チンクエテッレとアオスタ～北イタリアの海と山の絶景巡り 【１０】雨に煙る古城（2018/3/10）

2018/03/02 - 2018/03/11

北イタリアの対象的な2つの絶景を巡る旅。
最初に訪れたのはリグーリア海に面した５つの村、チンクエ・テッレ。海沿いの崖にへばりつくようにカラフルな家が立ち並びます。シーズンオフで列車が１時間に１本と少なくて遊覧船も運航しておらず、営業している店も少なくて不便でしたが、その分観光客が少なくてゆっくりと街を巡り景色を眺めることができました。
次に訪れたのはアルプスの麓の街、アオスタ。古代ローマがガリアに通じる街道の要衝に築いた街で、街中や街道沿いに遺跡が多く残っています。当時の街の中心の通りが今もそのまま使われていて、往時の人々の息吹を感じられる街です。アオスタ・バレーに残る古代ローマ遺跡を訪れたほか、東にある谷を遡って誰もが知っている名峰の別の姿も楽しみました。

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【10】雨に煙る古城
　帰国の日は今回の天候を象徴するような雨。
　最後にアオスタのすぐ近くにある古城、クアルト城 Château de Quart に寄ってから空港に向かいます。
　雨と霧に煙る古城はなんとも言えない幻想的な雰囲気、冷たい空気の中でしばらくその姿を眺め、今回の充実した旅を噛み締めます。

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１ 天気予報は８日間ずっと雨・・・
２ チンクエ・テッレを味わい尽くす・その１
３ チンクエ・テッレを味わい尽くす・その２
４ 雨のち晴れ
５ リオマッジョーレ最後の散歩と絶景カフェ
６ チンクエ・テッレの絶景ドライブ
７ モンテ・チェルビーノ　誰もが知ってる名峰の別の顔
８ 古代ローマ都市アオスタのローマ遺跡巡り
９ イタリアとガリアを結ぶアオスタ・バレーのローマ遺跡三昧
＞10 雨に煙る古城

エリア アオスタ(イタリア)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0

• 交通手段: レンタカー
• 航空会社: エールフランス
• 旅行の手配内容: 個別手配

最終日はまた雨。
おととい見えた山並みは、今日は全く見えません。
でも出発前に見た天気予報はすべての日が雨で運の悪さを呪いましたが、それに比べれば数日は晴れたので良い方に転んだとも言えます。
どこでも天気予報は当てになりません。

HB Aosta Hotel & Balcony SPA ホテル

右手の街の中心部の方を見ると塔が２つ。
アオスタ大聖堂の塔のはずですが、２つあったんだ。昨日近くで見たときは１つしか見えませんでした。

アオスタ大聖堂 寺院・教会

３泊したHBホテル・アオスタの客室。シンプルで快適でした。

HB Aosta Hotel & Balcony SPA ホテル

帰りの飛行機はミラノ１７：３０発。１８０ｋｍ，２時間ほどですが、初日の雪のことが頭をよぎり早めに１１：００に出発しました。
今日あれに遭遇したら帰れなくなりかねませんからね。

雨の中を東に向かいます。
雪が不安とは行ってもまだ十分時間に余裕があります。
短時間で寄り道できそうなところを Google Mapで探してみたところ、アオスタから東に９kmのところにクアルト城 Château de Quart という古城があるので寄っていくことにします。

街の名前に赤い斜線が入った看板は「街の終わり」の意味。欧米ではおなじみですが、日本にはこういうのはないですね。
さよなら、アオスタ。また来るよ！

高速道路には乗らずに山際の道を行きます。

城の名前が書かれた標識に従って山の方に入ります。

ぶどう畑の斜面を登っていきます。

住宅と畑が混在する田舎道を走り、徐々に高度を上げていきます、

正面にクアルト城が見えました。
１１：２０、城の手前の駐車スペースに車を停めて城まで登っていきます。

クアルト城 Château de Quart は１２世紀に建てられました。

アオスタ渓谷を見下ろす斜面に建っています。
内部を見学できるようですが営業時間外。まあ中世の城自体にはさほど興味がないので構いません。

アオスタ方面を望みます。雨に煙っています。
やや右寄りに飛行場があります。定期便は飛んでないみたいですね。

城の裏手から山道があるので下ってみます。

少し下ったところに城を見通せる場所がありました。
霧の中の古城。幻想的な光景です。

初日に雪で立ち往生したときはどうなるかと思いましたが、充実した旅になりました。
そんな思いを噛みしめながら、冷たい空気の中で濃くなったり薄くなったりする霧に霞む古城をしばらく眺めていました。

さあ、後は空港に行くだけ。
１２：００ちょうどにミラノに向けて出発します。
下るときにGoogleマップに行き止まりの道を案内される小さなハプニングがありましたが、すぐに正しい道に復帰できました。

無事高速道路Ａ５に乗りました。
あとは分岐さえ間違わなければ高速道路が空港まで導いてくれます。

雨の高速を西へ進みます。

昨日訪れたバール城塞が見えました。

フォルテ ディ バルド 城・宮殿

ちょうど斜行エレベーターが降りてきました。

フォルテ ディ バルド 城・宮殿

バース城塞が見えるとすぐトンネルで、これを出たところで左手の崖の上に教会の塔が見えました。後で地図で調べてみたら、きのう行ったローマ橋のあるポン＝サン＝マルタンの上の方にあるノートル・ダム聖堂です。
また行きたいところが増えました。

薄日がさしてきました。

ミラノに通じるＡ４への短絡道路に入ります。

トリノとミラノを結ぶＡ４に入ります。
これで後はミラノまで一直線。

また雨が強くなってきました。
この辺りはポー平原という広大で豊かな土地です。高速道路はどこまでもまっすぐで勾配もありません。これならちょっとくらい雪が降っても大丈夫そうです。
右手には高速鉄道の線路がずっと並走しています。

フレッチャ・ロッサが追い越していきました。
イタリア語で「赤い矢」という名の、時速３００ｋｍで疾走する高速列車で、２０１１年にナポリ、フィレンツェを訪れたときに乗ったことがあります。
１００ｋｍで走る車を一瞬で追い越していきます。

１３：１６、ヴィッラルボイト南 Villarboit Sud サービスエリアに到着。
飛行機が出発する１７：３０までにはまだ４時間以上あります。この先も平原を走るので雪の心配もしなくてよさそうなので、少しゆっくりしていくことにします。

ここはChef Express です。Auto grillと並んでサービスエリアでよく見かけます。どちらもイタリアの企業ですが、Auto grillはヨーロッパ中で見かけるので大手なのでしょう、

大きなセルフサービスのレストランです。
Googleマップの衛星写真で大きそうなサービスエリアの目星をつけ、やはりGoogleマップで施設の写真を見てここに寄ろうと決めていました。ほんとに便利になりました。

周りにはメイン料理を提供する屋台。

中央に前菜やデザートが置かれています。

前菜は色鮮やか。

デザート。

肉は目の前で焼いてくれます。

選んだのはたっぷりの生ハム（ちょっと多すぎ）にモッツァレラチーズが載ったのと、ズッキーニの炒めもの、デザートにいちごのタルト。
ステーキも捨てがたかったけれど、最後なのでイタリアらしいものにしてみました。

レジでコーヒーがいるか聞かれたので「いる」と答えたら、レシートだけくれました。
これを持って売店エリアにあるスタンドに取りに行くシステム。

ゆっくり食事を堪能し、１４：３４、サービスエリアを出発。
ちょうどフレッチャロッサが通り過ぎていきました。

Ａ４から空港方面に分岐する直前にあるノヴァーラ・サービスエリア（Novara）に給油のために寄ります。
ここはイタリアによくある道路をまたいだサービスエリアでした。ちょっと中を見てみたかったのですが、少し時間が押しているのであきらめました。便出発２時間前には空港に着くようにしているので。

TAMOILで最後の給油をします。

サービスエリアを出て約１ｋｍで空港方面に分岐なのですが、その間にまたまた高速列車に出会いました。それも今度はイタロというフェラーリを中心とする企業が運行する列車です。見られてラッキー。

Ａ４を降りて、帰りの飛行機が出るマルペンサ空港に分岐します。
マルペンサ空港はミラノの西側にあります。アオスタからは手前側になり、ミラノ市内を通らずに行けるのがありがたいです。
行きに降り立ったリナーテ空港はミラノの東側です。

分岐から１６分ほどでマルペンサ空港ターミナル１に着きました。

ミラノ マルペンサ国際空港 (MXP) 空港

車の上に鍵が乗ったレンタカーマークに従って進みます。

ミラノ マルペンサ国際空港 (MXP) 空港

ターミナルビルに着きました。

ミラノ マルペンサ国際空港 (MXP) 空港

一旦ターミナルビルを行き過ぎ、Ｕターンするように駐車場に入ります。
Googleマップで予め見ていたからわかりましたが、そうでなければ迷っていたかもしれません。

ミラノ マルペンサ国際空港 (MXP) 空港

１５：２４，無事レンタカーの返却場所に車を停めました。
帰りは順調にここまでこれて本当によかった。
いつ付いたかわかりませんがミラーに小さな傷が付いたので申告してレンタカーを返却。もちろん保険で賄われます。

ミラノ マルペンサ国際空港 (MXP) 空港

マルペンサ空港は長距離国際線が発着する大きな空港です。アリタリアの成田への便もここ発着です。
いかにもミラノというシックな装いで、いかにもローカル空港っぽかったラテーナ空港とは違う落ち着いた雰囲気です。

ミラノ マルペンサ国際空港 (MXP) 空港

天井にたくさんの紙飛行機が飾ってありました。

ミラノ マルペンサ国際空港 (MXP) 空港

ピザ焼窯があります。さすがイタリア。

１７：３０発のＡＦ１７３１便でパリに向かいます。

ミラノ マルペンサ国際空港 (MXP) 空港

上空に上がると雲海からアルプスの山の頂が覗いています。

これはたぶんモンテ・チェルビーノ、スイス名マッターホルンですね。
３日前にあそこにいたのです。

１９：００にパリ、シャルル・ド・ゴール空港に到着。
東京行きは２３：２０発なのでちょっと時間があります。
搭乗口はターミナル２EゲートK。前に来たときはたしかゲートMだった気がします。ターミナル２EにゲートK、L、Mがあるらしいのですが、広くて数が多すぎて、しかも来るたびに通路も変わっていて、もはやなにがなんだかわかりません。

シャルルドゴール空港 (CDG) 空港

ターミナル２EゲートKは改装中で、レストランエリアには店が少ししかなかったのですが、通路の真ん中になんとヨー・スシがありました。
２０１３年のスペインからの帰り、ロンドン・ヒースロー空港で乗り継いだときに入ったことがある、イギリスの回転寿司チェーン店です。
https://ssl.4travel.jp/tcs/t/editalbum/edit/10930696/

海外ではサーモンはハズレがない気がします。

カリフォルニアロール＋にぎりみたいな謎の寿司。

手巻き寿司は注文すると作ってくれます。
店員は東南アジア系のようで、とても親切。

２０１３年のロンドン・ヒースロー空港では「早い、安い、美味しい」でしたが、今度は「充実美食」。やはり間違ってはいないけれども違和感のあるキャッチフレーズです。
客は欧米人が５割、中国か韓国らしき人たちが４割て、うどんを食べている人が多いようでした。
日本人は私を入れて３人。

２３：２０発ＡＦ２７４便に乗り、翌１９：２５に羽田空港に到着。
今回は行き先を絞りましたがそれが大正解。じっくり堪能して充実した旅となりました。

シャルルドゴール空港 (CDG) 空港