2010/09/12 - 2010/09/12
10位(同エリア361件中)
旅猫さん
※2020.9.17 再編集(表題及び表紙写真の変更、写真の差し替え、文章の見直し)の上、改めて投稿しました。
旅の二日目は、前日の雨が嘘のような良い天気となった。
この日は、一度乗ってみたかった津軽鉄道に乗車。
津軽五所川原駅から金木駅まで乗り、太宰治所縁の『斜陽館』のある金木の町を散策しながら芦野公園駅まで歩き、そこから再び津軽鉄道に揺られて終点の津軽中里駅へ向かうという旅程だ。
真冬のストーブ列車が有名な津軽鉄道だが、秋は鈴虫列車が活躍。
車内では、奥津軽トレインアテンダントが沿線情報や車窓の案内をしてくれた上、いただいた地図のおかげで金木散策も楽しめた。
※奥津軽トレインアテンダントは、現在、津軽半島観光アテンダントとなっています。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
7時に起きて、宿を7時50分に出た。
五所川原駅の前で見上げると、青空が眩しいくらいだった。
今日は、津軽鉄道の津軽五所川原駅から津軽鉄道に乗車する。
温かみのある佇まいのその駅舎は、最近の凝った意匠の立派な駅舎よりも、ずっと旅情を誘う。津軽五所川原駅 駅
-
津軽鉄道の乗り場は、JR五能線のホームから跨線橋を渡って行く。
五所川原駅の構内の佇まいも、好きな佇まいである。
8時15分発の列車は、すでに客待ち中だった。 -
ホームに着くと、琵琶色の気動車が、軽いエンジン音を響かせていた。
『走れメロス』号だ。
2両編成だったが、前の1両は回送扱いで乗ることは出来なかった。
それでも、地元の人に観光客を入れても満席にはならず。 -
発車してすぐ、アテンダントによる案内が始まった。
津軽美人の彼女は、7人いる奥津軽トレインアテンダントの一人で最年少だそうだ。
流暢と言うより、可愛い津軽弁がとても爽やかだ。
途中で話しかけられたので、金木の観光情報を尋ねたところ、色々と詳しく教えていただき、ありがたいことに地図までいただいた。
帰りの列車でも、別のアテンダントの方に話しかけられ、座っていた席の向かい側に腰かけてきたので、しばらくおしゃべりをした。
津軽鉄道のアテンダントの方はとても気さくである。 -
途中の嘉瀬駅で、車窓に落書きのある古い車両が見えた。
何かの番組の企画で、香取慎吾と小学生たちが描いたものだそうだ。
かなり傷んでいて、今にも解体されそうな姿だった。
※2017年に、塗り直したそうです。 -
8時36分、太宰治の出身地であり、また、津軽三味線の発祥の地としても知られていた旧金木町(現・五所川原市)の玄関口・金木駅に到着した。
ここで、上り列車と行き違いのため9分間停車する。金木駅 駅
-
先ほどのアテンダントに誘われるまま駅舎の方へと向かう。
すると、彼女が改札脇で、何やら夢中に撮影を始めた。
訊いてみると、ブログに載せるため、駅長さんを撮っているとのこと。 -
覗いてみると、何と鈴虫だった。
名前も付いていて、津軽鈴之助とのこと。
定期的に写真を撮っていて、アテンダントブログで紹介しているそうだ。
私も撮らせていただいたが、よく見ると2匹いる。
どちらが駅長なのか、訊くのを忘れてしまった。 -
上りの五所川原行が到着した。
津軽鉄道は、ここ金木駅でタブレット交換を行っている。
単線でも、最近はほとんど見かけなくなった光景だ。 -
8時46分、五所川原行が先に出発。
走り行く列車の向こうに、裾野を広げた津軽富士の姿が望めた。 -
アテンダントさんとお別れして金木の街を歩き始める。
駅から5分ほどのところに、太宰治が実家へ疎開しているときに住んでいた津島家新座敷というのがあったのだが、時間が早くて閉まっていた。
ところが、中から出て来た方に、「いいですよ」と言われたので、お言葉に甘えて見学。太宰治疎開の家 旧津島家新座敷 名所・史跡
-
斜陽館とは離れているが、ここは津島家の離れだったところで、当時は津島家の敷地の中だったそうだ。
津島家の敷地がどれだけ広かったのかがよくわかる。
中は思ったよりも広く、座敷の他にも、凝った意匠の洋間もあり、往時の津島家の財力が窺い知れる。 -
新座敷からさらに5分ほど歩くと『斜陽館』が見えてきた。
明治40年(1907)に、太宰の父によって建てられたもので、当時の金で4万円、現在の価値だと約8億円と言う豪邸である。
敷地を囲む煉瓦塀は4mもの高さがあり、これは小作争議に対処するためのものだそうだ。太宰治記念館「斜陽館」 美術館・博物館
-
内部は、津軽地方の町屋の間取りを踏襲しているそうで、使われている木材は、青森県産のヒバだそうだ。
入ってすぐに現れる土間だけでも、かなりの広さがあった。
洋風の階段や応接間などもあり、和洋折衷の構造となっていた。 -
建物の内部はとても広く、地元の名士で『金木の殿様』と呼ばれていた津島家の凄さが実感できる。
津島家は金木の大地主で、役場や警察署、銀行などは津島家を中心に集められていたというのだから驚きである。 -
そんな裕福な家に生まれた太宰は、どんな気持ちだったのだろう。
小説『津軽』を読むとその一端が垣間見れるのだが、栄華を極めた津島家も財閥解体により没落してしまう。
この建物も売却されてしまったが、今は資料館として保存されている。 -
斜陽館を見学後、芦野公園駅まで歩くことにする。
途中には、趣のある古い建物がいくつかあった。
こんな街並みも、数年もすれば変わってしまうのだろう。
最近、どこへ行っても日本らしさが失われてきていて寂しい限りだ。
古いものを大切に使うという気持ちを大事にしていきたいと、強く感じずにはいられない。 -
さらに歩いていくと、変わった山門のある寺があった。
開基400年余りと言う金木山雲祥寺で、南部領の九戸の乱から逃れた武田甚三郎が建立したそうだ。
その山門は、子孫が享和3年(1803)に寄進したもので、一対の武田菱が刻まれているらしい。
南部、そして武田と来れば、甲斐源氏を連想せずにはいられない。
境内にあった後生車は、太宰が『思ひ出』の中で日が暮れるまで回し続けたと述懐しているものだ。 -
のんびり歩いていると、とても雰囲気の良い道を見つけた。
どこか、郷愁を誘う細い道。
旅人を誘うような魅力を感じる。
しばらく佇んで眺めていたが、思いを振り切り、再び歩き始めた。 -
その先に、青空に包まれたような学校があった。
ちょっと立ち寄ってみると、金木小学校だと分かった。
校庭に太宰治の石碑があったが、あとで調べたところ、この学校は、太宰治が実際に通った旧明治高等小学校の跡に建っているそうだ。
こんな学校に通っていたら、ひねくれた子供にはならないだろうな。 -
25分もどで芦野公園駅に着いた。
桜の季節には大混雑するのだが、この時は人っ子一人いなかった。
まるで、別の駅に来たかのようだ。芦野公園駅 駅
-
その駅舎の隣に、『駅舎』という喫茶店があった。
建物は、昭和51年(1976)まで使用されていた芦野公園駅の駅舎を利用したものだそうだ。
昭和5年(1930)に建てられたもので、太宰治も観ていたものらしい。
時間が早く営業していなかったのが残念だった。赤い屋根の喫茶店 駅舎 グルメ・レストラン
-
芦野公園駅から、終点の津軽中里駅を目指す。
やってきた10時02分発の列車は、『太宰治 小説「津軽」』号だった。 -
実りの秋を迎えた田園地帯をのんびりと走って行く。
一面真っ白な世界になるの冬にも来てみたいものだ。
それにしても長閑である。 -
10時13分に津軽中里駅に到着。
津軽鉄道は日本最北の私鉄なので、ここ津軽中里駅は最北の私鉄の駅ということになる。
薄暗く荒涼とした感じを想像していたが、明るい日差しが降り注ぎ、爽やかな高原の駅のようだった。津軽中里駅 駅
-
改札を出て振り返ると、地方私鉄の終点にしてはなかなか立派な駅舎だった。
とは言え、駅前に人影は無い。 -
折り返しの列車は10時40分なので、駅の周辺を少し散策。
まずは駅の外れに行ってみると、線路が途切れている
まさに終点である。 -
ぶらぶら歩いていると、廃墟が結構目に付く。
やはり、ここも過疎化が進んでいるのだろう。
それでも、花は毎年咲く。
そして、廃墟にはなぜか心を惹かれる。 -
日ごろ、新宿の高層ビルばかりを見ているので、この空の広さは羨ましい。
街並みも長閑で、時間がゆったりと流れている感じだ。
今回は旅程の関係でゆっくりできなかったが、次に訪れる機会があれば、この先の十三湖や小泊などを回るついでに立ち寄ってみたいと思う。 -
津軽中里を後にして五所川原へと戻る。
乗った車両には、鈴虫を入れた虫篭が置いてあり、時より、心地よい虫の音が車内に心地よく響いて来る。
津軽鉄道の秋の風物詩、鈴虫列車だ。
車窓には、津軽富士が秋色の中に聳えていた。 -
終点の津軽五所川原駅からは、JR五能線に乗り換えて川部駅へと向かう。
6分の待ち合わせで、11時23分発の弘前行に乗車。
昔は鶴が多くいたという鶴泊駅のあたりからは、秀麗な津軽富士の姿が大きく見えた。
いつかは、あの頂に立ちたいものだ。 -
川部駅には、11時57分に到着。
ここで、12時02分発の奥羽本線の普通列車に乗り換えて青森駅を目指す。
この後、津軽半島の先端、竜飛岬へと向かう。
今宵の宿は、その竜飛岬にあるのだ。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- rokoさん 2011/11/21 22:22:43
- 津軽富士
- 旅猫さん こんばんは
津軽の旅
翌日は晴れでよかったですね。
トップの画像にも、そして鶴泊駅のあたりから秀麗な津軽富士の姿
見事な眺めですね!
>いつかは、あの頂に立ちたいものだ。
同じくあの頂きに立ちたいです。。。
津軽鉄道、津軽美人のアテンダント
気さくな方たちなんですねぇ〜
旅が楽しくなりますね。
>古いものを大切に使うという気持ちを大事にしていきたいと、旅へ出る度に強く感じずにはいられない
旅猫さんの気持ちがよく伝わってきました。
次は竜飛岬ですか、演歌で耳にする地名ばかり(^^ゞ
roko
- 旅猫さん からの返信 2011/11/23 18:26:01
- RE: 津軽富士
- rokoさん、こんばんは〜。
いつもありがとうございます!
2日目は晴れて良かったです。
津軽富士も綺麗に見えて。
岩木山は、八合目までバスがありますし、その後もリフトがあるので、
実際に登るのは1合分だけなので楽そうです。
津軽鉄道のアテンダントの方たちは、どなたも気さくです。
沿線の話なども聞けるので楽しいですし。
そして、この若いアテンドさんも含めて、みなさん津軽弁で話してくれます。
ゆっくりと分かりやすくですが。
ただ、地元の方と話している時は早口で分かりませんが。
竜飛岬も良かったですよ。
曇り空だったので、寂しさも漂っていて(笑)
旅猫
-
- たらよろさん 2011/11/03 18:27:15
- 津軽美人
- こんにちは、旅猫さま。
津軽美人のアテンダントさんは、気さくでしたか!!
素敵な旅の思い出は、やはりその土地での人にもよるから、
こうした触れ合いで素敵な思い出が残るのはいいですよね。。。
テレビの企画ものって、
その時さえ盛り上がればそれでいい!!っていうの興ざめですよね。。
もちろん、いつまでも面倒は見てられないんだろうけれど、
そういう寂しさを感じるものはあまり見たくないな。。。と。
東北の私鉄、元気で良かったです♪
たらよろ
- 旅猫さん からの返信 2011/11/03 21:51:41
- RE: 津軽美人
- たらよろさん、こんばんは!
書き込みありがとうございます。
津軽鉄道のアテンダントさんはみなさん気さくでしたよ。
気さくに話しかけてくれると、いろいろと話がきけてありがたいです。
テレビの企画ものはどうも好きになれませんね。
あの車両も、草に埋もれて朽ち果てるだけ。
哀れです。
津軽鉄道も経営は苦しいようです。
いろいろ頑張っているのですが。
時代の趨勢には敵わないのかもしれませんが。
旅猫
-
- hot chocolateさん 2011/10/30 23:43:22
- 最北の列車♪
- 旅猫さま、こんばんは〜
このところちょっとお天気に恵まれなかった、旅猫さんのご旅行、
今回は晴れてよかったですね。
真冬のストーブ列車に、秋の鈴虫列車、ローカルな鉄道は魅力がありますね。
最北の列車なんて聞くと、なんだか乗客もまばらで、寒〜いイメージだけれど、元気に走っているんですね。
応援したくなります!
鈴虫さんが駅長さんとはかわいい♪
どこかの駅では、猫さんが駅長さんとか・・・
次の竜飛岬の旅行記、楽しみにしています♪
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2011/11/02 22:30:18
- RE: 最北の列車♪
- hot chocolateさん、こんばんは〜
書き込みありがとうございます。
実は、この度は、忙しくてアップできなかった去年のものなのです(^^;
そろそろ賞味期限が切れそうなので、急遽作成中なのです。
津軽鉄道は、アテンダントの方が物凄く頑張っています。
手作りの飾りやイベントで何とか乗ってもらおうと。
地元のお年寄りに声をかけるのも、見ていて微笑ましいです。
いろいろな企画で頑張っていますけど、経営はかなり厳しいようです。
何とか廃線にならないでいて欲しいと思っています。
今年の冬は、ストーブ列車に乗りに行かないと。
猫さんが駅長のところって、いくつかあるのですよね。
有名なのは「たま」ですけど(^^)
旅猫
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