2014/12/27 - 2014/12/27
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Yoheiさん
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□イランと言えば
イランについて私が知っていた事と言えば、①世界有数の原油産出国で、②日本では「過激」という印象のあるイスラム教シーア派を国民の殆どが信仰する国である事。③米国と仲が悪く、Rogue State(=ならず者国家)と呼ばれ、世界有数の反米国家であるという事。経済大国でありドラえもんで言うジャイアンであるアメリカを敵に回している為、大国から援助が受けられずに孤立しており、いわば鎖国の状態であるという事。湾岸諸国の大国で戦争が絶えず、何だかとってもとっても危ない国という印象があるが、敵(米国など)を完全に国内からシャットアウトしている為に、逆に国内の治安は良いのだとか。
そんなイラン、2013年に開放路線を押し進めるロウハニさんが大統領に就任して以来政策転換し、空港で簡単に観光ビザが取得できる様になり、今や素晴らしいイランの魅力を求めて世界中から観光客がやってくるという。
今回イラン旅行を企画したきっかけの1つに、アメリカとの国交断絶のきっかけとなった、アメリカ大使館占拠事件を題材にした映画「アルゴ」を見た事がある。スリル溢れる大使館員達の脱出劇も去る事ながら、テヘラン市内の美しい風景に私は魅了されてしまった。
□せっかくならペルシア湾の国を...
イラン以外にビザなし若しくはアライバルビザで入国できるペルシャ湾諸国を調べてみた。ペルシャ湾岸でその様な国は、イラン、カタール、オマーン、UAE(アラブ首長国連邦)くらいだった。意外と少ない。サウジアラビアなんて、観光目的で渡航する事すら出来ないという。まだそんな国があるのか。世界は知っている様で知らない国が多い。世界には沢山の国があるが、まだまだ容易に旅行できる国は少ないのかも知れない。結局今回の旅は、カタール→オマーン→アラブ首長国連邦→イランを巡る事とした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- タクシー 徒歩 飛行機
- 航空会社
- イラン航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
□イスファハンは世界の半分
宿泊したホテル(Percian Suite Hotel)はスィーオーセ橋のすぐたもとにあった。スィーオーセ橋は市内中心を流れるザーヤンデルード川に掛かる33のアーチが見事なイスファハンの観光名所である。ここにホテルを構えたことは、マシュハドのホテルとは違ってどこに行くにも便利な立地と言える。今日は21時50分の便でテヘランに向かう予定のため、丸一日イスファハン観光を楽しめる。シー オ セ ポル 建造物
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イスファハンはかつて、「イスファハンは世界の半分」と呼ばれたほど繁栄を極めた都市だ。16世紀頃、絹製品やタイル、ペルシア芸術、細密画やタイルの洗練した技術が確立され、あらゆる富や財、人がイスファハンに集まったという。その時代に作られた建造物などが世界遺産に登録され、現在イランで有数の観光地となっている。そして現在でもイスファハンは世界を代表する職人街である。
シー オ セ ポル 建造物
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そんな時代、イスファハンにはアルメニアから優秀な職人が集められ、イスファハンの一角にアルメニア人街を作った。まずはジョルファー地区と呼ばれるそのエリアを散策する。
ジョルファー地区 散歩・街歩き
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キリスト教を信仰するアルメニア人の為に、ジョルファー地区では、厳格なイランにおいてキリスト教の信仰が許され、教会が多く作られた。その中でも17世紀に作られたヴァーンク教会は、現在観光客に開放されている。
ヴァーンク教会 寺院・教会
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教会なのに屋根のてっぺんはモスクのような折衷デザイン。
ヴァーンク教会 寺院・教会
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入場料は15万リアル。だんだんイランの通貨リアルの計算にも慣れてきた。教会の大聖堂に入った瞬間、思わず「おお」と声がでてしまった。壁一面に、聖書の重要な場面を描いた装飾がびっしり描かれていた。聖書の中身を良く知らない私でも、かなり引き込まれてしまった。
ヴァーンク教会 寺院・教会
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ペルシアンと教会的な装飾の融合。
ヴァーンク教会 寺院・教会
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ジョルファー地区を後にして世界遺産のある中心部へ、再びザーヤンデルード川に架かるスィーオーセ橋を渡り街の北側へ。さすが世界的な観光名所の街イスファハン、スィーオーセ橋の上では中国人らしきカップルに出会い、立ち寄った両替所では、日本人バックパッカーらしき人がいた。女性は頭を覆うスカーフを被っているが欧州系の顔もあった。
街を歩く女性たちの格好は、シーア派の聖地であるマシュハド比べてラフだった。チャドルと呼ばれるイスラム教徒が全身(体の線)を隠す布を身につけている人は殆ど居なかった。身に着けているのは普通のコートやダウン、かなり欧米ナイズされている。頭のスカーフも髪の毛に軽く被せる程度、強い風が吹けば簡単にとばされるようなかぶり方。しかも若い人ほどカラフルだった。イランは敬虔なイスラムの戒律が全土に敷かれている国だと思っていたが、どうやら土地が変わればそうでもないらしい。
橋の上で写真を撮っていると、5人のイラン人の少年に突然囲まれ、一瞬橋から付き落とされる!と思ったのだが、彼らはペルシア語で「写真撮って!」と私に言っているらしかった。カメラに収まり親指を立ててグーのポーズをすると、そのポーズがなぜかハマったらしく、ギャーギャー喜んでいた。外国人(特に東洋人)が珍しいイランでは、道を歩いているだけで少年たちに囲まれてチヤホヤされる。シー オ セ ポル 建造物
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橋を渡って暫く行くと、ケンタッキーハウスという店を見かけた。どうやらイスファハンでは有名なチェーン店らしく、アメリカの本家を意識した内装やメニューだった。いくらアメリカと仲の悪いイランと言えど、フライドチキンが大好きなのは同じ。国民一人一人のレベルでは、ケンタッキーもマクドナルドも、コカコーラもアップルのスマートフォンも、良い物は好まれる。
ケンタッキー ハウス ファーストフード
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神学校とモスクを兼ねているというペルシアンブルーのドームが美しいマドラセ・チャハール・バーグをカメラに収め(改修中なのか足場がかかっていた)、ハシュト・ベヘシュト宮殿へ。
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街では本当にいろいろな人に声を掛けられる。宮殿で写真を撮っていると、お弁当片手のおじいさんに呼び止められ、軽く言葉を交わした後突然宮殿の説明を始めた。これがインドならガイドが終わった後に「はい200ルピーくれ」と言われる所だが、イランでは「じゃあ、引き続き気をつけて旅をしてね」と言ってすんなり別れられる。「この人はガイドなのか、それとも親切で教えてくれているのか」いちいち迷う自分が情けない。
ハシュト ベヘシュト宮殿 城・宮殿
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エマーム広場などの世界遺産を訪問する前に腹ごしらえと、地球の歩き方で紹介されていたケバブ屋へ。ここは英語のメニューがあって注文しやすかった。ハンバーグをそのまま串刺しにして焼いた「キャバーベクービーデ」をオーダー。とってもジューシーで美味しい!イランではケバブはキャバーブと言うらしい。もちろん料理のお供にはMade in Iranのコカコーラ。
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お腹が満たされた所でいざ世界遺産へ。まずはエマーム広場である。ここはイスファハンが栄華を極めた時代の王様アッパース1世が、政治・経済・信仰のすべての集約された究極の広場を造ろうという目的で造られた広場だ。とーっても広い。
エマーム ホセイン広場 広場・公園
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次に広場の南側にあるマスジッドエマームへ。ここでも一人の老人がこちらに近づいてきた。彼はすぐに「土産物屋を見ていかないか」という話を振ってきたので、すぐに客引きだと分かった。
イマーム モスク 寺院・教会
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ガイドは要らないと断ったのだが暫く私に付いてきて、勝手にガイドを始める。中央のドームではコーランの一節を見事な声で披露してくれ、それがドーム全体に反響する様は見事で素晴らしかった。
イマーム モスク 寺院・教会
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中央礼拝堂の装飾は本当に息を飲むほどの美しさだった。
イマーム モスク 寺院・教会
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マスジッドエマームを出て、エマーム広場内の職人街と呼ばれるバザールを歩く。職人街というだけあって、黙々と彫り物をしている職人、鉄板をカンカン叩いて金物を製作する職人、みんな自慢のハンドメイド作品を店の前に並べている。彼らは客引きをするでもなく黙々と作業に従事していた。
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続いてマスジッド・シェイフ・ロトゥフォラーへ。ここはかつて王族専用のマスジッドだったという事で、こじんまりとしながらも荘厳な佇まい。静かな廊下を歩いていく。
シェイク ロトフ オッラー モスク 寺院・教会
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暗い廊下を歩いていくと、突然視界が開けて大きなドームが現れる。内部に踏み入れると、小さなガラス窓から挿し入る光がモスク内部を優しく照らし、とっても幻想的な空間だった。不思議と立っているだけで神聖な気持ちになった。この旅で最もお気に入りのモスクになった。
シェイク ロトフ オッラー モスク 寺院・教会
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今まで見てきたイランのモスクは、ザ・ペルシアと言うような青を基調とした色使いだったが、このモスクだけは黄色と赤を基調としていた。細かな幾何学的な細工がドーム頂上まで施され、この建物がコンピュータも存在しない400年も昔に建設された事に驚く。さすが職人の街イスファハン!
シェイク ロトフ オッラー モスク 寺院・教会
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神聖な気持ちのままモスクを出て、エマームホメイニ広場の北にあるゲイサリーエ門をくぐる。
門の先には屋根付きのバザールがどこまでも続いていて、しかもまるで蟻の巣の様に複雑に分岐して続いている。どの道に入れば次の目的地のモスクに辿り着けるのか、手持ちの地図を頼りに、探り探り歩いた。グランド バザール 市場
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ふとバザールの一角ですれ違いざまに1人の老人が話しかけてきた。半分道に迷っていた私は良いチャンスとばかりに、「マスジッドアリーはどこですか?」と訪ねると、彼は案内してやるとテクテク歩きだした。醸し出す雰囲気的に明らかにプライベートガイドであることは明白だったが、とりあえず背中に付いていく事に。
グランド バザール 市場
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老人の背中についていく。絨毯屋、金物屋、おもちゃ屋、お土産屋・・・どこまで行っても終わらないバザール、何キロ続くのだろう。
グランド バザール 市場
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ある分岐を曲がって老人はバザールを出た。左手に一際高いミナレットが見えた。マスジッドアリーだった。内部は壁画の改修中らしく足場が掛かっていた。老人はモスクの説明を少ししてくれたがよく分からない。
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再び歩いて大きな広場に出た。マスジッドジャーメ、世界遺産の一つだ。老人の説明によると8世紀に創建されたというイスファハン最古のモスクだという。
イスファハンの金曜モスク 寺院・教会
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段々と日が傾いてきている。
イスファハンの金曜モスク 寺院・教会
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マスジッドジャーメに関して老人によるガイドが一段落した。すると「ところで・・・」と急に改まった態度。行きたかったモスクまで案内してくれたし、説明もしてくれたので幾らかお礼を渡すのはやぶさかでもない。
老人は「君はユーロのコインを持っているかな?コレクションしているんだ」と切り出した。素直にガイド料をくれないか?と頼まれれば幾らか渡したのに、なぜはぐらかすんだろう。「実はさっき同じ様な事を言われて全部コインをあげちゃったんだ」と老人に言うと、「じゃあお札でもいい」と言う。「ガイド料?」と聞くと「いやいやそんなんじゃない!」とはぐらかす老人。財布から1USドル渡した。イスファハンの金曜モスク 寺院・教会
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更に日が傾いてきている。
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一通り周辺の風景の写真を撮り、再びエマームホメイニ広場に戻る。日が暮れてライトアップされたモスクもなかなか見応えがある。
写真を撮っていると2人の少年がこちらに寄ってきた。ペルシア語で何かまくしたてているのだが、からかっているのか、写真を撮ってと言っているのか分からない。突然私から一定の距離をとりポーズを決めたので、写真を撮って欲しいのだなと気づき一枚。エマーム ホセイン広場 広場・公園
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時計が18時を回ったので、そろそろイスファハン空港に戻らなくてはいけない。テヘラン行きの便は21時50分出発である。今日は全ての荷物を背負って街を歩いたので足腰が疲れた。
エマーム ホセイン広場 広場・公園
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イラン航空、テヘラン行きの機材はオランダ製のfokker100だった。日本ではなかなかお目にかかれない、この機体に乗ったのは人生初めてだった。イラン国内では空港施設の撮影を控える様、地球の歩き方に書かれていたので、機体をカメラに収められないのは残念だった。
まだまだ飛行機に乗り慣れない人が多い為か、イラン人の搭乗マナーはお世辞にも良いとは言えない。荷物を棚に入れる際に通路を塞ぎ大渋滞、シートベルトサインの無視、セーフティーガイダンス中も修学旅行生のようにおしゃべりが止まらない。ともあれ眠っている間にテヘランに到着した。イスファハン・シャヒード・ベヘシュティー空港 (IFN) 空港
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