2024/02/22 - 2024/02/22
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海外鉄オタクさん
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中国の江西省と福建省を結ぶ鹰厦線で、時刻表には載っていないものの一般客も乗れる貨物列車(混合列車)に乗ってきました。残念ながら、最近この列車は一般客が乗れなくなってしまったそうです。
後編: https://4travel.jp/travelogue/11908911
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江西省の鹰潭駅からバスで10分。大通り沿いの何も書かれていない小さな門の奥に、鷹廈線の鹰潭南駅はあります。
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駅の正面口は閉鎖されていて、脇にある業務用の入口から駅に入ります。
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鹰潭南駅は鷹廈線の起点駅で、鷹廈線の歴史に関する展示物がいくつか並んでいます。
鷹廈線は1950年代に福建省に出入りする最初の鉄道として、江西省の鹰潭から福建省の厦門まで建設されました。その後1950年代から1990年代まで40年もの間、福建省と省外を結ぶ唯一の鉄道路線として重要な役目を果たしていました。 -
向こうの方に貨車に挟まれた客車が置いてあります。どうやら今日乗車する客車のようです。
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午後1時半、今回乗車する貨物列車、40127列車がやってきました。ss4型機関車が20両以上の貨車を従えています。
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入れ替え作業をして、先程見た客車を連結します。
入換用のディーゼル機関車、電気機関車、貨車、客車の4種類を繋いだ入換作業は壮観です。 -
客車の連結が済んだので、乗客が駅舎から乗車口の方に歩いていきます。今日の乗客は30人程度です。
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車内の乗車率は50%ほどで盛況です。
相席になった少年と仲良くなって連絡先を交換することもありました。たまには混んでいる列車に乗るのも悪くないですね。 -
今回の旅の経路です。
途中の邵武まで峠を越える貨物列車に乗り、そこから高速バスに乗り換え、路線バス、再び貨物列車と乗り継ぎます。 -
現在、中国南東部の福建省付近には、一般人が乗車できる貨物列車が3往復ほどあるようです。私はこの中の2便、鷹廈線(ようかせん)の江西省と福建省の境界の峠越えの区間の列車と、閩江(びんこう)に沿って走る峰福(ほうふく)線の列車に乗車しました。
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山地に入り、山火事注意の看板が立っています
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カーブにさしかかると、後ろの方に連なる貨車が見えます。混合列車ならではの光景です。
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途中、小さな駅に何度も停車し、その度に数人の乗降がありました。多くの路線で長距離列車と貨物列車が増発されると同時に各駅停車が廃止されてきた中国国鉄では、各駅停車が走る路線も数少なくなっています。
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電気がつかないので、トンネルに入ると車内は真っ暗です。トイレは一応使えますが、水タンクが空なので水が流れず臭いです。
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何となく車窓を見ていると、碍子が透明なことに気づきました。珍しいガラスの碍子です。空が晴れていればもっと綺麗に見えたでしょうが、あいにくの雨です。
中国国鉄は日本の新幹線と同じ25000ボルトの交流電化で、電圧が高いため碍子が何個も重なっているのが普通です。 -
小駅に止まるたびにだんだん人が降りていきます
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拠点駅の資渓に到着しました。
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資渓は機関区がある拠点駅で、ss4型が留置されています。
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ここで私以外の一般客はほとんど降りたようです
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ホームに降りて客車を見てみます。25B型客車は旧型の客車と同じ方式で、車輪の横部分の発電機で照明や放送の電力を賄っています。冷房は無く、暖房をつける時は暖炉に石炭を入れます。
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しかし、この客車は車軸と発電機をつなぐベルトがありません。これでは電気もつかないわけです。
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ここ資渓から先は、峠越えの区間となります。22‰の急勾配を登るために、機関車を増結します。
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増結完了
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峡谷の中のかなり高い場所に線路を敷いています。こうしないとこの先山を登りきれないのでしょう。
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峠はまだ先ですが、この付近でひと足早く福建省に入りました。
江西省の区間で乗客はほとんど降りてしまい、境界を越える区間は車掌と顔見知りの数人しか乗っていません。見慣れない外国人の私は「どこに行くのか。なぜこんな通勤列車に乗っているのか。上海に行くなら高速線に乗ったほうがいい。」などと質問攻めにされました。 -
標高がどんどん上がり、霧の中に入っていきます。400m以上ある列車の後ろは霧で霞んでいます。
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斜面の下に見える小さな集落が、長江の流域で最後の村です。
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勾配標が見えました。登り19‰、水平に1km進むごとに垂直に19m登るという意味で、貨物列車にとっては急な坂です。
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トンネルに入りました。長さ1460mの大禾山隧道です。客車の照明がついていないので車内は真っ暗で、スマホの明かりがわずかに見えるだけです。
このトンネルを抜けると長江の流域を脱出し、福建省一の大河川である閩江の流域に入ります。 -
华侨駅には廃止された貨物ホームがあります。
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かなり古い駅名標がすべての駅で残っています。70年前の開業当時のものでしょうか?
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周囲の集落には見た目はものすごく古い家がありますが、人が住んでいるようです。
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田舎でも集合住宅が多いのが中国の特徴で、大きめのアパートが見えます。
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駅の信号機は、本線のものが高い位置、側線のものは低い位置にあります。
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急カーブに差し掛かると、窓から重連の機関車が見えます。
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とにかく大量の貨物列車とすれ違い、その全てが補助機関車を連結して重連で走っています。
補助機関車を繋いでから、発車する時に必ず3回警笛を鳴らしていることに気付きました。どうやら、前後の機関車で発車合図を取り合っているようです。SS4型は1980年代からある、中国国鉄の中でもかなり古い機関車です。一応無線はあると思いますが、昔ながらの運転方式が残っています。 -
山下りが終わって、閩江の大きな支流がある光澤に到着です。ここから先かなり長い間、川に沿って走ります。
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明るければ景色がいいのですが、既に真っ暗です。
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川の対岸に五重の塔みたいなものが見えます。
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外が暗いだけならいいですが、列車の中も真っ暗で何も見えません。
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午後7時、ついに終点の邵武に到着です。
なんとホームではなく貨物用の側線に到着しました。電気が無く車内放送ができないため、車掌から直々に降りろと言われて下車します。 -
暗闇に浮かび上がるss4型の重連は壮観です。
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駅舎とは反対側にある土手から地下道に降りて駅を出ました。
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邵武から貨物列車に乗る時も、駅の北東にある地下道の隣の土手から線路に上がります
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学校の体育館
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食堂で夕食を食べました
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このスーパーが地元のスーパーと雰囲気が似ていて、安心してつい長居してしまいました。
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終バスを逃したので、邵武の街を探索しながら歩いてホテルに向かいました。
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ホテルに到着。
デポジット(押金)を要求されました。
ここまでが前半戦で、後半戦の高速バス、高速鉄道、路線バス、貨物列車に乗った記録も順次公開します。
後半: https://4travel.jp/travelogue/11908911
YouTubeにも記録が公開してあります。
https://youtu.be/3MXA6bcLdr4
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