2009/06 - 2009/06
2635位(同エリア3873件中)
サンルカさん
グッビオの町は昨夜ブラブラと歩いたから、
今朝は観光をせずにすぐ出発しようと考えていたが
やっぱり例のやつだけは乗っておくことにします。
今夜の宿はグッビオからほぼ真北にあるラヴェンナ。
ペルージャとチェゼーナを結んでいる
自動車専用道路の3bisを走っていけば、
それほど時間は掛らないはず。
途中、サンレオのお城にでも寄るつもりでいましたが、
突然の思いつきで予定を急遽変更。
かなりの遠回りになるがフィレンツェに行ってみることに。
何年ぶりかに訪れる花のフィレンツェですが、
我々がぜひ見てみたかったものとは……。
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- レンタカー
-
町の入り口にあるホテル・サンマルコ
2階テラスからの朝の景色。
遠くに見える白い建物は
コンソーリ館という有名な宮殿らしい。
ホテルの目の前が広場=公共駐車場になっていて、
有料の場所と無料の場所に別れていたので、
人気の無料コーナーに空きスペースを見つけ
一晩クルマを止めておきました。 -
町外れにあるローマ時代の遺跡から町を眺めます。
相変わらず観光らしいことは何もしなかったけど
グッビオとはこれでお別れしましょう。 -
と、クルマを走らせてみたが、
なんか心残りのものが……。
やっぱり最後に鳥かごリフトに乗っておこう。
まだ営業が始まったばかりだからか、
まわりに他のお客さんは誰もいません。
往復5ユーロのキップを買っていざ山の上へ。
タイミングを合わせて飛び乗ったゲージは
グングンと勢いよく高度を上げていきます。
グッビオの町がドンドンと小さくなります。
気分爽快とはこのことですね。
山の上でひと休みしたら
また鳥かごに飛び乗って下の町へ。
さあ、フィレンツェに向けて出発です。 -
山道を駆け降り、ペルージャを通り抜け、
高速道路を飛ばしてフィレンツェにやって来ました。
目指すはサン・ジョバンニ・バッティスタ教会です。
でもその教会がどこにあるのかを知りません。
分かっているのは、フィレンツェ・ノルドの
インターチェンジ近くということだけです。
フィレンツェ・ノルドに着きましたが、
そこはインターチェンジであり外には出られません。
とりあえずフィレンツェ市内に向けてクルマを走らせ
最初の出口で高速を下りました。 -
まわりには何もない郊外道路です。
勘だけを頼りにあたりをぐるぐる走り
やっと教会の案内看板を発見しました。
案内看板に従い教会の横まで来ましたが、
歩行者専用ゲートに阻まれ中に入れません。
遠くに見る入口までクルマを移動したいのですが、
なぜかそこへのルートが見つからないのです。
目星を付けた脇道をどれだけ走ったでしょうか?
いつのまにか鋪装は無くなり、ついには行き止まり。
道端の木陰で休んでいる羊の群れが、
何事かとこっちを見ています。
ここは本当にフィレンツェなの? という
不思議な空間に紛れ込んでしまいました。 -
最初に到着した場所まで戻ります。
よく見ると、そこに参拝客用の駐車場がありました。
でもこの教会は本当に不思議な場所に建っています。
あとで気が付いたのですが、
ここはインターチェンジのループのど真ん中。
高速への誘導道路からしか入ることができません。
外の世界とは遮断された場所。
作者はきっとこの場所を“現代の陸の孤島”と
見立てたのではないでしょうか。 -
サン・ジョバンニ・バッティスタ教会。
別名、太陽の高速道路教会は
ジョバンニ・ミケルッチが1960年に設計した
現代建築の最高傑作と言われています。
先日訪れたラルデレッロの司教区教会とは違い
複雑な曲面を組み合わせて作られている。
これこそが造形の美といえる、見事な建築である。
大きく波打つ青銅の屋根に、横に突き出た鐘楼、
中世の城壁を思わせる石組みの大きな壁など、
角度を変えるとまったく別の建物に見えます。 -
正面トビラの脇にある大きなレリーフ。
現代版の“天国の扉”でしょうか?
間違っていたらゴメンナサイ。
作者は調べていないので分かりません。 -
入り口の先の長い廊下には
巨大なレリーフがいくつも並んでいます。
それぞれが聖書のシーンを表しているようですが、
これはステンドグラスに代わるものだと想像します。 -
中世の町並みを思わせる石組みの通路。
この先に何があるのか想像が湧きたてられます。 -
教会内部は圧倒される空間です。
世界中の多くの設計屋さんたちが、
ここでインスピレーションを受けてきたのでしょう。 -
脇祭壇のテーブルや燭台ひとつにまで
手を抜かないデザインが施されています。
祭壇の奥にはマリア様のモザイク画。 -
最大の衝撃が主祭壇上のキリスト像。
なんとモザイクが立体になっています。
半透明のガラスを通り抜ける光がキラキラ輝き
角度によって違う表情を見せてくれます。
大感激のままフィレンツェ観光は終了。
今回もやっぱり町中には行きません。 -
高速A1フィレンツェ・ボローニャ間の峠道は、
毎度ながらスリルがあって楽しいルートですね。
ボローニャからはA14でリミニ方向を目指します。
イモラあたりまでは順調に来れましたが、
この先は渋滞していると電光掲示板が伝えます。
今日は金曜日。
みなさん海にでも行くのでしょうか。
目指すフォルリの出口までは30キロほどでしょうか。
このまま渋滞に突入するのも辛いので、
目の前の出口で下りて下道で行くことにします。
宿はフォルリとラヴェンナのちょうど中間あたり。
地図を見ながら適当なルートを走って
どうにか予約しているB&Bに着きました。 -
桃の畑に囲まれた一軒家が今夜の宿。
優しそうなお母さんが出迎えてくれます。
ところが何故か言葉がまったく通じません。
ここまで辿々しい旅行会話で頑張ってきましたが、
彼女の言っていることが半分も分からないのです。
すると庭から優しそうなお父さんが登場。
助かったと思ったのもつかの間、
笑顔で「チャオ」と一言、奥に行ってしまいました。
テーブルの上に置いてある桃を指差し、
「これはあなたたちが作っているの?」と聞いても、
食べたいのかとナイフを持ってこられる始末。
微妙な空気が流れる中に娘さんが帰ってきました。
彼女によると両親はイタリア語が話せないそうです。
近年まで各地方が独立して統制していたイタリアは、
それぞれが別の言語を話していたそうで、
両親はいまだにロマーニャ語(だったかな?)を
話しているとのこと。
言ってみれば方言なのだろうが、
とても貴重な体験をさせてもらいました。
頂いた桃は部屋で食べることにします。 -
言葉の問題はあるにせよ、600年前に建てられた
お屋敷を改装したB&Bは実に快適。
部屋にはベットが4人分もあり広々です。
そして先ほどの娘さんがすごく博識で、
周辺のことをあれやこれやと教えてくれます。
そして、ここはインフォメーションですか?
と疑うぐらい、様々な資料を用意してくれています。 -
さて今夜は、宿から15キロほど離れた
バーニャカヴァッロへお出かけです。
この町で全国500ものワイン生産者が集まる、
大試飲大会が開かれると聞いたからです。
主催はあのスローフード協会だそうです。
で、会場の前までやってきたのですが、
まだちょっと時間が早すぎたのか
中にお客さんがほとんどいません。
そこに入っていって会場中から
大注目を浴びる勇気が湧かず、
先に夜ご飯を食べにいくとにしました。 -
クルマを止めた場所の近くにあったトラットリア。
先ほどから何度かこの前を行き来していて、
その度になんだかすご〜く気になっていたのです。
なんでもない外観なのですが
なにかがありそうな予感がしてきます。
そういうことってありませんか? -
お店の手前半分がバールになっていて、
その奥がトラットリアスペース。
しかし、お店の中には誰もいません。
すこし待っていると奥のトビラからおじいさん登場。
いきなり外国人を目の前にして驚いた様子です。
食事をしたいと伝えると、ようやく状況を把握して
とつぜん饒舌おじいちゃんに変身です。
外と中どっちが良いかと聞かれ、外と答えます。 -
バールの奥のトビラを出た先に、
ここは団地の中庭か? と思わせる
生活感たっぷりの空間が広がっていました。
片隅のテーブルでは近所のおじいさん2人が
黙々とカードゲームに興じています。
あいかわらずオーナーのおじいさんは饒舌で
メニューを見せながら、これとこれが美味しいから
それにしなさいと勧めます。
近所のおじいさんたちは勝手知ったるもの?
我々の存在を気にすることなく
自分たちで飲み物を取りにいって飲んでいます。
なんだかすごく自由で楽しそうな店です。 -
メニューをじっくり吟味して
今夜の食事を決めました。
ところが注文してみると
明日なら良いけどそれは今日は出来ないの連発。
結局はお勧めだった料理しか用意していないのだ。
お客さんが少ない平日は
メニューも限定されているみたいです。
そこでお勧めであるラグーのカペレッティに、
メインは鴨のアロースト、そして付け合わせに
トマトのグリルをお願いしました。
近所の人たちがぼちぼちやってきます。
それがみんな、オストリアの入り口からではなく
裏庭の方から入ってくるのです。
飲み物は当然セルフサービス。
自分でクロスを交換する人もいれば、
勝手にキッチンに入ってナイフ&フォークを
持ってくる人まで登場です。
なんて自由な店なのだ!!
みんな何十年もここに通っているのでしょうね。
気が付けばテラス席は満員。
そしてお勧めであった料理はどれも
ビックリするくらい美味しいのです。
軽く衝撃を受けてオストリアを出たあとは
もうワイン試飲会に参加する体力が残っていません。
帰り道の途中にクルマが集まるジェラテリアを発見。
もう10時を過ぎているというのに大勢の人々が
ジェラート片手におしゃべりをしています。
今夜はここでジェラートを食べて宿に戻ります。
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