2019/03/24 - 2019/03/24
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motogenさん
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高松塚古墳は、弓削皇子(ゆげのみこ)が埋葬されたものではなのか?
弓削皇子の状況をうかがわせる歌が、万葉集に数多くある。
万葉集は、権力によって殺された人々に深い同情の眼をそそいでいる書物で、正史である日本書紀には書けないことが、万葉集に密かに埋め込まれているらしい。
弓削皇子は皇位継承問題で持統帝に疎まれ、抹殺されたのではないのか・・と梅原氏は推論する。
古代の日本人は、罪もないのに無惨に殺された人の怨霊をひどく恐れた。
そのため加害者は、怨霊を神として手厚く祭り、豪華な神殿や寺院を造って霊を封じ込めた。
菅原道真を祀った天満宮、大和王朝に滅ぼされた前王朝を祀る出雲大社・・
高松塚古墳もまさにそのような塚なのだと梅原氏は考える。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
-
小さく何の変哲もない、丸い塚。
人目を避けるような丘の隅にあり、壁画が見つかる前は、誰も注目しなかった古墳。
古墳の中から装飾画が発見され、一躍有名になった塚が、目の前にある。
近寄ることはできるが、壁画のあった穴の入り口は閉じられていて、
「これがその古墳ね・・」
と眺めるだけで、その後は途方に暮れてしまう。国営飛鳥歴史公園 公園・植物園
-
その近くにあるのは、文武天皇の古墳だが、
文武天皇陵 名所・史跡
-
天皇陵は立ち入り禁止となっていて、学術的研究もご法度になっている。
ここも近寄るだけ。 -
仕方なし。
周囲に人が少ないことを確かめて、高松塚古墳の立ち位置を空から眺めようと、遠慮しながらドローンを飛ばす。
https://youtu.be/JPJETxpw_HI -
するとドローンに興味を持った親子が近づいてきて、モニターをのぞき込み、
「すごい!すごい!」
と喜んでくれるが、
「あっ、ライバルが出現したよ!」
と子どもが空を指さした。 -
指さす方向に、羽の音の響かせて、別のドローンが飛び回っている。
かなり大きな音だ。
この場所で、こんなに派手に飛ばして良いのだろうか? -
飛ばしていたのは、地元の親子だった。
有名メーカーの、10万円以上もするドローンだ。
「ここで飛ばしても、大丈夫?」
「ああ、かまわんで・・古墳の真上を飛ばさな、大丈夫や・・」
ドローンの話ができることは嬉しいが、 -
壁画館が閉まってしまう時刻が近づいていて、
『高松塚壁画館』に急ぎ入館した。(観覧料250円)
高松塚壁画館 美術館・博物館
-
梅原氏の推論を参考に見学することにする。
展示されていたのは本物ではなく、レプリカだった。
(館内は撮影禁止なので、ここからはパンフレット等の写真です。) -
壁画が描かれていた石槨は、幅およそ1m、高さ1.1mと極めて狭く、絵師は壁に触れないように、ひどく窮屈な姿勢で作業をしたはずだ。
北壁には、亀と蛇がからみついた玄武が描かれている。
しかしその頭は人為的に削られていて、 -
東壁には青龍が描かれているが、これも頭は故意に傷付けられている。
-
西壁は白虎だが、これまた頭の部分がはがされている。
南壁には当然あるはずの朱雀が、ない。
剥落してしまった可能性もあるが、初めからなかったとも考えられる。
これら四神は、天を支配する道教思想の怪獣で、君主を守る神の使いだ。
四神や四天王は、天皇制が成立する律令体制のもとで広まっていく。 -
西側と東側の壁には、青龍や白虎と共に、男女が4人ずつが4カ所に描かれている。
天皇の宮殿で正月の朝賀の儀式を行っている姿だと言う。
しかし4人の4という数は陰数で、不吉な数だ。
それがどうしてこのめでたい場所に? -
東西の壁には、天子を象徴する太陽と月も描かれているが、しかしこれもまた故意に傷つけられている。
四神と朝賀の儀式と太陽と月・・
これらはまさに、ここが天子の宮殿であることを現しているが、
こっそり、重要な一部に欠落させた箇所があることが謎だ。
悪戯でも、自然剥落でもないという。
なぜ、こんなことを、誰が? -
天井には、星宿が正確に整然と描かれている。
(どこがどうなっているのか?)
ところが、ここにも欠けているものがある。
それは天子の象徴である北斗七星だ。 -
朽ち果てた棺と一緒に発見されたものに、銅鏡があり、
-
当時は貴重だった玉も発見され、太刀の鞘や柄を飾る金属類がバラバラとなって発見された。
(木製の鞘や柄は、朽ちてしまったらしい)
鏡、玉、太刀の三種の神器が出てきたことは、この塚は王族の塚の証なのだ。
不思議なことは、太刀の鞘や柄はあるのに、太刀本体がなかったことだ。
最初から本体は抜かれていたのか?
木製にすり替えられていて、朽ちてしまったのか? -
これらの謎から、梅原氏は次のように推論する。
この塚は、土の中の皇子のための王宮である。
「ここは、素晴らしい美しい世界ですよ。
この世界において、あなたは王者です。
王者のしるしとして、三種の神器をあげましょう。」
権力者は死霊にこう言い聞かせて、皇子の霊を地下に閉じ込めたのだと。 -
古代人は、死霊の魂はやがてどこかで復活すると信じていた。
しかし頭と胴体を切り離し、別々の場所に埋葬すれば、二度と復活しない。
塚ができ上がるまでに、裳(もがり)の期間がある。
死体が骨と化すその期間に、死体からそっと頭蓋骨を取り去り、別の場所に埋葬したのだ。
そして、死霊が復活してしまう万一のことを心配して、刀身を抜いておいたのだ。 -
塚の内部は王宮風に造ったが、四面や天井の肝心な部分は欠落させ、真の王者にはさせなかった。
そして塚の存在は公にせず、小さく作ったのだ。
しかし皇子を慕う縁者や家来たちは、皇子を神としてこっそり祭り続けていたのだろう。
そんな梅原氏の推論、ワクワクするではないか!
その高松塚古墳を後にして、 -
欽明天皇陵陪塚まで走る。
陪塚とは、主となる塚に付随する小さな塚で、親族や臣下、又は副葬品を入れた塚のことだ。
欽明天皇陵はこの近くにあるが、そこは立ち入り禁止となっている。
(正確にはこの時代にはまだ天皇の名称はなく、王とか大王と呼ばれていたが、欽明帝は聖徳太子の祖父にあたる。)
陪塚の丘のふもとにあるのは「鬼の雪隠(せっちん)」で、鬼の爼 鬼の雪隠 名所・史跡
-
その少し上には「鬼の俎(まないた)」があって、
二つを組み合わせれば石棺となる。
鬼の俎が底石で、鬼の雪隠がその上の箱石だ。
石棺が自然現象でここまで転がり落ちてきたと言われているが、梅原氏は、
「そんなはずはなく、これは故意に暴かれた石棺だ」という。
この時代、ある一族と敵対したり、恨みが生じると、その先祖の墓を暴いて辱めることが多かったと。鬼の俎 自然・景勝地
-
この塚は陪塚などではなく、身分の高い豪族の塚だったのではないのか・・
飛鳥には多数の古墳があるが、被葬者の分かるものはごくわずかだ。
天皇陵とされているものも、江戸末期の伝承にもとづいて役人がかってに決めたものらしい。 -
『亀石』も見物する。
亀石についても色々な説があるが、領地の境界を示す石かも知れないし、古墳のふたかも知れない。亀石 名所・史跡
-
ガイドブックに紹介される有名な亀石が、民家の庭にあるから驚きだ。
しかし、この庭は昔と違っている気がする。
20年ほど前に、サイクリングでこの周辺を回ったが、どこもかもが観光地に変貌していて、別の場所に来た感じだ。 -
この亀石の民家でも、無人販売所を設けて野菜を売っていた。
思わず黒豆を5袋も買ってしまう。
-
5時近くになる。
空は明るいが、本日の見学はこれにて終了。
村営の「太子の湯」で一休みすることにした。 -
「太子の湯」は健康福祉センター内にあった。
ホールや会議室、創作活動室や健康診察室などが併設されていて、 -
庭には鯉の泳ぐ大きな池まである。
-
この時間、館内は空いていて、浴場もゆったりしていたが、
(入浴料500円) -
温泉ではないようで、露天風呂とか泡風呂とかの遊び施設はない。
大きくて奇麗、というのが売りの銭湯だった。
公営にしては入浴料が高いが、村への寄付金と思い、ありがたく湯に浸かっていた。 -
センターを出ると、日が沈むところだった。
道の駅「吉野路大淀iセンター」まで急ぐ。
ここから6~7km南にあり、明日香と吉野との境の峠にある。
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途中のコンビニで夕食を買い込んで、
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すっかり暗くなってしまった道の駅に到着すると、
小さな車の中に閉じこもって、道の駅 吉野路 大淀iセンター 道の駅
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レンジで温めた弁当と、カット野菜と牛乳で、今夜の夕食とする。
狭苦しい車内で、懐中電灯の明かりで食べる夕食は、車中泊している気分を高め、非日常生活を楽しむ時間なのだ。 -
食べ終わって施設の中を覗いてみると、
-
屋根付きの広場があって、ベンチもあることを発見。
「なんだ、ここで食べても良かったか!」
お湯を沸かしてコーヒーを味わう。
隙間風で足腰が冷えてくるが、不思議な気分となってきて不満はない。 -
そうこうしているうちに、気温がどんどん下がってきて、羽根布団や毛布を何重にも重ね、その中にもぐり込んで早めに就寝となる。
「まだ、8時台だよ・・」
「眠れる時に、寝ておこう・・」
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