祈り～三陸の鉄道２０１４年春の記録（３）震災から復興した三陸のホテル～田野畑

2014/03/14 - 2014/03/15

宮古駅から三陸鉄道と連絡バスを使って田野畑駅へ戻って田野畑村にあるホテル羅賀荘に泊まります。
ホテル羅賀荘は震災で津波被害に遭い３階まで浸水し、人的被害こそなかったものの営業休止に追い込まれ、１年８か月後の２０１２年１１月下旬、復興を果たして営業再開したそうです。
豪華でこそないものの快適な客室、おいしい料理の数々、親切なスタッフさんに迎えられて地元の復興の象徴として頑張っているホテルに心に残る素敵な宿泊になりました。

エリア 野田・普代・田野畑(岩手)

• 旅行の満足度: 5.0

宮古駅からは再び三陸鉄道北リアス線（当時）に乗って折り返します。

宮古駅 駅

乗車した２０１４年３月時点では数少ない列車はすべて途中駅の小本止り。

復興にかける思いが伝わって来ます。

小本行きの列車。

三陸鉄道 リアス線 乗り物

車内は高校生の利用も多く見受けられました。
若い人たちが希望を持てる社会を維持する。大人の義務です。

佐羽根駅。

佐羽根駅 駅

希望につながる線路で、
　　あって欲しい。

小本駅に入ります。

小本駅（現岩泉小本駅）。
訪れた２０１４年３月１４日時点では、この先田野畑駅までの２駅間はまだ運転再開されていない区間でした。
この日のおよそ３週間後の４月６日再開予定となっていました。

岩泉小本駅 駅

ここからは岩手県北バス（列車代行しているわけではなく別に運賃が必要なので代行バスではなく連絡バスと呼んでおきます）で田野畑駅へ向かいます。

岩手県北バス 乗り物

山間の区間を進みます。

逆光ですが、夕日がまぶしかった。

田野畑駅からは宿の送迎車に迎えに来てもらって数分のホテル羅賀荘へ。

ホテル羅賀荘 宿・ホテル

立派なホテルです。

東日本大震災で津波被害に遭い３階まで浸水したそうです。
人的被害こそなかったものの営業休止に追い込まれたそうです。

被災から１年８か月後の２０１２年１１月下旬、復興を果たして営業再開したそうです。
地元観光の中核でもあったホテルの営業再開は大きな力になったことと思われます。

お土産売店もあります。

客室

オーシャンフロントです。

３月中旬とはいえ小雪が舞うような寒さでした。

多くの恵みをもたらし、私たちを育んできた海。その同じ海が大きな大きな災禍を招きました。
自然の前での私たちの無力さを、あらためて思い知らされました。
旅行客が訪れるなんて迷惑。と思って東日本大震災以来、足を踏み入れることを躊躇してきた東北。
この訪問をきっかけに岩手県だけでなく、宮城県、福島県と訪れるきっかけとなりました。

月が見え始めていました。

海は。月は。
ただ何事もなかったかのように、
そこにありました。

１泊２食付きプランで申し込みんでいました。
リーズナブルな宿泊料金なのにこの充実ぶり。
海を見たばかりだったので、がらにもなく殊勝な気持ちになり、こうしておいしいものを頂けることに感謝の気持ちがより強くなりました。

鍋の中には山海の幸。

ほんの少しでも復興支援になるならばと県産和牛も追加注文しちゃいました。
（食いしん坊なだけです）

おいしく頂けることに感謝でした。

翌朝は５時半過ぎに目が覚めました。

雲が多いながらもお日さまの光が差していました。

雲の隙間から真っ赤な太陽が。

光さえ差せば。
例えひとすじでも。

午前７時過ぎ。朝食レストランへ。

バイキングです。

落ち着いた雰囲気の会場には素朴な家庭料理な地元の名物が並んでいました。

たのはた牛乳やたのはたヨーグルトも。

朝からおいしいご飯を頂きます。
別のテーブルからは復興工事で宿泊中らしい方々の会話が聞こえてきました。
「どこから来たの？」
「俺は福島からだぁ」
被災地の方が別の被災地の復興工事を行うために出張してきていらっしゃる。
この地を訪れて初めて肌で感じることができる現況でした。
被災地の現状のほんの一端に過ぎないことですが。

ホテル羅賀荘。
リーズナブルな料金なのに部屋も快適で、料理も充実、その上従業員の方もとても親切で、素晴しい宿泊になりました。
宿の送迎車で田野畑駅まで送ってもらい三陸鉄道の旅を続けます。

（つづく）