亀ヶ渕橋の地図

2019/11/29 - 2019/11/29

　亀ヶ渕橋の道標（https://4travel.jp/travelogue/11396510）にある亀も随分と壊れてしまっている。橋を渡ると「砂防指定地　二階堂川」の地図がある。これは神奈川県が設置したものだ。この地図では東電変電所先の切通入口を起点にし、歌の橋の先で滑川に合流する地点を終点にしている。
　しかし、この地図の上に印刷（プリントアウト）された紙片が貼り付けられている。たとえば、「現在地」の下に「（亀ヶ渕橋）」、「起点」の先に「←天園」の道標、「東電送電所」の上に「紅葉谷」、右横に「獅子舞」、さらに「虚子立子記念館」、「緑苑台住宅地」、「現在地」、「永福寺跡」、「瑞泉寺」の下に「トイレ」と「紅葉ガ谷」、「大塔宮」の下に「（鎌倉宮）」と「トイレ」、「覚園寺」、「鎌倉駅→」と「大塔宮バス停まで徒歩7分」、「鎌倉駅まで徒歩35分（2.8km）」など、神奈川県が描いた地図の不備や説明書きがあり、便利のように思われる。
　しかし、「現在地」は蛇足であるが、「紅葉谷」と「紅葉ガ谷」は可笑しいだろう。瑞泉寺周辺は鎌倉時代の昔から「紅葉谷」、あるいは「紅葉ヶ谷」と表記され、「もみじがやつ」と呼ばれて来た歴史がある。しかし、「東電送電所」辺りの「紅葉谷」は聞いたことがない。果たして何と読むのか？鎌倉では古代より、「谷」や「ヶ谷」は「がやつ」と呼びならわして来ている。こんなにも紛らわしい地名が高々500m程度しか離れていなくて存在するとは思われない。また、鎌倉市内では大字の町名にでもならなければ「紅葉ガ谷」の表示は有り得ないことだ。
　こうした貼紙は設置者が行ったものではなく、亀ヶ渕橋道標と同様に誰かがボランティアで行ったものである。鎌倉市内では（市がやらないので）ボランティアが行っていることが多くある。しかし、こうした可笑しなものも多々ある。それだけに市や県が行政としてしっかりと行うべきであることは論を待たない。
　ちなみに、東電変電所近くの新しい戸建て住宅の住民に聞くと、「二階堂字獅子舞という地番で、田圃跡なので地盤が弱いと不動産屋から言われた。」と言っていた。また、杉ヶ谷に昭和30年代から住んでいる住民は、「子供の頃は川の右岸にある竹林がある家が最後で、上流のこの辺りも田圃だった。」と言っていた。昔は、宅地があるとか田圃や畑、牧場などの耕作地がある場所に字名が着いていたようで、山中は十把一絡げで「新立」と呼ばれていたのだろう。
（表紙写真は神奈川県が設置した「砂防指定地　二階堂川」の地図）

エリア 鎌倉(神奈川)

神奈川県が設置した「砂防指定地　二階堂川」の地図。

「紅葉谷」とは？「虚子立子記念館」は壽福寺墓地で高浜虚子と星野立子の親子の墓を探すよりは容易になっている。
あるいは「←紅葉谷」の「←」は「←天園」の「←」で兼用しているつもりなのかも知れない。すなわち、”獅子舞谷（ししまいがやつ）”を示そうとして失敗しているだけなのかも知れない。いずれにせよ、こうした地図を修正できるほどの力量はないということだけは明らかだ。

「紅葉ガ谷」は初めて目にした。起点辺りに「紅葉谷」を使ったことで、瑞泉寺がある「もみじがやつ」は「紅葉ヶ谷」でも「紅葉谷」でもいづれでも良いのであるが、違いを意識して「紅葉ガ谷」にしてしまったのか？とはいえ、鎌倉市内での町の住所表記のやり方を知らない人の素人仕事である。
天園周辺でボランティアをしている人（https://4travel.jp/travelogue/11415281）の仕事か？