2010/09/10 - 2010/09/11
2位(同エリア76件中)
旅猫さん
※2020.9.14 再編集(表題の変更、写真の差し替え、文章の見直し)の上、改めて投稿しました。
夏の終わりに、ふらりと津軽路を旅した。
大宮駅から夜行列車に乗り、初日は五能線沿いにある鰺ヶ沢あたりで焼きイカを堪能しながらのんびりし、翌日は、以前から乗ってみたかった津軽鉄道の旅を、そして、最終日は津軽半島の先端にある竜飛岬を訪れるという旅程だ。
今回は、本数の少ないローカル線を利用するので、いつもよりしっかり計画を立て、万全の態勢で出発したのだが、まさか初日にその計画が崩れるとは思いもよらなかった。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- ホテル
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JR特急 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
大宮駅を21時40分に出る、寝台特急『あけぼの』で出発。
何度経験しても、夜行列車に乗り込むときの高揚感は格別だ。
この列車は何度も利用しているが、朝の出勤の時、いつもの電車の1本後に乗ると、必ず目の前を通過していくので、とても馴染みがある。 -
翌朝、6時45分定刻に秋田駅に到着。
4分間停車するので、ホームへ出て体を伸ばす。
天気は曇り空。
目指す弘前駅までは、あと2時間半ほどだ。 -
ところが、八郎潟駅を過ぎたころから急に大粒の雨が降ってきた。
かなり激しく、外の景色が見えなくなるほどだった。
だんだん不安になり、ついに、途中の鯉川駅で運転見合わせになってしまった。
その後も、徐行運転が続き、この時点で計画は崩れてしまった。 -
結局、1時間10分遅れで弘前駅に到着。
雨は、ようやく小降りになっていた。
そして、『あけぼの』は、終着の青森駅へ向けて走り去っていった。 -
列車が遅れたため、鰺ヶ沢へ向かう五能線へ乗ることが出来ず、しばし弘前駅で途方に暮れる。
天気も良くないので、弘前駅から出ている弘南鉄道の弘南線に乗ってみることにした。 -
11時発の黒石行に乗車し、黒石駅を目指す。
電車は、稲穂が色づく田園地帯をのんびりと走っていく。
車内も人は疎らで、長閑である。 -
黒石駅には、11時29に到着した。
この駅には、14年前、川部駅から、今は無き弘南鉄道黒石線の気動車に揺られて降り立ったことがある。
今でも、当時のホームが残されていた。
懐かしいが、寂しい気持ちにもなる。黒石駅 駅
-
駅前に出てみると、結構建物が多い。
近くの交差点の角にあった渋い建物は、『津軽百年食堂 つゆ焼きそば』と書かれた看板が付いていた。
黒石は、焼きそばで有名で、駅の近くにも数件の店があるようだ。
どこかで食べてみようと思ったが、観光案内所でもらった地図に、駅から離れた中心街には古い街並みが残っているとあったので、次回、散策を兼ねて訪れた時に味わうことにして、今回は天気も悪いのですぐに戻ることにした。
※2014年3月に再訪し、街歩きと焼きそばを堪能しました。 -
まだ時間があるので、今度は同じ弘南鉄道の大鰐線に乗ってみることにする。
ただ、大鰐線の始発駅である中央弘前駅は、弘前駅から歩いて20分ほどかかるのだが、バスを待つよりは早いので歩くことにした。
中央弘前駅の近くまで来ると、煉瓦造りの教会が建っていた。
案内板によると、大正9年(1920)に建てられた日本聖公会弘前昇天教会教会堂で、青森県重宝に指定されているそうだ。
煉瓦が雨に濡れ、しっとりとした趣を醸し出していた。弘前昇天教会 寺・神社・教会
-
中央弘前駅に着いた。
目抜き通りから外れた場所にあるので、とてもわかりづらい駅である。
外観も、まるで古いスーパーのような佇まいだった。
でも、これが良い感じなのである。中央弘前駅 駅
-
ホームへ出ると、始発駅とは思えない片側1面だけの構造だった。
地方私鉄の風情が色濃く感じられる。
13時30分発の大鰐行に乗車。
JRだと2駅10分ほどの道のりを、13駅28分かけてのんびりと走る。
旅の時間は、このくらいがちょうど良い。 -
終点の大鰐駅に到着。
跨線橋を渡り、改札口へと向かう。
隣は、JR奥羽本線の大鰐温泉駅となっている。
雨は相変わらず降り続いていた。大鰐駅 駅
-
弘南鉄道大鰐駅の改札は、JRのホームに間借りしているような感じだ。
立派なJRの駅舎とは対照的に、とても質素で小さな駅舎である。
地方のローカル鉄道はどこも苦しい。
この線も、いつまで活躍できるのか。 -
大鰐温泉街を散策しようかとも考えたが、雨脚が弱まる気配も無いので、駅近くにあった大鰐町地域交流センター鰐come(わにかむ)の日帰り温泉施設・鰐の湯に立ち寄ることにした。
大鰐温泉は、開湯800年という歴史を持つ温泉だが、立派な施設だと、その有難味がかなり薄れる。大鰐町地域交流センター鰐come 名所・史跡
-
温泉に浸かった後、列車の時間までまだあるので、館内の食事処『花りんご』で、大鰐ポークを使ったポークカレーで昼食とした。
サラダ付だったのだが、生憎切らせているということで、お詫びに手作りの小鉢をいただいたのだが、3つも出て来て驚いた。
そのカレーも小鉢も、とても美味しかった。花りんご グルメ・レストラン
-
帰りは、16時09分発の奥羽本線の青森行を利用。
弘前駅で降りて、宿のある五所川原駅へ五能線で向かう予定だったのだが、大雨の影響でなんと運休になっていた。
待っていると、代行バスが出るというので利用することにする。
その対応の速さと、五所川原駅までの各駅を利用する人と、五所川原駅より先へ行く人とで1台ずつバスを出すというきめ細かさも素晴らしかった。 -
私は、五所川原駅までノンストップのバスに乗せてもらえた。
そして、バスは16時55分に発車。
途中、車窓には雨に煙る岩木山を望むことが出来た。
車窓に広がる田圃は、そろそろ稲刈りの季節。
黄金色の絨毯が、秋の旅を演出してくれていた。 -
バスは、50分足らずで五所川原駅前に到着した。
二階建ての観光バスによる快適な旅だった。
とりあえず、宿に荷物を置き、さっそく五所川原の街へと繰り出した。 -
店を探しながら歩いていると、津軽三味線が生で聴けるという店を見つけた。
『津軽三味線の館 聴酒屋だだん』という店で、店主と店の方が津軽三味線の演奏者だった。
客は地元の方が多く、雰囲気もなかなか良かった。
※『津軽三味線の館 聴酒屋だだん』は、閉店となっています。 -
地酒は、三種の利き比べを注文した。
その三種は、『豊盃 純米しぼりたて生』、『田酒 特別純米』、『岩木正宗 七郎兵衛 特別純米』だった。
呑んでみてたところ、『豊盃』が一番口に合った。
津軽の酒は芳醇である。 -
料理は。十三湖名物のしじみを使ったしじみバターをいただいた。
少し小粒のような気がしたが、それでも普通のシジミよりはかなり大きい。
ただ、味は思ったよりもあっさりとしていた。 -
津軽の郷土料理である貝焼き味噌を追加で注文した。
料理はそこそこ美味しかったが、少し物足りなかった。
それでも、津軽三味線の音色に耳を傾けながら、旨い地酒と郷土の味を楽しむのは至極のひと時だった。
五所川原を訪れた時には、また立ち寄ろうと思う店だった。
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この旅行記へのコメント (10)
-
- チーママ散歩さん 2020/10/17 09:05:34
- センチメンタルジャーニー。
- おはよう御座います。旅猫さん。
私の拙い旅行記にいいねをありがとうございます。
私も、旅猫さんの青森旅行記が気に入り何度か
こっそりお邪魔させて頂いております。
寂しい事に今は何も残っておりませんが、私のルーツを
辿れば青森に行き着きます。
形容しがたい特別な想いがあり旅行記を大変懐かしく
拝見しました。
幼い頃から、何度か家族で訪れた地。
弘前の街並み。 お写真は土手町近くにある駅舎ですね。
冬は大鰐でのスキーと温泉。
黒石のこみせ通りの古い街並み。
五所川原の立ちねぶた。
夏 三厩で、海にいた漁師さんにあわびをとって
食べさせて頂いた懐かしい思い出。
幻の国道も記憶にあります。
旅行記には、まさに家族と楽しく過ごした風景があり、
「昔時間」を振り返えりノスタルジックな思いになり、
今ちょっぴりセンチメンタルになっております。
秋がそうさせて、いるのでしょうか?
気づくとすっかり寒くなり、青森では「ストーブ」が必要な季節。
私もこの週末は冬籠り支度でもいたしましょうか(o^^o)
ありがとうございます。
- 旅猫さん からの返信 2020/10/17 09:42:04
- RE: センチメンタルジャーニー。
- チーママ散歩さん、おはようございます。
こちらこそ、読んでいただきありがとうございます。
小さい頃は、青森に住んでらしたのですね。
中央弘前駅は、土手町近くですね。
大鰐温泉は、別の機会にも訪れて温泉に入りました。
黒石も冬に訪れて歩きました。
よい街並みですよね。
立佞武多は、観たことがありません。
夏祭りの季節は、混むので、まだ機会がありません。
私のルーツは東京なので、田舎と言うものがありません。
親戚もすべて東京か横浜などで、子供の頃は、田舎へ帰る友達を羨ましく思ったものです。
青森が田舎であれば、どんなに良かったことか。
『郷愁』。
そんな思いを感じられるのが羨ましいです。
秋は、いろいろと思いを馳せる季節ですね。
急に寒くなりました。
そろそろ、温泉が恋しくなる季節です。
旅猫
-
- エヌエヌさん 2020/09/15 19:14:58
- こんばんは!
- 旅猫さん
夜行列車に乗る時の高揚感・・・
解ります。
あのくたびれた感の青い車体だから味わえた気分
綺麗なサンライズでは少し物足りないと自分は思います。(でも高揚感はありますが)
大鰐線は青森を訪れた時、乗り損ねました。
終点の大鰐では、もやしが有名ですね。
無くなった十和田観光電鉄も乗ってみたかった。(車輌は大井川鉄道移籍後に乗りましたが・・・)
- 旅猫さん からの返信 2020/09/17 07:14:07
- RE: こんばんは!
- エヌエヌさん、こんにちは。
書き込みありがとうございます!
夜行列車には、独特の雰囲気がありますよね。
大好きなのですが、今はサンライズのみ。。。
青い車体は、無くなってしまいましたし。
寂しい限りです。
大鰐のもやしは、再訪した時に食べました。
シャキシャキして美味しかったです。
十和田観光電鉄には二度ほど乗りましたが、最初に乗った時は、まだ東急の古い車両が走っていました。
その後訪れた時は、もうステンレスの車両ばかりになっていました。
懐かしいです。
旅猫
-
- ツーリスト今中さん 2011/11/20 23:05:10
- 旅の醍醐味(^◇^)
- 雨に祟られているようですね!
遅れるとその後の予定が大幅に狂ってしまうから大変ですが
臨機応変に楽しめるのも旅猫さんらしい旅ですね。
津軽弁分かりましたか?
かなり聞き取りにくいでしょ?
津軽三味線ライブ!良いですね。
奄美の島唄、三味線ライブも良かったなぁ。
その土地土地の伝統を大切にしたいものですね。
混浴!
五色温泉の事が書いてありましたが(義臣さんとのやり取り拝見)
すっかり変わってしまって残念です。
脱衣所は別でないと落ち着きませんよね。
中は一緒でもお湯に入ってしまえばあまり気になりませんが。
お湯に入るまでの距離が長いと困る。。。。。
- 旅猫さん からの返信 2011/11/23 18:04:42
- RE: 旅の醍醐味(^◇^)
- ツーリスト今中さん、こんばんは!
いつもありがとうございます。
そうなんですよ。
最近は、どこへ行っても雨が付いて回っています。
禊でもしないとダメかも。
この時の大雨にはやられました。
でも、弘前のローカル線を楽しめたし、大鰐温泉にも入れましたし。
津軽弁は確かにわかりづらいですね。
でも、弘前辺りでは標準語ばかりでした。
津軽三味線は良いですよね!
一度聞いて以来、弘前方面に行くとつい聴きたくなってしまいます。
この「だだん」という店は、呑みながら聴けるので最高です。
ニセコ五色温泉は、昔の露天風呂が良かったですね。
内湯の怪しい雰囲気の千人風呂も気に入っていたのですが。
混浴は、いろいろと入りましたが、やはり落ち着きませんね。
入る時はいいのですが、出る時がどうも。
酸ヶ湯温泉みたいに混雑していれば気になりませんけどね。
旅猫
-
- rokoさん 2011/11/04 22:21:32
- またも雨の津軽路
- 旅猫さん こんばんは
夏の終わりの津軽路
夜行列車にゆられてのんびり旅
でもまたもや嬉しくない雨の歓迎が!
切り替えがお上手な旅猫さん
雨でもしっかり歩かれてますね。
津軽三味線を聞きながら郷土料理と美味しいお酒
なんだかとっても美味しそうです。
roko
- 旅猫さん からの返信 2011/11/04 22:28:10
- RE: またも雨の津軽路
- rokoさん、こんばんは!
いつもありがとうございます。
この時も、出だしに躓きましたが、後は何とか大丈夫でした。
そして、この旅で津軽が好きになりました。
地元の方がとても感じが良くて。
ひょんなことでローカル私鉄に乗りましたが、
黒石も大鰐温泉も、次回はゆっくり歩いてみたいと思いました。
現地での予定変更は慣れてますしね。
津軽三味線を聴きながら、地酒をちびりは最高です。
旅猫
-
- 義臣さん 2011/10/29 18:59:36
- 数十年前
- 懐かしくて 懐かしくて
まだ 独身時代 大鰐温泉へ
驚く経験をした思い出が
温泉 男湯 女湯ののれん 脱衣場は当然別で
中に入ってビックリ 混浴でした。。
慣れていないし 落着かずに慌てて逃げ出した事が有りました
まさか今はそんなことは無いでしょうが
義臣
- 旅猫さん からの返信 2011/10/29 21:58:43
- RE: 数十年前
- 義臣さん、こんばんは。
ご無沙汰しております。
書き込みありがとうございました。
大鰐温泉に忘れられない思い出があるのですね(^^)
脱衣所が別々で中が混浴というのは露天風呂では経験があります。
今は変わってしまった北海道のニセコ五色温泉です。
夜、のんびり湯船で寛いでいたら、頭の上から女性の声が。
見上げたら、バスタオルで前を隠した若い女性が。
驚いたどころの騒ぎじゃなかったです。
学生の頃の話ですけどね。
その後、出るに出られず、のぼせてしまいました。
今となっては可愛い思い出です。
逃げ出せてよかったですね(笑)
大鰐温泉は、温泉街まで行けなかったので、義臣さんが体験したような混浴が残っているかは分かりませんが。
旅の思い出は良いですよね。
旅猫
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