2014/12/28 - 2014/12/28
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Yoheiさん
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□イランと言えば
イランについて私が知っていた事と言えば、①世界有数の原油産出国で、②日本では「過激」という印象のあるイスラム教シーア派を国民の殆どが信仰する国である事。③米国と仲が悪く、Rogue State(=ならず者国家)と呼ばれ、世界有数の反米国家であるという事。経済大国でありドラえもんで言うジャイアンであるアメリカを敵に回している為、大国から援助が受けられずに孤立しており、いわば鎖国の状態であるという事。湾岸諸国の大国で戦争が絶えず、何だかとってもとっても危ない国という印象があるが、敵(米国など)を完全に国内からシャットアウトしている為に、逆に国内の治安は良いのだとか。
そんなイラン、2013年に開放路線を押し進めるロウハニさんが大統領に就任して以来政策転換し、空港で簡単に観光ビザが取得できる様になり、今や素晴らしいイランの魅力を求めて世界中から観光客がやってくるという。
今回イラン旅行を企画したきっかけの1つに、アメリカとの国交断絶のきっかけとなった、アメリカ大使館占拠事件を題材にした映画「アルゴ」を見た事がある。スリル溢れる大使館員達の脱出劇も去る事ながら、テヘラン市内の美しい風景に私は魅了されてしまった。
□せっかくならペルシア湾の国を...
イラン以外にビザなし若しくはアライバルビザで入国できるペルシャ湾諸国を調べてみた。ペルシャ湾岸でその様な国は、イラン、カタール、オマーン、UAE(アラブ首長国連邦)くらいだった。意外と少ない。サウジアラビアなんて、観光目的で渡航する事すら出来ないという。まだそんな国があるのか。世界は知っている様で知らない国が多い。世界には沢山の国があるが、まだまだ容易に旅行できる国は少ないのかも知れない。結局今回の旅は、カタール→オマーン→アラブ首長国連邦→イランを巡る事とした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- ショッピング
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- カタール航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
□イランの首都、テヘラン
今日のテヘラン観光を以って1週間のイラン旅行も終焉である。私は翌朝4時10分のテヘラン発カタール経由の便で日本へ戻る。明日の出発時間が早い為、今晩はホテルを取らずにテヘラン空港で夜を明かそうと思っていた。バックパックに全ての荷物を詰め、今日はこれを持って移動する事になる。
ホテルの支払いはユーロ清算を要請されていた為、朝からユーロを作りに街中の銀行まで歩いた。両替所で驚いたのはレートの低さだった。マシュハドで1ドル31,400リアルだったのに、テヘランでは28,000リアル。なぜ1割近くも変わってしまうのか。この違いは一体どこからくるのだろう。 -
11時にチェックアウトしようとロビーへ降りる。私が宿泊代を払おうとすると、スタッフが「既に代理店からお金を貰っているから払わなくてもOK」と言う。これはおかしい。イランではVISAやMASTERなど国際ブランドのクレジットカードが一切使えず、現金支払いと決まっているのだ。
彼にお願いして予約を仲介した代理店に連絡して貰うと、電話口で「今すぐお金の回収に飛んでいくので待っていてくれ」と言う。・・・もし私が無銭宿泊でホテルを後にしたらどうするつもりだったのか。 -
汗をかきながら走ってきた旅行代理店のおじさんに宿泊代を支払い、ホテルを後にした。
テヘランの街は想像以上に大都会だった。マシュハドやイスファハンに比べて建物の高さは高いし、外国人の姿も見掛ける。そして車が多い為かとっても空気が悪い。経済制裁の影響で海外の良い製品や技術が入ってこないイラン。未だに環境に優しくない古い車(クラシックカーレベル)が現役で街中で排気ガスを吐き出している。
宿泊していたホテルが旧アメリカ大使館の近くにあったので、まずはそこへ行ってみる。映画アルゴのモデルになった歴史の舞台である。 -
ここは1979年に在イランアメリカ大使館襲撃事件の舞台となった場所である。今回イラン旅行を計画するきっかけの一つになったのが、その事件を描いた映画アルゴを見たことだった。襲撃事件以来、イランとアメリカは現在のような絶交状態になっている。
旧アメリカ大使館 建造物
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現在、中に入る事は出来ないが、外壁にはアメリカを誹謗する絵や"DOWN WITH USA(アメリカくたばれ)"という落書きが未だに残されており、写真を撮っていると道行くイラン人からジロジロ見られているような気がした。
旧アメリカ大使館 建造物
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重たいバックパック、弾丸日程での旅行疲れ、それにテヘランの良く整備されていない歩道を注意深く歩く事に段々疲れてくる。ホテルを引き払って間もないが、どこかに荷物を置けないだろうか。
もし良心的な値段のホテルがあれば取ってしまおうと考え、アメリカ大使館近くの一軒に入ると、一泊63ドルでWiFi付きとの事。多少高い気もするが、疲れていたし米ドルも余っていたのでここに決めた。 -
部屋に荷物を置き、再び街へ。イスラム革命の指導者であるエマームホメイニが眠る霊廟を見に行く事にする。今私が居るテヘラン中心部から南側へ、テヘラン地下鉄(Line-1)で30分ほど、Haram-e-Motahar駅へ。首都テヘランの地下鉄網は想像以上に発達しており、4路線が開業、新路線の建設も進んでいる。車両もとっても新しい。
テヘランの地下鉄に乗って驚いたことは、電車内を物売りが口上を述べながら練り歩いている事だった。混雑した車内の中をお構い無しに彼らは歩いている。売られているものは皮製品や文房具、おもちゃなど。誰が買うのかな?と思うような商品も。テヘランメトロには女性専用車両があるのだが、その車両の物売りはチャドルを身に纏った女性だった。 -
エマームホメイニ霊廟は地下鉄駅を出た目の前にあった。とてつもなく広大な敷地に、一際の存在感を放つシンメトリーデザインの霊廟が建っている。大きなイランの国旗が掲揚されている。
イマーム ホメイニ霊廟 史跡・遺跡
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エマームホメイニが崩御した際にはイラン中から死を悼む人が訪れ、あまりの人に死体の入った棺を霊柩車で運び入れることが出来ず、急遽ヘリコプターで運ぶ事態になったと言う。現在も拡張工事の最中で、霊廟全体に足場が掛けられていた。
イマーム ホメイニ霊廟 史跡・遺跡
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霊廟はかなり巨大で、1周するだけでも30分以上掛かった。
イマーム ホメイニ霊廟 史跡・遺跡
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再び地下鉄に乗って市中心部へ戻る。電車内は特に大混雑で、隅の方にちょこんと立っていると、若いイラン人3人がこちらをチラチラ見ながら「Koreaかな?いや、Chinaじゃない?」などとヒソヒソ話していたので、こちらから「ジャポン」というと、一瞬虚を突かれたように驚きつつ「WELCOME TO IRAN!」と歓迎してくれた。3人のうち最も英語の出来る兄ちゃんが、他の二人の言いたい事をこちらに通訳し、4人で少し会話をした。
私が手に持っていた地球の歩き方の地図を見ながら、テヘランのおすすめスポットを教えてくれたり、即席のペルシア語講座まで開講してくれた。 -
電車内で彼らに勧められた、世界一の規模を誇るとも言われるテヘランのバザールを見に行く事にした。バザールは16時30分頃で閉店が始まってしまうそうなので、エマームホメイニ駅で下車し、駅前の広場からバザールまで早足で歩いてゆく。
イマーム ホメイニ広場 広場・公園
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エマームホメイニ広場には一際目を引く大きなビルが建ち、威圧的な印象だった。通信会社らしい。そこからバザールへ南北に延びる通りには雑貨や日用品を売る店がびっしりと並んでいた。首都テヘランは大都会だ。
イマーム ホメイニ広場 広場・公園
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平日の夕方のバザール前は黒山の人だかり、お祭り騒ぎの様相を呈していた。写真を撮るのも憚るような状態だった。
テヘランのバザール 市場
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中に入ると、屋根付きのバザールが延々と続き、どこまで続いているのか見当も付かない。そして行きかう人、人、人…。
テヘランのバザール 市場
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更にメインの通りから枝葉の様に小路が伸びており大小様々な店がひしめき合っている。全ての店を見るなんて到底不可能に思われる。外国人観光客少なく、イスファハンやマシュハドのバザールと違って、完全に市民の台所的な雰囲気だった。
テヘランのバザール 市場
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歩き回っているうちに気づいたが、バザール内は売り物に応じて食料品、スパイス、衣類、金物製品などと区画が分けられていた。
何を買うでもなく雑然としたバザールの中を歩き回った。そして歩きながら今回の旅行を振り返っていた。イランは観光地であっても英語の通用度が低く、街には英語標記の看板も少なく、ペルシア語圏外の人間が旅行をするには簡単とは言えない国だった(そのおかげで悪質なガイドなどに捕まらなくて済んだともいえるけど)。しかしこれは日本にも当てはまることで、日本を世界を代表する観光地にするためには、外国人を受け入れるハード面での整備が必要である。
心配していた入国時のアライバルビザの取得も問題なかった。人も素朴で優しいし治安も良い。ほんの5日間の滞在だったが、美しいペルシア建築を堪能出来たし、美味いイラン料理を味わう事も出来た。人々のホスピタリティは高く、環境さえ整えば、日本からも多くの観光客が訪れるような観光地になると思う。
反米を標榜しているにも関わらず米ドルが最も信用されていて、コカコーラが売られていて、ケンタッキーやマクドナルドのコピー店舗が街に溢れる・・・。ロウハニ政権になって以降、どんどん開放政策をとっているイランが今後どんな風に観光客を集めるのか注目していきたい。結論、イランは良い国!エマーム ホメイニー国際空港 (IKA) 空港
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