2018/03/20 - 2018/03/20
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ケロケロマニアさん
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前旅行記では、嫌がらせ的に北海道新幹線を乗り回した一日の様子を綴らせて頂きましたが、本旅行記ではその翌日、2018年春の北海道東日本パス旅の6日目の様子を。
ここでは、久しぶりに札沼線応援に関する旅行記となります。ただ、2018年春には、沿線自治体とJR北海道のバス転換を前向きに見据えた議論を始めてしまいましたので、正直、もう廃線決定の発表は、時間の問題なのかもしれません…。
しかし、正式発表となれば、また普段全然見向きもしなかったような人も大挙して訪れるようになって、末期の江差線や留萌本線(留萌~増毛)と同じような状況になるかと思いますので、そうなった時点で、このシリーズも終了となります。
正直、最後の悪あがき的な旅行記になってしまうかもしれませんが、ここで皆様に是非改めて考えて頂きたいことは、現在のJR北海道は開業2年目にして早くも100億以上の赤字を計上した北海道新幹線を、国の意向には逆らえず維持せざるを得ない中で、僅か年間数億の維持費(高給取りのプロ野球選手の年棒位?)で済む、この札沼線の廃止に対しては、目の色を変えて推進しようとしている現状についてです。
新幹線という乗り物には、巨額の税金が投入される、という意味では、少なくともこのサイトをご覧になられているであろう多くの日本居住者の方にも、無関係ではない話であり、その公共の乗り物が、きちんと公共の財産として維持されていくインフラであるならまだしも、現在の新幹線は、はっきり言って、建設段階での利権に群がるハイエナ達の餌になっているだけで、決して、特に沿線住民にとっての公共の利益とはならない、という意味で、本質的に、税金の投入に異議を唱えなくてはならない、というのが、民主主義国家の国民としての義務でもあると思うのですが…。
新幹線に湯水のように落とされる幾許かの金銭だけでも、この瀕死の状態のローカル線に回すことが出来れば…、なんてのは、結局は綺麗事なのでしょうけど…。
尚、本旅行記は時々登場する自省モードでの執筆となっておりますことを、予めお詫び申し上げます。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
2018年3月20日。
北海道東日本パス6日旅程の開始の朝。
駅に向かう途中の道。
まだまだ冬の装いが続いていた…。 -
始発列車は学生を多く見かけるが、春休み期間ということもあってか、いつもよりは少なく感じる…。
和寒駅 駅
-
和寒駅の跨線橋入口。シャワーカーテンみたいなのが付いている。
この冬も、特に吹雪いた時には頼もしく感じたものだ…。 -
前日に、新幹線を乗り回した後の一日。
どこに行こうか、一晩悩んだが、やはり、札沼線のことが気掛かりだったので、天気は心配だったが、向かってみることにした。 -
旭川に到着。
さりげなくたてかけてあったサボ。
こんな光景が見られなくなる時代もそう遠くないのかもしれない…。
てか、こんな無造作に置いてたら、マニアに持ってかれないかが心配…。 -
旭川駅前のタヌキコンビ二へ。
この日はトリポイントにて、ポイント消費食。
タヌキコンビニも現在ではトリポイントの方が目立つようになってきた気がする。
そのうち、トリコンビニと呼ばれるようになる時代なのか…。
まあ、タヌキコンビニ呼ばわりしているのは自分だけだろうから、大勢には影響ないのか…。 -
余命約1年となった夕張支線。
この時は、大雨の影響で暫く止まっていた…。
また、”最後”を求めて乗客が殺到する様子を想像すると、頭が痛くもなる…。 -
数年前から運行されるようになった石北本線の週末の北見行き臨時快速。
昨年のスタンプラリー旅で秋に乗車した際は、車内がガラガラで驚かされたが、何故か運行は続いている。
自分の乗るタイミングが悪いだけで、実は結構乗客がいるのかな?と、ちょっとは嬉しくもなる。 -
滝川行きに乗り込む時間。
お顔が真っ白な子がやって来た。
折り返し運転なので、途中は結構降っている様子。 -
札沼線の運行が止まらないことを願いつつ、滝川に向かう。
-
そんな心配をよそに、お天気はどんどんと良くなってきた。
これなら大丈夫だろう…。
旭川の西隣にある近文駅ホーム上の待合所。
ここはとても味わいがあって素敵。近文駅 駅
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いのう、といえば、某関東球団の投手を連想してしまうが、漢字が違う。
あのピッチャーは井納だが、こっちは伊納。
そういや、今年は北海道命名150周年、ということで、何故か伊能忠敬のことも思い出していたが、これも字が違うな…。
因みにこの地名は勿論アイヌ語起源。
アイヌの言語学者、知里真志保によると、「イルオナイ」(熊の足跡の多い沢)が転訛したものらしい(Wikipediaより)。伊納駅 駅
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深川を過ぎ、妹背牛に到着。
日本語的には必至な形相で牛を背負っている妹の姿を連想してしまうが、アイヌ語の意味は「モセ・ウシ・イ」(イラクサが繁茂しているところ)とシンプル。妹背牛駅 駅
-
最近の改装で、ラスタカラーの派手な駅舎に生まれ変わった江部乙駅。
ここでは敢えて駅舎とは反対側に注目。
深川と滝川を比較しても、この年は滝川の方が積雪量が多いような気がした。
因みに、江部乙も勿論アイヌ語起源で、「ユペオッ(yupe-ot)」(チョウザメ・たくさんいる)、あるいは「イペオッイ(ipe-ot-i)」〔魚が・多く・いるところ(サケの多くいる所)〕から、とのことだ(同じくWikipediaより)。江部乙駅 駅
-
滝川に到着。
この時間に到着すると、かつては釧路まで日本最長の普通列車として人気があった根室本線の子に逢えるが、今となっては…。滝川駅 駅
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滝川では一つの惜別があった。
2018年3月末を以て、長年親しんできた中央バスの滝川ターミナルが閉鎖されることになったのだ。
この時点で、残り2週間弱の営業期間を残すだけであったが、個人的にはこの日が別れとなった。北海道中央バス 滝川ターミナル 乗り物
-
札沼線との繋ぎのバス路線。
幾度となくお世話になってきたものだ…。
でも歩くことも多かったので、札沼線の乗車回数の割には、このバス路線は利用頻度が少ないのかもしれない。 -
新十津川までの所要時間は15分ほどだが、何せまだ微妙に冬季の”バス遅延”時期を引き摺っている頃でもあり、バスの遅延が気になる。
勿論、札沼線の出発時刻(新十津川発1000)には余裕で間に合うのだが、到着時刻(新十津川着0928)に間に合うかどうか、が気掛かりなのだ…。
乗車するのは0904発のバスだが、滝川ターミナル始発でないため、数分遅れてやって来た。
こりゃ、到着に立ち会えるかどうかは、微妙だな…。 -
新十津川までの運賃は230円。
時間に余裕があれば、途中バス停の190円区間ギリギリで降りようか、等とも洒落込んでしまいがちだが、ここは素直に役場前まで直行しないと間に合わない。 -
因みに、札沼線の旅においては、浦臼起点でお考えになる機会も多いかと思う。
その際の運賃はこちら。
滝川ターミナルがなくなると、この見易かった運賃表の掲示もなくなってしまうのだろうか??? -
2年前は「はまなす」との別れがあった。
今春のダイヤ改正においては、JR北海道管内での「別れ」は少なかったように思うが(羽帯駅には行きたかった…)、これが今後の大粛清に向けての、”嵐の前の静けさ”でないことを願う…。
その分、滝川ターミナルの廃止への寂しさが、そして、札沼線の今後に向けての重い空気が、晴れ渡る空とは裏腹に、この日の自分を支配していた…。 -
滝川=新十津川間に関しては、現状でもバスの本数は比較的多い。浦臼までを考えても、現状のバス路線で十分だといえるレベルなのかもしれない。
浦臼=月形間はどうか?
ここは需要が少なそうだ…。
現交通体系を鑑みた上で、そもそも、”札沼線のバス転換”という発想自体が間違っているように感じる。凄く雑な言い方をするなら、札沼線の廃止、だけで事足りる現状にも思えてしまうのだ。つまり、公共交通の維持、という側面からは、別にバス転換という発想自体が不要で、強いて言えば、函館本線沿線とのバス路線の充実、ということになるだろうが、それならば、現状のレベルを少し上げる程度で事足りる話なのだ。 -
それにしても、この年の滝川の積雪量は、和寒町民から見ても多いなあと感じた。
3月20日の時点でも、道路脇にはかなりの雪山が目立っていた。 -
役場前のバス停に到着したのは9時24分。
ここから新十津川駅までも少し距離があるので、到着に間に合うかどうかは本当に微妙なレベルだ。
取り敢えず、走ろう! -
場所は完璧に把握しているので、無駄な時間ロスはないのが幸いした。
-
何とか9時27分頃、新十津川駅に到着。
汽笛が聞こえる中、急いでホームへ。新十津川駅 駅
-
そうそう、このお出迎えの風景を撮りたかったのだ。
何とか間に合って良かった!
てか、そもそも最近のJR北海道は、特に赤字路線はちょっとした大雪で運休してしまうことが多いので、ちゃんと運行してくれたことに感謝! -
新十津川で見ると、やはり違和感がある”学園都市線”のサボ。
やっぱりここは札沼線だよなあ~、とふと我に返ると、そもそも沼田にはもう行っていない訳だし、本来は札新線と呼ぶべきなのか、いや、多分新十津川という町名が災いして、このままの呼称が残っているのか、もし、十津川町だったら、札十線とか呼べたのかも、等と、どうでも良いことを暫く考えて過ごす…。 -
ここでは、一日に一度しか見られなくなってしまった。
そのうち、一生見られなくなる時がやって来るのだろうか…。 -
2018年の冬は、新十津川界隈も豪雪に見舞われた。
ラジオで、札沼線の運休を耳にする度、辛い気持ちになった冬でもあった…。 -
ウェルカムカードを配る光景もお馴染みだけれど…。
-
毎日汽車を出迎え、見送った子供達は、きっと将来、鉄道のことを大切に思って生きていってくれることだろう。
現在の北海道では、そもそも幼少期に鉄道に乗ったことがない、という環境に育ってしまう子が多い。そんな環境下、少子化が進む社会で、次世代の鉄道サポーターが育つことを期待する方が間違っているのだろうか…。
少なくとも、鉄道がまだ現存する市町村においては、無理してでも子供達を鉄道旅へと誘(いざな)うのが、親の責務だとも思うのだが…。
まず、鉄道という乗り物は、教育的側面からは、本来、協調性や社交性を養うのに一役買ってきた乗り物だと思う。現状でも通学・下校時間帯にマナーの悪い学生さん等を多く見かけるが、あれも結局は、親御さん達が幼少期から鉄道内における暗黙のルールといった常識を教えてこなかったことにも問題があるように感じる。
卑近な例でいえば、銭湯みたいなものであろうか。こちらに関しても、近頃では平気で子供達を走り回らせている馬〇親や、そもそも親世代が銭湯を知らずに育っているので、最初に体も洗わずに浴槽にイン、等という光景をを多く見かける…。 -
急ぎで見送りイベント(?)を無事眺めた後、順序は逆になるが再び役場に戻ろう。
改めて青空がよく似合う町役場だと思う。
しかし、万が一札沼線がなくなってしまえば、来る頻度も一気に少なくなってしまう町なのだろう。 -
順序は逆になるが、恒例の乗車証明書(到達証明書?)を頂き、カエルさんマンホールの前で記念撮影。
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で、再び新十津川駅に戻る。
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発車までの時間、しばし駅舎内を見物。
来る度に、内部の展示が華やかになっている印象を受ける。
初めて、新十津川駅にやって来た頃は、その寂寥感に圧倒されたものだが、廃線が騒がれるようになってからの変貌ぶりには、ある意味勇気も頂くし、地元の方の熱意も伝わってきて、嬉しくもなる。 -
ただ、あまり大きな声では言えないが、同じ瀕死の鉄道会社の沿線住民から言わせて頂くと、そこまで路線を守りたい、という情熱があるのなら、まずは住民自身が乗車することが重要だと思う。
確かに現行スケジュールでは、生活路線として使用するのは困難だろうが、休日などを利用して乗車することは可能な筈であるし、輸送密度の議論が好きなJR北海道にとっては、地元民が乗車している、という確かな実績が、一番廃線への障壁となるのは間違いないことでもある。
是非、鉄道を守りたいとお思いの沿線住民の方には、”投票にも行かずに政治への不満をぶちまけている愚民”のようにはならないで、週一回でも月一回でも、できる範囲でいいから札沼線に乗車して欲しい。小川のせせらぎが、やがて大河へと通ずるのであるから。 -
最近、JR北海道が熱心に販売しているご当地入場券。
勿論、ここの駅に関しても発売されている。ある意味、廃止したがっている鉄道会社側らしからぬ対応に見えなくもないが、”稼げるうちに稼いでおけ”という発想からなのかもしれない。 -
記念スタンプやら駅ノートやらも充実している。
ある意味、これらは廃線になったとしても、町の有志の方々のお力で、維持されていくのかもしれないが…。 -
忙しい時には、”猫の手も借りたい”ものだが、瀕死の路線維持に向けては、犬の力も借りなければ、といったところか…。
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こんなお写真で、実際の活動の様子も追体験できるように配慮されていた。
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”JR北海道にまけるな!”
シンプルだが、重い言葉だと思う。 -
お子様向けには、こんな塗り絵カードも。
でも、大人でも楽しめそうだな…。 -
新十津川駅&札沼線熱烈サポーターのS師匠に敬意を表して。
ここでは訪問記念のス〇・アングルで。 -
運行がある限り、一日一回、約30分にわたって、ここでは舐めるように見られて過ごすキハさんがいらっしゃる訳だ。
彼が少し誇らしげな顔に見えるのは、気のせいだろうか…。 -
札沼線という名前だが、札幌も沼田も絡んでいない、一日一便の始発兼終発汽車。
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キハ40の401、40.4t、何となく韻を踏んでいるように感じる。
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この駅では、防風林を背景にお顔を撮るアングルが個人的なお気に入り。
これが青空だと尚良し。
本当は夕暮れの景観がもっと好きだったが、現行スケジュールでは、西陽に染まるアングルでは撮影できなくなってしまった…。 -
彼ら、彼女らにとっては、何の変哲もない、日常の一ページなのだろう。
こんな平穏な毎日が続くことを願うばかり…。 -
昔は沼田まで続いていた鉄路。
石狩沼田駅と新十津川駅で、相互乗り捨て可能なレンタサイクルとかあったらいいのになあ、なんて、思ってしまう一自転車マニア。 -
駅舎も雪山に隠して眺めると、普通のお家みたいに見える…。
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では、車内へ。
相変わらず、地元民は殆ど乗車していない、マニア臭だけが漂う車内。
JR北海道側から見れば、そりゃ、廃止したくなるわ…。 -
この子は生まれは札幌みたいだが、函館で研鑽を積まれているようだ。
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今一度、ウェルカムカード・到達証明書・整理券を並べて激写。
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これを記しているのは5月になってからのことだが、今は雪山もすっかりと解けて、お花が咲き始めている頃かもしれない。
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宗谷本線でも見慣れている、キハ40の3桁車両で見られるJNR扇風機。
間もなく、これが稼働し始める、北海道の短い夏の到来だ。
(と、これを記している5月時点では思っている。) -
新幹線柄が鬱陶しい、新卒採用の告知。
どうでも良いが、鉄道愛がない人には、エントリーして欲しくはない。
最近は、鉄道会社社員にも拘らず、マイカー通勤者が多い、というのもおかしな話だ。給料の一部は鉄道運賃の充当でOK、位のスタンスの人が多く入社して欲しい。 -
雪山で転げ回って遊んでいる子供達。
将来は、鉄道を愛する人材に育って欲しいと切に願う。 -
お母さんの呼びかけ。
そろそろスタンバイ時間のようだ。 -
面倒くさいなぁ~。
恐らく、毎度の見送りにうんざりしている子も、中にはいることだろう。
でも、きっとこの経験が、将来の糧になるよ! -
そして、雪山からの盛大なお見送り。
やっぱり素敵な光景だと思う! -
立場は違えど、少なくともこの場に立ち会っている人々の気持ちは共通していると思う。
「JR北海道さん、どうか、札沼線を廃止にしないで下さい!」 -
笑顔で見送られながら、何故か涙ぐんで車窓に目をやっている自分がそこには居た…。
-
最近では、訪れる度に心苦しくも悲しくも寂しくもなってしまう札沼線の旅。
ちょっと一服して、レアードコーヒーとちょっと高そうなお菓子(イオン購入・ボーナスポイント付き)でも頂いて、疲れを癒そう…。 -
道内屈指の米どころの新十津川。
勿論、この時期はまだ一面の雪原が広がっている。 -
人は何故、鉄道に乗らなくなってしまったのだろう…。
時間がないから?
不便だから??
プライバシーがないから???
これを記しているのはGW真っ盛りの時期であるが、ラジオを拝聴している限りでは道内各所の道の駅は、どこも大盛況のようだ。
限られた時間をスピーディーに自家用車で道の駅巡り。
そんなことに勤しむ道民は沢山いるのだ。
道の駅でグルメ→適当な温泉でさっぱり、の繰り返しみたいなワンパターンの旅が果たして後々記憶に残るような旅になるのだろうかと、私には気の毒に感じられてならない。
車の旅、というのは、運転者と同乗者との不平等感がある。運転者は酒も飲めないし、常に道路を見ていなければならない。疲労度合いも全然違う。その反面、鉄道旅をする同士は、皆、平等なのだ。いや、待てよ?今後自動運転技術などが進めば、車の旅でも平等が実現できる時代がやって来るのか?そうなると、ますます鉄道旅なんて皆しなくなるよな…。
鉄道旅の最大の魅力は、旅人に考える時間を与えてくれることだと自分は思っている。時刻表に逆らっては鉄道旅はできない。即ち、旅の主導権は運転事業主に握られている訳だが、このおかげで、必然的に空白の時間が旅のどこかでは必ず生じる。自由自在に好きなところに行ける自動車旅では、この空白の時間が生じないのだ。
語弊を恐れずに言うならば、この空白の時間に旅人は思考の猶予を与えられる訳であり、それを生じさせない自動車旅ばかりを続けていたら、”考えない”人間になってしまうような気がする…。
思考の猶予が得られる、という意味では、鉄道旅以上に素晴らしいのが船旅だと思うし、飛行機旅も特に長距離路線であれば、同じように空間を縛られて身動きできないという意味で、思考時間を確保できる交通手段といえるだろう。
しかし、通信技術の向上が、こうした各交通手段における貴重な思考猶予の機会を奪っている、というのが現状だろう。ネット社会が普及してからも、少し前までは少なくとも船旅や飛行機旅というのは、ネット環境から隔絶されて、逆に思考猶予の時間が確保できたものだが、今や、機内Wifiやら船内Wifiやらで、常に繋げられてしまう時代となった。
こうして人間は思考しなくなる動物へと退化していくことだろう。それと共に、空白の時間を強いてくる鉄道という交通手段も、より空白時間を小さくする高速化か、車内Wifi環境の改善などに依る締め付け、かの二極へと収斂されていくに違いない…。何れにも該当しないローカル線など、もう消え失せるしかないのだろう…。 -
昨年冬の札沼線に関する地元説明会の当日。
この駅から乗車した朝のことを思い出していた…。下徳富駅 駅
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駅舎としては、新十津川駅と遜色ない、いや、それ以上の立派な駅舎だと思う。
ただ、ここも一日2回(しかも朝の一往復)しか、鉄道がやって来ることはないのだ。
更に言えば、色々な意味で注目度の高い新十津川駅と比較すると、不遇なレベルは圧倒的に勝っているといえよう。でも、不自然に賑わいを見せる昨今の新十津川駅と比較すると、昭和を愛する一旅人の我儘レベルでいえば、何かホッとする駅でもある。
こういう駅は、廃線になってしまえば、駅舎が残される可能性は低いのだろう…。 -
ひねくれた意味で言えば、現在の札沼線は、”斜に構えた”作風の文豪達の作品を読んで過ごすのには、格好の舞台だと個人的には思っている。
私は日本の文豪としては、三島や太宰、芥川のような、自殺というネガティブな道を選んだ作家を好んでいる。もし彼らが、タイムマシンで現在の車社会・ネット社会に舞い戻ってきたのなら、どんなことを感じるのであろうか…。 -
小さな片面ホームだけが佇む、南下徳富駅。かつては小さな木造の待合所が設置されていたように記憶しているが、今はそれも撤去されてしまった…。
ここは廃線になったところで、駅があった頃となかった頃の差は、殆どないことだろう。ホームが撤去される程度のレベルだから、下手な地元民なら、全く気付かずに消えていく運命が予想される…。南下徳富駅 駅
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そろそろ、浦臼町域に入る頃だろうか?
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於札内駅に到着。
於札内は、アイヌ語の「オサッナイ(o-sat-nay)」(川尻・乾く・川)(Wikipediaより)に由来する地名、とのことだが、札沼線の駅、というイメージで眺めると、どうしても、お札無い=お金無い、と言われているような気がしてしまう。於札内駅 駅
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鶴沼駅。
ちょっと前の往路通過後の、この日最初で最後の上り列車が到着。
しかし、足跡は全くなく、この日は乗客ゼロ、ということで終わってしまいそうだ。鶴沼駅 駅
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足跡で全く乱されていない雪のホームを眺めるのは、本当に寂しいことだ…。
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そして、1日1往復区間の最後の踏切を通過して…。
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浦臼駅に到着。
本日は特に用事もないので、さっさと三島さんに目を落として過ごす。浦臼駅 駅
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次いで、札的駅。
ここも同じような状態で通過。札的駅 駅
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晩生内駅。
ここは味のある駅舎が現存している。
ここで初めて、地元のおばあちゃんが下車されていった…。 -
このおばあちゃんは、札沼線のことをどのように思われているのだろうか。きっと、もっと乗客で賑わっていただろう時代のことをご存じだろうし…。
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札比内駅。
基本的に、”読書列車”化しているので、反対側に移動してまでは撮影する意欲はなし。札比内駅 駅
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そして、札沼線上の秘境駅として、認知度NO1の豊ヶ岡駅へ。
豊ヶ岡駅 駅
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雪の消えた板張りホームに春を感じる…。
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これからも、全国の秘境駅マニア垂涎の地として、頑張って欲しい!
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石狩月形駅に到着。
旧国名が付いている割には、他の月形駅が思いつかなかったので、ウィキってみると、どうやら、新潟県にかつて月潟駅という同音の駅が存在したから、らしい。
ここで1閉塞区間は終了となる。石狩月形駅 駅
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知来乙駅付近の雪原の景観。
知来乙駅 駅
-
次いで月ヶ岡駅。
ここまでが月形町域である。
何故か位置情報登録に出てこないと思ったら、月ヶ岡でなく、月ケ岡で登録されている。この微妙な差は?豊ヶ丘は”ヶ”で登録されているのに…。
まっ、どうでもいいか…。月ケ岡駅 駅
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当別町域の中小屋駅へ。
もう少し暖かくなったら、この辺で下車して、ウォーキングを楽しんでみたい。 -
阿蘇岩山がきれいに見えてきた。
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そんな頃に、本中小屋駅に到着。
本中小屋駅 駅
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ここは、札幌圏の気軽な温泉地として有名な中小屋温泉への最寄り駅でもある。
てか、ここの名所案内、今まで気づかなかったが、名所に”林道からの展望”とか、”無線中継所と展望”とか、これを名所として記載しているのが凄過ぎる。 -
この風情も素晴らしい!
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間もなく、ディープな札沼線区間の旅もフィナーレ。
-
石狩振興局内唯一の村である新篠津へのゲートウェイとしてもお馴染み(?)の石狩金沢駅に到着。地名はこの地の道路を開鑿した樺戸集治監看守長の出身地である石川県金沢市に依るとのことだ(Wikipediaより)。
石狩金沢駅 駅
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やっぱりディープな札沼線区間の終焉には、この緩急車改造型の駅舎がよく似合う。
すぐ近くにはふくろふ乃湯、というマニア向けの有名な駅前温泉があるが、あそこは冬季閉鎖なので、またそのうち、入りに行こうと思う。開拓ふくろふ乃湯 温泉
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そして、突如として出現する、北海道医療大学の近代的な建物群。
ここからが、実質的な”学園都市線”となるのである。 -
新十津川から北海道医療大学駅に到着する風情は、個人的には、札幌の藻岩山や函館の函館山を登山道で麓から登って、突如としてチャラい雰囲気の展望台が目前に現れる、あの雰囲気に似ているといつも思ってしまう。
大袈裟にいえば、昭和から平成への時間旅行、といったところか…。北海道医療大学駅 駅
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ここで多くの旅人達が下車していった。
私も下車して、医療大学に通じる途上にあるセコマで一服していこうかとも思ったが、この日は何となく、当別まで全乗りしようという気になっていた。 -
札沼線の電化区間の始まりでもある訳で…。
-
石狩川の支流、当別川を渡ると…。
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間もなく、この汽車の終点、石狩当別駅に到着。
ここは恐らく、長らく絶賛休業中の日高本線上、日高東別駅との区別から、旧国名が付されているのだろう。石狩当別駅 駅
-
石狩当別駅といえば、やはりこの美しいステンドグラスが目に留まる。
-
そして、札沼線らしからぬ、電光掲示版。
やはり、ここは”学園都市線”なのだ…。 -
ある意味、事実上の札沼線と学園都市線との接続駅(そんな区別は正確にはないが…)でもあるので、真の札沼線の大々的な観光案内があるのかと思いきや…。
何故か、ここで宣伝されていたのは”青函の景色”? -
石狩当別駅の名誉のために、一応補足を…。
札沼線の宣伝も、物凄く控えめだけど発見…。
これを見て、じゃ、行ってみようか!と思ってくれる当別町民が増えるといいな…。 -
エンジョイ北海道、のど真ん中には…。
-
旭山動物園の宣伝が…。手書きなのが味わい深い…。
まあ、ここでこれを取り上げたのは、キリンさんの横のサルさんを模したと思われる顔の内部が、カエルさんに見えたから、だが…。
大体にして、緑色に彩色しているのが、サルを描けと上司に言われたカエルマニアの密かな抵抗のドラマがあったのでは?、というのが私の推測だが…。
何のこっちゃ…。 -
それにしても、突如として、こんな”電車”が現れる光景には毎度驚かされる。
こんな近くで昭和の風情が楽しめるのに、それに見向きもしない多くの札幌市民。
本当に勿体ないことだと思う…。 -
という訳で、後はやる気も失せた道都入りの旅路へ。
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学園都市線の電化自体、まだ新しいことなので、この時点で和寒に移住していた身にとっては、まだまだ違和感を覚える風景でもある…。
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手稲山が見えてきた…。
より近い函館本線側より、広々とした道都の拡がりに威風堂々と聳える姿が頼もしい、学園都市線側からの景観の方が個人的にはお気に入りだ。 -
そして札幌駅に到着。
新十津川から僅かな時間で到達できる、この浦島太郎的な体験。
是非、多くの皆様に堪能して頂きたい…。札幌駅 駅
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はて、札幌に着いたところで、この日の目的は何もない…。
さて、どうしようか?
なんて、どこかで耳にしたような言葉が脳裏をよぎる。
これも4トラ病なのか…。さっぽろテレビ塔 名所・史跡
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という訳で、札幌在住時から幾度となく利用しているマクド店舗にて、4トラでもいじっていくことになる。
ここも数度の改装を経て、随分とスタイリッシュに生まれ変わったものだ。
以前は電源を使うのも気が引けたものだが、最近は競争も激化していることもあってか、快く充電させてもらえるのも、”世界中でPCに繋がれた鵜”に繋がれた、不自由な我が身には心地良い…。 -
大通の地下を歩いていると…。
丘珠空港の宣伝を発見。これはシブい。
本当の意味での”札幌空港”はこちらなのだけれど…。
そのうち、昨年新規就航したばかりの静岡線を利用してみたいと思っている…。 -
そして、二日前と同様、JRタワー傍のカエルさん絵画を再度確認して…。
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帰路に就くこととしよう。
ここで乗車するのは、下段の学園都市線ではなく、上段の岩見沢行きである。札幌駅 駅
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微妙にラッシュ時間帯前の出発だったので、車内は比較的空いていた…。
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約40分で岩見沢に到着。
岩見沢駅 駅
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峰延駅。
雪山の高さは流石と思うが、ホーム上の雪はすっかりと捌けていた…。 -
西陽を受けて跨線橋が輝きを見せる光珠内駅。
光珠内駅 駅
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美唄を経て、茶志内駅へ。
時々、光珠内と茶志内との位置関係がどっちがどっちだか分からなくなることがある…。茶志内駅 駅
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本日は綺麗な夕陽が望めそうだ…。
-
当然、夕陽の方角に望めるのは、札沼線沿線の風景でもある。
-
ザ・夕陽。
私の安物デジカメではこんなのしか撮れなくて申し訳ない(技量の問題もあると思うが…。) -
奈井江に到着。
ここの雪山も3月下旬としては例年以上の大きさに感じる。
ここが駅員非配置駅になったのは、昨年だったか、一昨年だったか…。奈井江駅 駅
-
樺戸山系の裾に日が沈んでゆく…。
-
そんな頃、三段の秀麗な姿を見せてくれるのがピンネシリだ。
-
この山の一番高いピーク(右側)までは、車道が通じていて、マラソン大会なども開催されている。私もかつて登ったことがあるが、健脚な方には更に縦走して神居尻方面までの山旅を楽しまれると良いだろう。但し、登山口までの足の確保は大変だろうが…。
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豊沼駅。
ここはホームの雪はすっかりと消えていた。
日当たりの関係だろうか?豊沼駅 駅
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付近の積雪量に関しても、滝川と比較すると少ないように感じる。
この微妙な違いは、降雪時の風向きなどが影響しているのであろうか? -
それにしても、黄昏時のピンネシリは本当に美しいと思う…。
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しばし見入って、ピンネシリが遠ざかっていく姿も見送りつつ…。
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滝川に到着。
滝川駅 駅
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まだまだ見続けるピンネシリ。
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どこまで見えるかな?
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往路では反対側しか撮らなかった江部乙駅を激写。
Lamigoモンキーズ観戦旅の帰路、何もない高速バス停で1時間半近くバスを待ったあの日のことを思い出す…。 -
ここまで来ると、ピンネシリの三段の形状も大分崩れてくる印象だ。
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これで本日の見納めかな…。
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石狩川を渡った頃には、完全にピンネシリの姿が見えなくなった…。
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で、深川に到着。
停車時間が長めにあったので、少し外に出てみた。
留萌本線側のホームには、富良野線を彷彿とさせる、見慣れない新型車両が…。深川駅 駅
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留萌本線といえば、何となく赤帯の54系という固定観念があっただけに、ちょっと新鮮な気持ちになった。
そういえば、旧増毛駅のリニューアルオープンのニュースを最近耳にした。そのうちまた、足を運んでみないとな…。 -
次いで納内へ。
宗谷本線沿線住民的には、2月以降ずっと”かまくら状態”で推移した今冬の塩狩駅駅名標のことを思わず想起してしまった…。
まあ、かまくら、程ではないな、ここは。
まだまだよのぉ~。納内駅 駅
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で、旭川に到着。
これを見る度、カエルさんの駅員も採用して欲しい、と切に願ってしまう…。旭川駅 駅
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まだ時間的に余裕があったので、ここでは駅前のイオンにてPC作業。
勿論、イエローシール食材を肴に…。 -
翌日のこともあるので、この日は終汽車の二本前、快速運行のなよろ号にて早めに帰宅しよう…。
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快速なよろに乗車する際に気になるのは、その車両番号だが…。
因みにこの列車は基本的に2両編成となるので、この時間帯の混雑を避けるのにはお勧めの列車でもある…。快速なよろ 乗り物
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一両はこちら。
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もう一両はこちら。
本日も746に出会うことは出来なかった…。 -
こうして約50分後、和寒駅に到着。本日の北海道東日本パス6日目旅程は終了となった。
尚、この列車は、上りの特急宗谷との列車交換のため、和寒駅で長めの停車時間がある。せっかくなので、駅構内の跨線橋と並行して続く跨線橋に移動して、その様子を眺めていくことにしよう。和寒駅 駅
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宗谷がやって来た。
これを眺めながら、今回の北海道東日本パス最終日は、北に向かおうと決めたのであった。
…という訳で、2018年春の北海道東日本パス6日目旅程に関する本旅行記はこれにて終了となります。最後までご閲覧下さった方、どうも有難うございました。続編として最終日旅程が残っておりますので、もしお時間がございましたら、またお付き合い頂けましたら嬉しく思います。
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