2019/03/29 - 2019/03/29
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ドクターキムルさん
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鎌倉山1にある(仮称)扇湖山荘庭園は、長尾家の別荘として昭和9年(1934年)に、飛騨高山の民家を移築・改築したとされるが、改築の方がメインであろうか。長尾欽弥・よね夫妻が住んだ。長尾欽弥(明治25年(1892年)~昭和55年(1980年)、享年89歳)はビールの絞りかすより製薬した総合保険薬「わかもと」を製造・販売する製薬会社の創業者で、巨万の富を得ることになった。欽弥・よね夫妻に関する経歴は(http://nagao-bekkan.image.coocan.jp/wakamotoM.html、http://nagao-bekkan.image.coocan.jp/honbetuMs.html)に詳しいが、よほどレベルのない者の文章であろうか、重複が多く、それでいて欽弥の没年も示されていないのであるから、経歴書では有り得ないことなので驚いてしまった。
鎌倉散策ではこうした3流以下のレベルの人が掲載しているWebや、途中の峠のバス停で「鎌倉山の下町の住人」というおじさんから「森下仁丹の創業者の家」と聞かされたが、こうしたことも正確な情報が得られない要因でもある。勿論、何と言っても寺社やこうした民家は公開されないことが多い。
扇湖山荘は平成22年(2010年)10月に鎌倉市に寄付され、平成25年(2013年)秋から応募者抽選で公開され、一昨年からは鎌倉市民に限定して公開され、昨年からは春と秋に一般公開されるようになったのだという。昨年の一般公開の情報は見落としていたことになる。それでも10年前から気になっていたお屋敷が見られるのであるから嬉しいことだ。
兼松琵琶苑住宅から鎌倉山さくら道に出ると私の前を歩くシニアの方がいる。峠の下で声を掛けた。「どちらへ行かれるのですか?」「この道の桜を見ようと。」「今日はこれから薬品会社の創業家が建てたお屋敷の公開がありますから、一緒に行きませんか?」「ご一緒します。」この方は幸運にも、4室も茶室が並ぶ伏見亭や、開花している鎌倉最大の枝垂れ桜(https://4travel.jp/travelogue/11474319)、それに贅を尽くした母屋(本館)を無料で見学できたのであるから、ラッキーである。扇湖山荘庭園を出た後はこの母屋(本館)と似た構造の旧松本烝治邸(https://4travel.jp/travelogue/10752617)が見える向かいの尾根の紅枝垂れ桜のあるお宅の前(https://4travel.jp/travelogue/11342672)に案内した。「憲法草案を書いてマッカーサーに蹴られたあの松本烝治氏のお宅ですか?」2時間弱ご一緒したが、聡明な方だ。一般には憲法の松本草案など知る人など少ない。ここで鎌倉市内では良く見られる紅枝垂れ桜の大きさも実感することができた。
長尾欽弥はその巨万の富でこの別邸「扇湖山荘」を建てた。敷地は周囲の山々を含め大凡13万坪であったが、昭和35年( 1960年)頃に母屋と主庭園を残し、周囲の山や麓の庭園が売却された。そのため敷地は1万5千坪程度に減少した。それでも鎌倉市内では3番目の富士塚(鎌倉富士)も残っている。
建物(建坪470坪)は贅を尽くしているが、庭の広さだけではなく、おそらくは枝垂れ桜も相当の古木を移植したのであろう。根元も太く、高さもある。しかし、いかんせん古木である。平成29年(2017年)の開花時の写真があるが、今年はもう開花済みで一昨年の4割程度の花の量か。しかし、昨年の春も来たという人は、「去年は枯れていた。1輪も咲いていなかった。」という。古木過ぎて毎年はたくさん咲く訳ではないようだ。
(表紙写真は扇湖山荘)
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蚊帳鞍山の奥の桜。
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「扇湖山荘一般公開」。
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表門。閉められているこの門は何度か見ている。
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平天井の横穴。
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防空壕。
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かやぶきの門。
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かやぶきの門。二重に屋根が掛けられているが、萱葺き屋根ではない。
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椿の庭。
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伏見亭。
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伏見亭。
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伏見亭。
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伏見亭前から見える相模湾。
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伏見亭。
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散策路に木橋。
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木橋。
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木橋。
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眼下に表門。
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道標。
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散策路。
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散策路。
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竹林の中の散策路。
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下りの散策路。
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木の階段。
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桜の先に相模湾。
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母屋(本館)。
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大しだれ桜。
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母屋(本館)。
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母屋(本館)。
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母屋(本館)。
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母屋(本館)。
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母屋(本館)。
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透かし彫りの雨戸。裏はガラスで雨を防いでいる。
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障子の裏に丸窓。
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格天井の座敷(金の間と銀の間)。
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格天井の座敷(金の間)。欄間の透かし彫りの彫刻にも注目。
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格天井の座敷(金の間)。
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蹲(つくばい)。
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母屋(本館)入口の門。
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金の間。
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「金の間」。
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格天井の座敷(金の間)。照明は12弁の菊をデザインしたもの。
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「銀の間」。
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格天井の座敷(銀の間)。独特の花頭窓。照明は12弁の菊をデザインしたもの。
障子とガラスと木目の素晴らしい1枚板の戸。 -
格天井の座敷(銀の間)。
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座敷の横に土間がある部屋。日本建築で1間幅の階段はそうはない。照明は座敷とは異ならせている。
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畳が敷かれ、石式の土間がある部屋。
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4間の大きな梁がこの建物を格調付けている。
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4間の大きな梁は運ぶのに大変だったのではないだろうか?
龍宝寺本堂の梁といい、立派な用材が使われている。 -
長く突き出た軒。
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大しだれ桜。
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桜。
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「東波学楼」の表札。
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土間の石敷。建長寺の法堂(はっとう)のようだ。
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奥に座敷。
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奥に座敷。
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奥。ダイニングがある。
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欄間彫刻。
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金箔を貼った襖戸。
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大しだれ桜。
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桜。
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小坪。
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奥の外観。
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囲炉裏。御影石の囲炉裏も初めて見た。中には格子の板。
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金箔を貼った襖戸やガラスと透かし彫りの先には何は赤い部屋があるようだ。
板の間には漆が塗られている。 -
ダイニングにも床の間。
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自在鉤(じざいかぎ)。
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この部屋にも4間の梁が並ぶ。
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奥にガラスと透かし彫りの赤い部屋が。
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漆が塗られた板の間。ガラスのように写している。
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透かし彫り。
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台所。窓の意匠も凝っている。
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板の間と台所(キッチン)。
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門。
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母屋(本館)。
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母屋(本館)。
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大しだれ桜。
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「大しだれ桜」の写真。
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母屋(本館)。
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母屋(本館)。
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車寄せの前のローターリーが鎌倉富士。バッテリー切れで車寄せや鎌倉富士は撮れなかった。トイレは仮設ではなく、本館横のトイレを利用させてもらった。
車寄せを見て大磯(明治記念大磯庭園)の旧大隈重信邸(https://4travel.jp/travelogue/11429536)を思い出した。あえなくバッテリー切れで写真なし。 -
細身の宝篋印塔。
「鎌倉の旧宅」(https://taiss-you.sakura.ne.jp/myHPkamaq/myHPkamaq.html)には、
「春・秋の年2回一般に公開されている。公開に際しては、市役所の担当課(都市景観課、公園課)の職員が相当数配置され、受付・案内等を行っているが、公開の時間は午前(10~12時)午後(1~3時)に分かれており、正午から午後1時までは閉鎖される。組合との協定により、昼休みを1時間とることになってるためとみられるが、いかにも役所的である。12時の閉鎖直前に訪れた高齢者のグループが、入場を断られ当惑していた。周辺は、山の中の住宅(別荘)地である。1時までどうやって過ごすのであろうか。」
と記載されている。
私は常々鎌倉市のお役所仕事を批判してきているが、ここ扇湖山荘の公開でもその類が持ち込まれているようだ。
10年近く前、御成小の枝垂れ桜を崖下の鎌倉市役所から眺めていると、そこに喫煙所が設置してあり、2人の若い市職員が一服しにやって来た。「鎌倉市には何本くらいの枝垂れ桜があると思いますか?」と尋ねると、遅れてやって来た中年の市職員から、「彼らは経理を担当しており、そんな質問をされては困る。」と世間話を止めさせられた。おそらくはこの中年の市職員は組合の役員か何かなのだろう。そして市役所の裏手にある喫煙所の辺りにいる人(ここでは私)は鎌倉市民だけであろう。明らかに、鎌倉市民の上に市職員の組合があるという構図だ。こんな市役所の職場環境ではどんなに優秀な人でもお役所仕事しかできなくなる理由が理解できる。組合も大きく影響していることはこの時にも強く感じたことである。
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