2017/05/07 - 2017/05/10
9位(同エリア80件中)
小心者さん
【未承認国家アブハジアへ】
『ハプニングの連続、でも人々の優しさは格別だった』
ジョージアの情報を調べるうちに知ったアブハジア共和国。
「どんな国なのか、自分の目で見てみたい」と興味を持った。
しかし、外務省の安全情報ではレベル4の『退避勧告』が出ている。
多くの観光客が訪れているようなので差し迫った危険はなさそうだが、パスポートを紛失したりしたら大事になるし、自力で解決できるだけの自信もなく、訪れるかどうかを直前まで迷った。
ズグディディへ向かうマルシュルートカのおじさんに「スフミに行きたい」と伝えておくと、国境行のマルシュルートカ乗り場で降ろしてくれたので、そのまま勢いで国境へ。
ゲストハウスで印刷してもらったパーミットはただでさえ文字がかすれて読みづらかったのに、国境の橋を渡る際に雨に濡らしてしまってヨレヨレの状態になり、折り目から破れてしまった。
いっそ入れなければ諦めもつくんだけど、パーミットはすんなり受理され、「Welcome!」と入国を許された。
この時点では「スフミに1泊だけして翌日ズグディディに戻り、メスティアに行こう」と考えていた。
しかし…
【旅程】
□04/22 出国 仁川空港泊
□04/23 バス泊
□04/24 トラブゾン泊
□04/25 バス泊
□04/26 トビリシ泊
□04/27 トビリシ泊
□04/28 トビリシ泊
□04/29 列車泊
□04/30 エレバン泊
□05/01 エレバン泊
□05/02 エレバン泊
□05/03 アラヴェルディ泊
□05/04 クタイシ泊
□05/05 クタイシ泊
□05/06 クタイシ泊
■05/07 スフミ泊
■05/08 スフミ泊
■05/09 スフミ泊
■05/10 バトゥミ泊
□05/11 バス泊
□05/12 イスタンブール泊
□05/13 機内泊
□05/14 帰国
為替レート:1ユーロ≒122円 1ルーブル≒1.9円
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー ヒッチハイク 徒歩
- 航空会社
- アシアナ航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ズグディディから同じマルシュルートカに乗っていた親切な家族連れが声をかけてくれ、一緒に国境へ向かう。
しかしジョージア側のポリスステーションで私だけ呼び止められ、「許可が下りるまで1時間待て」と言われる(スマホの翻訳、中国語!と英語で)。
結局、雨に濡れながら待つこと15分ほどで通してくれたが、本当に1時間待たされたらズグディディに戻ったかもしれない。
それほど心細かった。 -
国境の橋。
もっとボロボロだったようだが、修復されている。
けれど、天気が悪くてなんとも陰鬱な雰囲気。
1キロほどの距離を黙々と渡る。
細かい霧雨は避けようがなく、体中がぐっしょり濡れ、ついでにカバンのサイドポケットに入れてあったパーミットもぐっしょり濡れ、字が滲みぃの紙破れぇの。
橋を渡った先のチェックポイントでパーミットを提出。あまりにボロボロのパーミットを見て、相手も苦笑。
ここでも10分ほど待たされた。
しかし先ほどのポリスステーションとは違い、「sit down please」と屋根の下で椅子に座らせてくれたのでありがたかった。
次に最後の入国審査。
大きな荷物を持った人々が並んでいて少し時間がかかったが、待ってる間じゅう兵士の若者がめっちゃ話しかけてくる。
「日本のどこから? なぜアブハジアに? トルコやアルメニア、アゼルバイジャンは行った? スフミだけしか訪れないの? 美しいケイブとかもあるから是非行ってみて…」
とてもフレンドリーな彼のお陰で、少し緊張がほぐれた。
パーミットはボロボロだったからかここで回収されてしまった。
残るは更に字の薄い斜め向いたコピー1枚のみ。大丈夫かいな。
【パーミットの取得方法】
※退避勧告が出ているので行かない方がいいのかもしれないが…一応
アブハジア共和国の外務省HP(http://mfaapsny.org/en/council/visa.php)でアプリケーションをダウンロード。
必要事項を記入後、アプリケーション記載のアドレスに送信する。
パスポートのコピーも添付すること。
『七営業日以内に発行』となっているが、けっこう時間がかかるので早めに申請した方が良いと思う。
私の場合は、記入し忘れていた箇所があったため更に時間がかかってしまった。
(記入ミスについては速やかにメールで知らせてくれる) -
入国後、マルシュルートカで『ガリ』へ(50ルーブル)。
出発まで1時間近く待った。その間めっちゃ絡んできたおじさんに日本人だと伝えると「ぅおおお!!」とものすごく驚かれてこっちが驚いた。
次に、首都『スフミ』行のマルシュルートカに乗り込む(200ルーブル)。
今度は10分ほどで発車したのでホッとし、爆睡。
突然乾いた音と女性の短い悲鳴が聞こえて目を覚ますと、フロントガラスがひび割れ、一面真っ白になっていた。
(この写真は、隣で撮影していた男の子に頼んでこっそり撮ってもらったもの)
運転手さんが目の前のガラスを少し割り、そのまま走る(怖いし、ものすごく寒い)。
段差を通る度にガラスがジャラジャラと崩れていき、最後には大きな音と共に全部崩れ落ちた(泣)。
ガラスの破片を踏みしめながら全員車外へ。
運転手さんがどこかに電話をかけ、三差路の脇で30分ほど待つ。
どこからか現れた別のマルシュルートカに乗り込み、どうにかスフミへ到着。
道中は思った以上に廃墟だらけだった。
ズグディディを出た時はまだ昼前だったのに、スフミに着いたら既に薄暗くなっていた。
途方に暮れるほど英語は通じないし、宿も予約してないというのに…
なんてこった! -
スフミ駅で降り(街中の市場にも停まったのに降り損ねた)、宿を探すため街の中心へと向かう。
ガリから同じマルシュルートカだった親切なおじさん(泥酔)が助けてくれた。
なぜかコーヒーを買ってくれ、一緒に町に向かって歩きながら、すれ違う人に何度も尋ねてくれる。
最初はあまりの泥酔ぶりに若干ひいていたが、だんだんとその温かで優しげな笑顔に癒やされてくる。「スパシーバ」と言うと「いいのいいの」とニコニコ。
しばらくすると、英語が話せる女性が向こうから声をかけてくれた。
私が日本人だと分かるとものすごく喜んでくれ、「私が必ず見つけてあげるから!」と、電話で心当たりを何軒も当たってくれた。
10軒以上訊いてくれたと思う。
1泊1000ルーブルのアパートメントが見つかった。
もう心細さのあまり倒れそうだったのでそこに即決。
本当にありがたかった。
彼女は「日本は私の夢。いつか桜を見に行きたい」と語り、「困ったらいつでも言って」と電話番号をくれた。
さんざん付き合ってくれた優しいおじさん(泥酔)にも心からお礼を言い、握手してお別れ。
このおじさんのことを思い出すと、今でも涙が出そうになる。
アルコール控えて長生きしてね。
おじさん(泥酔)と彼女に出会えなかったら、本当に路頭に迷っていたかもしれない。
オーナーが駅まで車で迎えに来てくれ、アパートメントへ。
ベッドが2台ある部屋が二つ、シャワー・トイレ・台所付きの1軒を一人で借り切る形。最新式のエアコンが嬉しかった。但しWiFiは無い。
オマケに携帯電話が圏外になり、ジョージアに戻るまで回復しなかった。
ただでさえ心細いのに情報の仕入れようもなく、連絡の取りようもない。
オーナーが「夜は一人で出歩かないように」と言い、車でスーパーマーケットに連れて行ってくれた。
治安があまり良くないらしく、スリや強盗が頻発しているそうだ。
もう正直泣きそうです。 -
翌朝。
まず私がしたことは、隣の食堂の前で茶を飲んでいるおじさん達に「ここはどこですか?」と尋ねることだった。
が、言葉の通じない相手に対してこの質問はまったく意味をなさず、互いに困惑するばかり。
そこで部屋からタブレットを取ってきて、オフラインで保存してあった『国会議事堂』の写真を見せ、「これはどこに?」と伝えることに成功した。
これによって私は全容を把握し、早速領事館へ…
なんて簡単にことが運ぶはずがなく、そこからさんざん紆余曲折しながら、どうにかたどり着く。
しかも実際は間違っていた(なんかわからん政府機関に凸っていた) -
が、月曜日なのに領事館(実際はなんかわからん政府機関)休み。
なななななんでっ?
親切な若者がスマホの翻訳で
「ここは領事館ではなくて〇〇(最後まで不明のまま)。今日はホリデーだから領事館も銀行も休み。ていうか明日もホリデーだから水曜日まで開かない」と教えてくれた。
ままままマジかっ!? まさかの三連休!
混乱をきたしていると、丁度通りがかった男性三人が領事館まで連れて行ってくれ、インターホン越しに掛け合ってくれたが、やっぱり水曜日まで開かないとのこと。ガーン。
(結論から言うと、実はそこも領事館ではなかった。汗)
ビザを取らないとアブハジアから出られないよね?
ということは、水曜日まで強制的にアブハジアに滞在?
楽しみにしていたメスティアはもう行けないってこと?
銀行も開いてないってことは、どこで両替すればいいの?
…想定外の事態に気絶。 -
とにもかくにもルーブルを入手しないといけないが、両替所など見つからず、人に尋ねても「両替は銀行で。でも今日は休みだから」との返事。
ジョージアで入手したルーブルは残り100(約200円)しかない。(超アナログ老人)
昨夜オーナーに連れて行ってもらったスーパーマーケットの女性が英語を話せ、「困ったら助けてあげるから」と言ってくれていたので相談に行く。
彼女はいなかった(…)が、業者の男性が「アムラバンクなら開いてるかも」と近くまで連れて行ってくれた。
祈るような気持ちで訪れると、営業中!!
心の底から安堵の溜息。 -
『水曜日まで出られない』事態にまだまだすこぶる混乱中だが、お金を入手できたことで驚くほど心が軽くなり、やっと街歩きを楽しむ余裕が出てきた。
-
黒海沿岸。
昨夜は土砂降りの雨だったがすっかり晴れ渡り、廃墟には雨や曇り空が似合うとは言え、青空にホッとする。 -
ややこしい事情は忘れて、しばし海を眺めてボーっとする。
あぁ…お金ってこれほど人を安心させるものなんだなぁ。 -
それにしても。
もしも私がタイトなスケジュールでアブハジアに入国していたらアウトやないかーい!
恐ろしすぎるぞ!
アブハジアの祝日なんてどうやったら調べられるんだよ
ってことは、水曜日まで『ビザなし滞在』ですね。
…めちゃくちゃ不安。
この後、ポリスを見るとつい目を伏せてしまうように。
別に悪いことはしてないんだけど、極力怪しい動きはしないよう心掛けた。 -
海辺はリゾートの雰囲気で観光客も多い。
但し、英語はやっぱり絶望的に通じない。 -
プロムナードには像も点在。
-
この建物、奥の半分は廃墟のようだが、こちら側はおしゃれなカフェ。
-
水上レストランの廃墟
-
普通に入れる。
-
内部はけっこう惨憺たる様子
-
-
が、こちらは意外と片付いている。
この差はなんだ? -
-
上は元々のイラストで下は落書きかな。
いや、上も落書きなのか? -
なにこれこわい(半泣き)
-
階段を上って屋上へ。
-
帰国後知ったが、地図上では『レストランAMRA』となっていた。
-
すぐ横にある桟橋。
-
こちらは入れない。木製で危険だから?
-
廃墟はイヤというほど目に入る。
-
どこかのブログで見た『サナトリウムの廃墟』を求めて東の端まで歩いたが発見できなかった。
もう無くなってしまったのだろうか。 -
『謎の像』を撮影していたら、女性から突然「アリガトウ」と声をかけられた。
「私の子供がエグザイルのファンなの。いつも見てるから私も覚えちゃった」
そして、ニコニコしながら「私も日本が大好きよ」と言ってくれた。
強いて言えば「コンニチハ」が正解だが、それでもその笑顔がどれほど私を救ってくれたことか。 -
スフミの街は、まだまだ廃墟も目立つものの、着々と復興が進んでいるようだ。
-
『フリーダム・パーク』
兵士の墓石が並ぶ。 -
そこから眺める国会議事堂
-
戦争で破壊されたこの建物はそのままの姿で残されている。
-
そして中にも自由に入ることができる。
-
奥の方はめちゃくちゃになっている。
-
今崩れるのはできればやめてくださいね。
-
二階への美しい階段。
-
壁に残る砲弾跡。
そこらじゅうの壁一面に大小無数にあり、銃撃の激しさが伺える。 -
-
二階ホール
一階にも二階にも人っ子一人いない。
ビビッている割にはガンガン進む(おそらくアドレナリン?ドーパミン?または頭の回路の異常)。 -
両側に進むといくつかの部屋が並んでいる。
ここはトイレ。 -
-
二階より上は閉鎖されていた。
以前は上れたようだが、とても残念。 -
両側に二基ずつあるエレベーターも使えない。
動いてたら、泣きながら走って逃げるけど。 -
両側の建物も見学する。
まずは向かって右側から。 -
-
-
屋根が抜け落ちて植物が繁茂している。
-
そこから眺める国会議事堂
-
優美な雰囲気の内装。
-
元々はきっと美しい建物だったのだろう。
-
次に、一部分は再利用されている様子の左側の建物へと向かう。
-
ここで地元の若者グループに遭遇。
「キタイ(中国人)?」と訊かれたので日本人だと答えると、一番クールそうだった女の子が躍り上がって、握手を求めてきた。
その後、外へ走り出て仲間に「日本人だ!」と騒ぎ立てていた。
アブハジアでは「日本人です」と言うと大喜びしてくれる人が多く、その喜びようは子供みたいに手放しで、面喰いながらも嬉しく思った。 -
さきほどの女の子はまだ外で騒いでいる(仲間たちは若干持て余している様子)が、奥へと進む。
壁や天井が黒いのは火災のせいだろうか? -
-
ほぼ左右対称。
-
こちらも屋根がなく、まるで植物園のよう。
-
不謹慎なようだが、その美しさに見とれる。
-
一旦宿に戻り、清算にやってきたオーナーに『(やむを得ず)1泊の予定を3泊に変更したい』と伝える。
WiFiが無いのはきびしく、あとの2泊はゲストハウスでも探そうかと思ったのだが、キッチンも何もかも一人で好きなように使えるのは思いのほか快適で、ここに滞在することに決めた。
3泊で300ルーブルまけてくれ、計2700ルーブルを支払う。
オーナーのおじさんは通じようが通じまいがロシア語一択でめっちゃ喋ってくるのだが、そのうちに「ダー、ダー(YES)」がうつり、お互いにダーダー言い合うのがツボる。
「ドアがノックされても開けてはダメ。強盗に殺されるかもしれないから。ここらの家の窓には鉄格子がはまっているだろう?」
と、首を掻っ切るジェスチャーで重ねて言う。
…もうこれ以上私をビビらせないで欲しい(号泣) -
三泊する宿も覚悟も(ある程度)決まり、メスティアへの未練も断ち切ったので、夕方から食事がてら海岸沿いへと出かける。
-
オーナーにも、隣の飲食店の人たちにも「夜は出歩くな」と忠告されたので、暗くなる前に帰ろう。(かなりビビりまくっている)
-
ビビりながらも、廃墟の中はちょっと覗いてみる。
…ゴミ投げ込まれすぎ。 -
海沿いのプロムナードでは黄色と黒の風船を持った学生さんたちが集まって、何やらイベントが行われていた。
頑張れ阪神タイガース(関西人デフォ) -
この寒いのに、浜辺には水着の人がいる。
我慢大会ですか? -
海辺の廃墟。
-
海岸沿いをぶらぶら北上し、市場の近くまでやってきた。
ソビエトっぽい巨大な建物を発見。 -
どこで撮ったのか忘れた。
-
目についたレストランに立ち寄る。
-
まだ時間が早いせいもあり、それほどお腹が減ってないので、スープとパンのセットを注文。
スパイスの効いた具だくさんのスープに香ばしい胡麻パン。130ルーブル。
美味しかった! -
街角の気になるポスター。
地図も持ってないので、いまだ自力では宿に帰れない。
住所を書いた紙を握りしめ、人に尋ねつつどうにかたどり着くという状態。
よくこの紙を失くさなかったことだ。 -
宿に戻ると、お願いしておいたトイレットペーパーと共にバナナを差し入れてくれてあった。わーい♪
他、近所のベーカリーで買ってきたクリームチーズパンとシュークリーム(各25ルーブル)。
スーパーで買ってきた1Lフルーツジュース(52ルーブル)。 -
思わず買ってしまったカップ麺。26ルーブル。
この形から『汁なし』だと思ったが、普通のラーメンだった。
アルメニアとジョージアに比べるとやはり物価は少し高め。
だから国境にはすごい荷物を携えた人が多かったんだな。 -
翌日。
ノヴィアフォンから戻り、駅から市場まで歩いてみたらめっちゃ遠かった!
途中にあったサッカースタジアム。 -
時々椅子が抜けているが、きっと現役だろう
-
ちょっと素敵な落書き!
宿で休んだ後、領事館までの行き方を確かめがてら、夕食に出かける。
で、なんと!
一昨日訪れたのは領事館ではなかったことが判明。
言われてみれば、あそこは情報とは違って国会議事堂の南東だった!
そういうツメがいつも甘い。
で、「まさかビザ申請所はホリデーじゃなかったんでは!?」と、にわかに不安に。
だとしてももう三日目だし!
と、焦って(ついに本物の領事館に)凸ってみたが、もちろんドアは開かず。
門の前にいたすきっ歯のおっちゃんに尋ねると意外にも英語堪能。
「日月火と三日間ホリデー。明日9時オープン」と教えてくれた。
とは言え、やっぱり不安。
無事に出国出来ますように。 -
近くのファストフード店に行くつもりだったんだが、海沿いまで歩く。
おそらく戦争で亡くなった方々だと思われる。
同様のものを他にもちょくちょく見かけた。 -
海岸沿いのペンギン像。
テーブルには
『life is not the property which we have to defend,but the gift, which we have to share with other people.』
と書かれている。 -
昨日オーナーのおじさんに教えてもらったベーカリーへ。
店名は珍しいことに英語で『FAMILY HOUSE』。 -
優しそうな女性に「ハチャプリが食べたい」と言うと、「丸くて大きいヤツ?それとも?」と訊かれたので、イラストを描いてみる。
下手くそな絵を見た女性は「OKよ。座って待っててね」とニッコリ。
30分くらい待ったと思うが、思った通りのハチャプリが熱々の焼き立てで出てきた。
100ルーブル。
いい香りがしてとても美味しい! でも、ものすごい量! -
超デカいハチャプリと格闘していて、すっかり日が暮れてしまったので焦っている。
-
宿に出入りする時にいつも挨拶していた隣の食堂のおじさん達に拉致られる。
彼らも、私が日本人だと聞いて大喜びしてくれた人たちだ。
ウォッカ(アルコール度数40度)を飲め飲めと言われるが、一杯すら無理だった。しかも、さっきのハチャプリで超満腹。
それでも歓迎してくれているのはじゅうぶん伝わり、とても楽しいひと時だった。 -
記念写真。
左の背の高い男性は、通訳()のために急遽来てくださった北朝鮮の方。
ご自身のレア度を自覚されていて「パスポート見る?見る?」とパスポートを見せてくださった。(万が一の場合を考慮して、強めの加工を施しました)
いろんな偶然が積み重なって出会えた人々。
今なら手を伸ばせば触れ合えるのに、お別れしたらもう二度と会えないであろう人々。
この瞬間を奇跡と言わずしてなんと言おう。 -
翌朝。
出国日になってやっとビザ取得。
三連休の後で混んでいて、1時間くらいかかった。
ビザ代金350ルーブル(+銀行振込手数料20ルーブル)
ビザを取ったその足で出国するのは何となく損した気分。
バスで駅へ向かうと目の前で国境行のマルシュルートカが出てしまい、1時間以上待つ羽目に。昨日確認した時刻表は一体なんだったんだろう。
更に、ガリから乗った乗り合いタクシーが整備不良で警察に停められ、30分ほどのロス。
まったく。最後まで気が抜けないアブハジアだった。 -
雨は上がって陽が射し、暑い中黙々と橋を渡る。
馬糞のない歩道を歩くのだが、前からお爺さんがやって来たので道を譲るために歩道から降りた。
で、前を見るとお爺さんも降りていて、お互いに笑う。
お爺さんが「very good!」と手を差し出し、握手。
私はこういうのに滅法弱い。 -
かつてはきっと色鮮やかなモザイクだったんだろうな。
-
国境には黒い服に身を包んだ人が多い。
女性は黒いベールを被っていたり、黒い布を鉢巻のように巻いていたり。 -
来た時とは違い、国境は空いていてスイスイ。
アブハジア側では審査官に「good luck」と見送られ、ジョージア側ではまた若い兵士が
「ロシア語話せる?アブハジアではどこに行った?日本のどこから?仕事は?僕はカワサキのバイクに乗ってるんだ。あなたの車のメーカーは?ダットサン?」
と、めっちゃ話しかけてきてくれた。
日本を好きでいてくれてありがとう!
ジョージア側のポリスステーションに寄って国境超え完了。 -
さようなら、アブハジア。
いろんな『想定外』があったけど、忘れられない多くの思い出ができた。
それにしても、ガイドブックもなければインターネットもない、地図すらない状態でよく何とかなったものだ。
今回ばっかりは人々の優しさがなかったら本気で途方に暮れていただろう。
自分がいる場所すら解らない状態で寝るってのもなかなかの体験だった。
もしも機会があれば…大変だろうがまた行ってみたいと思う。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- フィーコさん 2023/12/02 23:25:47
- ハチャプリー!
- 小心者さん こんばんは♪
アブハジアなんて、行ってたと味噌汁先生が言ってたやん?
アブハジアとはなんぞや?
知らんがな。
未承認国家っていうのはなんとなく知ってたけど、ロシア語やしルーブル(ロシアの?)が現地通貨なんやね。
えらいとこ行ってんな。
ハチャプリ食べたいー!
とりあえずジョージアかなぁ
フィーコ
- 小心者さん からの返信 2023/12/03 00:17:01
- ジョージア料理うますぎ
フィーコさん、こんばんは!
めっちゃハチャプリが気になっておられるご様子…
やっぱりあの玉子とバターの載ったヤツっすか?
他にもいろんなタイプのヤツがあります。
ジョージアの宿でご馳走になったホームメイドのハチャプリも、街のベーカリーで買ったハチャプリも美味しかった!
アブハジアはすごく心に残ったけど、パーミットが必要やし、今も「渡航中止勧告」が出ているようなので、是非ジョージアに行かれてください。
親日的やし、ジョージア料理めちゃくちゃ美味しいです。
小心者
-
- seghersさん 2023/03/24 10:47:24
- 再び見ても、ただただ凄いです。
- 泣き泣き、だけど歩き続ける小心者様の姿に脱帽です。
いよいよ、5月初旬に旅に立ちます。
歳と体力を考えるともう長距離は最後になるかも、と思い、
半年間の予定を立てて行きます。
航空券も宿も、どこでも2倍以上になって毎日の検索の度に驚くばかりです。
seghers
- 小心者さん からの返信 2023/03/24 15:49:47
- 旅のご無事をお祈りします!
seghers様
このような冗長な旅行記をご覧いただき、ありがとうございます。
もはや人様に読んでいただく体を成しておらず、自分で読み返す楽しみのためだけの『個人的な日記』と成り果てています。
どうしておられるのかと気になっておりました。
ついに旅立たれるとのこと!しかも半年間!
いつかぜひseghers様の旅のお話をお聴きしたいです。
どうかお気をつけて、目一杯楽しまれますように!
勇気をありがとうございます。
私もまたいつか旅に出ることを夢みて生きていきます。
小心者
-
- seghersさん 2022/01/11 11:21:17
- 今はもう幻の町々、いつまた見ることができるでしょう。
- 今日は冷たい雨まで降ってくれて、
熱いお茶でも伴にしながら、
小心者さんの旅のお話を
飽きるまで聞きたいですね。
歩いて、国境を超える気持ち、
複雑だが決して嫌いではない格別なものであることを、
小心者さんはきっとお分かりでしょう。
- 小心者さん からの返信 2022/01/11 13:17:29
- まさに幻の町々
seghersさん、こんにちは。
嬉しいコメントをありがとうございます。
こちらも昨日とは打って変わって、冷たい雨が降っています。
海外が恋しく、過去の旅行記を読み返したり、『タグ』なるものを付けてみたりして無聊を慰めています。
しかし、もはや私が国境を超えることは二度とないのではないか、と悲しみが増すばかりです。
仰るとおり「歩いて国境を超える」ことは格別で、審査官も機械ではなく「血の通った人」であることを思い出しますよね。
いつかまたあの高揚感を味わうことができることを切に願います。
seghersさんも、来る日(切望)に備えてどうかご自愛くださいね。
小心者
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