人のいないところへ２　常磐線復旧区間に行く【その３】　桜が満開、でも閑散とした夜ノ森駅周辺

2020/04/03 - 2020/04/03

コロナさんが猛威を振るう今年の春。

そんな中、一方３月のダイヤ改正をもって、９年ぶりに悲願の全線復旧をした常磐線の区間の様子を見に行ってみました。
３密３密と言われている昨今、万全な対策をとって出かけたのですが、あまりにも人がいなくて･･･

本数の少ないダイヤをにらみつつ、最初に復旧区間を一気に乗り浪江まで行き、そこから戻ってまず大野駅周辺を歩いたのですが、約40分強の滞在の間、誰にも会わないというちょっと異様な雰囲気でした。

そのあと、ひとついわき寄りの夜ノ森駅へ。
ここは、ホーム両側の斜面にあるツツジが有名でしたが、除染作業のために伐採されてしまいました。その代わり、桜の木は残っていてちょうど満開。
気候のいい、桜満開のこんな時期であれば、通常なら人出も多くなるのでしょうが、それでも閑散としていたのでした。

エリア 浪江・富岡・川内(福島)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: JRローカル 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

【その２】からのつづき

約40分強滞在していて、まったく人に会わなかった大野駅周辺。
とりあえず駅とそこにアクセスする道路が通れるようになっただけ、という感じだった。東口に至っては、まだ歩いてのアクセスはできないようだった。

大野駅 駅

さて、ダイヤとにらめっこした結果、ここからとなりの夜ノ森駅に行きます。

やってきたいわき行きの電車。これに乗ります。

JR常磐線 乗り物

がらがら。
同業者の方もほとんどおりません。

線路の中だけ除染され、フェンスの外側は立入禁止の区間がつづく。

除染作業中。

９年間放置され、草ボーボーの中に家々がある。

夜ノ森駅が見えてきた。

この駅は、大野・双葉の両駅と違い、駅の西側だけは３年前に立入制限が解除になったので、少しは人がいた。
カメラ構えたお２人、距離が近いですよ（by小池）

夜ノ森駅で降りる。

この駅も、もともとのホームは長い。
でも現在は５両編成の電車しか停まらないので、電車が停まらない部分は柵で仕切られて、ジャリのまま。

夜ノ森駅の駅名標。

夜ノ森駅 駅

この駅は掘り割り構造になっていて、両側の桜が満開。
そもそもこの斜面には一面にツツジが植わっているので有名な駅だった。
除染作業のために、一時伐採されてしまった。

ホームにいた人たちは「桜と電車」の写真が撮りたかったようで、電車が行ってしまったら、さっさといなくなった。

では、外に出てみましょう。

この駅は、もともと東側に昔ながらの駅舎がある駅だった。
それが老朽化のため、復旧にあたって橋上駅になった。

改札口。
この駅も、現在は無人駅。

線路を跨ぐ橋。
以前は、出口が東側にしかなく、西側には直接行けなかった。

橋上から見た駅構内。こちらは仙台方向。

一方、こちらはいわき方向。

駅の東口。
少し前まで、ここに古い駅舎が建っていたが、なんとも味気ない駅前になってしまった。
かつての駅舎を模した待合室ができる予定らしいけど。

駅の東側から延びる道。
駅周辺ではこちら側がメインだったが、つい最近、駅前通りだけ立ち入りが解除になったばかり。道の両側はフェンスでガードされている。

駅前の商店。

フェンスの隙間から。
これだけ見ると、一見営業してそうに見えるけど、立入禁止。

となりの元ゲームセンター。

その斜め向かいのＪＡ。やはり立ち入れません。

学生時代の友人で東京電力に就職した人がいて、彼が最初に配属になったのが福島「第二」原発。当時、夜ノ森駅近くに住んでます、と年賀状が来た。
個人的には夜ノ森というとそれを思い出す。

とにかく駅前通り一直線しか歩けない。
脇に入る道はどこもこんな感じ。

震災時のままと思われる沿道の家。

やってないコンビニ。

約200mほど歩くと、線路に平行する形の通りに出る。
この通りが桜並木になっていて、一部区間が通れるようになっている。
普通ならすごい人出になりそうなんですけどね。

ロータリーみたいなところ。
見えている人は、通行人ではなくて警備の人。

ロータリーの中に「開花基準木」という桜があった。
なぜかこれだけ、まだ満開になってない。

「駅前通り」は車道も歩道も新しいので、たぶん造りかえたのかな。

駅前に戻ってきた。
なーんにもないし、誰もいない。

駅の自由通路を通って、反対側の西口に来た。

もともとこちら側には出口はなかった。
いかにも後付けという感じで、まだ完成していなかった。

駅の西側は、３年前に立ち入り制限が解除になった。
２年半ぐらい前、ここに来たことがあって、ここから駅を眺めた。

【メモリー　2017年12月】

前回来たとき、このあたりから撮った夜ノ森駅。
こちら側には出口がなかった様子が分かりますね。

↓その時の旅行記
https://4travel.jp/travelogue/11329640

今では本数が少ないながらも路線バスも通る。
周辺も、人が住み始めているようだ。

こちらも桜が満開。
さっき、ここから「桜と電車」の写真を撮っている人もいた。

桜をバックに夜ノ森駅の構内を見る。

【メモリー　2017年12月】

２年半前、ほとんど同じ場所から撮った駅構内。
当時は駅も含め、向こう側は立ち入り制限区域だった。

まだ時間があるので、周辺を歩いてみた。
普通の田園風景に戻りつつある。

駅に戻った。地元富岡町が設置した横断幕。
除染のために伐採したツツジを、もう一度植えなおすそうで。

改札の所まで戻ってきた。

ここにも、時刻表と電車の現在位置のモニターがある。

これから乗る原ノ町行き、あれれ、17分遅れだって。
いわき駅構内で架線に付着物という情報が。
今日、そんなに風あるか？

そんなこと急に言われてもやることないし･･･
周辺をウロウロ。ここにも放射線量の表示あり。

避難経路。

本来なら電車が来る時間を過ぎている。
やっと電車が４つ隣の駅まで来た。

ホームに降りて、ボーッと景色を見ていた。
いい天気、桜がきれいですねえ。
返す返すも、このシチュエーションじゃなければ･･･

遅れていた電車がやってきた。
これに乗って、最後に残った双葉駅に向かいます。

【その４】につづく

この旅行記へのコメント （4）

• 墨水さん 2020/05/17 22:15:14

  花見バス。

  Ｔａｇｕｃｙａｎさん、今晩は。
  確かネットで、花見バス走らせるとか有った記憶が・・・。
  バスから降りないで、ただ走って終わりみたいな・・・・。
  なんで？・・・・、と思ってましたが、理解出来ましたよ。
  墨水。

  Tagucyanさん からの返信 2020/05/17 22:57:48

  RE: 花見バス。

  
  墨水さま
  こんばんは
  
  桜満開だったこのあたり、昨年より前は一般には立ち入れなかったわけですから、桜を観賞するバスが走っていたんですね。
  窓を締め切って、見るだけが精一杯だと思いますが、それだけでも行く価値はありそうでしたね。
  
  そして、今は物理的には自由に歩けます。
  と思ったら、この騒ぎ。
  
  仮にまだ立ち入り制限されていたとしても、今年は花見バスはダメだったでしょうね。
  そのこと自体が「密」になってしまうので･･･
  
  ---
  Tagucyan

• Akrさん 2020/05/17 09:14:55

  夜ノ森の桜とつつじ

  Tagucyanさま
  
  こんにちは。Akrでございます。
  
  夜ノ森駅のつつじ、伐採されてしまったのですか！知らなかった。
  見ごろになるとホームがカラフルでしたね。常磐線の「映え」ポイントでした。でも、再び、つつじを植える運動があるとのことで楽しみです。
  つつじと合わせて夜ノ森の名物と言えば、桜並木。仙台から日帰りツアーが出るほどでしたよ。福島だと花見山や三春の滝桜などのメジャーな名所ばかり挙げられますが、夜ノ森も昔から隠れた桜の名所として有名です。花が咲いても人がいないのが寂しい。また、何があっても花はいつも同じ時期に咲くのですね。当たり前ですがなんか不思議です。
  
  あと、余談ですが、私が持つ常磐線の福島県内のイメージは、ED75と青い旧客なんですよね。田舎の小駅でもホームだけは長くて。それも10両とか無駄に長いヤツ。そんな時代にしか訪れていませんのでいまのE531とかは違和感がありますねえ。もう30年位は乗り通してませんね。駅も木造駅舎が無くなって、どんどん昔をしのぶものが無くなって行きますね。
  
  次で全駅コンプリートですね。
  
  -Akr-

  Tagucyanさん からの返信 2020/05/17 20:38:25

  有名ですよね

  
  Akrさま
  こんにちは
  
  夜ノ森駅のツツジは、あれだけ密集して植わっていた関係で除染が困難になって、やむなく伐採されたようですね。でも、その後同じように植えるのが条件だったとか。
  桜並木も有名ですが、それはそのまま残っているようでした。この駅の西側半分は３年前から立ち入れるようになっていたので、桜と電車の組み合わせの写真を撮りに来た人がパラパラといましたね。
  駅周辺の桜並木は見事でした。例年なら出店とかもいっぱい出て、「桜まつり」状態なんだろうなあというのが容易に想像できるのですが、これだけ人がいなくてひっそりとしているのはちょっと不思議な光景でしたね。放射線だ、コロナだと勝手に騒いでいるのは人間だけで、桜にとっては「それが何か？」というところでしょう。
  
  私個人的には、常磐線といえばあずき色の電車。上野からいわき駅、というか平駅までは３扉車でそこから仙台までは急行のお下がりの２扉車、というイメージです。
  今の青いラインの電車は首都圏の通勤電車のイメージがあるので、それがここまで来るのはちょっとまだ違和感がありますね。
  
  このあと双葉駅に行きますが、たぶんまた「誰もいない･･･」というのが繰り返されると思いますが、お付き合いいただければと思います。
  
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  Tagucyan