年末年始モロッコ～スペイン縦断の旅 1（成田～マラケシュ）

2013/12/23 - 2013/12/24

以前からモロッコに行きたいと思っていました。
具体的に計画を練り始めた時に、せっかく遠いモロッコまで行くのだからついでにジブラルタル海峡を渡ってスペインにも行きたいと思いました。そしてスペインまで行くならジブラルタルにも、アンドラにも行ってみたい。
しかし計画を練るにつれ、そのコースで旅するにはかなりの日数が必要だということが分かってきました。こんな日数の休暇が取れる機会なんてあるのか？と思ったら、'13～'14の年末年始休暇は例年よりも長いんですね。旅費の高い年末年始に海外旅行をするなどという発想は私にはなかったんですが出国を早く、帰国を遅くすれば航空券は安いようだ。（カタール航空 カサブランカINバルセロナOUT、108,760円）
この機を逃す手はないと決断し、前後に有給休暇を多めにくっつけて17日間の旅程を組み上げました。

出発前に考えたやりたいことリスト
・マラケシュ発の2泊3日サハラツアーに参加、途中離脱してフェズへ
・タンジェかセウタからスペインに出国
・英領ジブラルタルに行き、入国印をゲット
・グラナダ～バルセロナ間は寝台列車で移動
・日帰りアンドラ旅行
・カタールに入国して一泊

ホテルはほぼ全て予約しましたが交通機関はアンドラ往復のバスしか予約できず、他は現地で手配することに。サハラツアーも催行に不安があったので現地手配。
初めてのアフリカ大陸、トラブルが多いらしいモロッコ→スペイン国境越え、自分史上最長の旅、確定していない移動手段。不安100%で出発しました。果たしてやりたいことリストは完遂出来たのか？結果的に旅程は以下のようになりました。

12/23(月) 成田→ドーハへ
12/24(火) ドーハ→カサブランカ→マラケシュ
12/25(水) マラケシュ
12/26(木) 2泊3日サハラツアー
12/27(金) 2泊3日サハラツアー
12/28(土) 2泊3日サハラツアー→フェズ
12/29(日) フェズ
12/30(月) フェズ→シャウエン
12/31(火) シャウエン→セウタ→アルヘシラス
01/01(水) アルヘシラス→ジブラルタル→アルヘシラス→ロンダ
01/02(木) ロンダ→グラナダ
01/03(金) グラナダ→バルセロナ
01/04(土) バルセロナ→アンドラ→バルセロナ
01/05(日) バルセロナ
01/06(月) バルセロナ→ドーハ
01/07(火) ドーハ→成田へ
01/08(水) 成田着

エリア マラケシュ(モロッコ)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 鉄道 タクシー 徒歩 飛行機
• 航空会社: カタール航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

12月23日の夜に出発。前回の中欧旅行と同じカタール航空です。

この日はフィギュアスケートのソチオリンピック代表が決定する日でした。私が空港にいたのはちょうど女子フリーの競技中の時間帯だったので、動く歩道でゲートに移動しながらも視線はテレビに釘付け。この時初めて（改めて？）気が付きましたが、成田空港のテレビってそれぞれ自由にチャンネルが変えられるんですね。
代表選手の発表を見てから搭乗。旅行中ネットが使えない私は、これから帰国まで世間のニュースから隔絶されることになります。帰国はだいぶ先なので、この結果に対する世間の反応等を知る機会は今後ないでしょう。

ドーハまでのフライトで2回機内食が出ます。両方とも和食的なメニューを選択。どちらもメインがかなりしょっぱかった。

機内エンターテイメントで邦画「奇跡のリンゴ」を観賞。良い話だけど鬱々とした場面が大半なのが辛い。機内の騒音＋音質の悪さに加えて全編津軽弁なために聞き取れない部分が多く、英語の字幕のお陰で台詞が分かるような部分も。

ドーハで5時間程のトランジットの後にカサブランカ行きの便に搭乗。

往復のフライトの中でこの機内食が一番美味しかったです。羊肉のシチューかな？付け合わせのフライドポテトは表面カリッと中はホクホク。左上の物体はバナナケーキのカスタードクリーム添え。

到着前に軽食、チキンティッカピザとチョコレートケーキ。ベジタリアン用のメニューもありました。

2度の長いフライトの末にカサブランカに到着。既に十分くたびれているが、これからさらに列車でマラケシュに移動しなければならないのだった。

入国後、空港の外に出てちょっと外の写真を撮りました。出たドアから入ろうとしたらそこは出口専用で再入場は出来ず、遠回りして入口専用のドアから入場。一応というような感じで荷物を金属探知機にかけられます。

両替した後、空港内にある鉄道駅へ。窓口のガラスにクレジットカード会社のステッカーが貼ってありますが、なぜか現金でしか購入できませんでした。

マラケシュまでの２等車のチケットを購入。130DH（約1,700円）。
カサ・ヴォヤジャー駅乗り換えで、カサ・ヴォヤジャー駅までが40DH、そこからマラケシュまでが90DHらしい。

空港内鉄道駅の周辺にはカフェがあり、そこでミネラルウォーターを購入。12DH（約160円）、高い。

その辺り（屋内）にいた人懐っこい猫。子猫から青年になりかけという感じの年頃。膝に乗ってきたがり、抱き上げてキャリーバッグに乗せてみたらそこで落ち着いていました。

1時間に1本の列車が入線してきました。

車窓からの景色も楽しみでしたが、擦りガラスかというくらい中が霞んでいる…。汚れではなく細かい傷のように見えました。

4人掛のボックス席。席の指定はなくほぼ満席でした。

車体の古さからするとかなり意外なことに走行は静か。

40分程でカサ・ヴォヤジャー駅に到着。ここで乗り換えです。

ちょっとうろうろしてマラケシュ行きの列車を探してみましたが、車体に行き先の表示はなさそうなので諦めて駅構内の電光掲示板で確認しました。

駅の時計は表示時間がどれも滅茶苦茶です。時刻が合っている時計はモロッコでは殆ど見かけなかったな。アザーンとかの時間はどうやって決めてるんだろう。太陽の位置？

マラケシュ行きの列車は結構遅れて到着。ここが始発じゃなかったらしく殆ど席が埋まっています。
既に長いこと乗車しているらしい、くたびれきって眠そうな様子のモロッコ人男性ばかりのコンパートメントに空きを見つけて座りました。

通路側の窓から真っ赤な夕焼けが見えました。

あの真四角な家と屋根の上のアンテナがモロッコらしいような気がする。

全員黙りこくって静かな車内、列車の継ぎ目の穏やかな揺れ、ロングフライトでの疲れ。物凄く眠気を誘う…。
寝たらダメだと思いつつも、結局眠気に勝てずウトウト。

2等車のコンパートメントはこんな感じ。1室8人。

夜9時過ぎにマラケシュに到着しました。カサ・ヴォヤジャー駅からここまで4時間以上。

新しくて綺麗なマラケシュ駅の構内。

何が50周年なんだろう。

駅を出るとすぐにタクシーの運転手に声をかけられました。ジャマ・エル・フナ広場まで50DHだと。夜間割増があるのは知ってるけどいくらなんでも高いと値切って40DH（約520円）で乗車。

予約している宿はフナ広場のすぐ近くですが、発車してからこの時間帯はフナ広場まで入れないから広場に繋がる通りで降ろすことになると言われました。何ぃ?。市バスの停留所の辺りで降ろされるようなので、それならバスで行っても良かったかも。タクシーは楽ですが。

アグノウ門通りの入口で降ろされました。ここをまっすぐ進むとジャマ・エル・フナ広場のようです。
タクシーを降りたところに道案内を申し出る男がおり、断ったものの先導する気なのか勝手に前を歩いている。ついていく気はないので通り沿いの店を見ながらダラダラ歩いて置いていかれるように仕向けたものの、たまに後ろを振り返っている様子。

フナ広場に向かってダラダラ歩いていたら、不意に横から声を掛けられる。そちらを向くと例の自称道案内の男で、宿がある路地を教えてくれたようです。
案内料を払う気はここまで一切ありませんでしたが、この路地は自力では見つけられなかっただろうから払ってもいいかもな…まあフナ広場まで出れば目印があるので辿りつけただろうけど。

角をいくつか曲がり、ジャマ・エル・フナ・ホテル・セシルに到着。歩き方の地図の通りでした。
奥のアーチをくぐった先がジャマ・エル・フナ広場です。

道案内の男に10DH（約130円）を渡したらやや控えめに20DH欲しいと言ってきましたが、案内って言っても単に前を歩いてただけじゃんと指摘するとあっさり納得、機嫌良く挨拶して去っていきました。

ジャマ・エル・フナ・ホテル・セシル、Agodaで予約してシャワー・トイレ・朝食付き2泊で6,026円。
立地は凄く良いですが部屋はかなり老朽化している。Wi-Fiのパスワードからすると1929年から営業しているのか？

部屋にはエアコンも扇風機もなし。窓はあるけど網戸はない。夏は地獄じゃないか？冬もなかなか地獄な寒さですが。毛布がたっぷりあるのが救いです。

部屋にタオルがないぞ…。もしかして有料なのかと落ち込みましたが、フロントに聞きに行くと無料で2枚快く貸してくれました。なんで部屋に置いておいてくれなかったんだろう。

シャワーはなんとお湯が出ない。冷水～ぬるま水（ぬるま湯ですらない）くらいで、諦めて浴びました。モロッコってこんなもんなのかなと思いましたが、この旅でホットシャワーが出なかったのはここだけでした。もっと安い宿でもお湯は出ました。

フナ広場はすぐそこですが、もう疲れたので夕食は諦めて寝ます。家を出てからここまで、なんと36時間。