和歌山：新宮から時計回りに高野山まで２泊３日

2015/05/15 - 2015/05/17

四国八十八ヵ所をまわらせていただいた御礼で高野山に行きたいと思っていた。去年が四国霊場開創1200年、今年が高野山開創1200年にあたり、ちょうど記念行事を行っている。
他にも和歌山には熊野古道や熊野三山などの歴史ある寺社、太平洋が作る自然景観、西国三十三観音札所といった見るべき場所が多くある。
およそ下記のような目的を定めて旅程を組んだ。

一日日：世界遺産熊野古道と紀伊半島の景観
二日目：寺院・札所
三日目：霊場高野山

エリア 和歌山

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 高速・路線バス レンタカー 新幹線 JRローカル 私鉄 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

和歌山への交通機関の選択は意外と難しい。
今回は新宮から入るので、三重を経由する深夜バスを選択した。
東京から９時間半と全く苦にならない。

新宮駅 駅

新宮駅から路線バスと徒歩で熊野速玉神社へ。
平日朝なので参拝客は少ない。

熊野速玉大社 寺・神社・教会

熊野速玉大社は世界遺産の一部。
境内は広い。拝観目安は20分。

熊野速玉大社 寺・神社・教会

その後レンタカーを借りて熊野古道大門坂を目指す。
新宮方面から18km、30分。
広い駐車場（無料）があるので利用。

熊野古道 大門坂 名所・史跡

木漏れ日の注ぐ中、大門坂の石段を登っていく。全長約1.5km。
ところどころ傾斜がきついが30分程度で登りきれる。

熊野古道 大門坂 名所・史跡

大門坂を登り終え、しばらく進むと左手に熊野那智大社の大鳥居がある。右に行くと青岸渡寺の入り口。

熊野那智大社 寺・神社・教会

朱塗りの本殿が美しい。
境内はやや広く、拝観目安は20分。

熊野那智大社 寺・神社・教会

那智大社からそのまま青岸渡寺の境内につながっている。こちらも世界遺産。
境内はやや広い。拝観目安は30分。
本堂内で御朱印をいただくことができる。三重塔の御朱印も同じ場所で申し出れば頂ける。

那智山青岸渡寺 寺・神社・教会

青岸渡寺の境内奥に三重塔と那智の滝を遥拝できる場所がある。
撮影スポットになっていて写真サービスもあり。

那智山青岸渡寺 寺・神社・教会

三重塔の近くからの眺め。
三重塔に登ってみる。

那智山青岸渡寺 寺・神社・教会

三重塔の回廊は転落防止と鳥よけのために網が張ってあるが、那智の滝が見える部分だけ切り欠いてある配慮。

那智の滝(那智大滝) 自然・景勝地

三重塔から約1km、那智の滝の近くまで歩く。

那智の滝(那智大滝) 自然・景勝地

滝の近くは飛瀧神社の境内になっていて、拝観料を払うと滝の近くまで行ける。落差と水飛沫が体感できる。

飛瀧神社 寺・神社・教会

那智山を離れ、約5kmで補陀洛山寺へ。
こちらも世界遺産の一部である。
境内に展示されている渡海船が有名な寺院である。
境内はあまり広くない。拝観目安は20分。
御朱印は本堂内授与所で頂ける。

補陀洛山寺 寺・神社・教会

補陀洛山寺から3km、勝浦漁港へ。
目当てはホテル浦島の日帰り入浴。
車は離れたホテルの駐車場に停め、そこからシャトルワゴンで港まで移動する。

しばらく待っていると、カメの形の浦島丸がやってくる。
カメに乗ってホテル浦島へ。航行時間約5分。

ホテル浦島はこのように海に面していて、船でないと入れないという変わった構造である。
今回は日帰り入浴だが、いろいろな種類の温泉があって館内はとても広い。

那智勝浦温泉 ホテル浦島 宿・ホテル

ホテル浦島にある洞窟風呂の一つ、玄武洞。
洞窟にそのまま温泉があるようなつくりで、洞窟の出口の目の前は海である。

那智勝浦温泉 ホテル浦島 宿・ホテル

もう一つの洞窟風呂が忘帰洞。
こちらも洞窟に作られた温泉で、玄武洞よりも広い洞窟口で海を眺められる。

那智勝浦温泉 ホテル浦島 宿・ホテル

ホテル浦島に2時間ほど滞在した後は、勝浦漁港にある「お食事処おがわ」で昼食。まぐろ丼をいただいた。

お食事処 おがわ グルメ・レストラン

勝浦漁港を離れ、紀伊半島を西へ。
11kmで玉ノ浦海水浴場の近くにあるぶつぶつ川に寄ってみる。
ここは日本一短い川。

ぶつぶつ川 (粉白川) 自然・景勝地

奥の看板部分が水源になっていて、写真手前がすぐ終点で他の川に流れ込む。
全長わずか13.5m。

ぶつぶつ川 (粉白川) 自然・景勝地

ぶつぶつ川から18km、道の駅くしもと橋杭岩へ。
ここは本州最南端の道の駅で、浸食でできた岩と波で運ばれた岩が作る独特の景観が眺められる。

橋杭岩 自然・景勝地

続いて潮岬灯台へ。
橋杭岩から8km。
本州最南端の灯台である。
駐車場、入館ともに有料。

潮岬灯台 名所・史跡

灯台からの太平洋の眺め。

潮岬灯台 名所・史跡

さらに北西へ70km、1時間半で三段壁へ。
遅くなったので、地下洞窟には入れなかったが、崖の上からの景観を楽しむ。

三段壁 自然・景勝地

三段壁の岩の上を散策してみる。
柵がないので、重大な決断をしてはいけない。

三段壁 自然・景勝地

さらに1km程度離れたところにある千畳敷へ。
場所が近いにもかかわらず三段壁とは違った景観が広がる。

千畳敷 自然・景勝地

岩が比較的軟らかいのか、風の侵食で曲線的な面を見せている。
バカな落書き（彫）が多いのが残念。

千畳敷 自然・景勝地

千畳敷から4km、円月島を見れるスポットへ。
円月島は、中央に洞穴が開いた岩島で、季節によっては洞穴にちょうど太陽が入って見える日の出日の入りが有名。
道路横に数台の駐車スペースあり。

円月島 自然・景勝地

円月島を道路から眺める。
日没が近く逆光になってしまった。
いつかあの間からの日の出を見てみたい。

円月島 自然・景勝地

本日の観光を終え、白浜にあるホテル十河に投宿。
ビーチに歩いて行けるなど非常に立地が良く、シングルでも広い和室をリーズナブルに利用することができる。

南紀白浜温泉　悟空 十河 宿・ホテル

ホテルから徒歩5分程度で白良浜に行ける。
日没後なので人もなく、暗くなってきたが、砂の白さはよくわかる。
シーズンになればものすごい人であふれるだろう。

白良浜 自然・景勝地

夕食は「八両」で和歌山ラーメン。
和歌山ラーメン、とくに大きな特徴は無いが昔ながらの醤油ラーメン。

ほんまもん 和歌山ラーメン めん盛屋 八両 白浜新地店 グルメ・レストラン

二日目の天気は雨。
まずは白浜から45km、道成寺を参拝。
階段を上った先の山門をくぐると広い境内が広がっている。
拝観目安は20分。
御朱印は宝物館受付の御朱印所で頂ける。

道成寺本堂 寺・神社・教会

37km北上し、紀三井寺へ。西国三十三観音第二番札所。
正しくは護国院と呼ばれる。山門をくぐった先の階段はかなり急で長い。
境内は広く、眺めがよい。
拝観目安は30分。御朱印は本堂内の御朱印所で頂く。

紀三井寺 寺・神社・教会

続いて22km、岩出にある根来寺。
新義真言宗の総本山である。
境内は非常に広く、散策が楽しめる。拝観目安は40分。
御朱印は光明真言殿の授与所で頂ける。

根來寺 寺・神社・教会

根来寺から10km、粉河寺。西国三十三観音第三番札所。
本堂は西国三十三ヶ所の中で最も大きいとされる。
境内は広い。拝観目安は20分。
御朱印は本堂内の御朱印所で頂ける。

粉河寺 花見

粉河寺から19km、慈尊院を参拝。
空海の母親の廟所寺院であり、国宝の弥勒仏が奉られている。
弥勒堂は世界遺産の一部。
弥勒仏は秘仏で普段は公開されていないが、期間限定で公開されていた。
弥勒堂向かいにある授与所で御朱印をいただいた。
本日の参拝は終了。

慈尊院 寺・神社・教会

翌日は高野山だが、近くにホテルがない。あるいは満室。
しかたなく岩出まで戻りホテルいとうに投宿。
非常に部屋数が多く、駐車場も広い。コンビニも徒歩圏内。
部屋はオーソドックスなビジネスホテルのシングル。

ホテル　いとう 宿・ホテル

３日目、橋本駅まで移動しレンタカーを返却。
ここから南海高野線、高野山ケーブルを乗り継いで高野山を目指す。

橋本駅 (和歌山県) 駅

高野山駅に到着。
高野山開創1200年の記念ということもあって相当混雑している。
駅のロッカーに荷物を預ける。

高野山駅 駅

駅からは南海りんかんバスでしか移動できない。
臨時バスが出るほどの混雑っぷり、道路も渋滞でバスは時間通りに運行できていなかった。
ただし、バスのカラーリングはgood。
千十院橋で下車。ここは高野山散策の拠点になる。

徒歩10分で金剛峯寺の境内へ。
かなり混雑。

金剛峯寺 寺・神社・教会

境内は見渡す範囲だが、広い本堂内を拝観できる。
拝観目安は30分。
納経印は本堂内納経所でいただく。30分以上の行列・・・。

金剛峯寺 寺・神社・教会

中庭の蟠龍庭。
配置された石は２頭の龍をあらわしている。

金剛峯寺 寺・神社・教会

金剛峯寺本堂から徒歩5分、壇上伽藍と呼ばれるエリアへ。
ここには巨大な根本大塔が聳えている。
その大きさには圧倒された。

壇上伽藍 寺・神社・教会

根本大塔のすぐ隣にある金堂。
根本大塔と金堂の納経印は壇上伽藍内の納経所で頂ける。
またも行列で30分待ち・・・。

壇上伽藍 寺・神社・教会

壇上伽藍から徒歩5分、霊宝館。
ここは高野山の文化財が展示されている博物館。
拝観目安は30分。拝観受付で納経印を頂ける。

高野山霊宝館 美術館・博物館

霊宝館から徒歩5分、大師教会。
こちらでは高野山真言宗のお授戒を体験することができる。
屋外の納経所で納経印をいただくことができる。

高野山大師教会 寺・神社・教会

大師教会から徒歩10分、徳川家霊台。
こちらは徳川家康と秀忠の御霊屋が奉られている。
拝観目安は20分。
目の前まで行って内部までじっくり眺められるのがよい。
拝観受付で納経印を頂ける。

このあとは最終目的地、奥の院を目指す。
バスが渋滞で全く来ないので、歩いていく。

徳川家霊台 名所・史跡

徳川家霊台から約1.5kmで奥の院の入り口へ。

途中に参拝したい塔頭寺院がたくさんあったが、時間がかなり無くなってしまったので今回は泣く泣くパス。

高野山奥の院 寺・神社・教会

奥の院に入ると観光客でにぎわっていた山内とは一変、雑音が無くなり空気が引き締まる。
ここが霊場であることを体感した。

弘法大師のお近くで御加護を受けるために、歴代の武将や偉人の供養塔が多く並ぶ。
武田信玄、勝頼の供養塔。

伊達政宗の供養塔。

石田三成の供養塔。

明智光秀の供養塔。

織田信長の供養塔。
御廟橋に最も近いところにある。

ここが御廟橋。
この先は撮影禁止。

御廟橋の先には灯篭堂があり、お経があげられている。
灯篭堂の裏には弘法大師の御廟がある。
ここが旅行の最終目的地。
無事に辿り着いたことと、四国八十八ヶ所をまわった御礼として般若心経をあげさせていただいた。

御廟橋手前にある納経所の行列は1時間以上。

りんかんバス（来ない）、高野山ケーブル（満員）、南海高野線（特急はとれず鈍行）で帰る。

高野山は開創1200年行事と日曜日が重なってものすごく混雑していた。本来霊場であり神聖な場所が観光地化しているのは納得しがたい部分もある。今回回りきれなかった場所は次回シーズンをずらして平日に来てみたい。

高野山ケーブル 乗り物