'The finest walk in the world' 世界で一番美しい散歩道　ミルフォードトラック　4日目 ～2007年3月　ニュージーランド旅行記その6～

2007/03/09 - 2007/03/19

大自然の宝庫、ニュージーランドのテ・ワヒポウナム地域で、「世界で一番美しい散歩道」ミルフォード・トラックを歩いてきました！

　　3/9　　大阪→
　　3/10　クライストチャーチ→クイーンズタウン
　　3/11　クイーンズタウン→グレードハウス＠ミルフォードトラック
　　3/12　グレードハウス→ポンポローナ（ミルフォードトラック）
　　3/13　ポンポローナ→クインティン（ミルフォードトラック）
◎　3/14　クインティン→ミルフォードサウンド
　　3/15　ミルフォードサウンド→クイーンズタウン
　　3/16　クイーンズタウン→マウントクック
　　3/17　マウントクック→クライストチャーチ
　　3/18　クライストチャーチ→オークランド
　　3/19　オークランド→大阪

エリア フィヨルドランド国立公園周辺(ニュージーランド)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 30万円 - 50万円
• 交通手段: 高速・路線バス 観光バス
• 航空会社: ニュージーランド航空

この日はミルフォードサウンドまでの20kmあまりを歩く実質的な最終日。夜が寒くて眠れないな〜と思っていたら朝起きてびっくり！！雪が降ってる？！

ってことで晴れのマッキノン・パスの眺め、雨のクリントンバレー、そして雪の散歩道という何とも天候に恵まれた（？）トレッキングになりました。もちろんツアー参加者みんなで大喜びでした！

写真は前日に晴れた様子を撮ったロッジ前の簡易滑走路の様子。

この日に限らず、ミルフォードトラックでは毎朝朝食時に各自がその日の昼食のサンドイッチをつくります。パンとハム・チーズと果物が並べられています。

また、ビスケットやレーズンといった非常食も毎日補給できるので、本当に楽でした。

まだ朝の薄暗い中、出発します。

雪を被ったシダ。基本的には熱帯性の植物ですから、この光景はなかなか見れるものではないと思います。

貴重な雪景色です。

そしてなかなか見れない絶景がこれ。昨日見たサザーランドフォールです！雪景色の中を水が流れ落ちていく様はまるで水墨画の様な幻想的な世界でした。

サザーランドフォールをもう一枚。この風景を眺めているときは、ちょうど周りに誰もいなかったので、本当に静けさに包まれていました。音のない一面の銀世界で、ただ遠くで滝が流れ落ちている、そんな風情を10分ほど堪能しました！

サザーランドフォールに別れを告げ、トラックを進んでいくとトラック脇に次から次へと無名の滝が現れます。雪と相成っていることもあり、一つ一つがとてもきれいです。

クインティンロッジから2kｍほど歩いた辺りから、トラックはアーサー川の畔に沿っていきます。

雪に覆われたアーサー川の流れ。

崖の上から流れ落ちる多くの滝。数だけで言えば一生のうちに見る滝の7割くらいをミルフォードトラックで見たような気がします（笑）。

ここにも滝。フリースにジャンパー、手袋にスパッツと完全武装をして歩いていたつもりなのですが、それでも手袋が猛烈な水気に耐えられず手の中まで雪解け水が侵食してきたりして、かなり寒かったです。。

でもそんな中、外国人の皆さんの中にはハーフパンツで歩いている人も多数。彼ら曰く「湿ったパンツをはいているほうが寒い。」　う〜ん、ウインドブレーカーはけば解決するような気がするんですが（苦笑）。

氷河で削られたと思われる山の斜面に降り積もった雪。氷河が存在しているようにも見えます。

土石流の跡。この辺りにはこのような土石流跡が何箇所もありました。独特の風情のある場所であると同時に自然の厳しさも感じられるところです。

雪山の幻想的な風景。

いつの間にか雪景色もなくなり、太陽の光が差すとともに、トラックもまた、コケとシダの緑が映える風景に変わっていきます。

渓流を渡るつり橋。

水の流れがとてもきれいです。

途中にあるボートシェッドという小屋でお茶の休憩をした後（本当に寒かったのでこれがありがたかった！）、10分ほど歩いたところでマッケイ滝が現れます。三段構成でなかなかの迫力。

この滝も名前の由来は第一発見者のマッケイ氏。この時彼に同行したサザーランド氏が、「次に大きな滝を発見したら自分の名前をつける！」と宣言して、発見されたのがサザーランドフォールとのこと。急がばまわれって感じでしょうか。。

マッケイ滝のすぐ傍にあるのが不思議な岩、ベルロック。大きな岩に下から潜れるサイズの穴がぽっかりとあいています。雨による侵食を上部から受けておわん上になった岩が、何かの弾みで転がってひっくり返ったものだと考えられているとのことですが、そもそもなぜ穴があいていることが発見されたのかが不思議ですよね。。

ベルロック内部。内部は広々とした空洞になっています。まさにベル（釣鐘）って感じですね。

マッケイ滝・ベルロックから30分ほど歩くと視界が急に開けます。遠くには雪を被った山々、足元にはアダ湖。とても雄大な景色です。ここからは遥か彼方に相当な高さがあると思われる滝が見えましたが、詳細はわかりませんでした。。

アダ湖の水。透明という言葉をさらに超越しているようなたたずまいです。これまでもこれからも、人の手が加わることのない、自然そのままの場所と言えるでしょう。

アダ湖沿いのトラック。この辺りで日差しが強くなってきて、ようやく寒さを感じなくなって（というより暑くなって）きました。天気の変化の激しさもミルフォードトラックの特徴のひとつ。

アダ湖にそって歩くこと30分ほど、昼食場所のジャイアント・ゲートフォールに到着。滝を見ながらサンドイッチを食べます。写真の場所で滝から大体5〜60ｍくらい離れていると思いますが、それでも結構水飛沫がきつかったです。

ジャイアントゲート滝からは1時間ほど、アーサー川に沿った平坦な道を歩いていきます。ここにもやはりたくさんの滝。

そして突然姿を現すミルフォードトラックの終点、サンドフライ・ポイント。グレードワーフから33.5マイル≒53.2km。本当によく歩いたなあ、と感動するところなのかも知れませんが、距離をほとんど感じさせない素晴らしいトレッキングでした！終わるのが本当に残念に感じてしまいました。

到着からミルフォードサウンドに向かう船の出発まで時間がなかったため、慌しく船に乗り込みます。

サンドフライポイントからミルフォードサウンドの桟橋までは船で15分ほど。写真は船上からサンドフライポイント方面を臨む風景です。あの山の遥か向こうから歩いてきたんだなあとしみじみ。

ミルフォードサウンドの桟橋の横にある、ボーウェン滝。水量が多く、迫力があります。桟橋からここまで歩けるトラックがあるとのことでしたが、残念ながら閉鎖中。

いよいよたどり着いたミルフォード・サウンド。
左手に見えるのはその象徴、マイター・ピークです。
桟橋から今日の宿、マイター・ピークロッジまではシャトルバスでも行けますが、私は最後まで歩きたくて、桟橋から15分ほど、この眺めを楽しみながら歩きました。

最後の宿、ミルフォード・サウンドに面したマイターピークロッジ。

マイターピークロッジのロビーから臨む、夕暮れのミルフォードサウンド。ここに宿泊する人（＝ミルフォードトラックを歩いた人）だけが見ることができる、絶景です。

そのマイターピークロッジのロビーの様子。この頃には多くのハイカーとすっかり仲良しになり、色々話も弾みました。

夕食後には完歩証明書の授与式があり、一人一人にガイドさんたちから直接証明書が授与されました。本当にうれしくて、しみじみと物思いにふけってしまいました（苦笑）

夜には南半球の美しい星空を見ることができ、サザンクロス（南十字星）も見れました。

本当に色んな意味で天気に恵まれたトレッキングでした。

この旅行記へのコメント （4）

• momotaさん 2008/01/30 01:41:10

  堪能させていただきました

  ミルフォードトラック旅行記すべて拝見させていただきました。
  
  雪景色のトラックもまた素晴らしい。
  
  最後まで自分の足で…私も絶対そうすると思います。
  
  マイターピークに最後のロッジがあるのですね。
  
  今、丁度ミルフォード・サウンド旅行記を書き終えてマイターピークを
  
  海から眺めていたところです（*^_^*）
  
  とても、とても貴重な体験ですしたね☆

  spacecowboyさん からの返信 2008/01/30 20:36:28

  RE: 堪能させていただきました

  今改めて読み直してみると誤字・脱字が多くて申し訳なかったです。。
  そんな中で最後まで丁寧に読んでいただいてありがとうございました！
  
  最後まで歩きたい、そういう思いの人が結構多いはず・・・、と思うのですが、私が参加した日はこの区間を歩いたのは私だけでした（苦笑）。もちろん、歩いてよかったな〜と思いますが（＾＾）。
  
  今後も読んで楽しんでもらえる旅行記作りに務めたいと思っているので、また遊びに来てくださいね〜。

• jyugonさん 2007/09/23 03:01:39

  言葉に出来ない美しさ

  spacecowboyさん　はじめまして、こんばんは。
  ミルフォードトラックの全行程、そしてMt.cookまで見せて頂きました。
  
  やっぱり世界一美しい散歩道と謳われるとおりいえ、それ以上に素晴らしいところですね。
  天候にもよるでしょうが、晴れていればいい訳でもなく雨だからこそ見られた沢山のカスケード、雪が降ったおかげで現れた美しい光景・・・
  シダと苔の緑、水の持つ美しさ・・・枯れ草色も神々しくて・・・
  
  後ろ髪をひかれるような思いで何度も振り返られた気持ちは、よーく分かります。そこにいるからこそ感じられる思いとでもいうのでしょうかね・・・
  心に刻むようにシャッターを切ってしまいますよね。
  NZの良さは「とにかくいい」としかいようがないように思います。
  言葉に出来ないですよね。あの空気感は・・・
  
  ＞マイターピークロッジのロビーから臨む、夕暮れのミルフォードサウンド。ここに宿泊する人（＝ミルフォードトラックを歩いた人）だけが見ることができる、絶景です。
  
  これは本当にご褒美ですよね。
  
  いつかは必ず行きたいと思っていますが、ゆっくり訪れるのはもう少し先になりそうです。
  
  素晴らしい旅記をありがとうございました。
  また寄せて頂きます。m(__)m
  
  jyugon
  

  spacecowboyさん からの返信 2007/09/23 17:17:47

  RE: 言葉に出来ない美しさ

  jyugonさんこんにちは、初めまして！
  
  ご訪問と書き込み、ありがとうございます。
  
  ミルフォードトラックは本当に素晴らしいところで、とにかく内容の濃い5日間でした。旅行記もなるべくそれが再現できるように作成したつもりですが、3日目のマッキノンパス以降はレンズの曇りがひどく、写真の中央部にそれがくっきり出てしまっていることと、やはり写真には限界があるので、実際の素晴らしさをどれだけ伝えられているかなあという感じです。
  
  先ほどjyugonさんの旅行記も拝見させていただきましたが、マウントクック、ハイキングは出来なかったのですね・・。天気だけはめぐり合わせなので何ともいえませんが・・・
  
  jyugonさんのように熱心に旅行記を読んでくださる方がいらっしゃることは
  大変励みになりますし、嬉しいです。更新がゆっくりなのが申し訳ありませんが、これからもまた、遊びにきてください。