2007/01/28 - 2007/02/01
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旅人のくまさんさん
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<2007年1月31日(水)>
最終日となりました。ホテルでピックアップしてもらう時間が17時10分でしたから、今日も1日観光が出きます。それで、こちらへ着てからオプショナルツアーを申し込みました。公共交通機関がありませんから、ツアーを申し込んだ方が得策と考えたからです。
その結果が、トンレサップ湖クルージングと、プノンクロム遺跡観光を組み合せた午前中の半日観光でした。8時頃にホテルへ迎えに来てもらいました。初日、シェムリアップ空港まで迎えに来てくれた女性ガイドさんでした。
<プノンクロム遺跡見学へ、山登り>
泊まったホテルからプノンクロム遺跡までは、南方向への移動でした。シェリムアップを抜けるとすぐに田舎の風景になりました。どの家にも高い椰子の樹が植えられ、たわわに実が付いていました。
正確な時間は覚えていませんが、30分程でプノンクロム遺跡がある山の麓に到着しました。観光地としては整備されていなく、お土産店なども見当たりませんでした。世界遺産のアンコール遺跡群とは思えない、寂しい光景でした。見学には共通権が必要でしたが、世界遺産リストの遺跡には含まれて居ないようでした。
この遺跡見学は、一寸した山登りでした。最初が長い階段登りです。これだけでも結構骨が折れました。2日間の遺跡めぐりで、何度も階段を上り下りして、太腿が張っていましたので、尚更でした。
長い階段登りを終えた後は、山道になりました。登るごとに視野が開け、雨季にはトレンサップ湖の一部となる緑の平野が広がってきました。雨季には、樹林も水没するようです。
<プノンクロム遺跡>
山道を登り終えて、更に石段がありました。これを上りきったところに寺院がありました。これは遺跡の一部ではなく、新しいヒンドゥー教寺院のようでした。黄の衣を着たお坊さんも見掛けました。
ここで、プノンクロム遺跡の概要を紹介します。ガイドブック等のアンコール遺跡群のリストには載っていませんから、別の分類になるのかも知れません。「ウィキペディア」等を参照しながら説明します。
プノンクロム遺跡は、9世紀末から10世紀初めに建てられたヒンドゥー教の丘上式の寺院で、4方向に楼門があります。ラテライトに囲まれた中央に基壇の上に三つの祠堂があります。その祠堂にはヒンズー教の三大神であるヴィシュヌ神、シヴァ神とブラフマー神が祀られ、三神一体のヒンドゥー教の世界観を表しています。
プノンクロム遺跡は、訪れる人も少ないようです。境内は荒れ果てていました。最初は五つあった尖塔の内、残っているのは三つだけでした。その尖塔も無残な姿となっていました。この丘には、1990年代半ばまで、カンボジア国軍が駐屯していたようです。プノンクロムの丘は、昔から重要な軍事拠点であり続けたようですが、今はそうした面影もなくなっていました。
<トンレサップ湖へ>
先にトンレサップ湖について説明します。フリー百科事典の「ウィキペディア」等を参照しました。
トンレサップ湖は、東南アジア最大の湖であり、クメール語で、巨大な川(トンレ)と淡水湖(サップ)の意味があります。
雨季と乾季では、その広さが大幅に異なります。1年の内、殆んどの期間は推進が1mに留まり、面積は2700平方キロ程です。夏季のモンスーンの時期には、湖からプノンペン付近でメコン川に流れ込むトンレサップ川が逆流し、メコン川から周囲の土地と森を水浸しにしながら、面積は1万6000平方キロまで拡大して、深度も9mに達します。乾季の約4倍の広さです。形状はひょうたん形をしています。
因みに日本最大の琵琶湖は約670平方キロですから、乾季でもトンレサップ湖は琵琶湖の4倍の広さを持ちます。
プノンクロム遺跡からトンデサップ湖は間での道は悪路でした。雨季には湖底になる道ですから仕方が無いことです。
<トンレサップ湖・クルージング>
トンデサップ湖に繋がる水路の脇の悪路を暫く南下して、船着場に達しました。乾季には、この道の脇に市も立つそうです。今日は、その市を見ることは出来ませんでした。しかし、ビニル袋が散乱した一帯が、その場所である事を、現地ガイドさんが教えてくれました。
「ウィキペディア」を参照して、トンレサップ湖の特徴を説明します。
「体重100キロを上回るメコン大ナマズやフグなど600種類以上の淡水魚が生息します。トンレサップ水系で採れる魚は、カンボジア人のたんぱく質摂取量の実に60%を占める」ようです。もう少し説明を続けます。
「水が引くにつれ周囲に養分に富む堆積物を残すため、雨季以外には重要な農地が拓けます。浮き稲などが栽培されています。トンレサップ川が逆流することで、メコン川下流の洪水を防ぐ安全弁にもなっています」
と、その役割が述べられていました。更に、
「トンレサップ湖はインド亜大陸とアジア大陸の衝突によって引き起こされた地質学的な緊張による沈下のために形成された堰き止め湖」と、その創成期のことも紹介されていました。
さて、トレンサップこのクルージングですが、船がひしめき合った水路を抜けるのが大変でした。船がぶつかって、相手の船を押さないことには、水路が開けませんでした。万一、船縁に手を出したら、大怪我しそうでした。実際、手先が無い、現地のお子さんを見ました。
乾期には、沖を目指して家の引越しがあります。その風景も目撃しました。家だけではなく、学校からレストランまで、皆水の上でした。2万人程の水上生活者が、水の上で生まれ、そして亡くなられているようです。
<午後は市内散策>
夕方のピックアップの時間まで間がありましたから、午後は市内散策に出掛けました。その前にホテルのレストランで昼食を摂りました。部屋のチェックアウトは、出発時で良い事を確認していましたので、16時頃にホテルへ戻る予定としました。
ホテルを出て最初に向かったのが、昨晩も訪れたオールドマーケットです。日が高い時間は、昼寝の習慣があるようです。現地ガイドさんからも、この事をお聞きしました。川沿いの大樹の下ではバイクや三輪車を停めて、昼寝をする人達を見掛けました。 シェムリアップ川の睡蓮も昼寝の時間になっていました。
オールドマーケットも買い物客は疎らでした。何枚か写真を撮って次の目的地へ向かいました。野菜や果物が豊富に並んでいました。向かった先は、現地ガイドのペン・ホーさんが車の中で紹介していた「シェムリアップで一番綺麗な公園」です。
この公園の名前を現地で入手した地図やガイドブックを見ても、単に「広場」と記載され、名称が記載されていませんでした。ホテルからは北へ約1キロのシェムリアップ川の西側になります。
この公園は、車から見た通り、手入れが行き届いた綺麗な公園でした。噴水があり、季節の花を植え替える人が作業に余念がありませんでした。通りを挟んで、南隣に警察署があり、制服の人が行進の訓練をしていました。西側の建物からは、楽器の練習の音も聞こえてきました。日が高い時間ですから、街を歩いている人は僅かでした。やはり、昼寝の時間なのでしょうか。
<夕方、シェムリアップ空港へ>
予定通り、16時頃にホテルへ戻りました。チェックアウトを済ませて、早目にロビーで待つことにしました。サービスのミネラルウォーターを使っただけですから、精算はありませんでした。約束の時間まで、少し時間がありましたから、ロビーの横のレストランで、タイガー麦酒を飲みながら時間を潰しました。ピーナッツをツマミに出してくれました。
予定の時間に、ピックアップの車が着きました。顔を出されたのは、ペン・ホーさんとは別の男のガイドさんでした。その後、3箇所ほど別のホテルに立ち寄り、空港へ向かいました。
ところで、カンボジア入国にはビザが必要です。日本で取得して行くのが一般的ですが、空港での取得も可能です。後日のため、到着の時にその発行窓口も確認しておきました。その日の列は、大したことはありませんでしたが、時に長蛇の列となり、賄賂を強要される事もあるようです。
<スワンナ・プーム空港での乗換え>
シェムリアップ空港の出発は定時でした。すっかり日が落ちた19時40分です。往きと同じプロペラ機でした。今度も満席でした。韓国や中国、ヨーロッパからの観光客が多いようでした。
往きの乗換えの時には気付きませんでしたが、今回は2006年のプミポン国王の即位60周年記念行事の写真に、空港内のロビーでお目にかかりました。2005年のタイ王国旅行の際に、何度もお聞きした「来年がプミポン国王の即位60周年です。日本の天皇ご夫妻へも招待状が出されます」と言ったお話でした。
タイでは、この記念行事の時期を睨んで、無血クーデターが起き、タクシン首相が失脚しました。記念行事は無事終了し、プミポン国王夫妻の右側の列に、天皇ご夫妻が記念写真に写られていました。
プノンクロム遺跡で
岡に建つ遺跡を目指し山道を登りつ眺む乾季の平野
トンレサップ湖クルージング
水上に生る民の子船避て茶色の川に網を打おり
市内散策で
街路樹は歩道の石を持上て景色重なるタプロム遺跡
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 観光バス
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3日目は、遺跡巡りと、トンレサップ湖のクルージングを現地で申し込みました。午前中だけの半日コースです。最初がプノンクロム遺跡見学です。
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プノンクロム遺跡は、シェムリアップから南下し、トンレサップ湖の船着場への順路となる場所でした。小高い山の上の遺跡です。
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昨日までのアンコールワット等の階段登りが、足に来ていましたから、最初の階段を登るのは、一苦労でした。しかし、登り道はこれからです。
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大分見晴らしがよくなってきました。遠くには湿地帯のような場所が見えます。乾季が進めば陸地になり、雨季には湖底になる一帯です。
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半分以上は登ってきたようです。プノンクロム山の標高は200m近くあるようです。左手に見える平野は、乾季にだけ生じるようです。
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この階段を上りきりますと、遺跡の入口近くになります。石段もある緩やかな坂道が続きました。同行のお一人が、体調不良で苦労されました。
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今登ってきた坂道の頂上近くです。それ程きつくはありませんが、結構な長さがありました。雨季には眼下は全てトンレサップ湖の一部となります。
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頂上らしきところへ到着しました。しかし、これは遺跡ではありません。その後に出来た寺院です。冬木立と見える樹には、白い花が咲いていました。
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ヒンドゥ教寺院か、仏教寺院かは分かりませんでした。衣を着たお坊さんも見掛けました。頂上は、かなりの面積の平地となっていました。
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遺跡まで、更に階段を登る必要がありました。これが3箇所目の階段です。しかし、これは大した登りではありませんでした。大蛇の飾りがありました。
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プノンクロム遺跡は、9世紀末から10世紀初めに建てられたヒンドゥ教の丘上式の寺院です。4方向に楼門があります。あと一息です。
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プノンクロム遺跡への到着です。アンコール遺跡群には含まれていないようですが、入場には共通券が必要です。しかし、改札はありませんでした。
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アンコールワットで見た椰子と同じように、細長い幹の上に球形の葉を持った樹が立っていました。今回の遺跡めぐりの、最後の見学地です。
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左側の塔は、赤レンガが使われています。千年以上が経過していますから、風化、崩落が激しい遺跡でした。
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一旦壊れたものを、積み直したような石造物です。石が膨らまないよう、木組みで側面が支えられていました。
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こちらの石造物は、周りをぐるりと木枠で支えられていました。長年月は耐えられないでしょうから、応急の修復でしょう。
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この石塔は、内部が木組みで支えられていました。石塔そのものは、倒壊せずに原型を留めているようです。しかし、風化による外壁面の損傷が進んでいました。
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ヒンドゥ教寺院址ですから、最初は、尖塔が5つあったようです。完全に崩落した尖塔もあるようです。3つの尖塔は、崩落せずに何とか残っていました。
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砂岩に刻まれたレリーフです。辛くも4体の姿が認められます。ヒンドゥ教に因む神々の図でしょうか、乳海攪拌の構図にも見えます。
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中央祠堂などを取り巻く外壁もあったようです。前方右手が、壊れずに残った外壁のようです。屋根が付いた構造です。少し赤みを帯びた石です。
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プノンクロム遺跡観光の後、さらに南下してトンレサップ湖の船着場を目指しました。雨季には固定となる道路ですから、かなり激しい揺れでした。
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乾季の時だけ必要となる水路です。乾季には、道路の脇に市が立ちます。その市の後には、ゴミ捨て場のように、ビニル袋が散らかっていました。
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水路脇にあった簡易な小屋です。暫くは、車の中からの撮影です。椅子が目立つくらいで、中は、がらんとしていました。
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既に船着場の外れに来たようです。手持ち無沙汰の人が、何人か屯していました。水路には、何艘かの小船が繋いでありました。
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予約してあった小船に乗り込んだところです。竹棹を操って、上手に岸を離れました。ここを出発して、また同じ場所へ戻ってきました。
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実は、岸を離れた後が大変でした。船が何重にもひしめき合って、その間を潜って沖へ出るまでに時間がかかりました。
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トンレサップ湖の水上生活者は、1万人を超えるようです。買い物もすべて船の上です。野菜や、バナナなどの果物を売る小船を多く見掛けました。
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白い板塀に青い窓の家です。かなりの長さがありました。トンレサップ湖では、学校も水の上です。ここが小学校のようでした。
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岸辺の土の色と、川の水の色が見分けが付かないくらい濁っていました。これだけ濁っていれば、魚も棲み難いかも知れません。
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青いブルドーザーが、フル稼働でした。どうやら赤土を浚渫して、水路を広げたり、深く掘ったりしているようでした。
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