東風吹かば　福澤アナが　本歌取り

2016/02/25 - 2016/02/25

　先日のプレパトで夏井先生が本歌取りの句を褒めていた。

「東風吹かば　富士まで届け　二十五里」 福澤　朗

　本歌取りとは誰でも知っている有名な句の一部を使って創作したものである。ドラゴンの好きなパスティーシュの一種ともいえるのだ。

　元の句は「東風吹かば匂いをこせよ梅の花　主なきとて春な忘れそ」という菅原道真の歌である。

　この句を夏井先生風に批評すれば「匂いをこせよと来て梅となれば誰が聞いても花でしょうよ。まさか梅の実を塩漬けにしたら梅干しになるなんて誰も考えないよ。だから『の花』は重複で要らないでしょ、これで３文字使えるわけよ。」

　まさか道真の句を添削したりしないだろうが、俳句の十七文字と違い短歌は三十一文字なので少しくらいの重複はいいのかも。

　さて、見頃を迎えたという新聞の記事を見て甲東梅林へ行ってみた。

　梅に因んで好きな句を紹介したい。

エリア 西宮・芦屋(兵庫)

• 旅行の満足度: 3.0

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 徒歩

　ドラゴンの一押は何といっても高校の教科書で習った「鶯宿梅」である。

　村上天皇の時、清涼殿前の梅が枯れたので紀貫之(きのつらゆき)の娘紀内侍(きのないし)の家の梅を移し植えたところ、枝に「勅なればいともかしこしうぐひすの宿はと問はばいかが答へむ」という歌が結んであり、天皇はこれに深く感じて梅の木を返したという、拾遺集・大鏡などにみえる故事である。

　和歌は万葉の時代から単に景色を歌ったものよりも、問いかけや返事の歌が面白い。

　梅と関係ないけど清少納言の「夜をこめて・・・」なども返歌の事情、中国の孟嘗君の故事など知らないと理解できない所が奥深い。

　少ない教養をついひけらかしてしまうドラゴンであるが、お気に入りの短歌を梅じゃないけどもう一つ紹介したい。　

　道灌が鷹狩に出て雨に遭い、蓑を借りようとしたとき、若い女に山吹を差し出され、怒って帰るのだが後でそれが『七重八重花は咲けども山吹のみの（実の・蓑）一つだになきぞ悲しき』という古歌『後拾遺集』を踏まえて「貧しきゆえにお貸しできる蓑すらございません」の意だと知り、無学を恥じたという逸話が好きである。

　さて、ここから梅の句ご紹介。

　「さやかなる月に掛かれる梅の花　切りたくもあり切りたくもなし」

　前にも紹介したが前句付けという遊び。下の七七に合う上の句を付けるというもの。

　「泥棒を捕らえてみれば我が子なり」と付ければ川柳風になる。

　「人はいさ心も知らずふるさとは 花ぞ昔の香ににほひける」　紀貫之

　「わが宿の梅のしづ枝にあそびつつ　うぐひす鳴くも散らまく惜しみ　」　万葉集

　「梅一輪一輪ほどの暖かさ」　服部嵐雪

　「梅が香にのつと日の出る山路かな」　松尾芭蕉

　「梅が香やどなたが来ても欠け茶碗」　一茶

　「梅の花 一輪咲いても 梅は梅」　土方歳三

　句の意味は誰もよく解らないらしい。

　写真が乏しいのでドラゴン時事旅行記のおまけだ。

　元祖イナバウアー。

　琴バウアーに決まり。

　身体が硬いドラゴンのドラバウアー。

　関係ないけどジャック・バウアー

　お後がよろしいようで。チャンチャン！

この旅行記へのコメント （4）

• ももであさん 2016/02/25 20:50:44

  追加

  アウトドア好きの熟年ドラゴンさんのこと、
  
  愛用のブランドは、エディ・バウアーなのでしょうねぇ。
  
  　｢ももであは　二足歩行も 猫は猫｣

  熟年ドラゴンさん からの返信 2016/02/25 20:55:19

  RE: 追加

  > 愛用のブランドは、エディ・バウアーなのでしょうねぇ。
  
  なるほど、その手もありましたね！　写真に苦労しそうですが。
  
  
  > 　｢ももであは　二足歩行も 猫は猫｣
  
  土方歳三の本歌取りというかパロディですね！

• ソウルの旅人さん 2016/02/25 20:05:41

  教養が香ります

  梅の花は上品な香りがします。
  今回の旅行記は今までにない教養の香りが
  匂い立っています。奥さんと一緒に行ったから？
  　ドラゴンさんの正体見たり教養人

  熟年ドラゴンさん からの返信 2016/02/25 20:59:57

  RE: 教養が香ります

  　北口の銀行へ二人で行ったついでに甲東園までチャリで散歩しました。
  
  　上ヶ原への坂は登れないので駅前からは歩きです。
  
  　大したことない岩場を凄い所のように写真にするのが楽しみなドラゴンですが、ネットで調べたことを自分の教養のようにひけらかすのは悪趣味かも。