2011/10/25 - 2011/11/04
6436位(同エリア45891件中)
まさとしさん
中国を横断。
10/24 アルマトイ(2355)~ (列車中泊)
10/25 ~阿拉山口~ (列車中泊)
10/26 ~ウルムチ(830) 新彊白樺林国際青年旅舎
10/27 ウルムチ(1600)~ (バス車中泊)
10/28 ~敦煌(鳴沙山) 敦煌国際青年旅舎
10/29 敦煌(932)~ (列車中泊)
10/30 ~西安(兵馬俑坑) 七賢国際青年旅舎
10/31 西安(1005)~鄭州(1313/1430)~済南 山東賓館
11/1 済南(1128)~青島 Zhab Ying Hotel
11/2 青島 Zhab Ying Hotel
11/3 青島(青島ビール博物館) Zhab Ying Hotel
11/4 青島(1455)~仁川/ソウル(1720) ムンサン旅館
11/5 ソウル/仁川(1230)~名古屋(1420)
-
列車が中国側に移動したのは21時半(カザフ時間)。20分ほど緩衝地帯を走行して中国側の阿拉山口駅に到着した。
中国での入国審査は楽だと思っていた。しかし予想以上に荷物チェックは厳しかった。同行しているA君が中国語が話せるという事で検査員は普通の旅行者ではないと思ったのだろう。何か悪い情報を持ち込もうとしているのではないか。中国側として疑ってくるのは当然だ。何せここはチベット以上に(ニュースでは報道されないような)小規模な暴動やテロが頻繁に起こっている新疆ウイグル自治区なのだから。ダライラマの写真(ウイグルには関係ないが)などを警戒しているらしい。
A君はパソコンのハードディスクのデータまで調べられてしまったが特に問題なく入国できる事になった。僕は中国語がしゃべれないので大して調べられる事はなかった。こういうときは下手に中国語は使わない方が良い。そうすれば普通の旅行者という事でチェックは甘くなるはずだ。
予想外に手間がかかった中国入国だが、すべての乗客の検査が終わったようで列車は0時に国境の阿拉山口を出発した。 -
【10月26日(水)】
カザフスタン・アルマトイから列車は2泊3日かけて、ウルムチには9時半に到着するようだ。予定より1時間遅れと比較的スムーズだ。北京時間が採用されウルムチの夜明けは遅く、9時前だというのにまだ夜が明けたばかりだ。 -
ウルムチ駅に到着。
-
巨大なウルムチ駅舎。中国の駅はどこもこんな感じだ。
ウルムチにも最近流行のBRT(専用レーンを走り、改札付きのプラットホームがあるバス)が開通して市内交通は便利になっている。しかしウルムチで泊まろうとしていた南湖畔の白樺林ユースホステルに行くバスは見つけられず、バスとタクシーを乗り継いで向かう事になった。 -
中国のユースホステルは久々だ。そして今回の旅行でユースホステルを利用するのは初めてという事になる。中国のユースホステルはインターネットが無料で値段も安く英語が通じるので使いやすいように思う。
この宿でゆうこさんと再会した。パキスタンへ行こうとしたが国境でビザが取れなくなってウルムチに北らしい。
ここ数日の間に情勢が急変し、同じようにパキスタンに行こうとして人が足止めを食らったりして今パニック状態になっている。
パキスタンで唯一ビザが取れたクンジュラブ峠がだめになると、パキスタンに行きたい人はもう日本でビザを取るしかない。 -
ウルムチの地図。中国は日本の新幹線が好きで仕方ないらしい。
-
とりあえず敦煌までは同じ日に移動することになり、A君とゆうこさんとバス乗り場に敦煌までの切符を買いに向かった。しかし値段がけっこう高いとかで少し考える事になった。列車で行く事を考えウルムチ駅へ向かった。
しかし切符売り場はすごい行列で買う気がなくなった。並んでも希望の切符が買える保証はない。結局バスで行くことになった。列車の方が所要時間は短いが、ウルムチ翌日発の寝台を手に入れるのはほぼ不可能だろう。あったとしても硬座だが、さすがに硬座には乗りたくない。 -
ウルムチは高層ビルが建ち並ぶ大都会だ。新疆ウイグル自治区であってもウイグルを感じる場所はあまり多くない。駅前の建物にウイグル文字が併記されているくらいだろうか。
-
ウルムチの電気屋街。中国人も電気製品が大好きだ。
-
スポーツ用品店のショーウィンドゥ。なかなかいい防寒具が売っているなとよく見たら「GOM-TEX」って。なんとも通気性の悪そうな名前だ。
-
漢民族が大半を占めるウルムチで解放南路沿いに数少ないウイグル族地区が存在する。周辺にはモスクなどもあり、どことなく中国らしくない雰囲気がする。
-
その一角にグランドバザールという巨大な商業施設がある。内部は観光客向けのテナントや宝石屋が入っている。
-
外観はミナレットなどわざとらしく作られていて、結局はいかにも中国らしいという感じだ。中国政府はイスタンブールのグランドバザールを越えたとかワケのわからない事を言っているらしい。
なぜか地下にはフランス大手スーパーのカルフールが入っている。 -
ケンタッキーも入っている。
-
グランドバザールの内部。
-
周辺にはケバブやピラフなどが食べられる中央アジアでお世話になった食事ができる店が並んでいる。中国のはどんな感じか入ってみる事にした。
-
もうウルムチを離れるとこのような食事にはお目にかかれないだろう。中国では牛肉のケバブ(シシカバブ)が多いようだ。
-
解放南路周辺の街並み。
-
【10月27日(木)】
11時起床。夜寝るのが遅かった事に加え、2時間の時差が微妙に影響している。シャワーを浴びてチェックアウトを済ませた。 ゆうこさんと同じ宿のりょうこさんと3人で朝食兼昼食として近くの食堂で汁なしの面と肉まんを食べる事にした。肉まんは韮と肉入りのが一番美味しかった。 -
小さなミカン。甘くて美味しい。
-
15時にバスターミナルへ向かった。これから敦煌へ向かう事になり、16時発の寝台バスを利用する。バスターミナルに到着するとけっこういい時間だ。
-
中国人が開発した寝台バスは通気性が悪く、嫌な臭いが車内に充満しているので何度乗っても好きになれない。でも横になれるだけマシだと考えたい。
-
夕方ドライブインに立ち寄った。ここでラグマンを食べる事にした。かなりのボリュームでなかなかうまい。
-
-
【10月28日(金)】
敦煌には8時に着くはずだが、バスはいつまでたっても砂漠の中を走りつづけている.
荒野で朝のトイレ休憩。 -
結局、敦煌に到着したのは10時を過ぎてからだ。
-
敦煌には1泊しかしないので到着後はけっこう慌ただしく行動する事になる。
まずユースホステルに向かいチェックインを済ませた。敦煌のユースホステルも清潔で設備が整い快適だ。中国は僕が知らない間にこんなユースホステルを整備していたのは意外だった。 -
くつろぐ間もなく、まず明日の西安の行きの列車の切符を購入しに町中の切符売り場に向かった。ゆうこさんは明後日の西安行きに乗るようで一緒に行動するのはここまでとなる。西安へは硬臥の上段を確保できた。やはり始発駅での購入というのは有利だ。西安までは24時間だが快適な移動となるはずだ。
-
-
一度ユースホステルに戻った。洗濯を干しに屋上へ上がった。
屋上からはモスクが見える。 -
屋上の落書き。中国でしかもユースの屋上という場所でこのような落書きを見るといろいろ考えさせられる。
-
昼食は敦煌名物の「鶏湯面」。細切りにされた麺で箸を使わずに食べられる。
敦煌は中国有数の観光地という事で町中は再開発され、観光客向けのこぎれいなショッピングモールなんかもあったりする。でも町は小さく中心部は歩いて回れる。中国の町はだだっ広く、歩くと疲れるがここはそういう感じはしない。
夕方バスで敦煌で最大の見所である鳴沙山へ行く事にした。 -
前方に鳴沙山が見えてきた。
-
山というよりは砂丘だ。ナミブ砂漠を思わせる絶景が敦煌のすぐ近くに存在する。砂丘があったから町ができたのか。そのあたりはよくわからないが、町のすぐそばにこのような絶景があるのは驚きだ。ここにきてシルクロードのハイライトにたどり着いたと言っても過言ではない。
-
市内からは3路のバス(1元)で向かう。
-
シルクロードのハイライト。敦煌の鳴沙山。
-
しかし入場料は120元(1500円)。砂漠の中ではパラグライダーやジープ、そしてらくだなどいろんなアトラクションが存在する。
まさにシルクロードのテーマパークといった感じだ。お金を出して遊ぶものはたくさんのがいかにも中国らしい。 -
そして奥には月牙泉という三日月型のオアシスがある。
-
アトラクションはさておき、僕はその雄大な自然の景色を堪能するのみだ。
ナミブ砂漠を思わせる巨大な砂丘に上るには自分の足を使うしかない。中国人観光客は単独行動は取らず疲れる事はしないので砂丘には上ってこない。なので砂丘の尾根は独占する事ができる。
砂丘の上から見下ろした月牙泉。 -
砂丘の尾根からの眺め。
-
-
-
自分の影。
-
今回のシルクロード横断でここに来るのがある意味目的だった。言ってみればゴールのような。ここからの夕日は美しく神秘的だ。
-
-
この日の夕食はシシカバブを食べた。1本2元(24円)。
-
でも量が少なく足りなかったので改めて石鍋の煮込み麺の店に入る事にした。
-
【10月29日(土)】
敦煌の夜明けも遅い。敦煌を9時30分の列車に乗るため1時間前に宿を出発した。駅へはバスで向かう朝のモスク。。 -
敦煌駅はまだできて数年と新しく、運転本数の少なさに見合わない巨大な駅舎がそびえたっていた。
-
-
30分前に乗車が開始された。列車は9時32分発で西安まで24時間かかる。到着は明日の朝だ。
出発時点でかなり席に余裕がある。硬臥の上段は誰もいない状態だ。今回初めて硬臥の上段を選んだ。でもみんなが上段を選ばない理由がわかった。狭い。夜間の移動なら気にならないが、24時間の移動では日中の上段で過ごすのはかなり厳しい。通路の簡易イスに座るか下段に座るかしかない。インドなどはでは中段は日中収納してしまい居場所がなくなるが、中国の硬臥は長距離でも寝台を収納することはない。なので事実上中段が一番快適だという事になる、初めて上段を選んだがいい教訓だ。
途中駅から徐々に乗客は増えてきて蘭州の時点でほぼ満席で。そのまま西安へ向かう。
【10月30日(日)】
昨日の食堂車の食事で体調が思わしくないが、治らないまま西安に到着した。
西安は何度か通過した場所だが今回初めての訪問となる。駅に到着する際、車窓から城壁や寺院が靄にかすんで神秘的な古都を感じさせる。やはりここは京都に似ているのかもしれないと改めて感じた。 -
西安の駅に降り立った。
-
ここまでの列車。
-
しかしというかやはりここも人が多い。
駅前広場は客引きや盲流、観光客でごった返している。その人混みの中をかき分け、駅から近い伝統家屋を改装したユースホステルに向かった。 -
向かった先は伝統家屋を改装した七賢国際青年旅舎(ユースホステル)。
-
西安のユースホステルはこのような凝った作りの施設が多いようだ。中国屈指の観光都市である古都西安。バジェットな観光客が多く、中国で一番競争率が激しいのが影響しているのだろう。
-
客室は平屋で6人部屋。男女別。
値段は50元(600円)と中国ユースホステルの平均価格で泊まれる。
宿で横になりたいが西安滞在は事実状況だけだ。
とりあえず西安に来たらからには秦始皇兵馬俑坑(しんしこうへいばりょう)だけには行きたい。 -
兵馬俑は西安の西20キロほど行ったところにあり、西安駅前からバスで向かう事になる。中国人観光客も多く頻繁にバスは出ている。
-
兵馬俑博物館のゲート。
周辺は一大観光地になっていてたくさんの出店や土産物屋、ファーストフード店が立ち並ぶ。 -
兵馬俑博物館で主に解説がメインの棟に展示されていた発掘された陶器の馬の像。
-
兵馬俑では第一号坑から第三号坑を見学。ここはまだ新しい名所で現在もまだ発掘が行われている。
-
-
-
たくさんの陶器でできた像がすべて違う表情をしているらしい。
-
-
-
まだ発掘途中の部分。
-
-
こちらは第三号抗。
-
-
まだまだ解明されてない事が多そうだ。
近くに始皇帝陵もあるが、体調不良のためパス。バスで西安に戻ることにした。中国の観光名所は人が多くて疲れる。 -
西安には地下鉄が開通していて高速鉄道が乗り入れる西安北駅に直結している。そして城壁の中心を貫く形で先行開業したようだ。この地下鉄が開通したおかげで高速鉄道の駅へアクセスするのが格段に向上した。ただ地下鉄は中心部を通っているが存続の鉄道駅には現在乗り入れておらず、少し不便でもある。
西安の中心部は北京のように建物すべてが巨大で歩いても疲れるだけだ。城壁には東西南北にそれぞれ大きな門がある。城壁内部には鐘楼があり、周囲はロータリーになってライトアップされていた。 -
しかし大半の建物は取り壊され、寺院らしき建物があるなと思っても新築のホテルかオフィスビルの屋根だったりする。単に寺院をイメージしただけで何の歴史価値もない。実は今朝列車から見えた神秘的な建物は新築の建物だったとが判明した。実にまぎらわしい。
-
【10月31日(月)】
西安を出発し、さらに東へ進む。
このまま北京にも上海にも行かずまっすぐ青島をめざそうと思う。青島からは韓国・仁川への船が出ているのだ。七賢国際青年旅舎(ユースホステル)から歩いて近くの地下鉄・安遠門駅に向かった。 -
これが西安の城壁の北門にあたる安遠門。
-
地下鉄で西安北駅にやってきた。ここで高速鉄道に乗り換える。
-
高速鉄道のために建設された巨大な西安駅舎。
-
内部はこんな感じで空港並みだ。
-
駅のエントランス。高速鉄道を利用してこれから向かう先は河南省の鄭州になる。
高速鉄道は西安まで乗り入れているもののまだ未完成で、列車はすべて西安北駅から湖南省の鄭州までの折り返し運転となっている。その先には乗り入れておらず、鄭州で在来線に乗り換えることになる。西安から北京に通じれば便利になるのだが、まだ完成しないようだ。。
西安から鄭州の高速新線は武漢〜広州同様当初は350キロ運転を行っていた路線で鄭州までの区間は比較的山間にもかかわらずほぼ直線で大半は橋とトンネルだ。そのような経緯からこの路線には興味がある。なので今回利用する事にした。ただ350キロ運転もこの前の追突事故で状況は一変し、現在は300キロに落として運転されているようだ。この区間の車両はすべて日本の東北新幹線の「はやて」をコピーした車両が使われている。
西安北駅で鄭州までの二等車の切符を購入。距離は約500キロ。所要2時間10分で230元(2800円)。これでもあの事故以来スピードを落として所要時間が延びたので料金は値引きされたらしい。 -
20分前に乗車開始された。改札は自動化されている。
-
車両はヘッドライトの形が少し違うだけで「はやて」と全く同じの車両だ。
-
8両編成で乗車するのは3号車。西安からの客は車両の3分の1にすし詰め状態。何とも窮屈だ。出発後、他の席に移動する事にした。車内検札はないので席の移動を注意される事もない。
-
列車は定刻通りに出発。それにしても全く列車がないのに広すぎる西安北駅。
-
-
ちなみにこれが自動改札機対応の切符。
-
途中の駅で対向列車とすれ違った。
-
最高速度は300キロ弱。
速度が前方に表示される。現在294キロ。 -
5号車には0系新幹線を思わせるビュフェのような簡易食堂車がもうけられていた。
-
ちゃんとテーブルもある。
停車駅ごとにすし詰め状態の区画が増え続ける。洛陽龍門駅からはほぼ満席の状態になった。なので元の席に戻る事にした。 -
西安から2時間10分で河南省の省都・鄭州に定刻通りに到着した。
-
鄭州では在来線のホームを使用しているので隣のホームに通常の中国客車がとまっていてなんか変な感じだ。
-
ここでも立派な鄭州駅。
-
鄭州の駅前広場。
鄭州では特に行きたい場所もなく、ただ高速鉄道の終点だったから来ただけでこのまま別の都市へ乗り継ぐ事になる。
今回の旅行の中国での最終目的地は青島だ。なので少しでも青島に近づくため今日中に山東省の省都・済南まで行きたい。しかし済南はけっこう遠い。列車でのアクセスは悪くバスで行くしかない。
中国ではバスターミナルは駅の近くにある場合が多い。鄭州も例外ではなく駅の向かいがバスターミナルだ。なので列車からの乗り換えが便利だ。済南まではバスで7時間。1時間後のバスを予約することができた。バスターミナルが駅に隣接していると乗車は楽だが、バスが中心部から出るのに渋滞に巻き込まれて時間がかかるというデメリットもある。なので長距離バスターミナルは世界的に見て郊外にある場合が多い。
中国の高速道路網は高速鉄道と同じくらい急拡大している。特に沿岸部は網の目のような状態で都市間の移動に一般道を使う必要はない。鄭州から済南へのバスも終始高速道路利用だ。 -
料金所のような場所は出入口意外に湖南省から山東省の境界に1箇所あっただけだ。
-
中国の高速バスは安全運転で2時間に一度休憩を取る。夕食はドライブインで食べる事になる。設備は日本のドライブインをまねしているので使いやすい。
-
7時間で山東省の省都・済南に到着した。時間は21時半。ここまで来れば青島はすぐ近くだ。済南ではロンプラに載っていた山東賓館という宿に泊まることにした。表示されていた値段が思ったより高かったので他を当たろうとしたら半額になった。恐ろしい値引率だ。
-
値段は139元(1700円)で設備は中級ホテル。しかもこの宿はインターネットも無料で使え至れりつくせりだ。駅前でネットカフェを探す手間が省けた。
【11月1日(火)】
今日は日本を出てちょうど2ヶ月目になる。
別に意識したわけではないが、それに合わせて今日中国の最終目的地である青島にむかう。
9時には起床して出発の準備を整えた。まず青島への切符を買わなくてはならない。ホテルのすぐ前に鉄道切符の販売所があったので向かった。済南から青島までは1時間に一本くらいの頻度で高速列車が運行されている。その半分は北京からの列車だ。
12時28分発の青島行きを予約することにした。
ホテルに戻り、すぐに駅に向かった。 -
モダンな済南駅の駅舎。
-
青島行きの列車は中国が開発したCRH380型車両だった。中国が開発したといっても外観と内装だけを改造しただけで基本的には「はやて」のコピー車両だ。
中国が最終的のこの車両を生産する事になったということは独・シーメンス、仏・アルストムは選考から落ちたという事だろう。日本の新幹線技術を安く手に入れるためにこれらの欧州企業は利用された気がしないでもない。
でも日本はJR東日本が中途半端な事をしただけで国としては対応していない。 -
内装も網棚や天井のデザインが違うだけですべてがそっくりだ。
しかし絶対真似すべき場所が欠落していた。カーテンが2席分ごとにもうけられている。これでは開閉すると前後の人とトラブルになる。
済南から青島への区間は高速新線が建設された部分もあるが、駅と駅の間を高速運転可能に改良したものも含まれているのですべてが高速新線ではない。でも青島までは大半の区間で200キロで運転される。 -
青島までは約2時間半で14時過ぎに到着した。青島駅は在来線の駅を改良しただけだが、プラットホームはアーチ状のガラス屋根に覆われヨーロッパの中央駅を思わせる。
-
CRH380型車両。380というの営業運転しようとした最高速度の数値だ。でもこの前の事故でほぼ不可能になってしまった。
-
-
青島駅の旧駅舎。現在は自動券売機が入っている。ドイツ風のメルヘンチックな駅舎だ。
ここに来て再び青い空を見る事ができた。中国に青い空は似合わないが青島はさわやかな印象だ。 -
駅前広場周辺は坂があり、ヨーロッパ風の時計台など今までの中国とは違う落ち着いた雰囲気がある。さすがかつての租借地だけのことはある。至る所にメルヘンチックなドイツ風の建物も見る事ができる。この時計台は公安の建物だったので隠し撮り。
-
青島での宿泊先はロンプラに載っていたZhanying Hotelに泊まる事にした。中国の駅前の安宿は数が多すぎて見極めるのが難しい。とりあえずロンプラを参考にすればハズレは少ないだろう。従業員が外国人慣れしていて対応がスムーズだという気もする。
この宿も無料で使えるLANケーブルが完備していた。Wi-FiよりLANケーブルの方がパスワードがいらず、回線が安定しているので使いやすい。値段は100元(1240円)だ。
青島からは韓国の仁川に船で渡ろうと思う。船を買うための中国元を両替しようと中国銀行に向かった。
ウルムチでもそうだったが、最近中国では銀行前に路上両替屋がたむろしている。最初かなり怪しく違和感を感じた。でも両替屋は銀行の中まで追いかけてくる。あまりにも堂々としているので違法性はなさそうだ。札の枚数をごまかされる心配もなさそうだ。
ただレートに関しては交渉が必要で納得のいく数字で両替する必要がある。最初怪しすぎて断り続けていたら銀行レートより良いレートを提示していた。そしてその金額で取引を完了したがこれは闇両替ではないのか。銀行だと待たされるので路上だと手軽に両替できてありがたいがいったい中国はいつからこんな怪しい国になったんだろうか。 -
中国銀行の前に数人がたむろし声を書けてくる。
左端は両替中だと思われる。
両替は済んだものの船のチケット売り場がわからない。フェリーの切符は駅に併設されている鉄道賓館に入っている山東航空で購入できるらしい。しかしこの鉄道賓館というホテルが見つからない。青島駅は高速鉄道乗り入れに際して駅舎がリニューアルされ、駅舎に入っていたホテルはなくなってしまったようだ。人に聞いても知らないのでタクシーで直接仁川への船が出る港へ行ってみた。港は駅から2キロほどなのでワンメーターで行く事ができる。ちなみに初乗りは9元だ。 -
港の建物の前に到着。建物内部の切符売り場には人の気配があるのでここで買えそうだ。
-
カウンターで仁川までの切符を購入しようとした。しかし「メイヨーピャウ」とかわめかれた。明日の切符はないらしい。いつもそうだが宿などで「フル」とか言われるとイラッとくる。そんなはずはないだろうと心の底で思ってしまうからだ。今回もまた切符がないとか言われてイラッと来てしまった。でも満員らしい。ここまで来たのに最悪だ。まさか船が混雑しているとは思わなかった。仁川までの750元(9300円)はけっこう高いと思っていたが飛行機に比べれば安いという事だろうか。次の船は土曜日だがさすがに待てない。飛行機で韓国に飛ぶべきか。しかし韓国へは船で行くから意味があるわけで飛行機で行ってしまうと話が違ってくる。別に韓国は今行く必要はないだろうという気もする。
-
下関にも航路があるようだが、日本語の表示が全くないところを見ると運行されている様子はない。
夕方旅行代理店でソウルまでの航空券の値段を聞いたら直前予約という事で割高だ。
船のさらに2倍くらいする。そこまでして今韓国に行くべきか。かといって中国の他の都市に移動すべきか。移動するといっても上海くらいしかない。移動したところでそのまま日本に帰国するだけだ。なら韓国を経由しても良いのではと思ったりする。 -
夕食は宿の近くの食堂に入る事にした。青島は海に面した港町という事で海産物が豊富だ。しかもずいぶん割安で食べる事ができる。料理方法の注文が難点だ。
どの店も生け簀に海産物が入れられていて指を指せば適当に調理してくれる。
今夜はホタテを焼いたものとチャーハンを食べる事にした。
そして青島ビールを飲む。やはり中国で一番有名なビールをその土地で飲むのは気分が良い。青島ビールが中国で有名になったのはビールで有名なドイツの租借地だった由縁だろうか。
【11月2日(水)】
飛行機でソウルを経由して名古屋に帰ろう。これが最終結論だ。航空会社はアシアナ航空を利用したい。しかしアシアナ航空のウエーブサイトに青島から名古屋への料金設定はないようだ。そして1週間を切った航空券の購入はできないようだ。
旅行会社ではなく直接航空会社に交渉したいと思ったが町中にアシアナ航空の事務所はなく空港まで行かなくてはならないようだ。他にやりたい事があるわけではないし、暇つぶしに空港へ行く事にした。空港や駅にわざわざ行くのは嫌いではない。空港までのアクセスも確認できるだろう。駅前からは305番の市バスが空港に行っているらしい。
しかし空港まで30キロ以上あり、この市バスで行くと2時間近くかかってしまった。帰りは空港バスを利用したがこれは本数が少なすぎて使い勝手は悪い。
出発の際はタクシーを使うか市バスでのんびり行くか当日考えよう。
名古屋へのアクセスは航空会社に確認するとアシアナ航空の値段は4900元(60760円)とかなり高く、大韓航空なら2400元(29760円)ほどだったので大韓航空で帰国する事にした。スターアライアンスではない大韓航空はラウンジ利用などできず不便な部分もあるがさすがに値段には勝てない。
空港からすぐに出発する空港バスが青島のビジネス街行きだったのでそこから海水浴場を散歩がてら歩いて駅前まで戻る事にした。駅へ直通するバスは1時間以上待たなくてはならなかった。
空港バスも高速道路経由だが市内へ出るには1時間近くかかった。
バスが到着したのは東海西路の海岸線だ。 -
このあたりも高層ビルが建ち並び周辺は金融街になっている。地下鉄の工事が現在行われているが、いまのところバスが唯一の公共交通なので移動はかなり不便だ。
-
比較的新しい建物と思われるが、維持できずに解体されようとしている。中国の高層ビルが数年後すべてこのようにならなければいいが。
-
青島の海や砂浜は汚いが突き出た岩場によって区切られたビーチなどみると地形的に大げさにいえば中国のリオデジャネイロだという気がしないでもない。摩天楼や遊歩道を走り回る人たちも似ている。そんな事を考えながら遊歩道を駅に向かった。
-
-
松林のむこうに砂浜。
-
海岸沿いにはドイツ租借地時代の名残かいまでも当時の一戸建てが多く残っている。
-
-
-
租借地時代の家屋。
-
なぜか人魚姫像。
-
青島桟橋地区の高層ビル群
-
-
夕食は北京ダック。今回の中国訪問でも一度は食べておきたい。
-
-
その場で捌いてくれテイクアウト。
-
べきれないくらい量も多かった。
-
【11月3日(木)】
青島最終日に当たる今日、改めて観光する事にした。といっても行く場所は限られている。まず宿の近くの天主教堂へ向かった。 -
湖北路の歴史的建造物。
-
それから昨日遊歩道を歩いたとき地図がなくて何の建物かわからなかったが気になるので改めて出向く事にした。そのは海岸沿いにたたずむドイツの古城風の建造物だ。花石楼というらしい。でも入るのに入場料を取られるようで中に入るのはやめた。お金を出して中に入るほどでもない。
入場料は確か7元(100円) -
湖北路の歴史的建造物。
-
その後タクシーで青島ビール博物館に向かった。
周辺は紅酒坊特色街と呼ばれ近くに青島ワイン博物館というのもあったがこちらは少し興味が持てなかった。青島にワインもあるんだろうがあまり聞かない。入場料が50元(600円)もしたのがやめた理由だ。 -
青島ビール博物館がある通りはビールを出す店が連なり繁華街になっている。
青島ビール博物館も同じく50元の入場料が必要だったがこちらは入る事にした。 -
-
-
博物館は工場の敷地内へ。
-
-
中国を代表する青島ビールの製造過程や歴史がわかりやすく展示されていた。どことなく吹田のアサヒビール工場を真似している気もしないが、こちらはこちらで独自の進化をしてきたはずだ。
-
青島ビール工場は第一次世界大戦後ドイツがこの地を手放したあと日本が支配し、この工場も日本人が大きく関与していたようだ。
-
麦芽の展示コーナーのオブジェ。
-
ビールを貯蔵する樽。
-
入場料にはビールとビーナッツが含まれ、博物館内部のバーで一杯飲む事ができる。
-
中国でも工場内は日本同様に完全自動化され、人件費はかかっていないようだ。
-
青島ビール博物館前の店のショーウィンドウに並んでいたいろいろなビール。
-
-
-
-
青島では日系のコンビニとしてはミニストップを多く見かける。
ソフトクリームは3元(37円)でうまい。 -
肉まんの種類は豊富だ。
-
-
おでんは日本に比べてボリュームが少なく、からしや味噌はないといわれた。
-
青島で電気屋が多く集まる科技街の奇抜な高層住宅。
-
夕食は蛤や牡蠣、シャコを蒸してもらう事にした。シャコは寿司のネタでしか食べた事がないので自分でむくと食べにくい。
【11月4日(金)】
昨夜雨が降ったようで路面は濡れていた。また今日は厚い雲に覆われ、いつ雨が降り出してもおかしくない状態で肌寒い。 -
朝食はホテルの近くの小龍包の店に行った。でも頼んだが出てきたのは肉まんだ。しかも5コも。ついでのお粥も頼んでいるので朝っぱらからこんなにたくさん食えない。とりあえずテイクアウト。
-
今日中国を離れる事になる。空港へは市バスで空港へ行く事にした。バスは比較的スムーズで1時間20分ほどで空港前に到着した。
青島流亭国際空港。ここもまた近代的なターミナルビルだ。大韓航空のチェックインは2時間前からのようで少し待つ事になった。 -
14時55分発のソウル・仁川行き。飛行時間は1時間20分だが、人の往来が多いようで比較的大きなA330型機を使っている。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
旅行記グループ
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断
-
前の旅行記
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-L(カザフスタン編)
2011/10/23~
アルマトイ
-
次の旅行記
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-N(韓国編)/仁川経由帰国
2011/11/04~
ソウル
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-A(タイ編)/バンコク・プーケット
2011/09/01~
タイ
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-B(モルディブ編)/首都マーレ周辺
2011/09/05~
マレ
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-C(スリランカ編)/旧LTTE(タミル・イーラム解放のトラ)支配...
2011/09/08~
スリランカ
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-D(アラブ首長国連邦編)/シャルジャ
2011/09/14~
シャルジャ
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-E(アフガニスタン編)/カブールとバーミヤン
2011/09/15~
アフガニスタン
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-F(アラブ首長国連邦編)/イラク入国拒否強制送還・ドバイへ
2011/09/22~
ドバイ
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-G(イラン編)
2011/09/24~
イラン
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-H(トルクメニスタン編)
2011/10/05~
トルクメニスタン
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-I(ウズベキスタン編)
2011/10/07~
ウズベキスタン
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-J(タジキスタン編)
2011/10/11~
タジキスタン
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-K(キルギス編)
2011/10/19~
キルギス
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-L(カザフスタン編)
2011/10/23~
アルマトイ
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-M(中国編)
2011/10/25~
中国
-
2011年 南アジア・シルクロード陸路横断-N(韓国編)/仁川経由帰国
2011/11/04~
ソウル
旅行記グループをもっと見る
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
中国 の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 2011年 南アジア・シルクロード陸路横断
0
156