2026/06/09 - 2026/06/10
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mom Kさん
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1970年代初め頃だった。敦賀か舞鶴からかももう確かでない。小樽までのフェリーがあると知った。夜遅く発ち、翌々日の早朝小樽港着。憧れた。
数年後、私好みのニュースで小さくても写真付き新聞記事が出た。「元銀行をホテルに。一部屋ごと世界の都市のイメージで異なるインテリア。」という内容だった。名前は、「北ホテル」だったと思う。まだ小樽を知らなかった頃。Parisにある小粋な同名ホテルとイメージが重なる。憧れた。・・・・全てが不確かな記憶になっている。もうこれらのことを思い出すこともなくなっていた。
雨竜に行かなくてはと思いながらも早二年が過ぎ、遠のいていくことが気がかりになっていた。“ゆき・ふる・さと”さんからの年賀状を読む。6月に行くと決めた。
どういうルートで行くか。旭川入りかそれともお気に入り釧路入りか。
そこで浮かんできたのは、北前航路。心に残る三國湊、曽々木、佐渡、鶴岡に続く海を通る。遠い日の憧れを実現するとき。やっと、やっと。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- 船 レンタカー JR特急 JRローカル 徒歩
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舞鶴港のフェリーターミナルまで、出航時刻に合わせた連絡バスがあると知った。大阪なんばから出る。京都からでなくても夜遅くだからありがたい。その予約電話は1か月前から。
この旅はバックパッカーになると決めていた。当日なんば高島屋から出て、この光景。ひさしぶりだから変わっているだろうとは予想し、早めに出かけて心斎橋筋を歩いてみようと思った。それが、“ヨーロッパ”ですか。
「いっそのこと道路をなくそう」と考えた大阪は、やはり御堂筋を創った都市構想の気概脈々。感激の旅の始まり。
早速、家族に写真を送ったら、「えっ?ヨーロッパ?」と返事が返ってきた。大阪高島屋 百貨店・デパート
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OCAT(普通に言って欲しい普通に。“難波バスターミナル”と。表意文字の伝統はどこに)とやらは、初めて。この苛立ち。私、もう疲れている?
観光案内所に行き、インバウンド客の後に並んだ。担当者は道順を地図に印を入れ、丁寧な説明付きでくださった。バックパッカーのおばさんはとても浮いていると自覚できた新しいランドマーク広場を横切った。
新聞を忘れていた。やむなく〇〇ビ〇に入ったものの目指す新聞は、ない。カップ麺、〇け〇さんがこよなく愛するブランド品がそばに並んでいる。2個だとお安くなる。フェリーは給湯設備があるだろう。小樽の宿に入るのも明日の夜、遅い。行動食にしよう。小銭を取り出す私に、インド系のレジお兄さん「ゼンブ、クダサイ。オツリワタシマスカラ。」とやや母語を引きずりながらも慣れた客さばきでトレイを示す。小銭入れを空っぽにした。彼、機械にそのトレイごと空け、返ってきた方が多いコインを返してくれながら。得意げに「ネッ!」と言った。旅が始まっている。
OCATとやらは、JR難波駅と並んでいた。予習しない人。
私は、“なんば”=千日前=高島屋!OCAT ショッピングモール
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連絡バス、予約番号506の指定席は1番。広い座席。定刻20時30分発車。乗客は寂しいほどの人数。二人連れは斜め後ろの一組だけ。ずっとおしゃべりしていたので分かった。高速を降りて舞鶴市内に入ると、途中三か所に停車。次々に降りていく。暗闇の停留所のこんな時間に?全員一人客。???
OCAT ショッピングモール
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定刻22:50の少し前に舞鶴港に着いた。終点のターミナルで降りたのは、三人。道路までも遠いターミナル敷地に立派なトラックが並び、係員の誘導で架け橋に進んでいく。私、飛行機の操縦士よりトラック野郎派だわ。
舞鶴フェリーターミナル (前島埠頭) 乗り物
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何も手続きしなくてもよいと言っても心もとない。チケット売り場には並ぶ人もいないので尋ねた。「そのまま上にお上がりください。スマホで乗船できます。」と返ってきた。乗船時刻は出航30分前。
私のような旅行客は少ない雰囲気。トランク持参も少数派。舞鶴フェリーターミナル (前島埠頭) 乗り物
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23:23 ツーリストSの私の部屋に入れた。ターミナルでの手持ち無沙汰も手伝って、見つけた機器で入室Code画面を印刷していた。これが大正解。鍵の代わりにスマホをかざさないと入れなかった。お風呂に行くのもウロウロするのもまるで鎖付きなんて真っ平。ちっとも便利とは思えない。私は紙派。
新日本海フェリー 乗り物
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OCATの建物手前で大きなスーパーマーケットの表示。地下に巨大食品売り場が現れ、しかもOCAT方面の矢印表示が見えた。安心してお買い物に勤しんだ。炭酸水2本とシークァーサーソーダにアサリご飯に帆立が乗っているお弁当にお寿司とサラダ。買い過ぎではありませんか。お腹が空いていたせいかも。
新日本海フェリー 乗り物
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この穴蔵感は楽しい。
乗船までの待合室の30分が長く、妙な静けさと殺風景さに疲れていた。案の定、“漁師弁当”を食べ終えた途端、歯磨きと洗面もそこそこにbed in。シーツのmakingさえもどかしく億劫だった。急降下で眠りに入った。体重増加の始まり。新日本海フェリー 乗り物
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深い眠りで目覚めてもまだ三時。窓のない部屋はこんな時にいい。もう一度難なく二度目の睡眠に入った。次は、7時前。さっぱりきっぱり目が覚めたが、やはり胸がもたれている。
サインはお風呂。遅ればせながらフェリーの探検探検。新日本海フェリー 乗り物
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もう一つ上の階にあった。
新日本海フェリー 乗り物
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反対側の向こうにジムが見え、もう勤しむ人が見えた。気持ちよさそう。
新日本海フェリー 乗り物
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ここがシネマの部屋。朝1本に午後1本上映。アニメ的でないのは、午後の部。「ミッション インポッシブル・・・・・」覚える気のない題名だが、これしか上映していないのだから仕方がない。トム・クルーズ主演なんだろうか。「トップガン」以来。彼より断然、相手役の女性の方が魅力的だったことしか覚えていない。
新日本海フェリー 乗り物
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開場一番に入った。
どこもかしこも上も下もピカピカ。
脱衣場で出会った婦人に朝の挨拶をすると、「新しいから気持ちがいいわねぇ。」と応じてくださった。白髪の美しい彼女は、見つめる私に「去年の11月にできたばかりなのよ。」と自分の船のように自慢する。新日本海フェリー 乗り物
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美しい船内を味わいましょう。
新日本海フェリー 乗り物
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そうそう、朝食レストランには行けない。食料を買いすぎていた。オニオンサラダは正解。身体が欲していた。鯖と椎茸表示の巻き寿司は、難波でお寿司屋さんに入りそびれたから買ったもの。空腹感はまだないが、常温では限界。
9時50分 船長さんの挨拶と船内放送が入った。「山形沖を通過中、波の高さ0.5m、気温17℃、18ノット(聞き間違いで28ノットが正しいと後で知る)12時に秋田沖を通過。」と伝えられた。新日本海フェリー 乗り物
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デザートは売店でチーズケーキアイスクリームを選んだ。映画の始まりまで海を見ていたい。
船内は広々空間。いろんなタイプの座れるコーナーがある。ここは外を向く高いカウンターとスツール。スマホを見る人ばかり。
江戸から戦前までは動く商社が行き交った海原。船旅といえば少年使節団の彼らこそ過酷で長い航路・・・新日本海フェリー 乗り物
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♂「お一人ですか」突然一つ向こうの片隅に座っていた男性から声をかけられた。
「初めて乗船」と応えると、彼は10回目で、太平洋側の苫小牧行のフェリーにもとても詳しい。お話は続くが、時計を見たら、とっくに映画が始まっている。その旨伝えて、申し訳ないが席を立って、上階に上がった。新日本海フェリー 乗り物
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午後2時47分の船の位置をパネルで確かめる。
案内所のカウンターで船長さんの挨拶で聞き逃がしたことを尋ねた。時速18ノットではなく28ノットだった。波の高さ0.5mは聞き取れた。穏やかな航海。
奥尻島を見ることができるかもしれない。新日本海フェリー 乗り物
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やはりあの手の映画は苦手。でも我慢し続けて観た甲斐があった。
核爆弾か何かの始動を解除しようと、黒人男性が鉄格子の中で格闘する場面。駆けつけた正義のエージェント=トム・クルーズ。なんとか彼のもとへ行き、助け出したい。でも鉄格子を外す時間も術もない絶体絶命。解除後の別爆発は確実。
そのとき男性が、言った。「このためにオレは生まれてきた。ここが、オレの居場所だ。・・・(覚えきれなかった部分)・・・人生は選択の連続だ。・・お前は(歯がゆく苦悩のトム・クルーズに)いつも正しい側にいた。・・・オレは後悔はない。」
その後のはらはらドキドキシーンは不要。(女性が退室したので、私も)そっと出て、上記のセリフをノートに書き留めた。これで、映画を観た満足感はできた。女性大統領と女性艦長の感情を秘めたcoolさも観た。新日本海フェリー 乗り物
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初めて甲板に出る。奥尻島が見えた。15:52
新日本海フェリー 乗り物
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とてもとても大きい島。想像を超えている。大学時代、隠岐の島に出かけたときも同じ気持ちになったもの。
島の感覚は、歩いて一周できるつもりが今でもする。
昔初めて奄美大島に行ったとき、ホテルのお迎えの運転手さんに「石を投げたら、海に届くと思ったでしょう。この間来島した若い女性が言ったんですよ。」と言われたことをよく思い出す。新日本海フェリー 乗り物
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レストランの閉店時間を知らせる二度目の船内放送が流れる。
開店時間は、朝も昼もとても短かい。お腹の都合などない。
閑散期だけだろうか、提供時間は1時間。
あと20分と言うので入ったら、オーダー性ですでに売り切れメニューが多い。
もう一つのテーブルセッティングのあるレストランは、予約制。全然使い勝手がよくない。
ラーメン系はパスだから、これになった。
〇け〇さんご用達のカップ麺があるけれど、一度はレストランを利用したい。
食事を済ませ、スカーフぐるぐる巻きで甲板にもどった。新日本海フェリー 乗り物
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神威岬が見えた。午後7時。
5年前の8月、家族みんなで出かけた旅。小樽のアンワインドホテルの部屋には我が家のTEENたちが興奮した夏。彼らは部屋から出ようとせず、私たちだけで街歩きができた。この海の上で思い出せるなんて、映画している気分。
あの灯台までの細い道を下っていく彼らの姿を眺めていた。 -
ここから見える神威岩を北前船の水主たちもこんなふうに眺めたに違いない。
新日本海フェリー 乗り物
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灯台の灯りがこちらを向いた瞬間
午後7時4分。
小樽港までは、まだ1時間40分ほど航海が続く。新日本海フェリー 乗り物
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すっかり暗くなった湾内をゆっくりゆっくり船は進み、それでも定刻より早く着岸。
出口に近いロビーで下船を待つ乗客人数を数えたら、22人だった。
ターミナルまでの長い通路の途中で、ガラス越しにさよならをする。
あんなに長く憧れていたのに・・・少し寂しい。少し。小樽港フェリーターミナル (勝納埠頭) 乗り物
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憧れ真っただ中の時代。
Tシャツの年号が眩しくて船内売店にて購入。Lサイズを選んだけれど。
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