2026/10/18 - 2026/10/18
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旅猫さん
10月17日で、4トラベルに登録して二十年となった。それを記念して、大好きな鎌倉へと出掛けることにした。今回は、俳人高浜虚子の暮らした鎌倉で、俳句を詠みつつ散策する吟行とした。鎌倉には、『鎌倉俳句&ハイク』と言うものがあり、俳句を投句するためのポストがニ十ヵ所ある。投句された句は、四半期ごとに選句され、公表されている。選者は、虚子の血を引く高野椿氏と高野高士氏。郵送などによる投句は受け付けず、実際に鎌倉を訪れないと参加できないことが特徴だ。歩いたのは、山ノ内と扇ガ谷界隈。そして、今回の目的の一つである鏑木清方記念美術館へ至る道とした。
(2026.10.23投稿)
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
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地元の駅から、上野東京ラインの小田原行きに乗車。日曜日の朝だというのに、乗り込んだグリーン車は誰も乗っていなかった。結局、戸塚駅までの間、途中二人しか乗ってこなかった。
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戸塚駅で横須賀線に乗り換え、二つ先の北鎌倉駅で下車。駅舎は、ここ二十年ほど、ほとんど変わっていないようだ。
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とりあえず、駅近くの円覚寺に向かう。8時半過ぎだが、嘘のように静かである。やはり、鎌倉は朝が一番だ。
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円覚寺を訪れるのは、二十年以上ぶりである。今後訪れるか分からないので、御朱印をいただいた。境内に入り、まず目に付くのが大きな山門。天明五年(1785)に再建されたものである。寺院の山門は、三解脱門と呼ばれ、門を潜ることで俗世と切り離され、清い心身で本尊にお詣りすることが出来る。
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山門の先に、本尊をお祀りする仏殿がある。円覚寺は、鎌倉五山第二位に列せられ、本尊は宝冠を被った釈迦如来坐像である。元寇の戦没者を弔うため、鎌倉幕府八代執権北条時宗の開基により、無学祖元により開山された禅宗寺院だ。仏殿の天井には、白龍が描かれていた。
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仏殿の隣には、修行僧の修行道場である選佛場が建つ。
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さらに奥へ進むと、大方丈がある。唐門の脇から入ると、方丈前に百観音霊場と呼ばれる石仏が立ち並んでいた。
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その中に、躑躅が咲いていた。春と秋の二度花を付ける『若鷺』である。
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近くには、柿も色付いていた。秋らしい光景だ。
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さらに進むと、左手に妙香池と呼ばれる池が現れる。創建当時からある池だが、近年復元したものだそうだ。
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その奥に、国宝の舎利殿がある。かつて鎌倉にあった太平寺と言う尼寺の仏殿を移築したものだそうだ。正確な建築年代は分からないようだが、鎌倉時代末期から室町時代初期とされている。舎利殿は非公開で、門と屋根だけが望めた。※年三度の特別拝観があります。
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その先に、開基である北条時宗公の廟所がある。以前訪れた時は、外から眺めただけであったが、今回は拝観することにした。別途拝観料を払い中へ入る。開基廟と呼ばれるそれは、茅葺の優美な姿である。堂内には、時宗公の像などが祀られていた。
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その境内では、抹茶などもいただけるが、今回は遠慮した。
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眺めていると、枝垂れ桜の近くに小紫を見付けた。
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開基廟を後にし、最奥にある黄梅院に向かう。その手前に、白鹿洞と言う場所があった。開堂当日、ここから白鹿が群をなして現れ、無学祖元禅師の説法を聴いたと云われているそうだ。円覚寺の山号『瑞鹿山』は、ここから来ているそうだ。
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黄梅院を参拝。ここは、十五世無窓国師の塔所である。室町幕府二代将軍足利義詮の遺骨が分骨されているそうだ。境内では、咲き終わった紫陽花が、まだ色を保っていた。枯れ紫陽花も、とても風情がある。
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引き返し、国宝の洪鐘を観に行く。その鐘は、境内の高台に建つ弁天堂にある。急な階段を登り、その鐘を拝観する。正安三年(1301)に、時宗の子北条貞時により鋳造されたものだ。どっしりとした姿で、武家の都に相応しい剛毅さも感じる。
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弁天堂の脇には、かつて『洪鐘弁天茶屋』と呼ばれた茶屋がある。今でもあったが、経営が『航』になっていた。どんなものかと入ってみたが、驚くほど高額になっていた。
洪鐘弁天茶屋 グルメ・レストラン
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それでも、眺めは変わらない。遠くには、富士山も顔を出していた。
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注文したのは、抹茶とみたらし団子。小さな落雁が付いていたが、これで千三百円。抹茶単体で九百円、団子は六百円なので二百円引きだが、それでも高い。有名なフレンチレストランの経営となったので、仕方が無い。
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弁天堂の前にあった水鉢に、羊歯の葉が添えられ、なかなか綺麗である。
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円覚寺を後にし、山ノ内界隈へと歩いて行く。この辺りは、円覚寺の塔頭が立ち並び、寺町の風情がある。
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その途中に、コスモスが咲いていた。
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観光客とは無縁の場所なので、出会う人はほとんどいない。
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しばらく歩くと、山ノ内八雲神社に出た。室町時代に創建されたと伝わる山ノ内の鎮守である。境内からの眺望はなかなかであった。
八雲神社 (山之内) 寺・神社・教会
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近くには、中世の風情を伝える場所もあった。その中に、安倍晴明に関する晴明石なるものもある。安倍晴明は、平安時代の陰陽師であるが、鎌倉を訪れたという記録は無い。しかしながら、安倍晴明に関する史跡が鎌倉市内に点在しているのが不思議である。
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その裏手に、いくつもの石碑が置かれていた。周辺は、中世の祭祀が行われていたとも云われているので、少々不気味さもある。この中には、鎌倉で最大かつ最古の庚申塔もあった。
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そこから急な坂を降りて行くと、左手に隧道があった。面白そうなので入ってみると、手掘りのようである。
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潜り抜けると、横須賀線の線路わきに出た。振り返れば、中華風の門が付けられている。そこには、『好好洞』とある。かつてこの奥に『好々亭』と言う会席料理の店があり、その門だったらしい。
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近くの権兵衛踏切で横須賀線を渡る。
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その踏切脇には、白粉花が咲いていた。
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北鎌倉駅へと向かう通りを渡り、住宅街へと入る。この界隈も、観光客とは無縁の場所である。
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小袋谷川を小さな橋で渡る。鎌倉の川は結構澄んでいる。
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人がすれ違うのもやっとな道を選んで歩く。木造の電柱がまだ残っていて、思わず見上げてしまった。
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子供の書いた絵がブロック塀に飾られている。長閑な光景だ。
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広い道に出た。その角に、古い建物があったが、どこか綺麗である。見れば、『航』とある。何と、円覚寺の茶屋の運営を始めたレストランであった。どうみても高級であり。茶屋の値段が高くなるわけである。
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通りを渡り、再び住宅街の中へ入る。風情のある風景も残っているが、いかにもお金を掛けましたという立派な家や、高級そうな店もちらほらとあった。鎌倉も、住む人が変わってきているようだ。
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庭がある家も多く、柚子がたわわに実っている家もあった。
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道が突き当たり、駅前通りに出る。そこに、渋い喫茶があった。廃業しているのかと思ったが、現役のようだ。
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急に人が多くなり、車も多いので歩きづらい。そのまま北鎌倉の駅前を通り過ぎ、東慶寺へと向かう。石段の前まで来ると、山門が真新しくなっていた。少々立派過ぎて、東慶寺らしくないように感じる。境内へ塀ると、何と撮影禁止となっていた。四季の花が咲く美しい寺なので、とても残念である。ここで俳句を詠み、投句した。
東慶寺 寺・神社・教会
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浄智寺の前を過ぎ、道なりに歩いて行く。しかし、人が多過ぎる。そこで、途中から亀ヶ谷坂切通の方へと道を変える。それまでの喧騒が嘘のように静かになる。この切通は、昼でも薄暗く、街灯も点いたままである。
亀ヶ谷坂切通し 名所・史跡
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その途中に、やぐらのようなものが残っている。中世の墓だったのかもしれないが、風化しやすいので、今のような姿となったのだろう。
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そこを越えると、急な下り坂となる。この切通は、山ノ内と扇ガ谷を結ぶ重要な道であり、鎌倉七口の一つとされている。
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下り終えてしばらく歩くと、岩船地蔵堂が立つ辻に出る。この地蔵堂は、源頼朝の娘大姫所縁の御堂と云われている。
岩船地蔵堂 名所・史跡
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扇ガ谷は、静かな住宅街となっている。かつてほどではないが、今でも趣のある民家が残っている。
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流れる川は扇川である。海蔵寺から鎌倉駅の方へ抜ける道のため、そこそこ人は歩いているが、賑わうほどではない。
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寿福寺踏切の近くに、鎌倉特有の史跡案内が建っている。この扇ガ谷界隈は、関東管領扇ガ谷上杉氏の屋敷があった場所である。
扇谷上杉管領屋敷跡 名所・史跡
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横須賀線沿いに流れる扇川は、地元の方の尽力により、今では自然豊かな川となり、蛍も観られるそうである。
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寿福寺踏切を渡ると、向かいに立つのが英勝寺である。ここは、太田道灌の屋敷跡で、その子孫で、徳川家康に仕えたお梶の方所縁の寺である。境内には、江戸初期に建てられた堂宇が多く残り、見応えがある。何度か拝観しているので、今回は、外から眺めるだけとした。
英勝寺 寺・神社・教会
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寿福寺の前を過ぎると、八坂大神が鎮座する。千葉氏の庶流で、頼朝の家臣であった相馬師常が屋敷に勧請したと伝わる社である。師常は、相馬の野馬追で知られる相馬氏の初代である。
八坂大神 寺・神社・教会
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横須賀線を渡り返し、雪ノ下へと入る。この界隈は、鶴岡八幡宮や小町通にも近いため、表通りには多くの観光客が歩いている。しかし、一歩中へ入れば、静かであり、そこに佇むのが鏑木清方記念美術館だ。
鏑木清方記念美術館 美術館・博物館
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鏑木清方は、明治から昭和にかけて活躍した日本画家で、上村松園、伊東深水と並ぶ美人画の大家である。以前から気に入っていて、鎌倉に来た時にはなるべく立ち寄ることにしている。この日まで開催されている企画展に興味があったので、今回も立ち寄ることにしたのだ。
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ゆっくり二度鑑賞し、館内で、二句投句をした。通路脇に、秋明菊が咲いている。この季節、鎌倉の寺院などでよく見かける花だ。
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萩の花もまだ咲いていた。そう言えば、東慶寺では、竜胆の花がまさに見頃を迎えていて、とても綺麗であった。
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裏道を辿りながら鎌倉駅へと向かう。新建材の無粋な家が鎌倉でも増え、情緒が無くなってきているのが寂しい。
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裏道伝いも難しくなり、写真を撮るのをやめて、表通りを歩く。鎌倉駅が近付くと、物凄い人である。小町通は、大混雑していることだろう。時間は12時半過ぎ、早々に切り上げるのが、鎌倉の鉄則である。やって来た横須賀線に乗り、大船駅で上野東京ラインに乗り換え、今回の吟行旅を終えた。4トラ登録から二十年。昔と比べると、かなり変わってしまったが、これからも、細く続けて行ければと思っている。
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