★ちょっと昔の日本　岩手県 −亀ヶ森牧場の山桜

2003/05/10 - 2003/05/10

岩手の遅い春の一日。
岩手県の太平洋沿岸、南北に細長い陸中海岸国立公園のちょうど中間地点の宮古。

宮古市内のソメイヨシノはもう終わっても、周辺の山々の中にひっそりと咲く山桜はこれから。

そんな春の一日、地元の人も知る人は少ないという山桜のありかを案内してもらいました。
まだ雪も溶け残る山と、やっと萌え始めた緑の中を歩いてみた５月の初め。

賑やかに人が見に来る場所じゃないのがちょっと残念…。

寒さの中のひっそりとしたお花見の風情を残しておきたいと思います。

表紙の画像は、白樺林を背に咲く山桜

エリア 宮古(岩手)

宮古市から車で田代（たしろ）という地名の集落を通って着いたのは、白樺林もある高原状の山の上。

お天気は今ひとつだけど、山桜はちょうど見頃になっていた。

近づいて行ってみると、カメラを構える人の姿がポツリ。

う〜ん、晴れていたらもっときれいだろうけど、北国の桜ってこんな感じのほうがいいかも。

普通は南に向って枝を伸ばすはずが、南側には風除けになる林がない。

北の風下に向って枝を伸ばす。

白樺の林もやっと新芽が出てきたばかりだね。

風が吹くとまだ寒い。

南側の斜面をちょっと下りて見上げてみる。

枝ぶりがガッチリごつい野生の桜。

近づいてみる。

誰に見せるわけでもないのに、この枝ぶりと花の色！

見る方向によって表情も少しずつ変わるのは、人の顔と同じ。

この角度からだと、花が付いていないように見える。

ここからだと満開！

空もちょっとうす青くなって、春を思わせる日差しがちらちらと。

白樺の萌え始めた緑と花の色。

車を停めた場所に戻ってきてみると、地元のおばさん数人がひっそりとお花見。

「こどすもそろそろがなぁ、どおもってきてみだっけぇば、まんかいだが。」
（今年もそろそろかなあ、と思って来てみたら、満開だ。）

山桜も見に来てくれる人がいたんだね。

山桜からまた少し行くと、小高い丘の上に≪亀ヶ森　１,１１２．４m≫の標識。

その向こうの林の陰には雪がまだ残る。


う〜、寒い！

この辺は荒涼とした高原の風景。

立ち枯れた木が怪獣のよう。

また曇ってきた空をバックにした白樺も、この辺はまだ芽が出ない頃。

山桜の大木はまだあるよ、と聞いていたその一本も花が咲いていた。


わ〜、奥に見える山にもまだ雪がある。

こっちの山桜は幹が直立。

近くによって見ると花は少なく見えるけど、こんな寒さの中ではこれが精一杯、かな。

そのあたりの林の中にも山桜の赤い花が咲き始めた。



ヤドリギが鳥の巣のように見える岩手の春浅い頃。