鎌倉極楽寺花まつり－2012年

2012/04/08 - 2012/04/08

　鎌倉市極楽寺3にある極楽寺では毎年4月8日の「花まつり」（釈迦の誕生日）は開山忍性塔（重要文化財）の一般参拝日となっている。特別公開はこの日の1日限りであり、これまでに、2度ほど足を運んだが、午後4時までの公開だと思い込んで、宝物殿の仏像や前後の3ヶ日間だけ秘仏開扉される本尊の清凉寺式釈迦如来立像（国指定重要文化財）に見入ったり、「一重八重咲き分け桜」を話題にしてやお寺の写真撮影係の人と話が弾んだりしていると午後3時になって閉まってしまった。そんな訳でまだ一度も忍性塔は参拝しに行っていない。
　今年は日曜日でもあることからか、例年の何倍もの参拝者が押しかけていた。今年は春が遅いために、参道の染井吉野は満開であるが、遅咲きの「一重八重咲き分け桜」は一輪も咲いていない。真っ直ぐに忍性塔へ向かうつもりでいたのだが、本堂の仏像を参拝したり、宝物殿の仏像を拝んでいるとやはり3時まではそう時間はない。
　奥の院は山頂にあり、中央に巨大な忍性塔（高さ357cm。嘉元3年（1303年）頃の建塔）が立っている。左脇にある宝篋印塔が極楽寺開基の北条重時と伝えられている。また、20年前くらいに建てられた石塔院の前の奥には小道があり、一回り小さな五輪塔（高さ193cm。伝忍公塔）（延慶3年（1310年）銘、国指定重要文化財）があるのだが、この10年は公開されていないという。勿論、今年も公開されなかった。
　今年は、人出が例年に比べると非常に多かったのは日曜日であったことと、HNKの「ひるブラ」（2011年7月27日放送）で紹介されたことがその理由と考えられている。和服姿の茶屋の女将と若女将（住職の奥さんと嫁）に聞くと、TV放映は絶大な効果があったと答えてくれた（。それが、2012年4月23日に天候不良のために、当日の放送予定がキャンセルされ、13分に編集されたが、極楽寺のひるブラが再放送された。TV効果が続くことが確実であろう）。
　そのためか、昼前には地方からの人が多く参拝に訪れたのが例年とは大きく違ったという。午後になっても境内では京都弁や関西弁が多く聞かれた。また、団体客が多く、日帰りツアーのコースにもなっていた。1年に1日しかない忍性塔の特別公開を謳って客を集めたようだ。参加したツアー客もこれほど巨大な五輪塔を見られたのだから不満が出るはずもない。
　最後の団体客が15:40分頃に到着したために公開時間は16:00頃まで延長されたようだ。何よりも15:00を過ぎても押し寄せる地方からの参拝者を無碍にできないことも延長された理由である。これまでもこれほど混んでいたならば、逆に前回、前々回にも公開時間が延長されて忍性塔を参拝できたであろうに。
（表紙写真は極楽寺山門）

エリア 鎌倉(神奈川)

極楽寺山門。正月や「花祭り」の日などの特別な行事があるときには三鱗の幕が引かれる。

「一般参拝日　開山忍性菩薩五輪塔　自 四月八日十一時　至 午後三時」の看板。もうとっくに午後3時どころか、3時40分を回っている。最後の団体客70名を待っているのだという。

「本尊釈迦如来御開扉　花まつり」の看板。

本堂裏手から奥の院へ。