2013/11/08 - 2013/11/08
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Yoheiさん
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□初めての海外一人旅、目的地はバルカン半島。
バルカン半島にはギリシャや旧ユーゴスラビアの解体で誕生した小国たち、そしてヨーグルトで有名な?ブルガリア等がひしめき合っている。どれも小国だが、比較的物価が安い国が多い。更にバルカン半島は歴史的な理由からモスクと教会が共存する珍しい地域でもある。
ヨーロッパなのに中東、ヨーロッパなのにアジア、そんな微妙な立ち位置にあるバルカン半島の国々。古くから「歴史の交差点」として発展してきた国々(ギリシャ~アルバニア~コソボ~マケドニア~セルビア~ブルガリア~トルコ)を旅しました。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
□アルバニア→コソボへ移動
早朝の国立博物館付近。朝6時にツアー会社の前から出るバスに乗り込んだ。早朝のティラナ市街の写真をパシャパシャ撮っていると、ふと東洋人の男性と目が合った。どちらからとも無く会釈をし、話をしてみると、やはり彼は日本人で、私と同じこのバスでプリシュティナへ向かうという。彼は昨年会社を辞め、東南アジア~中東~東欧と旅をし続け、いまは中欧を旅しているのだと言った。心細かった一人旅だったが、久しぶりに日本語で会話ができたことが嬉しい。国立歴史博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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コソボへ向かうバス。時間通りにティラナを出発したバスは、太陽が登りつつあるティラナ郊外の田舎道を走って行った。渓谷を縫うように敷設された峠道を進み、窓から谷底を覗くと、雲海が立ち込めている。幻想的だった。アルバニアが極めて山岳国家であるという事実を、改めて実感出来る景色が暫くの間続いた。
国立歴史博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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□無事コソボに入国できるのか?
山深いところを進むバス、眼下には雲海が広がる。バスは途中サービスエリアの様なところで休憩した。再び走りだすと、まもなくコソボとの国境にさしかかった。背中にPOLICEと書かれた制服を着た職員達がバスに乗り込んでき、ひとりひとりからパスポートを回収しにかかる。「いよいよコソボに入国する。」日本はコソボを独立国として承認しているとはいえ、俄に緊張してくる。コソボは十年ほど前まで、激しい戦争の渦中にあった国だ。戦争カメラマンにでもなった気がする。 -
5分ほど経つと、再び入国審査官がバスに乗り込んでき、私の前にまっすぐ進んできた。コソボ入国の目的はなにか?現金はいくら持っているのか?など矢継ぎ早に質問した後、Have a nice tripと言い残し出て行った。他の乗客は全員私と審査官のやりとりに注目していた。その後、あまり特徴のないコソボのスタンプが押されたパスポートが手元に戻された。
コソボ国内に入ったとはいえ、車窓の様子は変わらない。山賊がバスをジャックするわけでもないし、道路が滅茶苦茶に荒れている訳でもない。アルバニア~プリシュティナ間の道路は驚くほど舗装が行き届いており、バス旅は快適だった。首都のプリシュティナに近づくに連れ、だんだん住宅の密度が高くなり、高層ビルも出現し始めた。案外街は発展していて、車も多い。こんなことならプリシュティナで一泊するべきだったかもしれないと、少し後悔した。 -
バスは10時きっかりにコソボ・プリシュティナのバスターミナルに到着し、ここまで一緒に旅してきた日本人の彼と、お互いの安全を祈願し別れる。彼はプリシュティナ中心部行きのバスを探し求めて消えてしまった。私はスコピエ行きの接続バスを探した。
うろちょろしながら人に尋ねまくり、なんとかスコピエ行きのバスに乗り込んだ。乗客に東洋人は居らず、再び1人きりの旅が始まる。プリシュティナの中心部を過ぎると、窓外は田舎の風景になり、心地よい揺れと温かい車内のせいで、いつの間にか眠っていた。プリシュティナ バスターミナル バス系
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コソボは内戦からの復興で、開発ラッシュなのか。
プリシュティナ バスターミナル バス系
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□マケドニア国境へ
目が覚めると、丁度コソボとマケドニアの国境に居た。コソボの出国審査では、職員がバスに乗り込んでき、特に質問をされることもなかった。出国スタンプが押されると、バスが出発しマケドニアの入国審査を通過した。マケドニアに入ってから、首都のスコピエに到着するまではあっという間だった。街のあちこちで乗客を降ろし、最終停留所であるバスターミナルへ到着する頃には、乗客私だけだった。「終着だ!」と言われ、荷物をまとめてバスを降りる。バスターミナルは、スコピエの中心である広場から15分ほど歩いたところにある。スコピエ中央駅 駅
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マケドニアの首都、スコピエのバスターミナル。降りた瞬間、久々にタクシー運転手からのラブコールを受けたが、ターミナルの中に逃げ込んだ。明日15時発のブルガリアの首都であるソフィア行きのバスチケット(18ユーロ)を購入した。それから、50ユーロをマケドニアの通貨であるレフに両替した。バスターミナル内は薄暗いが、各方面へ向かう人でごった返していた。スコピエはバルカン半島の国々の中央に位置しており、昔から交通の要衝として重要な役割を担っているという。
スコピエ中央駅 駅
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□マケドニアってどんな国?スコピエ市内観光へ!
取り敢えず昨夜予約したホテル(Hotel Square)へ行くべく、中心部へ歩き出した。想像以上にスコピエは華やかで整った印象を受けた。スコピエ中央駅 駅
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2012年に完成したマケドニア門をくぐり、マケドニア広場まで歩く。ホテルはその直ぐ近くにあった。Hotel Squareでチェックインを済ませ、インターネットをしながら一息つく
ポルタ マケドニア 建造物
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街中には2階建てのロンドンバスが走る。
ポルタ マケドニア 建造物
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□マケドニアはマザーテレサが生まれた国!
スコピエの街は、中心部のマケドニア広場から、半径約1km以内に見どころが固まっており、歩いて観光するのに十分そうだった。まずは建築の意匠の美しさで有名な聖クリメント大聖堂へ。
写真を撮っていると、この度が本当に天気に恵まれて良かったことを痛感する。太陽は低いものの、青空のお陰で写真が映える気がする。写真を撮っていると、傍らに子どもたちが寄ってきて、喜捨をねだって来た。為替レートもいまだ把握出来ないまま、両替したばかりの10ディナール札(約25円)を渡した。アテネでもティラナでも、路上で喜捨を求める人が居たが、子どもたちが声をかけてきたのは東南アジア以来だった。聖クリメント教会 寺院・教会
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マケドニアはマザーテレサが生まれ育った国である。しかもこの季節、ネックウォーマーをしていても凍えそうなほど寒い。ここで寝起きしているとすれば、それは生死に関わる問題である。マザーテレサの国の名にかけても、政府になんとか頑張ってもらいたい。
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市内中心部。
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□ヴァルダル川沿いを散策
続いてヴァルダル川沿いを歩き、周辺に建つ立派な公共施設、博物館などをカメラに収める。マケドニア広場からカメンモスト(マケドニア語で石の橋)という立派な橋でヴァルダル川を渡り、対岸の広場へ。この辺りの景観はこれぞ共産圏!といった雰囲気で、至る所に市民の銅像が建てられている。
ヴァルダル川の向こう側には城壁が見える、城壁の手前では建設ラッシュ?ヴァルダル川 (アクシオス川) 滝・河川・湖
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豪奢な見た目の国立考古学博物館。1963年のスコピエ大震災で壊滅的な被害を受けた街は再開発が進んでいるようだ。
国立考古学博物館 博物館・美術館・ギャラリー
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オスマン朝時代に架けられた有名な石橋。名前はわからない。
石橋 (カメン モスト) 建造物
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□スコピエのオールドバザール!
そのまま東に進み、オールドバザールへ。オールドバザールというからには、大きな施設の中に小さなテナントがごちゃごちゃ入居しているのを想像していたが、実際は異なり、温泉街のような感じ。細い小路をレストランや土産物屋がびっしり埋め、観光客でごった返していた。大変賑わっている。オールドバザール 史跡・遺跡
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オールドバザールの貴金属店が立ち並ぶ一角。小さな店の一つ一つは、独自の色を出そうとしているのに、全体を俯瞰で見ると一体的に調和されていて惚れ惚れする景観。意匠統一に関する方向性がぶれていない証拠だと思った
オールドバザール 史跡・遺跡
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□小腹がすいたので…
その中に一軒、ティラナで食べたコフタの様なハンバーグを焼いている店があった。例のように、冬でもオープンテラスが大好きな中欧人、テラス席は満員だったが店内はガラガラ。席に座りメニューをもらおうとすると、「うちのメニューはコフタだけだ!」と、鉄板の上でジュージュー焼かれている肉を指差す。
マケドニアでは、コフタ+パン+青トウガラシ+玉ねぎが一枚のプレートになっているのが定番らしい。とうがらしとコフタを交互に食べるのがマケドニアっ子流。コフタはバルカン半島で人気のファストフードだという。ここのコフタもティラナに負けないくらい美味しく、パンももちもちだった。東に旅の進路が向くに連れ、だんだんパンの味が向上している様に思える。 -
□もう一つの観光名所、城壁!
再びオールドバザールを歩き、スコピエのシンボル的存在である11世紀に造られたという「城壁」を目指す。城壁はスコピエ市内を360度見渡せる高台に築かれており、街の至るところから、その存在を確認できる。なんという城の城壁なのか分からないが、とにかく「スコピエの城壁」という名前で知られている。スコピエの城壁 史跡・遺跡
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麓にはムスタファモスクという、トルコ建築のモスクがあり、まずはそこを目指してゆくことに。15時だというのに太陽の傾きが殆ど地平線と同じ角度。写真を撮るのがだんだんと難しくなってくる。ムスタファモスクも、周りを塀と木々に囲まれており、全体が綺麗に収まる画角を探すことが出来なかった。段々と暗くなり始めてきたので、城壁も明日また来ることにし、ホテルへ引き上げる事にした。
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城壁からの眺め。城壁付近は治安が良くないと書かれていたが、人っ子一人いなかった。
スコピエの城壁 史跡・遺跡
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□聖スパス教会のやさしいおじさん
城塞から街を眺めていると、ふもとに黒っぽい櫓が立っているのが見えた。それを目指して歩いていくと、そこは小さな教会で、名前は聖スパス教会と言うらしかった。営業時間は17時までと書かれており、閉館が迫っていた。内部のイコノスタス?イコンがはめ込まれた壁?が美しいとガイドブックに書いてあったので、それを見に行くことにした。イコンとはキリスト教上の史実などを描いた画のことである。
教会の敷地内には誰も居らず、係りのおじさんは閉館準備を始めようとしているところだった。滑り込んできた私を見て、おじさんは閉館準備も兼ねてか、丁寧に隅々内部を案内してくれた。彼はほとんど英語が出来ないようだったが、必死に説明してくれているのが分かって嬉しかった。聖スパス教会 寺院・教会
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聖スパス教会は16世紀にオスマン帝国に破壊された教会の地下に建造された教会で、傑作のイコンを見るために地下に潜る。すると目の前に見事な木彫が施された壁と柱、そしてイコン画が現れた。内部を撮影していいのかどうか躊躇っていると、おじさんが「ほら撮らないのか!?」と言うので、お言葉に甘えて一枚撮らせてもらった。
聖スパス教会 寺院・教会
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□広場に戻ってみると…
とぼとぼとライトアップされ始めた広場を歩いていると、銅像の前で、東洋人っぽい1人の男性がキャリーバッグを広げて何やら探しているのが目に入った。旅行客かなぁ?と思い何となく見ていると、彼はそこからギターを取り出し、スタンドマイクを組み立てた。
ストリートミュージシャンだったのか!と通り過ぎざまに彼の方を見ると、一発で日本人だと直感した。思わず近寄り声をかけると、やっぱり日本人で、アメリカ~ヨーロッパと路上ライブをしながら旅をしているところだという。最終的にアジアを巡って日本へ帰るのだという。
ヴォドノ山に建つ、世界最大級という66mのミレニアム十字。それを眺めているのは…誰?マケドニア広場 広場・公園
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明かりが灯りはじめたスコピエの街。躍動感あるアレキサンダー大王像がシンボル。彼の優しいギターの音色はスコピエの夕景にとてもマッチした
マケドニア広場 広場・公園
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2曲程聞かせてもらい、お互いの旅の安全を祈って別れた。スーパーでマケドニアのビールと、モッツアレラチーズとみかんを購入。訪れた国では、晩酌のビールとつまみを買うために、必ず各国のスーパーマーケットに行く事に決めているが、明らかにマケドニアでは、チーズや肉加工品の種類/量がアテネに比べて増えているのが分かる。
マケドニア広場 広場・公園
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夜になるとけっこう寒い。
マケドニア広場 広場・公園
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ライトアップされたマケドニア門。
ポルタ マケドニア 建造物
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