2025/07/03 - 2025/07/22
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j-ryuさん
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★福島の四季折々の花や自然風景を紹介している
"福島・四季・彩々”は回を重ねPart,129になりました。
単独ネタにするには写真が少なかったり
あまり脈絡がないネタだったりですが、
それらを強引につなぎ合わせたのが“福島・四季・彩々”では
福島県の自然のネタと言う事以外に
はあまり共通点はありません。
今回も当町や周辺の玉川村、矢吹町、天栄村などに自生する
夏真っ盛りの野の花を中心にご紹介します。
今年の夏は全国的に猛暑続きの上、北陸や東北の
日本海側は極端な雨不足で農作物に大きな影響が出ています。
当地も農業ダムの貯水率が15%くらいまで低下し
渇水被害が心配されましたが、ギリギリの段階で降雨が続き
出穂期にはどうにか農業用水は行き届いたようです。
我が家は農家ではありませんが、農作物が不作だと
経済にも大きく影響を及ぼすので決して他人事ではありません。
里地の野の花を撮影しながらも農作物の作柄もチラ見しながら
農作物の成長や実りが順調だと嬉しく思える日々です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
-
★ 福島・四季・彩々・Part123~酷暑の候:Map1
(※Google mapに加筆)
◎岩瀬須賀川地域 Map
https://www.google.co.jp/maps/@37.2984253,140.2453268,15628m/data=!3m1!1e3?hl=ja&entry=ttu
貴重な山野草は残念ながら心無い一部の人によって盗掘されたり
踏み荒らされたりする事がるので
恐れ入りますが具体的な自生場所は秘密にさせて頂きます。 -
★ 福島・四季・彩々・Part123~酷暑の候:Map2
(※Google mapに加筆)
◎岩瀬・玉川地域 Map
https://www.google.co.jp/maps/@37.2460556,140.3599282,12725m/data=!3m1!1e3?hl=ja&entry=ttu&g_ep=EgoyMDI1MDYwNC4wIKXMDSoASAFQAw%3D%3D -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シデシャジン
今年も郊外の里山の林縁でシデシャジンが見頃になりました。
一度見れば絶対忘れないかなり個性的な花です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シデシャジン
◎シデシャジン( 四手沙参 /キキョウ科シデシャジン属)は
本州以南の林縁や森に広く分布しますが
自生地は限られ目にする機会は少ないようで、
神奈川や長崎では絶滅したとされています。
福島県では絶滅危惧種の指定はされていませんが
自生地はあまり多くありません。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シデシャジン
草丈は80cm~100cmと細長く
大きくなればなるほど
単独ではあまり自立せず他に寄りかかるよに成長します。
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シデシャジン
-
◆シデシャジンの日本レッドデータ
(※レッドデータ検索システムより)
https://jpnrdb.com/database/species/detail/13746/?s=%E3%82%B7%E3%83%87%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%B8%E3%83%B3
シデシャジンは17都県で絶滅危惧種に指定され
神奈川や長崎では絶滅種になっています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シデシャジン
四手とは神前にささげるリボン状の紙飾りや
神主さんがお祓いに使う紙かざりのことで
沙参はツリガネニンジン(キキョウ科)の中国名です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シデシャジン
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シデシャジン
花径は1.5cmほど
細いリボンがクルクルとカールしたような個性的な花ビラは
とてもキキョウの仲間には見えませんが
他のキキョウ科と同じように花ごと散る(萎れる)合弁花です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シデシャジン
雌雄同花ですが雄性先熟で、先にオシベから花粉が出ます。
メシベの柱頭は開花当初、紅色をした雄花期と
花粉が失活して柱頭が開き他の花の花粉を待ち受ける雌花期があります。
これは自家受粉を防ぎ、他の花の多様な遺伝子を取り込む巧妙な戦略です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:コウゾの実
町内の里山の林縁で真っ赤なに熟したコウゾの果実が実りました。
コウゾは和紙の原材料の一つなので名前は知っていると思いますが
そのコウゾの果実を知っている人は少ないと思います。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:コウゾの実
果実ができるのは姫楮(ヒメコウゾ)という種類で
「雄雌同株」の木だけに果実ができるそうです。
野生の果実の中では相当甘い部類ですが
食べたことのある人は少ないかも。
酸味が少ないのでレモン汁をかけて食べると美味しいです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:コウゾの実
◎コウゾ(楮、栲/クワ科コウゾ属)は
ヒメコウゾとカジノキの雑種であるとされ
別名、カゾとも呼ばれ和紙の原料としても使われます。
コウゾは樹皮から繊維を採って糸を作り、布を織るために使われ。
古代から日本各地で栽培が行われました。
樹皮の繊維は、麻に次いで長く繊維が絡み合う性質が強く、
その紙は粘りが強く揉んでも丈夫な紙となります。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ネムノキ
郊外棚田の土手で色鮮やかなネムノキが花盛りでした。
野生種とは思えないとても華やかな花です・ -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ネムノキ
ネムノキ(合歓の木/ネムノキ科orマメ科ネムノキ属)は
本州以南、東アジアに広く分布し里地~低山に自生します。
花はとても美しいと思いますがありふれているせいか
山野草愛好家はあまり注目しない花の一つかも。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ネムノキ
ネムノキは夕方になると葉と葉をあわせて閉じ、睡眠運動をします。
そのため日本語では眠(ねむ)または眠(ねぶ)の木と言い
中国ではその連想がもっと艶っぽく合歓と書くそうです。
合歓とは、男女が共寝する(愛し合う)ことで
漢語の『合歓』が『眠の木』の当て字にされ『合歓の木』と
書いてネムノキと読むようになったそうです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ネムノキ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ネムノキ
芭蕉の「奥の細道」の中に『象潟や雨に西施がねぶの花』という
句があります。
このねぶの花とはネムノキのことで西施(せいし)とは
中国の越王が愛した絶世の美女だそうな。
家臣は越王のあまりの溺愛に国を憂い一計を案じ
西施を宿敵の呉王に献じた。
越の策略にはまった呉王は案の定、西施の色香におぼれ、
政治を怠り、ついに内部から国が崩壊したそうです。
呉の滅亡後、西施は越に戻ったが越王が再び西施に溺れるのを案じ
家臣は西施を水に沈め暗殺してしまったそうな。
西施のあまりの美しいゆえの悲劇でしょうか・・・・ -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ネムノキ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ネムノキ
芭蕉は象潟に来て合歓(ねむ)の花を見、
その美しさと象潟のどこか悲しげな雨にけむる水景を
西施の悲劇を重ね合わせて呼んだと言われています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ネムノキ
ただキレイな花として見るだけでなく
西施の悲しい話や芭蕉の思いに馳せると
ネムノキの悠久の歴史が蘇るようです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ソバナ
町郊外の里山林縁でソバナが咲き始めました。
◎ソバナ(岨菜/キキョウ科ツリガネニンジン属)は
本州~九州の山地の林縁や渓流沿いなどに自生し
草丈は60~100cmほど、
花の大きさは2cmくらい。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ソバナ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ソバナ
蕎麦のような若菜を山菜として食べるので蕎麦菜という説もありますが、
山や谷の斜面(岨=そま)に自生するので岨菜が妥当かなと思います。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ソバナ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ソバナ
私の地域でソバナの多くは標高400m以上の山あいに自生しますが
街近くの里山に自生するのはとても貴重です。
佐賀、福岡、山口、千葉では絶滅危惧種1類、
東京では絶滅種になっています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ソバナ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ソバナ
ソバナはツリガネニンジン(釣鐘人参/キキョウ科ツリガネニンジン)と
似ますが(写真下)
ツリガネニンジンは里地~山地まで分布域が広く、
草原、土手、林縁など明るければ様々な場所に自生し、
草丈は大きいものは1.5mにもなります。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ツリガネニンジン
◎ツリガネニンジン(釣鐘人参/キキョウ科ツリガネニンジン属)は
日本全土に広く分布し個体により7月頃から咲きだし
遅いものは10月頃に咲く個体もあります。
根っこが朝鮮人参状、花が釣鐘型なのでツリガネニンジンですが、
いかにも植物学者が付けた名前って感じですね。
そもそも一般の人はいちいち根っこを掘り出して見る訳じゃないので
朝鮮人参に似ていると言われてもね~・・・・(ーー);。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ソバナ
ソバナの花期は一般的に晩夏~秋ですが
ここは里地なので開花が早いです。
花序下部の花が輪生し、雌しべが突出します。
また、ソバナは同じ釣鐘型でも末広がりの富士山型で、
ツリガネニンジンはドーム状の梵鐘型です。
ソバナの花色はほぼ薄紫ですが、ツリガネニンジンは白~紫と様々です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ヤブミョウガ
我が家の庭でヤブミョウガが花盛りになりました。
◎ヤブミョウガ(藪茗荷/ツユクサ科ヤブミョウガ属)は
一般的には関東以西~沖縄、東アジアの温暖で湿潤な場所に
自生するとありますが
福島県南部”の山あいにも自生しています。
このヤブミョウガはいわき市の渓谷沿いに咲いていた
ヤブミョウガの種を10粒ほど試しに蒔いてみたら
2年後に花を咲かせ、その後は寒さなど全く問題ないようで
毎年花を咲かせ実を実らせ気付けば群生して咲くまでになりました。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ヤブミョウガ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ヤブミョウガ&ミョウガ
ヤブミョウガは名前のように葉っぱがミョウガ(茗荷)に似ていて
半日陰の薮のような場所に自生するのでヤブミョウガと呼ばれます。
ミョウガと見比べるためにヤブミョウガの間に
ミョウガの葉を並べてみました。
たしかに言われなければ分からないくらいそっくりです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミョウガの花
でもミョウガはショウガ科ショウガ属で
ヤブミョウガはツユクサ科ヤブミョウガ属なので全く別物です。
当然、花も全く似ていません。
ミョウガはショウガ属なので花もショウガ(生姜)の花に
似ています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ヤブミョウガ
ヤブミョウガはこう見えてもツユクサ科です。
葉っぱは全然似ていませんが
花はなんとなくツユクサのような儚さを感じます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ツユクサ
◎ツユクサ(露草/ユクサ科ツユクサ属)は
日本を含む東アジア原産で、畑の隅や道端で見かけることの多い
一年生植物です。
雑鮮やかな青色の花は朝に咲き、昼にはしぼむ。
他のツユクサ属の植物と同様、雄しべは6本あり、
上側の3本、下側中央の1本、下側左右の2本で
形態が異なる特徴があります。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ヤブミョウガ
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◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ヤブミョウガ
7月頃になると茎の先端から花序をまっすぐ上に伸ばし、
白い花を咲かせる。
花には両性花と雄花があり、前者は白い雌蘂が目立ち、
後者は黄色い葯の付いた雄蘂が目立つところで判別できる。
白い花弁が 3枚、萼も白く 3枚、雄蘂 6本、雌蘂 1本で、
花冠の直径は 8mm 程度です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ヤブミョウガ
ヤブミョウガの自生地は関東以南とされますが
福島県南部にも自生しているし
中通りの我が家でも地植えで毎年芽生えて花を咲かせます。
かなり耐寒性はあると思うので
地球温暖化と共に自生の北限地が北上していく
可能性があると思います。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ヤブミョウガ
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◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ヤブミョウガの実
花が終わると初秋にかけて直径 5mm 程度の球状の実を付け、
若いうちは緑色で、熟すと濃い青紫色になる。
この種子のほか、地下茎を伸ばしても殖え、群生する。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
今年も茨城県との県境にほど近い塙町の山里に
シキンカラマツを見に行ってきました。
シキンカラマツは福島、長野、群馬、茨城でしか自生が
確認されていない貴重な山野草です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
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◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
シキンカラマツは図鑑やNet情報では長野、群馬、福島の
三県に分布とされますが、茨城県北部にも一部自生します。
山地の湿った半日陰などに生え、草丈は花序を含めると
大きいものは2mをゆうに越えます。
全草がカラマツソウ(唐松草/キンポウゲ科カラマツソウ属)に
似て花が錦のごとく美しい紫なので紫錦唐松と名付けられました。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
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◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
薄紫の花ビラに見えるのは萼(ガク)で、
他のカラマツソウの仲間は開花時に落下しますが
シキンカラマツは落下しないので、黄色いシベとのコントラストが
際立ってとても美しい花です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
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◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
◎シキンカラマツ(紫錦唐松/キンポウゲ科シキンカラマツ属)は
福島、長野、群馬の一部にしか分布しないとされてきた
絶滅危惧種1類ですが
福島県境の茨城北部でも自生が確認されています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
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◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
絶滅危惧種1類と言うと人間が容易に近づけないような
限られた場所のような気がしますが
福島県南部のシキンカラマツは案外人里近くで見られます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
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◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
シキンカラマツにハナビラは無く
ピンクに見えるのはガク(萼片)で
丸い蕾もピンクのガクに包まれているので
全体的にピンクの花に見えます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:シキンカラマツ
-
◆シキンカラマツの日本レッドデータ
(※レッドデータ検索システムより)
https://jpnrdb.com/database/species/detail/10781/?s=%E3%82%B7%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%84
日本レッドデータでは全国で4県しか絶滅危惧種に指定されていませんが
元々福島、長野、群馬、茨城の4県にしか
自生していないので実質的には全都道府県レベルで
とても貴重な植物です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カラマツソウ属
シキンカラマツの仲間で色鮮やかなのはシキンカラマツだけで
他のカラマツソウの仲間はやや地味と言うか渋めな花が多いです。
福島県で見られるカラマツソウ属は
左上◎カラマツソウ 右上◎ミヤマカラマツ
左下◎モミジカラマツ 右下◎アキカラマツ
がありますが、花色(ガクヘン&シベ)はみな白系で
萼片(ガクヘン)は開花と同時に落ちてしまうので
開花しているのは皆、オシベとメシベの集合体です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:メハジキ
町郊外の草むらでメハジキが見頃になってきました。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:メハジキ
◎メハジキ(目弾/シソ科メハジキ属)は
日本,朝鮮半島,中国に分布し路傍や原野に生育する2年生草。
日本では本州以南に自生します。
茎は四角く草丈は通常1mくらいですが,
大きいものは2mに達することもあります。
近年は北アメリカにも帰化しているようです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:メハジキ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:メハジキ
株全体に白毛を密生させ,
根生葉は卵状心臓形で長い柄をつけていますが,
花をつける頃には枯れてしまいます。
茎につく葉は深く羽状に裂けています。
花は淡紅色で葉の基部に数個ずつ段状につけ夏から秋に咲きます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:メハジキ
和名のメハジキは茎を短く切って目に挟み,
瞬きさせて遠くまで弾き飛ばす子供たちの遊びに由来し
「目弾き」が由来だそうですが、
当地でそのような遊びをしたことはありません。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:キセワタ
メハジキに良く似た花にキセワタがあります。
◎キセワタ(着せ綿/シソ科メハジキ属)は
北海道、本州、四国、九州、朝鮮半島、中国大陸(東北部・北部)、
ロシア沿海地方に分布し、山地や丘陵地の草原や草地に自生する多年草。
キセワタは広範囲に分布しますが、なぜか生育数は少ないようで
全国42都道府県で絶滅危惧種に指定されている貴重な山野草です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:キセワタ
キセワタの草丈は通常50~80cmほど
通常花期は8-10月。花は茎の先端の葉腋に段上に多数集まって、
輪散花序になって咲きます。
この形状は仲間のメハジキとそっくりなので
ぱっと見では見間違いしそうです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:メハジキ
ただメハジキは花序の先端は蕾の集合体で
花期の末期でないと開花していませんが
キセワタは花序の先端までほぼ同時期に開花します。
葉っぱの形も違います
メハジキの葉は深く羽状に裂けていますが
キセワタは深く羽状に裂けていません。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:メハジキ
漢方や民間薬にも利用され薬用には開花期の地上部を用います。
生薬名をヤクモソウ(益母草)といい,
漢方処方では芎帰調血飲や芎帰調血飲第一加減といった,
産後の体力低下や月経不順などの改善に使われます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:メハジキ
メハジキは秋に実った種がこぼれ発芽し上手くいけば
翌年開花する越年草ですが、
私の地域は冬が厳しいせいか種の多くは翌春発芽し
その年は根性葉だけで花は咲かず
冬越して翌年の夏に開花する2年草タイプがほとんどです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:メハジキ
暑さ寒さにも強く発芽率も良い丈夫な植物ですが
なぜか当町を含め近隣での分布は限定的です。
植物にはまだまだ謎がたくさんあります。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワミドリ
隣り村の山林の林縁でカワミドリが見頃になりました。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワミドリ
カワミドリ(河碧・川緑/シソ科カワミドリ属)は
北海道、本州~九州の山地、沢沿い、林縁など
やや湿り気のある場所に自生し
全草にシソ科独特の強い芳香があり
近づいただけでも香り漂っています。
名前の由来はよく分からないそうです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワミドリ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワミドリ
花の咲く頃に全草を刈り取って、陰干しにして乾燥したものを
生薬でかっ香と呼ぶそうです。
風邪の解熱、頭痛、消化不良、食あたりなどには、
かっ香を1日量10~20グラムを水0.5リットルで
半量まで煎じて3回に分けて服用する 。
吐き気、腹痛、暑気あたりなどには、かっこうを
5~10グラム水0.2リットルで煎じて服用します 。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワミドリ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワミドリ
花を順光で撮影すると、ごく普通のフジ色ですが
逆光気味に撮影するととても美しいアメジスト色に見えます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:キキョウ
町郊外の棚田の土手でキキョウが咲き始めました。
◎キキョウ(桔梗/キキョウ科キキョウ属)は
秋の七草の一つで
花付きの良い園芸品種が公園や家庭の庭にも植えられているので
見かける機会は多いと思いますが
野生種は激減していて、なんと43都道府県で絶滅危惧種や
希少種に指定されています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:キキョウ
野生種は園芸種に比べると1株当たりの花数は少ないですが
逆にその方が素朴で風情があるかも。
古来より日本人に愛され万葉集の中で「朝貌の花」と表記されているのは
桔梗とする説が最も有力なんだそうで
そんな由緒ある花が絶滅の危機なあるなんて寂しい限りですね。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:キキョウ
この棚田の土手では毎年見られますが
他では見る機会はかなり減ってきています。
里山の減少や荒廃も原因だと思いますが
キキョウの好きな環境は明るい林縁や土手、
でもそう言う場所は下刈りされやすく
たくましさが無いと生存できません。
キキョウは宿根草なので一度成長すれば翌年も見られるはずですが
種の発芽率が悪いのかあまり増えていきません。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:キキョウ
公園や日本庭園は一度植えれば明るい環境が保証されるので
毎年安定して花が見られるのだと思います。
野生種はこれだけ日本全国で絶滅の危機にあるのですから
野生種の種を採取し発芽させてから移植させるなどの
保護対策をしないと
そう遠くない将来幻の花になってしまうかも(-"-)。 -
◆キキョウの日本レッドデータ
(※レッドデータ検索システムより)
https://jpnrdb.com/database/species/detail/13766/?s=%E3%82%AD%E3%82%AD%E3%83%A7%E3%82%A6
キキョウは全国43都道府県で絶滅危惧種に指定されています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:キキョウ
キキョウの背後に咲いている朱色の花はフシグロセンノウです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:キキョウ
フシグロセンノウはキキョウほどでは無いものの
やはり18都府県で絶滅危惧種になっているので
キキョウとのコラボはますます見られる機会が
減ってくるかも。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:フシグロセンノウ
◎フシグロセンノウ(節黒仙翁/ナデシコ科センノウ属)は
本州~九州に分布し、
明るい林縁から薄暗い林床まで広範囲に自生します。
草丈50~80cm、花径4cm、花色は鮮やか朱色で
野生の花の中ではかなり目立つ色なので
咲いていればすぐ見つかります。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:フシグロセンノウ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:フシグロセンノウ
名前の由来は節は太く膨らんで紫黒色を帯び
“仙翁”は中国産のセンノウの花に似ているのからとの説と
京都嵯峨野の仙翁寺でたくさん見られたかの説があります。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:フシグロセンノウ
フシグロセンノウもキキョウと似たような環境を好みますが
圧倒的な違いはフシグロセンノウは下刈りに強い点です。
キキョウも早い時期に下刈りされたら脇芽が伸びて花を咲かせますが
ある程度育ってから下刈りされると
その年は花は咲かない場合が多いです。
フシグロセンノウはその点、ある程度育ってから下刈りされても
秋までには花を咲かせます。
なのでフシグロセンノウの方が断然子孫を残しやすい
強さを持っています。 -
◆フシグロセンノウの日本レッドデータ
(※レッドデータ検索システムより)
https://jpnrdb.com/database/species/detail/12384/?s=%E3%83%95%E3%82%B7%E3%82%B0%E3%83%AD%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%83%8E%E3%82%A6
フシグロセンノウは19都県で絶滅危惧種に指定され
長崎では絶滅種になっています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
町郊外の田んぼの土手でカワラナデシコが花盛りです。
黄色い花はオオキンケイギクかキバナコスモスなのかビミョウ。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
◎カワラナデシコ(河原撫子/ナデシコ科ナデシコ属)は
本州以南に広く分布し、
明るい河原や林縁、草地に自生します。
秋の七草の一つで、撫でたいほど可愛らしいので撫でし子と呼ばれます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
カワラナデシコは多年草なので基本的には同じ場所で
数年は見られますが花の出来栄えは年によってはかなり違います。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
-
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
里地里山型の花なので年によっては開花前に下刈りに遭い
見られない場合もあります。
人間の営みと関係ない自然でも基本的には生きていけますが
安定した明るい自然のままの草地が年々少なくなり
人間が定期的に下刈りするような土手と下刈りされない林縁の狭間で
なんとか生きている感じがします。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
黄色い花はキバナコスモスに見えますが
時期的に少し早い気がするし
オオキンケイギクにしてはハナビラのギザギザが少なめだし
葉っぱなんども詳しく見ないと判別が難しいです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ&ルドベキア
こちらの黄色い花は中心部が黒っぽいので
ルドベキアの仲間だと思います。
◎ルドベキア(キク科オオハンゴンソウ属)は
北米に30種ほどが分布している一・二年草、または多年草です。
多く栽培されるルドベキア・ヒルタは、秋まきし、
強く凍らせないように防寒して冬越しさせると、初夏から夏にかけて
黄や、赤茶、黄色に赤茶の模様の入った花を咲かせる一・二年草です。
春まきにしても夏に開花しますが、まくのが遅くなると、
開花は翌年になります。日当たりと水はけのよい場所を好み、
病害虫にも強い丈夫な植物です。
多年草のルドベキア・ラシニアタはオオハンゴンソウと呼ばれ、
特定外来生物に指定されて駆除の対象になっています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
キバナコスモスにしてもオオキンケイギクにしても
ルドベキアにしてもみな外来種です。
見る分にはピンクのカワラナデシコと黄色い花の
コラボは華やかでキレイですが
オオキンケイギクは特定外来生物なので
キレイなどとは言ってられません。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
上記のカワラナデシコのそばには
たくさんの花を咲かせてた群生がありました。
1つの大株ではなく、7,8本の株が寄り添って生えています。
カワラナデシコは大きくなると自立しにくくなり
寄り添うものが無いと倒れてしまいます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
秋の七草の1つであることから分かるように昔から観賞価値を認められ、
栽培も行われ、特に江戸時代には変わり花の栽培が盛んで、
古典園芸植物の一つともなっています。
しかし現在では江戸時代の品種はほとんど見られなくなり、
わずかに伊勢ナデシコと呼ばれる一群などが維持されています。
また、他のダイアンサス類の交配材料にも用いられます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
カワラナデシコにはエゾカワラナデシコやタカネナデシコなどの
近縁種がありますが見極めはかなり難しいです(^-^;。
苞が対なのがエゾカワラナデシコでそれ以上なのが
カワラナデシコと言う見極め方や
花ビラのフリルがエゾカワラナデシコやタカネナデシコは深く細かいと
されます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
カワラナデシコとエゾカワラナデシコの見分け方
〇分布:
エゾカワラナデシコ:中部地方以北。
カワラナデシコ:本州、四国、九州。
〇苞(ほう):
エゾカワラナデシコ:2対で十字に対生し、細長く先端が尖っている。
下部の1対が大きく、先が尾状に伸びる。
カワラナデシコ:3~4対で丸みを帯びて先端が尖る
(栗のような形状)。
〇萼(がく)の長さ:
エゾカワラナデシコ:2~3cm。
カワラナデシコ:3~4cm。
〇葉:
エゾカワラナデシコ:薄緑色。
カワラナデシコ:緑色。
花の大きさ:
エゾカワラナデシコ:直径約4~5cm。
カワラナデシコ:直径約3cm。
〇花弁の形状:
エゾカワラナデシコ:扇状で先端が細かく裂けており、
カワラナデシコよりも華やか。
カワラナデシコ:エゾカワラナデシコに比べて花弁の幅が狭い。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:エゾカワラナデシコ
(※下郷町中山風穴)
◎エゾカワラナデシコ(蝦夷河原撫子/ナデッシコ科ナデッシコ属)は
カワラナデシコの基準変種で,
本州中部以北,北海道に分布します。
花がやや大きく,色が鮮やかな傾向がある程度で
遠目にはカワラナデシコとの識別は難しい。
カワラナデシコには3-4対ある苞が,
2対しかないのがエゾカワラナデシコの特徴。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:エゾカワラナデシコ
(※郡山市ごれいびつ峠)
苞が2対しか無いのでエゾカワラナデシコだと思うのですが
エゾカワラナデシコ:扇状で先端が細かく裂けており、
カワラナデシコよりも華やか。
カワラナデシコ:エゾカワラナデシコに比べて花弁の幅が狭い。
などの特徴が全部当てはまるようには見えないし
ほんと判別は難しいです(--〆)。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:カワラナデシコ
でも植物の専門家でもないんだから
どっちがどっちでも写真的にはいいかも(^-^;。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
隣り村の山間部の棚田でなんと11年ぶりに絶滅危惧種の
ミズアオイを見つけました。
ただ前回ほど広範囲で復活したのではなく
3,4mの狭い範囲で見られました。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
広範囲じゃなくても11年振りに復活し
花を咲かせてくれたのはとても嬉しい事です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
◎ミズアオイ(水葵/ミズアオイ科ミズアオイ属)は
北海道~九州、東アジアの湿地、沼地、水田などに広く
分布する1年草で、草丈は20~40cm、花の大きさは2cmほど。
仲間のコナギ(小菜葱/ミズアオイ科ミズアオイ属)も
青い花でミズアオイと似ますが
コナギは草丈15cmほど、花は葉っぱの下の方で咲き
大きさは8mmほどしかありません。
花期もミズアオイより遅いです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:コナギ
こちらがコナギ
◎コナギ(小菜葱ミズアオイ科ミズアオイ属)は
東アジア全域に広く分布し、日本国内でもほぼ全土で見られ
水田などに自生します。
原産地は東南アジアで、そこから東アジア各地へ
水稲耕作の伝播ともに伝わったと考えられており、
日本のコナギも史前帰化植物と考えられています。
※史前帰化植物
稲作と共に渡来したと見られる植物
花じたいはミズアオイに似ていますが、
花序が短く葉っぱの下の方で咲きます
草丈15cm、花径1cm。
ナギ(菜葱)とはミズアオイの古名だそうで、
ナギより小さいのでコナギです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
ミズオアイは北海道、本州、四国、九州に分布し、
湖沼、水田、水路などに自生します。
国外では東アジアに分布。
かつては水田雑草としてよく見られたが、
水路の改修や除草剤の使用などによって生育環境が悪化し、
個体数が激減しています。
しかし、近年ではスルホニルウレア系除草剤に対する
抵抗性を持ったミズアオイやコナギが全国的に増加しつつあるそうです。 -
◆ミズアオイの日本レッドデータ
(※レッドデータ検索システムより)
https://jpnrdb.com/database/species/detail/15266/?s=%E3%83%9F%E3%82%BA%E3%82%A2%E3%82%AA%E3%82%A4
ミズアオイがスルホニルウレア系除草剤に対する抵抗性を持った個体が
見られるようになったとは言えなんと42都道府県で
絶滅危惧種の指定を受け、東京、神奈川、奈良、和歌山、高知
宮崎、長崎、沖縄では絶滅種になっています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
東日本大震災の津波によって被害を受けた沿岸域では、
地盤の沈降や浸食によって、整備された農地などであった土地に
池や湿地が出現し、生育環境が悪化して姿を消していた植物が
出現した例が報告されています。
福島県、宮城県、岩手県の3県では、
国の準絶滅危惧種であるミズアオイが復活した場所が
40カ所報告されています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
この隣り村の自生地は内陸なので地震や津波の影響は
受けませんでしたが東日本大震災の翌年に花を咲かせたんです。
なぜでしょう?
それは、福島県の一部は東日本大震災の際の福島原発事故で
放射能物質により大なり小なり土壌が汚染されたため
土壌の入れ替えや天地返し耕作をしました。
この自生地も少しでも放射能物質の影響を少なくしようと
田んぼをいつも以上に深く耕作し
上の土と下の土の入れ替え作業(天地返し耕作)をしました。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
その天地返し耕作により地下深くで眠っていた種が
地表近くに出てきて、発芽条件が揃い
2012年の夏にうん十年ぶりに花を咲かせたわけです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
その後、2年くらいは花を咲かせましたが
2014年を最後に再び休眠状態になり
花を咲かせることはありませんでした。
ところが、今年はその近くで土木工事があり一部の谷地が耕作され
11年振りに花を咲かせたんです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
おそらく再び休眠してしまうのは
田んぼと言う性質上、いくら美しいミズアオイとは言え
農家からすれば田んぼの栄養を横取りする雑草なので
草取りや農薬の散布で除去されてしまいます。
花を咲かせ種がこぼれる前に除去されれば、
ミズアオイは1年草なので当然翌年は花は咲かなくなります。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
ミズアオイは一年草で種子の一部は簡単には発芽せず
土の中で埋土集団(シードバンク)を形成するんだそうです。
環境の変化で一旦は姿が見えなくなっても
生育していた場所の土壌を耕したり変化があると、
再生復活することがあるそうです。
明るい沼地は生存競争が厳しくヨシのような背丈の高い植物が繁茂すると
ミズアオイのような背丈の低い1年草は生育が困難になるので
一部の種を泥の中で休眠させ再生復活の時期を
待っているのだろうと言われています。
津波の被害に遭った沿岸の田んぼも皮肉にも津波という災害で
田んぼが大きく攪拌され生育条件が揃い復活したと思われます。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ミズアオイ
◎土壌におけるシードバンクとは
多くの植物の種子には休眠性があり、土の中で長い間生存し、
発芽のチャンスを待つことができます。
このような種子の集団のことを埋土種子、
あるいはシードバンク(seed bank)と呼びます。
シードバンクがあれば、たとえある時期に地上での光をめぐる競争で
排除されても、別の時期に再生できる可能性があります。
また、長い時期の間には様々な環境が訪れるので
発芽のタイミングをずらすことで共存が可能になります。
大賀ハスや古代ハスなどもそのシードバンクの種が復活した例です。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:バアソブ
我が家の庭でバアソブが見頃になりました。
バアソブは28都県で絶滅危惧種に指定され
我が福島県では危険度が一番高い絶滅危惧種1類です。
つまり野生では中々お目にかかれない貴重な山野草と言うことです。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:バアソブ
近年、福島県での自生報告は殆ど無く
私も今までずっと見たことがありませんでした。
ところが、メルカリに種が出品されていたので
ダメ元で5年前に種を買い求め蒔いてみました。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:バアソブ
発芽はしましたが、その年は20cmくらいで秋を迎え
地上部は枯れてしまいました。
バアソブは多年草なので問題無ければ翌春に再び発芽するはずです。
翌春に期待通り発芽はし大きく成長しましたが
残念ながら花は咲きませんでした。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:バアソブ
花が咲いたのは種を蒔いて3年目の夏でした。
それからは3年連続で花を咲かせています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:バアソブ
◎バアソブ(婆そぶ/キキョウ科ツルニンジン属)は
北海道~九州に自生するキキョウ科の蔓性の多年草。
山地の林内や林縁で稀に自生し、日本以外では朝鮮半島や中国東北部、
ロシア沿海部のウスリー地方に分布します。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:バアソブ
バアソブという不思議なな名は木曽地方の方言に由来し、
「老婆のそばかす」を意味します。
これは別名をジイソブという近縁のツルニンジンに対する命名。
いずれも花にある斑点模様を年寄りのソバカスに見立てもので
バアソブの方がジイソブ(ツルニンジン)より小型でなので
「婆そぶ」になったそうです。 -
◆バアソブの日本レッドデータ
(※レッドデータ検索システムより)
https://jpnrdb.com/database/species/detail/13756/?s=%E3%83%90%E3%82%A2%E3%82%BD%E3%83%96
バアソブは28都県で絶滅危惧種にしていされ
愛知県では絶滅種、我が福島県や宮城県など
14都県では一番危険度の高い絶滅危惧種1類に指定されています。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:バアソブ
バアソブとジイソブの違い
◎ジイソブの正式名はツルニンジン
花の大きさ(長さ)は4cm、
花径は2.5cmほど。
花色は表面は白~黄緑色
葉は表裏ともほぼ無毛
花期は8月~10月
種子には翼があり風に乗って飛ぶ
◎バアソブ(別名ヒメツルニンジン)
花の大きさ(長さ)2~3cm
花径は1.5cm~2ccm
花色は表面は白~黄緑、紫色
内側は白~紫色で筋模様や斑点
葉の裏と縁に白毛が多く
種子には翼が無いので風で飛ばない。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:バアソブ
下記のツルニンジン(ジイソブ)とぱっと見はそっくりですが
全然違うのは花の大きさです。
それぞれ個体差はあるものの
バアソブはジイソブの1/2から2/3と
かなり小さい。
写真では分かりにくいですが、実物を見れば
バアソブは手の親指の第一関節くらいしかありませんが
ジイソブは足の親指くらいあるので
すぐ分かると思います。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ジイソブ(ツリガネニンジン)
こちらがジイソブこと、ツルニンジンです。(※2024/8/26撮影)
同じ地域ならバアソブの方が早く開花します。
◎ツルニンジン(蔓人参/キキョウ科ツルニンジン属) (8/25撮影)
ツルニンジンは、茎がツルになり、
根が高麗ニンジンに類似していることからキキョウ科ですが
ツルニンジンと呼ばれ韓国、日本、中国などに分布しています。
ツルニンジンの花色は外側は白~黄緑色
内側小豆色が多く濃い色から白っぽい色まで様々。
筋模様や斑点があります。 -
◆福島・四季・彩々~酷暑の候:ジイソブ(ツリガネニンジン)
日本では食材としてはあまり馴染みのないツルニンジンですが
韓国では根や葉を滋養のある山菜として食べるそうで、
朝鮮王朝時代の宮廷を舞台とした有名な韓流ドラマ
「チャングムの誓い」にも食材として登場していたそうです。
日本では貴重な山野草なので根こそぎ採取するなどもってのほかですが
韓国は伝統的な食材として栽培しているそうです。
これで◆福島・四季・彩々・Part123~酷暑の候はお仕舞です。
いつも最後までご覧下さりありがとうございます。
ではまた。 j-ryu
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