日」にロックダウン解除されます。久しぶりにみんなで集まることができて、3ヶ月半の長いロックダウン終了を祝います。

ドライブインPCR検査場。ロックダウン終了後は検査に来る車は殆どいません。感染爆発した頃は長い車列ができて5時間待ちとかニュースで報道していました。豪州では希望者全員が無料で受けられました。

10/23、日本の選挙の在外投票に行きます。ロックダウンが終わったので、いつもどおりに投票できます。全世界に海外在住日本人は100万人以上いますが、在外投票の投票率は2%程だそう。実際いつも他に誰も投票に来ていません。シドニー領事館では、鉛筆と紙・ハンコ・コロナ対策ビニールシートなど、こちらでは普段見かけない珍しい物があります。

選挙の結果は自民党の勝利、過去1年コロナ禍や東京五輪など政治家の行動がよく注目されましたが、日本の民意は現状維持を選んだのでしょう。豪州では2大政党が競うのに対し、日本には健全な競争がないのは残念です。

10/31、シドニーのシティに行くとそこには大勢の人たちが集まっています。過去のロックダウンは徐々に解除されたのですが、今回は10/11の「自由の日」から突然方針が180度変わり、私はその急激な変化に驚いています。パブやレストランでは大勢集まっても誰もマスクしていません(飲食できないので当たり前ですが)。最低限として電車・バス・スーパー等では皆マスクしています。

ワクチンパスポートがいつの間に導入されています。店に入る前にQRコードをスキャンして入場登録して、セキュリティの人にワクチン接種証明書を見せないとほとんどの店に入れません。未接種でも入れるのはスーパー・薬局などロックダウン中も営業していた必需品の店のみです。小さな店にはセキュリティがいないのでその店を狙うか、知人の証明書を借りるなど抜け道は多そうです。なのでワクチンパスポートの実効性は不明です。

デパートやブランドショップ前には行列が。ワクチンパスポート確認と入場制限を行なっている為です。ロックダウンでは経済的に困った人がいた一方で、外出できずお金が貯まった人も多いです。ロックダウンが終了すると、そのストレスを晴らす為に大量に買い物している人たちをよく見かけます。また、政府はお金を大量に刷った為かインフレ気味で、不動産価格を始め物価の上昇を感じます。

10月下旬になるとジャカランダの季節です。1年前にジャカランダの旅行記を作成したのがまるで昨日の様です。
春のシドニーで旬の花見 桜とジャカランダ
https://4travel.jp/travelogue/11661865

ハーバーブリッジの下には沢山の人が集まっています。

ザ ロックス 散歩・街歩き

なんと高さ4.5mのイカゲームのあの人形がシドニーのハーバーブリッジの下に展示されています。沢山の人たちは賞金目当てにデスゲームに参加しているのでしょうか。

首が周り・目が赤く光り・何かブツブツ言っていて不気味な人形です。きも可愛い系でしょう。

角度を変えてオペラハウスと一緒の写真。大人気で大勢の人が写真を撮っています。私もその一人ですが。

ものすごい超密な状態、ロックスターが来た様な熱気。こんな密な人混みを見るのは1年半ぶりです。シドニーではつい3週間前まで5人以上で集まるのが禁止されていたのが信じられません。超密で心配なのはウイルス、マスクしている人は半分くらい。

赤いスーツのコスプレ。変異株イカウイルスが発生しています。イカウイルスに罹ると、緑のジャージや赤いスーツを着たくなる病気です(笑。

ここにも感染者が。9/17にNetflixから発生したイカウイルスは全世界に瞬く間に拡散し、シドニーでも上陸しています。こういうブームも今や世界規模であっという間に広がります。

この日はハロウィンです。今年はイカゲームのコスプレが大流行すると言われましたが、従来通りのコスチュームの人の方が多数派です。なお、東京ではこの日のハロウィンで本物のナイフが使われる事件が発生してしまい、楽しい気分が台無しでとても残念です。豪州でも夜のニュースで日本のハロウィンホラーと報道されました。

ハロウィンのイベントが開催されるルナパークです。右下にはイカゲームの人形のコスチュームを着た人が。イベントも入場制限を課して開催可能となっています。

なお例年行われるシドニー・ゾンビウォークは2021年は中止、2018年のゾンビウォーク様子は以下のリンクから。
シドニーのお祭りで世界を旅する気分
https://4travel.jp/travelogue/11418574

ルナ パーク シドニー テーマパーク・動物園・水族館・植物園

ハーバーブリッジの下で煌びやかなルナパーク遊園地。

ロックダウン中にジョギングでこの辺りを走りましたが、ルナパークは長い間クローズされて寂しい状況でした。こうして再開されて賑わっているのは久しぶりです。

コスプレで人気なのはバイデン大統領より前職のトランプでしょう。習近平と並んでポーズ。

ハロウィンらしいコスプレ。

シドニーではコロナ規制をほぼ解除して、大勢で集まることができる様になりました。しかし4ヶ月前に同じ様に規制を取り除いたアメリカやイギリスではコロナ再感染が進んでおり、恐らく豪州にも同じ波が再び来るのでしょう。しかし豪州の首相はもうロックダウンはしないと言っているので、これから豪州も覚悟を決めてコロナと共存することになります。

この旅行記へのコメント （2）

• polodaddyさん 2021/11/10 07:59:48

  すごいですねー！殆どマスクしていない！

  豪州は凄いですねー！歩くときに街の殆どの人がマスクしていないんですね。
  当地メキシコはラテン気質なのでCOVID注意報がgreenになった今、皆マスクを外すかと思いましたが、今でも6，7割はしていますよ。
  全国の1日当りの新規感染者が3000人程度まで下がり死者も随分減ったので、米国よりも渡航制限が緩いかと思いましたが、豪州から見ればまだまだ感染者が増えている米国よりも厳しい渡航先に指定されているんですね。多分こっちの方が米国よりもゼロが一つ少ない筈なんですが・・・。アングロ同士の忖度なのでしょうか？
  でもメキシコへの海外からの入国には殆ど制限が無くて、先週のハロウィン休暇には米国からの観光客でカンクンは一杯だったそうです。
  此れだけユルユルでもCOVIDはどんどん減っています。
  ワクチンのお陰と云う人も居ますが、ワクチン接種済でも感染入院している人も結構居るので、何か別の要因なのではないでしょうかねえ？

  ノーーウォリーズさん からの返信 2021/11/11 06:44:17

  RE: すごいですねー！殆どマスクしていない！

  日本在住の人にはノーマスクの人々が沢山歩いているのには驚きでしょうが、メキシコから見てもそうですか。
  
  確かにロックスのカフェが並ぶ場所だけ見ると誰もマスクしていないですが、シティ全体では半分位はマスクしている印象です。NSW州政府は屋外でのマスク義務を全部撤廃したので、これでも問題ないのです。マスク嫌いの国民性で、自粛とか同調圧力という言葉もないですし。3回目のロックダウンで学んだことは、コロナの大波が来たらマスク義務もロックダウンも全く機能しない事です。抵抗しても無駄なんで波が低い間はマスクなしで楽しみましょうという感じです。なぜ今は波が減っているのかは専門家も説明できていないですから。
  
  メキシコがアメリカより色が濃いのはCOVID以外での理由かと。Smartravellerではメキシコ陸路移動は昼間のみにして有料道路を使う様にと書いてあります。現地在住の人には大げさに聞こえるかもしれませんが。メキシコでも「死者の日」のパレードが賑やかに開催されたと、こちらのニュースで報道されていましたよ。
  
  今後またコロナの大波が来るかは分かりませんが、もし来たら3回目のワクチン接種と新開発の飲み薬で乗り切るしかなさそうです。それがコロナと共存の世界なのでしょう。