2011/10/11 - 2011/10/19
66位(同エリア157件中)
まさとしさん
ウズベキスタンからタジキスタンへ。
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ウズベキスタンからのオルビクの国境はあまり人がおらず、入国管理施設への入場制限も行われていなかった。両替屋もいないので余ったソムはタジキスタンへ持ち込む事になった。
しかし国境付近は停電していて出国のためのX線検査の機械やデータ入力のコンピューターが使えず、電気が通るまで30分ほど待たされた。荷物検査などはなかった。そのまま徒歩でタジキスタン側に向かった。
タジキスタン入国の際、僕のビザに修正液で訂正したあとがあり、これが問題になりかけた。意味のわからないフリをしていたらスタンプが押された。タジキスタンも面倒な国なのか不安になる。もしかしたら出国の時も面倒かもしれない。 -
タジキスタン側の国境からブストンという町までまで乗り合いタクシー(5ソモニ)で向かった。ブストンの中心部の碑。
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ブストンからホジャンドまでマルシュルートカ(7ソモニ)で向かった。
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ホジャンドで到着したのは町から4キロほど離れたアブレシム・ターミナルなのでここからさらに市内へのマルシュルートカに乗り換えた。そんなわけで2時前にはホジャンドに到着した。
中心部へ行く途中にあった川沿いの航空機のモニュメント。
ホジャンドのソ連時代の名前は「レニノバード」。レーニンの町とはたいした名前だ。
その名前が残る施設が旧インツーリストのレニノボードホテルだ。 -
町の中心に近くて安い宿はここしかないのでここに泊まる事にした。規模は大きいが設備はかなり老朽化し、エントランスはかつての高級ホテルの名残を感じるものの今では安宿の部類に入る。今でもソ連式のシステムが採用されていて鍵は各階に管理人がいてそこで受け渡しが行われる。エレベーターは機能しておらず3階の部屋までは階段を上り下りする事になる。部屋は老朽化しているがベランダもあり、見晴らしはなかなか素晴らしい。シャワーは水圧は低いが辛うじてお湯が出るので問題はない。ちなみに値段は70ソモニ(1200円)だ。
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ベランダからの眺め。
ホジャンドは川沿いに開けた落ち着いた町だ。 -
ホジャンドは川沿いに開けた落ち着いた町でホテルの周辺には遊園地(半分廃墟)もある。
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広々とした公園。
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そして劇場もある。
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名前はわからないがタジキスタンの大統領。
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記念碑。
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共産圏の色合いを強く感じるホジャンドでの見所はパンジシャンベ・バザールくらいだろうか。バザールの向かいにあるモスク。
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パンジシャンベ・バザールは屋内型バザールとしては中央アジアで最大規模らしい。
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スイカとメロンが売られている。
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周辺にはシャシリクの店も出ていて遅めの昼食を食べる事にした。
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タジキスタンのシャシリクも大きめだ。
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ロフ(ピラフ)も食べたかったが腹一杯だ。
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【10月12日(水)】
7時にマルシュルートカでドゥシャベへの乗り合いタクシーが出るアブレシム・ターミナルへ向かった。人の集まりはいまいちだったが1時間ほど待って出発する事になった。値段は100ソモニ(1700円)。車は韓国双竜自動車のRVタイプ。オフロードには強そうだ。 -
出発したのは8時半。ホジャド周辺は穀倉地帯で農作物も豊富に取れそうなのどかな風景が広がっている。やがて険しい山にさしかかった。
ドゥシャンベまで途中3千メートルの峠を2回通過することになる。まずシャフリストーン峠を越える事になる。 -
雪山がきれいだが、標高が上がるにつれ天候が悪化してきた。
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峠付近はかなりの悪路で途中立ち往生した車を何度か見かけた。自分たちの車がいつああなるかわからないので人ごとではない。
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3378メートルのシャフリストーン峠は雪に覆われていたが、路面の雪は解けて泥濘になっていた。
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とりあえず一つ目の峠は無事通過。
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いったん1500メートル付近まで下る事になる。
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高度を下げたところで昼食を取る事になった。いつものようにシャシリクだ。
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ここからドゥシャンベに抜けるまでに二つ目のアイゾーブ峠(3372m)がある。
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ただこちらは2500メートル付近にトンネルが完成していて、このトンネルのおかげで数時間単位で所要時間が短縮された。
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しかしトンネルは完成しておらず、内部は水浸しででこぼこだ。通行させてくれるのはありがたいがかなりひどい路面状態だった。トンネルの中で車が壊れたら終わりだ。
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かなりの長さのトンネルを抜けると一気に高度を下げてドゥシャベに向かう。
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同じ車で移動した乗客たち。
ホジャンドを出発してから6時間半でドゥシャンベに到着した。
トシャンベで到着したのはかなり町の北の方に位置するターミナルだ。
ここから市バスで町の中心であるオペラの広場に出る事にした。ドゥシャンベの町は細長く規模も小さいのでわかりやすく全体像を把握しやすい。トロリーバスが主な道を走っているので移動もしやすそうだ。 -
町のランドマークであるオペラ・バレエ劇場前でバスを下車した。
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ドゥシャンベでの滞在先は旧インツーリストホテルでオペラ・バレエ劇場の広場に面したワフシュというホテルだ。外観やエントランスは立派でソ連時代の近代建築としての重厚さを感じる。
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ここも老朽化はひどいが部屋はそれなりに清潔だ。しかしシャワーはお湯の出るタイミングがよくわからない。部屋は3人ドミトリーで他の宿泊客はタジク人。値段は一人60ソモニ(1020円)と高くはない。
到着早々オヴィールにパミールパーミット(バダフシャーン山岳自治区へ入る許可証)を申請に向かった。時間が遅いので申請書類の作成だけ済ませ、技巧振り込みなどは明日行う事になる。書類作成領として10ソモニ(170円)支払った。明日銀行に15ソモニ(255円)支払う事になる。
ドゥシャンベは今回の旅で唯一友人がいる町でもある。その友達と18時にホテルで待ち合わせする事にした。
友達の名はウマルさんでウズベキスタン人だ。5年前サマルカンドで知り合った。その後ウマルさんは日本に留学に来た際、船橋の居酒屋に食事をしたりした仲だ。
日本から帰国後、ウマルさんはタジキスタンに移り住み、今はドゥシャンベ市内でアパレル系の店を家族で経営している。ドゥシャンベ市内に4店舗持っているらしい。その中の一店舗を任せられその店がたまたまホテルから100メートルほどの場所だった。 -
夕食は庶民的なシャシリクだ。
ドゥシャンベはロシア系住民が多いように思う。でもウマルさん曰くドゥシャンベはロシア系が多いようでもみんな地元とのハーフらしい。独立直後の部族間の内戦でみんなロシアに戻ってしまった。
そんなウマルさんもソ連崩壊や内戦に翻弄された一人だ。ウズベク人のウマルさんの家族はソ連時代サマルカンドからドゥシャンベに移住してきた。そこでウマルさんは誕生した。しかしソ連崩壊後の内戦でウマルさんは故郷のサマルカンドへ逃げる事になった。国籍はソ連だったが、ウズベキスタン独立後、ウマルさんたちはウズベク住民であるにもかかわらずウズベキスタン国籍は得られなかった。5年住めばもらえるといわれたがそれも無理だった。現在ウマルさんはロシア国籍を持っている。そして最近タジキスタンの国籍も取得できたようだ。でもロシア国籍の方がビザなしで行ける国が多いので何かと便利らしく、今後も二重国籍のままでいくらしい。
とにかくウズベキスタンとタジキスタンは仲が悪い。国際バスの乗り入れが中止され、お互いの国の人々がスムーズに行き来できなくなっているのが両国関係の悪化を象徴している。関係が悪化している原因は水問題にあるらしい。ウズベキスタンの水源はタジキスタンになる。しかしタジキスタンは水をせき止め水力発電所を造ろうとしている。建設はすでに始まっているらしい。ウズベキスタンとしては流れてくる水が減り、農業に影響してくる。しかしタジキスタンの言い分としては水はタジキスタンの領土にあり、タジキスタンがどうしようが勝手だとの事。
タジキスタンやキルギスタンに水問題の制裁としてウズベキスタンは天然ガスや石油の値段を上げてしまった。それが関係悪化の悪循環を生んでいる。
親分のロシアが同じような事をやっているのでこのあたりの価値観は理解できないがウズベキスタンとしてはアラル海がなくなったり、タジキスタン比べて水に対して神経質になっているのだろう。ただタジキスタンは燃料は電気に頼っているのでウズベキスタンに燃料代を値上げされ、ますます水力発電のためのダム建設の正当性を訴えている。
資源外交は隣国との関係を悪化させる。
【10月13日(木)】
夜中の間ずっと雨が降り続いていた。しかもかなりの豪雨だった。本格的な雨に降られるのはスリランカ以来1ヶ月ぶりだ。ドゥシャベは山に囲まれた低い場所に位置して雲が溜まりやすいので雨が多いのだろうか。ここはパミール高原の気候とは違うと思うが、ここで雨に降られると今後のパミール移動を思うと憂鬱になってしまう。もしかしてこの雨が今年のパミール旅行の終了を意味しているのではと思ったりもする。
今後のルートをはっきり決めないまま何となくパミール高原へ入ろうとしているが、少し心配になってきた。暑さを避けるため9月に日本を出てきたのがここに来て裏目に出てしまった。暑さより寒さの事を心配すべきだったのだ。この地域の冬は早い。結局寒さのために行き先が制限される事になってしまいそうだ。最悪途中まで行って戻る事も考えないとならない。
そんな事を考えながら朝になった。同室のタジク人は6時に宿を出ていった。僕も8時には銀行にお金を振り込みに行きたい。銀行の場所がわからないので早めに行動した方が良さそうだ。 -
昨日書類の作成だけ済ませたパミールへのパーミットだが、8時に指定された銀行を人に聞いてなんとかみつけた。
このビルの1階の右側の宝くじ売り場のような場所が指定銀行。ここで入金を済ませた。 -
10時まで時間があるので少し散歩することにした。ドゥシャンベには奇抜な建物が多くある。現代版スターリン建築といったところか。
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朝食はピラフとスープ。食べ過ぎだ。
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10時にオヴィール到着した。
しかしこの日は受付担当が11時過ぎに現れ、明日来いとかいう。今日中に受け取って明日出発したかったが、それはあんまりだ。
ドゥシャンベに一日長く滞在する事になってしまった。でもウマルさんがいるこの町で滞在が延びるのはさほど問題ではない。明日金曜日はウマルさんの家族と食事をする事になった。 -
ドスティー広場の噴水で洗濯をするじいさん。
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ドゥシャンベの町並み。 -
ドゥシャンベのトロリーバス。かなり便利で1回60ソモニ(10円)。
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昨夜同様ウマルさんの店が7時に終わるのでそれを見計らって遊びに行くことにした。
ウマルさんの店にて。 -
今夜は寿司バーへ行くことになった。ドバイ以来の日本食だ。タジキスタンでは唯一の日本食だがステーキハウスがメインで寿司はついでにやっているといった感じだ。
左下の力士は朝青龍。 -
刺身はサーモンしかなく、握りのネタはウナギとサーモンだけだ。ウナギは日本の味と変わらずうまかったがサーモンは塩味がしていまいちだった。でもわさびと醤油は懐かしくうまい。ウマルさんも日本を離れて以来の日本食で満足しているようだ。しかし2人で200ソモニもした(3400円)。
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ウマルさん(右)と店員。
【10月14日(金)】
昨日とは一転、晴天だ。オヴィールの始まる時間までに市街地の北にあるワルゾーブ・バザールに行ってみた。ここの市場はそれほど規模は大きくない。背後には雪山が迫り、ここ数日の雨で山は雪に覆われてしまった。 -
朝食のスープ。
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青空の下、中央広場に行ってみた。この国のランドマークはイスマイール・ソモニの巨大な銅像だ。
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周辺には大統領宮殿や巨大な政府系建物がそびえ立っている。ふんだんに水を使った噴水がきれいに整備されている。庶民に関係のない設備を見ているとトルクメニスタンに近いものを感じる。
また広場の脇には世界最大の国旗というのもあるが、ここのところ天気が悪いので下げられていた。ドゥシャンベの天候は回復したが、周辺には雲も多く山間部の天候が心配だ。 -
10時にオヴィールへ行くと問題なくパミールパーミットを受け取ることができた。この天候なら明日出発しても問題ないだろう。
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午後2時にウマルさんの家族と昼食の約束をしているので店に向かった。ウマルさん一家は毎週金曜日はモスクに行き、それが終わったあと家族でピラフを作って一緒に食べるのが習慣らしい。ピラフは少し脂っこいモノの口に合うので何度食べても飽きない気がする。ウマルさんとおじさん。
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いただいたプロフ(ピラフ)。
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夕方ウマルさんの店が終わったあと明日のホーローグへのバス乗り場の下見に向かった。案内してくれたのはウマルさんの店の人で車で連れて行ってくれた。マルシュルートカを捕まえる場所と番号、そして下りる場所などシュミレーションしてくれた。またホーローグ行きのマルシュルートカ乗り場では明日の車の運転手に会い、おおよその出発時間と客の集まり具合、値段の確認などをすることができた。すでに客は5人集まっているようだが、出発時間は人の集まり次第なので何ともいえない。とりあえず明日の8時は来てくれとの事だ。
夜はウマルさんと最後の夕食。とはいえ食のバラエティーは少なく、またしてもシャシリクになってしまった。ラグマンも頼んだらので少し食べ過ぎた。ウマルさんは仕事が忙しいので日中どこかに一緒に行くような事はできなかったが、久々の再会でいろいろな話ができてはるばるドゥシャンベまで来た甲斐があった。ウマルさんにはホテルまで送ってもらいお別れだ。僕がドゥシャンベまで来る事はもうないと思うので会うとしたら日本でという事になる。また会う暇でさようなら。 -
【10月15日(土)】
朝6時半に宿をチェックアウト。昨日ウマルさんの店の人に教えてもらった通りの方法で車が出るバダフシャーン・バスターミナルへ向かった。
スムーズで7時前には着いてしまった。 -
昨日会った運転手の車を探していたら運転手が現れた。明るくなってから改めて車を見てみるとかなり使い込まれたハイエースだ。この車が一番客の集まりがいいのでのんびり待つしかない。ちなみにホーローグまではハイエースで150ソムニ(2600円)でランクルだと200ソムニ(3400円)だ。800円の違いで乗り心地はかなり悪そうだが、問題ないだろう。
ランクルに乗ろうとしていた韓国人旅行者をハイエースに誘い込み、我々の車が一番先の出発となった。時間は9時半だ。ホーローグまでは順調にいっても18時間近くかかる。
韓国人旅行者は中央アジアで見かけるのは実に珍しい。彼の名はテフ。韓国を出て1年になるらしい。オセアニアをのぞきこの一年で世界中を回ったらしい。 -
ハイエースはドゥシャンベを出てしばらくすると未舗装道路を走り出した。一帯はダムの建設予定地になっているのか、町を更地にしているような感じがする。これがウマルさんが言っていたウズベキスタンとの関係悪化の要因であるダムなのだろう。建設はすでに始まっている。
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休憩
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その後もドゥシャンベ川の渓谷に沿うように未舗装道路を進んだ。ポンコツのハイエースはランクル並みのフットワークで未舗装道路を猛スピードで進んだ。
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このような羊の群れも見慣れて遭遇すると邪魔に思えてくる。
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なかなか頼もしいと思っていたら矢先の事だった。どうやら調子に乗りすぎたようだ。サスペンションが折れてしまったのだ。これから最大の難所であるハブラボト峠(3252m)を越えなくてはならないのに困ったモノだ。しばらく無理をして走っていたが、峠の手前のチャイハネで修理する事になった。
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標高2800メートル。暗闇の中、冷たい風が吹き付ける。
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いったいどうするのかと思ったらサスペンションのスペアを運転手は持っていたのだ。そしてそれを交換し始めた。写真は折れたサスペンション。
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そんな中、2時間ほどで修理が完了した。
その間暖かいチャイハネの中で待つ事ができたのでよかった。他の車の助けはあったもののサスペンションをその場で治してしまう運転手には感心した。
深夜のハブラボト峠越え。天候は安定しているので路面に問題はない。周辺にも雪はないようだ。月明かりの下の大渓谷。幻想的な雰囲気だがそうも言っていられない。暗闇の中の未舗装道路ほど乗り心地の悪いモノはない。ワンボックスの後部座席なのでなおさらだ。
峠らしき場所を越えたようで車のエンジン音は静かになった。車は順調に高度を下げながら走ろうとしたときまた車が急停車してしまった。今度はいったい何だ。ここは周囲に何もない暗闇の中だ。ちょっと勘弁してくれと思ったが今度はパンクだったようでタイヤを交換してすぐに出発する事ができた。
【10月16日(日)】
日付が変わった頃、峠を無事越えて麓の町に出たようだ。カライ・フムという比較的大きな町でネオンのある建物があったりする。パンジ川に面していて対岸はもうアフガニスタンだ。このまま徹夜でホーローグまで走り続けるのかと思ったがドライバーは町のはずれの宿で仮眠するようだ。このまま無理をして徹夜で走り、ハンドル操作を誤って谷底に落ちるのはいやなので休んでくれた方が安心だ。乗客は車の中で仮眠する事になった。金を払えば宿の部屋に入れてくれたのだろうが、車内でまつことにした。5時には運転手が車に戻ってきた。そしてホーローグをめざして出発。 -
7時前、一軒のチャイハネで休憩することになった。ここで朝食だ。周辺は山に覆われていて肌寒い。山の上は日が当たっているが、谷底まで日が当たるのは当分先のようだ。
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川の対岸はアフガニスタン領だ。川幅はそれほど広くないので歩いて渡る事も可能だ。またアフガニスタン側には雪に覆われた険しい山がそびえて迫力がある。
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休憩の時写真を撮っていた。
「運転手が出発するぞ」と僕を呼んでいる。 -
川幅がだんだん広くなってきた。
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ホーローグには10時過ぎに到着した。ドゥシャンベから24時間かかった事になるが実際走っていたのは16時間くらいだろうか。順調に来ていたら深夜にホーローグに到着してしまい、宿泊代が1泊無駄になったかもしれない。故障してくれたおかげで到着が朝になり、宿泊代が浮いた感じだ。そう考えると故障も悪くない。
パミール高原の玄関口に当たるホーローグは標高2100メートル。町の両側に迫る山肌は迫力を感じる絶景だ。中心部はかなりちゃんとした建物が建ち並んでいるが、日曜という事で人はほとんど歩いていない。店もほとんど閉まっていてゴーストタウンのようだ。 -
宿はホーローグゲストハウスでここまで同じ車で来たテフと部屋をシェアする事にした。パミールロッジというのがあるが場所が少し不便なのでここに泊まるのが無難だ。宿はお湯も出るし部屋は快適だ。NHKも映るので快適だ。これから始まるパミールハイウェイ越えに向けて体調を整えるには都合のいい宿だ。
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ホーローグの川に架かる橋。
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第二次世界大戦の記念碑。
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ホーローグの家屋。この天気だと洗濯もすぐ乾く。洗濯が臭くなる事もないだろう。
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増水期には機能するのか水車があった。
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【10月17日(月)】
今日は温泉に行きたい。明日のムルガブへの車があるのか確認がてらバスターミナルへ向かい食事をした。
韓国人のテフ。 -
食堂のおばさん。
今日行こうとしている温泉というのはホーローグから南に50キロほど南に行ったところにガラム・チャシュマという場所だ。石灰棚から温泉が噴き出ている場所でとても興味深くぜひ行ってみたい。しかし交通機関が乏しいのが現実だ。拠点のアンデロープという町までマルシュルートカで行ってここから温泉までの7キロを歩くつもりでいた。しかしアンデロープでさえマルシュルートカは人が集まらない。車をチャーターすれば手っ取り早いがそこまでするほどでもないので南へ行く車が通過する道路でヒッチで行こうとした。
しかし期待は裏切られ道路は車がまったく通らない。しばらくして一台の車がやってきた。そしたらさっきターミナルで値段交渉をしていた車だった。我々がヒッチすることを悟って追いかけてきたみたいだ。実に商売熱心だ。他にも温泉に行く客がいるらしく往復35ソモニでどうだと持ちかけてきた。拠点の町まで行ってそこから7キロ歩くつもりでいたので悪くない。しかも帰りの車を探す手間も省ける。 -
給油はタンクローリーから直接ガソリンをバケツにくんで車に注入する。
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車だとあっという間で1時間くらいでガラム・チャシュマに到着した。こぶりだが迫力のある石灰棚が目の前に現れた。
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規模は小さくイエローストーンやパムッカレのようでもあるが、期待してくるとがっかりするレベルだ。石灰棚周辺にはホテルもあり、ちょっとしたリゾート施設になっている。
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目玉の石灰棚は規模は小さいが石灰の固まりからお湯が吹き出る様は見応えがある。
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そしてその下には露天風呂があり、お湯は石灰で白く濁りなかなかいい湯加減だ。
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広々とした乳白色の露天風呂。
ゆっくりしていたいが運転手が早く帰りたいようなので1時間ほどでガラム・チャシュマをあとにした。 -
車で往復したので昼過ぎにはホーローグに戻ってきた。月曜の今日は昨日とは一転、たくさんの人が行き交うにぎやかな町になっている。
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夕食はマントゥ。
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量が足りなかったのでピロシキを路上で購入。
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【10月18日(火)】
ドゥシャンベから一緒のテフと朝8時にマーケットへムルガブ行きの車を探しに向かった。何台かムルガブへ向かおうとする車はあるが、人は全く集まっていないようだ。とりあえず近くの食堂でフライドポテトとスープの朝食。 -
出発を待っているとゆうこさんという日本人旅行者が現れ3人でムルガブへ向かう事になった。イライラしながら待たされて出発することになったのは結局12時前だ。
車は最初の軽ワゴンではなく、パジェロに変更になったのはうれしい誤算だ。
パジェロはスタンドに給油に行き、昼食を食べホーローグの検問所を出たのは午後1時になってからだ。
これから向かうムルガブを経てキルギスのサルタシュまでがパミールハイウェイと呼ばれ道路全体的はかなり整備されているらしい。 -
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沿道は雄大な自然が広がる。
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2時間ほどして温泉に到着した。露天風呂はなく屋内のみだが無料で温泉に入る事ができた。
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周辺にもお湯が沸いている。
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その後4272mのコイ・テゼク峠に近づくとパミール高原らしい雪山が南に見えてきた。
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そして峠を越えると二つの湖が見えてきた。雄大な景色はなかなか素晴らしい。
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しかしパミールは高原であって山脈ではないので全体的になだらかで有名な山もなく、ヒマラヤに比べればインパクトに欠ける感じだ。
ホーローグからムルガブまでは8時間かかるとか10時間かかるとか情報が錯綜して本当の事がわからなかった。でも我々ちょうど日が暮れた18時にムルガブに到着した。
思ったより早く、所要時間は5時間ほどだった。ムルガブでは車の運転手に連れて行かれた安い宿に泊まる事になった。水道や暖房はなく簡素な宿だが寝るだけなので問題はない。値段は20ソモニ(340円)。
食事は近くの食堂で取る事ができる。
ムルガブの夜は寒いし暗いので9時には就寝だ。しかし酸素が薄く、あまり熟睡できそうにない。 -
【10月19日(水)】
予想通り熟睡できなかった。6時には空が明るくなってきた。しかし今日は雲が多くがっかりだ。太陽が昇っても気温は低いままだ。ムルガブの町。標高3576m。気温は0度前後でこの時期にしてはそれほど寒くない。 -
宿泊した宿。
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宿の人によると朝10時くらいにオシュへのバスがあるらしい。宿の前を通るので待っていればいいと言うがあまり信用できない。歩いて3キロ離れたバザールへ行ってみた。
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しかしオシュへ行く車は見つかったがバスらしきものは不明。とりあえずこの車でオシュ行く事になった。今日出発できてよかった。車は昨日に続きパジェロで快適そうだ。
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ムルガブのバザールにて。
タジキスタンのムルガブの住民はキルギス系になり、ホーローグのイラン系の住民とは顔立ちが異なり親近感が持てる。 -
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羊の毛。まだ足が付いたままだ。
先に写真を撮りやすい席を確保しておいたのにその場所をあとから来た地元のおばさんに横取りされ、そのことで揉めてしまった。
結局ムルガブを出たのは11時頃だ。後部座席は定員より一人多く詰め込まれ窮屈だ。 -
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パミールハイウェイ後半。今日はムルガブからキルギスタンのサルタシュを経てオシュに向かう。
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今日は昨日に比べ天気がいまいちだ。
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パミールハイウェイを行く。
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ムルガブを出て1時間ほどでパミール・ハイウェイ最高地点のアク・バイタル峠(4655m)にさしかかった。
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なかなか眺めがよかったので休憩することになった。
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車はカラクル湖に向け高度を下げる。
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パミール高原最大の湖であるカラクル湖が見えてきた。
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カラクル湖はまだ先だが少し休憩。
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雪山が素晴らしい。
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カラクル湖のほとりで昼食を取る事になった。ハイウェーに巨大な雪山が迫る迫力のある風景が広がっている。
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昼食はジャガイモと羊を油で炒めたモノ。
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カラコルからの眺め。ここにきて少し晴れ間が見えてきた。
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カラコルにいる子供たちは我々と同じモンゴロイドのキルギス系で親しみを持てる。
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夕方になるにつれ、厚い雲に覆われほとんど景色を楽しむ事はできなくなった。パミール高原には誰もが知っている山などはなく、純粋に景色を楽しむだけといった感じの移動だったが終わってしまった。
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午後4時にタジキスタン側の国境に到着した。今日の道路も舗装されている部分は多く、予想よりもかかった時間は短かった。タジキスタン側では荷物を調べられけっこう時間がかかったが、特に問題はなかった。
そのまま緩衝地帯を走りキルギスタン側の国境へと向かった。この緩衝地帯も天気が良いと景色がよいのだが、雲が多く残念だ。若干ではあるが迫力のある雪山を眺める事ができた。
キルギスタン側の入国審査では2時間ぐらい足止めを食らってしまった。我々以外に通行人はいないのに何をやっているのかとにかく時間がかかる。しかも日が暮れて寒い中、荷物を細かく調べられた。暇だから珍しいモノをおもしろがって調べているといった感じだ。こんな地の果てにいたら時代の流れから取り残されても仕方ないだろう。
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