馬牛沼を発って間もなく”甲冑堂　源義経の家臣　継信　忠信の妻　楓　初音の像”と書かれた案内柱が見え、入り口の鳥居には”田村神社”と掲げられている。<br /><br />”田村神社”は馬牛沼の山賊を退治した坂上田村麻呂の徳を讃えて、村人が建立したのが始まりと云われる。<br /><br />その境内の一角に甲冑堂と呼ばれる、法隆寺の夢殿と見紛う美しい姿の六角のお堂が建っている。<br /><br />住職の奥さんが開けてくれた甲冑堂の扉の中には、鎧姿の姉で継信の妻楓の腰かけ像と妹の忠信の妻初音の立像が安置してあり、入り口の案内板の略記には、”子に変わり親に尽くした孝心を今の世に伝える”と有った。<br /><br />芭蕉もここに立ち寄り、医王寺の項で記した、”笈も太刀も　五月に飾れ紙のぼり”を生んだとされ、一文を医王寺の章に記す。<br /><br />そのくだりを刻んだを石碑が建っていた。<br /><br />又同じく二人の事故を詠んだ、俳人桃隣と山崎北華の句碑もある。<br /><br />　　いくさめく　二人の嫁や花あやめ　　桃隣<br />　　卯の花や　　おどしげゆゆし女武者　北華<br /><br />現在像は昭和の初めに再建されたようで、まだ色も鮮やかで美しい。<br /><br />田村神社本堂の右横を辿ると、かなり急な石段があり、途中から獣道の様なあるか無いかの道があり、その先の崖っぷちに、溶岩だったと思われる、表面が小粒の石で覆われた大きな岩石があり、”鎧摺（あぶらずり）”と呼ばれる。<br /><br />この道は昔の越河と斎川を結ぶ細い道で、馬が鎧を岩に擦りながら一頭しか通れない険しい道だったらしい。<br /><br />田村神社に戻り、境内の奥にある、資料館を覗く。<br /><br />昔この付近の小川に生息していた孫太郎虫と呼ばれる蛾の幼虫が、子供の夜泣き留めに効があったとかで、それを薬とし全国に販売した経緯の資料館。<br /><br />田村神社横の広場はがけ崩れがあったらしく、崖っぷちに工事用の防雨布が覆ってあった。

奥の細道を訪ねて第8回03佐藤兄弟の二人の妻の鎧姿を収めた甲冑堂のある田村神社 in 白石市

2いいね！

2012/05/24 - 2012/05/24

176位(同エリア206件中)

#歴史・芸術

旅行記グループ奥の細道を訪ねて第8回奥州白石より歌枕の多い多賀城まで　（目次）

WT信さん

フォローする

WT信さんTOP
旅行記2005冊
クチコミ0件
Q＆A回答10件
1,344,938アクセス
フォロワー16人

馬牛沼を発って間もなく”甲冑堂　源義経の家臣　継信　忠信の妻　楓　初音の像”と書かれた案内柱が見え、入り口の鳥居には”田村神社”と掲げられている。

”田村神社”は馬牛沼の山賊を退治した坂上田村麻呂の徳を讃えて、村人が建立したのが始まりと云われる。

その境内の一角に甲冑堂と呼ばれる、法隆寺の夢殿と見紛う美しい姿の六角のお堂が建っている。

住職の奥さんが開けてくれた甲冑堂の扉の中には、鎧姿の姉で継信の妻楓の腰かけ像と妹の忠信の妻初音の立像が安置してあり、入り口の案内板の略記には、”子に変わり親に尽くした孝心を今の世に伝える”と有った。

芭蕉もここに立ち寄り、医王寺の項で記した、”笈も太刀も　五月に飾れ紙のぼり”を生んだとされ、一文を医王寺の章に記す。

そのくだりを刻んだを石碑が建っていた。

又同じく二人の事故を詠んだ、俳人桃隣と山崎北華の句碑もある。

　　いくさめく　二人の嫁や花あやめ　　桃隣
　　卯の花や　　おどしげゆゆし女武者　北華

現在像は昭和の初めに再建されたようで、まだ色も鮮やかで美しい。

田村神社本堂の右横を辿ると、かなり急な石段があり、途中から獣道の様なあるか無いかの道があり、その先の崖っぷちに、溶岩だったと思われる、表面が小粒の石で覆われた大きな岩石があり、”鎧摺（あぶらずり）”と呼ばれる。

この道は昔の越河と斎川を結ぶ細い道で、馬が鎧を岩に擦りながら一頭しか通れない険しい道だったらしい。

田村神社に戻り、境内の奥にある、資料館を覗く。

昔この付近の小川に生息していた孫太郎虫と呼ばれる蛾の幼虫が、子供の夜泣き留めに効があったとかで、それを薬とし全国に販売した経緯の資料館。

田村神社横の広場はがけ崩れがあったらしく、崖っぷちに工事用の防雨布が覆ってあった。