1982/04/01 - 1989/05/01
5321位(同エリア22964件中)
唐辛子婆さん
バンコクに滞在中、本帰国するお友達に
「私の代わりに水彩画のグループに入りませんか?」とお誘いを受けました。
「唐辛子婆さんは絵がお好きだから。」
それは教育大の先生が教えているインターナショナルなグループで
メンバーはバンクオブアメリカやコカ・コーラ、アメリカンスタンダードなど国際的一流企業のバンコク支店長クラスの奥様方!こちらはまだ30代でデパートに行くにもバス利用のペッペーの平(ひら)。
気疲れしさう。お断りしやう。
「大丈夫よ。先生は日本人が好きだしみなさんいい方ばかりだからぜひ!」
そんなにオススメされるなら一度行ってみやうか。
場違いな方がいらしたわ、みたいな雰囲気だったらすぐにやめればいいんだ。
そう決心して参加しました。さうしたら楽しかった!
表紙の写真は教育大の学生たちとアユタヤで写生しているところです。
大学の講義にもたびたび参加させてもらえてなんと有意義にすごせたことでせう。
(それで絵を描くスキルが進化したかは別問題ですが)
★Thailand 古き良きおもひで 15編のサイトマップ & More
http://4travel.jp/traveler/tougarashibaba/album/10424847/
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- タクシー 徒歩
PR
-
メンバーの一人(フランス人)のお宅で。
中にはご自身が南米コロンビアの名誉領事という方も。
国連関係やジム・トンプソンのお店で働いているタイ人の方も。
後から考えても毎週いろんな国のいろんな立場の人とおしゃべりすることができたのはとても幸運なことでした。 -
教室はいつもフィリピン人Mのお宅の
広くて緑たっぷりのお庭を見渡せるポーチで。
Mはフィリピンでは深窓のお嬢様でのちにアメリカ人のご主人が本国勤務になってはじめて必要に迫られて運転免許を取得した(ので皆に驚かれた)。
屋外で結構暑かったと思うのに毎週毎週よく通ったものだなあ。
豪邸に毎週トゥクトゥクで乗り付けるワタクシ。 -
たまには子供連れで参加。
-
みなさん親切で楽しかったけれど
英語力が断然違うので話について行くのは大変でした。
子供たちはみなISB(International School of Bangkok)で学んでいて
母親達の話題は学校でのあれやこれやもあり私にはわからないことも多いし(私の娘はまだ幼稚園)
中南米訛り、バングラディシュ訛り、フランス訛りにも面食らうしね。
それでもやめたいと一度も思わなかったのは先生の絵が素敵だからももちろんですけどみなさんのインテリアや暮らし方や考え方に学ぶべきことがいっぱいあって目を見張る思いだったからなんです。
どのお宅のお部屋もゴチャゴチャ感が全くなく、お店が開けるかと思うほど沢山のコレクションがあってもすっきりした統一感があって飾り方に強い意志を感じたり。
どのお宅でも感じる共通点は「生活感のあるものは徹底的に排除または隠す」スタイル。洗濯物は裏のスペースに干す。
上に立つ人の思いやりも学びました。
クリスマスランチョンのテーブルセッティングで使われたナプキンがフィリピンの伝統的な透ける布でできた素晴らしいものだったんですけど、誰もそれでお口を拭ったりはしない。メイドさんたちの仕事が増えるから。 -
タイ人のスチャート先生はアメリカの大学で学んで
バンコクで個展も開いて -
売り上げでパリに旅して。
-
油絵では表現できない
-
繊細さとか迷いのないスピード感とか
-
筆力で圧倒されました。
-
教わったことを思い出してみると。
・水彩画は紙の種類によって描き方が全然違う。
・紙の表面の湿度により重ねた絵の具のにじみ具合が違い
そこに面白さがある。
・濡れている紙を傾けると絵の具の粒子が境界線にたまって
筆では表せない線を描ける。
・完全に乾いた画面に別の色を薄く重ねるとまた違った雰囲気を
醸し出せる。
水彩画は油絵よりも簡単で子供のやることみたいに思い込んでいましたけどとんでもなく深くむずかしく、とんでもなく繊細でうつくしいものだとだんだんわかってきて。
絵の具のメーカーによっても効果が違い、紙も上等のはすんばらしくお高くて。一時帰国した時に銀座の伊東屋や新宿の世界堂でホルベインとかウィンザー&ニュートンとかターナーとかの絵の具をいろいろ試し買いしました。この教室に入る前は絵の具ったらサクラしかしらなかった唐辛子婆。
塗った次の日に微妙な色味の変化が起こることも知りました。
←その次の日からは顕著な変化はないんですけどね。 -
筆は主にセーブルの毛で作ったもの。とても柔らかく繊細な表現ができます。
-
半乾きの画面に水を散らすと夢のやうな雰囲気になりまする。
この何気ない水辺の風景が真似したくて -
水上マーケットに行った時の支流の写真をもとに
-
スクールボートという題で
-
描いてみましたけどもうもう恥ずかしくて破り捨てたい。
-
習い始めて3年ぐらいしたころ展覧会の話が持ち上がりました。
へ?
本国で美術教師をしてたアン(南アフリカ)のように上手な人もいるけどだいたいが素人の絵です。
「大丈夫。ソロプチミストが慈善事業の一環として全部お膳立てしてくれるのよ。作品を額装してホテルの会場に搬入するだけでいいのよ。」
ソロプチミストとは管理職、専門職についている女性の世界的組織で、人権と女性の地位を高める奉仕活動をしています。ドクターや弁護士、会社経営などの女性がメンバーです。 -
まだまだドローイングの基礎もできてなくて先生のような絵は描けないのでお花を描くのが大好きなアンを見習って私も花中心で出品することにしました。
-
カードにしたアンの絵です。
素敵でしょ? -
アンはいろいろなアドバイスをしてくれました。
いつも良い所をほめてくれて
「すごく素敵に描けてるじゃないの。ひとつだけ提案するとしたらここを強調するとか?」 -
このアドバイスの仕方は
後にインドネシアの田舎の学校でアートの先生を仰せつかった時に
とても役に立ちました。
https://4travel.jp/travelogue/11698058 -
アンはワンフロア一世帯のマンションの9階に住んでいました。
ある日お邪魔したらなんと下の階が火事!
すでに鎮火されてましたがエレベータが動かないので階段で上がっていきました。階段の上からは黒いすすで汚れたお水がザーザー流れてきました。
アンのお宅まで燃え移らなくてよかった!
不思議なことに彼女は全然慌てた様子もなく階段上がるの大変だったでしょうと言ってくれて。
そのマンションの1階には日本人が住んでいたんですけど火事で持ち出したものが盗難にあったそうです。本当に油断隙もありゃしない・・・。 -
展覧会を開催するにあたっては
フランス人とチャイニーズ系タイ人プローイ(改名してある)とのひと騒動がありました^^。
Japan 昭和記念公園 エレーヌ(改名してある)の想い出
~ミツバチばあやの冒険~
https://4travel.jp/travelogue/10449030 -
その時にプローイが描いた絵の1枚です。
古き良きタイの懐かしい風景です。 -
展覧会の直前はちょうど昭和天皇のお具合がとても悪くて日本中の行事が自粛中。
バンコクの日本人社会も運動会から遠足からゴルフコンペから何から何まで自粛中だったので展覧会のオープニングセレモニーに出席するのを最後までためらいました。黒いワンピースにして、もしお亡くなりになったらすぐにネックレスを外して・・・。 -
だって当日は宮様の一人をお招きしてのテープカットが
バンコクポストか何かの英字紙に載ることはわかっていましたし。
日本人のお友達もたくさん来てくれることもわかっていたし。
(自粛して一人も来ないかも知れなかったけど。)
←結局はいっぱい来てくれた^^。 -
百合の花の絵はフィンランド人のお友達が買ってくれました。
-
売り上げはクロントイのスラムで活動をしているプラテープさん率いる団体に寄付しました。
-
我が家でのランチョン・パーティー
タイ独特の食材を西洋風にアレンジした料理が新鮮だったらしく何度もレシピを聞かれました。豆腐とレモンとレアチーズと生クリームで作るレアチーズケーキが「とても軽くてヘルシー!」と喜ばれました。
混ぜて冷やし固めるだけの超簡単なケーキですがトッピングにロゼルのとろりとしたジャムをのせると白地に赤が鮮やかです。
この時もオープニングの時の話で盛り上がりました。
「あなた出席するかどうかほんっとうに悩んでたわよね。」
ほとんどのメンバーの国に皇室も王室もないのでこの躊躇を珍しがられちゃいました。タイには王室に対する「不敬罪」があるんですけどね。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
Thailand 古き良きおもひで
-
前の旅行記
Thailand 古き良きおもひで(9/15 ) チェンマイ、チェンライ、チェンダオ
1982/04/01~
バンコク
-
次の旅行記
Thailand 古き良きおもひで (4/15) なぜかドイツ人会ツアーでスリンの象祭りへ
1982/11/~
スリン
-
Thailand 古き良きおもひで (8/15) カンチャナブリの乗馬キャンプ
1982/01/30~
カンチャナブリ
-
Thailand 古き良きおもひで (5/15) バンコクの中国正月
1982/02/~
バンコク
-
★Thailand 古き良きおもひで 15編のサイトマップ& More
1982/02/~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで (7/15) バンコクの至福 レヌーカさんの旅
1982/04/~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで (13/15) バンコクの中のミャンマー お誕生日の儀式
1982/04/~
バンコク
-
Thailand バンコク 古き良きおもひで (6/15) 人形の家はどこに?
1982/04/~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで (3/15) バンコクの野菜たち
1982/04/~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで (12/15) バンコクの近場 土日限定水上マーケット タリンチャン...
1982/04/~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで (10/15) ロイカトンほか
1982/04/~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで (14/15) バンコクこぼれ話
1982/04/~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで (1 /15 ) バンコクを訪ねてくれた人々
1982/04/01~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで(9/15 ) チェンマイ、チェンライ、チェンダオ
1982/04/01~
バンコク
-
Thailand 古き良きバンコク (15 /15 ) 水彩画教室
1982/04/01~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで (4/15) なぜかドイツ人会ツアーでスリンの象祭りへ
1982/11/~
スリン
-
Thailand 古き良きおもひで (2/15) おばあちゃんのバンコク
1984/08/~
バンコク
-
Thailand 古き良きおもひで (11/15) バンコクの清廉 チャムロン知事(当時)を訪ねて
1989/03/18~
バンコク
-
Thailand チェンライの子供達をたずねて メーコックファーム
1997/07/~
チェンライ
旅行記グループをもっと見る
この旅行記へのコメント (4)
-
- olive kenjiさん 2021/09/04 11:42:04
- 絵が好きな方、興味ある方、この旅行記必見
- 連ちゃんでコメント書くの恥ずかしいと思っていたら、前にTaekoさんが書いて下さったので助かりました。こんなに素晴らしい絵画を称賛せずにいられませんでしたから。
何とセレブらしき雰囲気が有る集まりなのでしょうか。
そこへトゥクトゥクで乗り付ける勇気ある唐辛子さん。
場違いなら、やめればいいというその心意気大好きです。
また、緊急事態に備えて黒い服をお召しになる心構えにあっぱれです。
スチャート先生の絵画が余りにも素晴らし過ぎて絶句しておりました。
また、唐辛子さんの上達していく水彩画の上手さにも感心しております。
まだ今も絵をお描きになって、バザールに貢献なさっているのでしょうか。
お値段にもよりますが、私もひとつ貢献したいなという気持ちになりました。
動かない象
- 唐辛子婆さん からの返信 2021/09/04 23:05:48
- Re: 絵が好きな方、興味ある方、この旅行記必見
- olive kenjiさん
旅行記にもならない昔話をいっぱい聞いてくださってありがとうございました。
水彩画教室では本当のセレブは人格者だということを実感しました。
でも展覧会を前にした騒動も事実で、それはそれで思い返すと面白かったなあと思います。エレーヌ編ぜひ見てくださいね♪
みんな今じゃ80代(90代もいるかも)ぐらいだと思うと感慨深いです。
私の絵はちっとも上達しないまま終わりました。
4トラで写真の楽しさに目覚めちゃって絵は放り出したまま^^。
でもまあ絵を学んだのは雰囲気あるアングルや色味を工夫したりに少しは役立ってるかなと思います。
唐辛子婆
-
- tabinakanotaekoさん 2021/09/04 09:56:59
- 絵画サ一クルとの出合い
- 唐辛子さん、
絵画サ一クルに誘われて、雰囲気が合わなかったら止めればいいしと開き直って出かけられて、ホントに良かったですね。最初に声をかけてくださった人も以前から唐辛子さんの絵画好きをご存知だったからでしょうから、唐辛子さんが御自分で引き寄せた幸運だったのですよ。
想い出話シリーズを拝見しながら、あることに気が付きました。囲炉裏端で語り手を囲んで座ります。最初から最後まで取り囲んでいる子供達は一言も言葉を発しません。ただ静かに耳を傾けます。TVに「日本昔ばなし」という番組がありました。語り口調も覚えていますがどなただったかな?市原悦子さんだったかな?久しぶりに周りを取り囲んでいる子供の気分を味わいました。
taeko
- 唐辛子婆さん からの返信 2021/09/04 22:37:51
- Re: 絵画サ一クルとの出合い
- taekoさん
昔話をいっぱい聞いてくださってありがとうございました。
んま、旅行記には当たり障りのないことしか書けませんけど人生甘いも辛いもなくちゃ面白くない。
展覧会をめぐる騒動(エレーヌ編)ぜひ読んでくださいまし。
そこにも書けなかったんですけどプローイのおじいちゃんは麻薬王だったんですって。本人の口からきいたんだから間違いなし。ぎょえ~~~~!でしょ。でも「当時は合法だった。」とケロリとしていました。
昔話はもうこれでオシマイです。
はやく次の旅行記を書きたいですよねえ。
唐辛子婆
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
バンコク(タイ) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ Thailand 古き良きおもひで
4
28