蔵の街　栃木　vol.２

2006/11/05 - 2006/11/05

街の中心を流れる巴波川の流れに沿って、遊歩道を散策しました。
栃木は江戸時代、街の中心を流れる利根川水系の巴波川を利用した舟運によって物資の集積地として北関東屈指のにぎわいをみせ、江戸との交易を通し文化・経済ともに隆盛をきわめました。また、徳川家の将軍家康が亡くなった後、日光の東照宮に改葬されたため、京都の朝廷から日光に例幣使が遣わされました。この例幣使の宿場町としても栄えました。長い時代を経た今、その頃の面影が深く残る、味わいある街として
保存されています。
栃木　素敵な町でした。
今月１７、１８、１９日の３日間５年に一度開催される、人形山車が練り歩く「とちぎ秋まつり」があるそうです。
興味のある方は是非訪れてみてください。

エリア 栃木・壬生・都賀(栃木)

遊歩道を少し外れたところにある、名門栃木高校
敷地内に２棟文化財登録された建物があります。
これは、大正３年に建てられた建築物。一階は図書室、二階は同窓会の集会室として使用されていましたが､昭和に入り階上の和室は「養正寮」と名付けられ、生徒の精神修養の場として、校長訓話、漢籍素読会などが行われたそうです。現在は学習室､２階は小集会場として使われています。
もうひとつ明治４３年に建てられた講堂も保存されています。

岡田家は、５５０年の歴史のある､栃木で一番の旧家。当主は代々嘉右衛門の名を継いで､現在２６代目だとか。また住所も嘉右衛門町１番地となっています。
　畠山氏の領地時代、元禄元年（１６８８）から、この地に陣屋が設けられ、それらの建物が現在も約１２００坪の広い敷地内に保存され代官屋敷とも呼ばれて、往時の姿を偲ばせています

例幣使街道に沿って岡田家の敷地の一角にはいろんな建物があります。

電柱の裏側が床屋さん､その右側が酒屋さんで､どちらも栃木で一番古いお店だとか。

敷地内にある３つの蔵には､岡田家のコレクションが一杯。

岡田家コレクション２

岡田家コレクション３

敷地内にある床屋さん

レトロな雰囲気がたまりません。

こちらは隣の酒屋さんの店内　
入ってすぐの土間の部分にブリキの看板が。キッコウショー正田醤油は、現皇后陛下のご実家です。

お店の中は薄暗く、明治の頃そのままの雰囲気です。

岡田家では､こんな事業もやっていたようです。

お店と奥が格子戸で仕切られています。

２階の座敷

麻を加工する作業場

一番奥の代官屋敷の内部

庭にある離れの書斎　４畳半くらいしかない小さな建物です。

敷地の一番はずれに大欅　樹齢５００年の天然記念物に指定されています。

翁島入口の門

少し離れたところに建つ岡田家の別邸｢翁島」
巴波川の脇にあり､敷地をそこから引き込んだ堀で囲まれた敷地に建っている事から、島の名称を使っているのかも？

主屋は大正１３年（1924年）に隠居所として建てられ、Ｌ字型平面の一部２階建・桟瓦葺で、ふんだんに銘木を使った数寄屋風意匠の近代和風建築です。

庭も立派で大きな池もありました。

Ｌ型に回る縁側の床と廊下は欅の１枚板で作られています。天井も屋久杉と秋田杉を使い分けています。

脱衣所の壁には向かい合って大きな鏡がついています。

大林宣彦監督､黒木瞳主演の「ＳＡＤＡ　戯作・阿部定の生涯」の黒木瞳の入浴シーンがここで撮影されたそうです。

浴室の天井は傘天井

手洗い場です。

床の間　他に２つありどちらも厳選された銘木を使用しています。

巴波川より水が引かれ、建物の回りをめぐる堀

岡田家向かいの商店
正式名は忘れましたが「旧家に眠る人形フェア」のようなイベント開催中で、例幣史街道に沿った古い店舗は、入口をオープンして人形を展示していました。

黒い板壁につけられた黄色いブリキの看板　昭和３０年代のレトロな雰囲気です。

例幣使街道にはこんな商店が並んでいます。この店は肥料屋さん

油屋傳兵衛　味噌屋さんです。創業天明年間の暖簾がかかっています。
栃木の散策はこれで終わりです。
余談ですが､実は隣町の私の実家の前も、この例幣使街道が通っていますが、街の雰囲気は全く違い､全然風情のない通りです。