バルカン半島7カ国 モスクと教会を味わう2週間 [11/12]

2013/11/14 - 2013/11/14

□初めての海外一人旅、目的地はバルカン半島。

　バルカン半島にはギリシャや旧ユーゴスラビアの解体で誕生した小国たち、そしてヨーグルトで有名な？ブルガリア等がひしめき合っている。どれも小国だが、比較的物価が安い国が多い。更にバルカン半島は歴史的な理由からモスクと教会が共存する珍しい地域でもある。

　ヨーロッパなのに中東、ヨーロッパなのにアジア、そんな微妙な立ち位置にあるバルカン半島の国々。古くから「歴史の交差点」として発展してきた国々(ギリシャ～アルバニア～コソボ～マケドニア～セルビア～ブルガリア～トルコ)を旅しました。

エリア イスタンブール(トルコ)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

□開通したての地下鉄でボスポラス海峡を渡る！
　朝8時に屋上のテラスで朝食を頂く。ボスポラス海峡を見下ろすテラスはとても良い景色が望めたが、今日も空は濃い灰色に覆われていた。天候に恵まれていた旅の前半が恋しく思える。朝食を給仕してくれたトルコ人のおじさんと話をしながら朝食をゆっくり食べ、10時にホテルを出た。

イダ ホテル ホテル

　今日の観光のメインは、2013年10月29日に安倍総理出席の下で開通式が執り行われた地下鉄道マルマライ線、ボスポラス海峡横断地下鉄道に乗ることだった。日本円借款により大成建設が施工したという事もあり、安倍総理が出席する運びとなったのだ。

　スルタンアフメット駅からアクサライ駅まで、辺りの小さなモスクを散策しながら歩いた。マルマライ線のヨーロッパ側の駅であるイェニカプ駅は、アクサライ駅の近くにあるらしい。

　イスタンブール大学近くのスレメニィエジャーミーを見に行く。ジャーミーとはモスクのことである。Lonely Planetに掲載されていた俯瞰写真が見事だったので、ぜひ同じ写真が撮りたいと思ったのだ。しかし全景を収められるようなスポットが辺りになく、泣く泣く地上からの撮影に終始した。

スレイマニエ モスク 城・宮殿

　スレメニィエジャーミーの内部へ。

スレイマニエ モスク 城・宮殿

　次に少し西にあるMolia Mehmeil Mosqueを見に行く。Lonely Planetには掲載されているが、恐らく地球の歩き方には掲載されていないだろう、小さなモスクだ。大きな幹線道路沿いにあり、わりと見つけやすい場所にある。どのモスクも観光客に開放されており、写真も気軽に撮ることができるのが嬉しい。

□マルマライ線イェニカプ駅を目指す
　モスクから南にAtaturk Bul通りを歩き、アクサライ駅へ到着。声を掛けられたケバブ屋で、今回初のケバブサンドを買い、食べながらマルマライ線のイェニカプ駅を探した。

　アクサライ駅を更に南にいったところにイェニカプ駅はあり、さっそく３TL(約200円）を支払いジェトンと呼ばれる地下鉄の切符を購入した。切符といっても磁気カードであった。地下鉄イェニカプ駅の脇には工事中に発掘された遺跡が山に積まれていた。

イェニカプ駅 (地下鉄) 駅

　イェニカプ駅。多くのトルコ人が地下鉄を利用しているようだ。

イェニカプ駅 (地下鉄) 駅

　切符代わりのジェトンと呼ばれる磁気カード。

イェニカプ駅 (地下鉄) 駅

□いよいよボスポラス海峡を渡る！
　エレベータで下の改札へ降りてゆくと、中はとても豪奢な内装になっていた。トンネル掘削の際に出土したと見られる遺跡などが展示、解説されていた。駅舎のデザインが美しすぎる！プラットフォームは改札よりも更に深い場所にあり、エスカレータで降りていくと、ちょうどアジア側へ向かうマルマライ線がやってきた。

　韓国製の車両は広々としていて、揺れも少なくあっという間にボスポラス海峡を越え、アジア側のウスクダル駅へ到着した。混雑とも言えない車内、とても快適だった。

イェニカプ駅 (地下鉄) 駅

　やってきたマルマライ線。

マルマライ（TCDD国鉄近列車) 鉄道系（地下鉄・モノレールなど）

□ボスポラス海峡を渡ってアジア側へ！
　アジア側のウスクダル駅に到着した。ヨーロッパ川とアジア川を渡る際はフェリーが一般的だったが、フェリーよりも早く、大量の人員をアジア川に運べる点は便利だ。フェリーはフェリーでボスポラス海峡の景色を楽しめるというアドバンテージがあるのだが…。

ユスキュダル駅 駅

　ウスクダル駅周辺を散策してみる。ウスクダルは橋や地下鉄によってイスタンブールの東岸と西岸が結ばれる以前は、アジア側の終着地点と言われており、矢切の渡しではないが、旅行者はここからフェリーに乗り換えてヨーロッパ側にわたり、欧州各都市へ旅を再開することになっていた。

ボスポラス海峡 海岸・海

　海沿いのSemsi Pasha Mosque。

Semsi Pasa Mosque 寺院・教会

　海沿いにあるMihirimah Sultan Mosque。

ミフリマー スルタン ジャーミィ 寺院・教会

□再びヨーロッパ側へ！
　マルマライ線でボスポラス海峡を横断するという夢を一つ実現し、再びヨーロッパ側へ戻ることにした。今度は3年ぶりのボスポラスフェリーに乗船する。

ボスポラス海峡 海岸・海

　丘の形状に沿って市街地が形成されるウスクダルの街。

ユスキュダル 旧市街・古い町並み

　地下鉄が開業したといっても、フェリーは存続してほしい。

ボスポラス海峡 海岸・海

　ヨーロッパ側のカラキョイのイスケレ〈岸〉に着岸する。目の前にYeni Camiiが見える

ボスポラス海峡 海岸・海

□ガラタ橋のサバサンド屋を再訪
　フェリーが着岸したのはヨーロッパ側のカラキョイという街。丁度お昼時だったこともあり、3年前に訪れたガラタ橋の下層部分にあるサバサンド屋に行くことにした。ガラタ橋はヨーロッパ側にある二つの半島を結ぶ橋で、上層は車とトラムが通行し、下層にはレストランが並んでいるという珍しい構造の橋。ふらふら歩いていると、客引きのおじさんに声をかけられたので、そのレストランに入ることにした。もちろんサバサンド、そしてトルコビールのEFESをオーダーした。

ガラタ橋 建造物

　焼きサバを千切りにした野菜と一緒にバケットパンに挟んだだけというサバサンド。私にとって世界で一番おいしいと思えるファストフードだ。日本でも作れそうな簡単なレシピだけど、トルコのパンじゃないと美味しくない。BALIK＝サバ、EKMEK＝パンの意味

ガラタ橋 建造物

□イスタンブールの若者の中心地タクシムへ
　お腹が満たされたところで、トラムに乗ってタクシムへ向かうことにした。タクシムはイスタンブールの繁華街エリアで、セレクトショップなどが並ぶ。中央にはタクシム広場がある。タクシムと言う名前は、アラビア語で「分配」を意味し、かつてここに水を均等に分配する「分水」の設備があったことに由来するという。

カラキョイ駅 (路面電車) 駅

　数か月前にトルコでエルドアン政権打倒の騒乱があった時には、このタクシム広場を反政府デモ隊が占拠したと世界的なニュースになっていた。現在ではデモ隊も警察もおらず、静かな広場になっていた。タクシム広場から伸びるイスティクラル通りに沿って、暫しウインドウショッピングする。

タクスィム広場 広場・公園

　タクシム広場から延びるイスティクラル通り。

タクスィム広場 広場・公園

　日本でもおなじみなファッションブランド、ファストフードや喫茶店が軒を連ねる。

タクスィム広場 広場・公園

　可愛らしい路面電車がイスティクラル通りのシンボルになっている。

タクスィム広場 広場・公園