鎌倉七口は？

2012/04/12 - 2019/12/17

　鎌倉の中世を特徴づけているのは何といっても「切通」（https://4travel.jp/travelogue/10735061）と「やぐら」（https://4travel.jp/travelogue/11463185）である。

　鎌倉関連のブログには「鎌倉七口」とされる巨福呂坂切通、化粧坂切通、亀ヶ谷坂切通、朝夷奈切通、名越切通、極楽寺坂切通、大仏坂切通を扱っているものが何と多いことか。この「鎌倉七口」の中では「極楽寺坂切通」だけが国指定史跡にはなってはいない。「極楽寺坂切通」を通ったことがある人なら誰でも納得するだろう。所謂舗装された坂道の道路であり、中世の面影を感じることができないからだ。しかし、同様に、バイクや自動2輪が通る「亀ヶ谷坂切通」も中世の面影を感じることができない単なる舗装された坂道の道路と思うであろう。しかし、「国指定史跡」になっている。何故？と思うのが普通であろう。
　史跡とするのに相応しい場所が存在しており、それが残っている故に国指定史跡になっているのだ。しかし、フェンスがあり、10m先にある「亀ヶ谷坂切通」の史跡部分を見ることができない。また、これまでに公開されたとは聞いてはいない。戦後になって整備された道路が「亀ヶ谷坂切通」の史跡部分である訳がない。「亀ヶ谷坂切通」の史跡部分を一般公開して欲しいものだ。
　同様に、「巨福呂坂切通」も旧海軍水道トンネルの先にある庚申塚のその先はここの住宅地のための道路であり、「巨福呂坂切通」ではない。「巨福呂坂洞門」により破壊されて消滅してしまっているのであれば「国指定史跡」が解除される。「巨福呂坂切通」が「国指定史跡」であるのは「巨福呂坂切通」の史跡部分が残っているからだ。「巨福呂坂洞門」の横、旧海軍水道トンネルの上に崖が見えるがこれが「巨福呂坂切通」の史跡部分である。

　「鎌倉七口」は江戸時代に「京七口」になぞらえて名付けられたものであり、必ずしも鎌倉時代の鎌倉への出入り口を示している訳ではない。「鎌倉の切通巡り」（https://4travel.jp/travelogue/10735061）を参照して鎌倉の切通を巡ったならば「古（いにしえ）の軍都・鎌倉」がおぼろげながら見えてくるであろう。
（表紙写真は巨福呂坂切通）

エリア 鎌倉(神奈川)

巨福呂坂切通。

巨福呂坂切通。

化粧坂切通。

亀ヶ谷坂切通。左側のフェンスの中に亀ヶ谷坂の切通道が残っている。

亀ヶ谷坂切通。何と石積だ。

朝夷奈切通。

名越切通。

極楽寺坂切通。歩道もある坂道だ。

大仏坂切通。