栄勝寺境内の隧道

2019/10/01 - 2019/10/01

　鎌倉市扇ガ谷1にある栄勝寺の境内には不思議な隧道がある。栄勝寺の山門の移設が完了した時に訪れている（https://4travel.jp/travelogue/10559862）が、その当時はこの区域は公開されてはいなかったのだ。
　１．境内にある隧道としては最長である。
　２．階段がある隧道は珍しい。実は浄智寺にもあるが、こちらは最短である。そもそも光が入いらずに暗い隧道内に階段があったのでは踏み外す可能性が高くなるために、隧道内に階段を設けることはしない。
　３．この隧道は壽福寺時代に掘られたものであろう。壽福寺の東の崖がこの隧道の上まで伸びていたために観音堂の石段辺りに何かお堂でもあってこの隧道を通って通っていたのであろう。壽福寺時代当時は崖の幅がこの隧道の長さ程度の幅があったことが分かる。
　４．隧道中央に仏像が安置されているが、壁の一方をさらに掘り進んで幅を広げたのは栄勝寺時代のことであろう。古くは定泉寺の瑜伽洞（ゆがどう）（田谷の洞窟）、江の島岩屋洞窟、長谷寺弁天窟などがあり、それを真似たのであろう。
（表紙写真は栄勝寺境内の隧道内の階段）

　この隧道は「太田道潅以下三代の霊を祀る三霊社権現が安置されています。」（https://www.kama-repo.net/kamakura/eisyouji/）との記載が見付かった（2024年10月28日）。

エリア 鎌倉(神奈川)

栄勝寺境内の隧道内の階段。

やぐら風の入口。

この右に何か仏をお祀りするお堂でもあったのであろう。